国賊論 :適菜収 (安倍晋三と仲間たち) |
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この本は、いまから4年前の2020年に刊行されたものだ。 「国賊」とは、「国を乱し世に害を与える者。国家に仇する者」、だそうである。 そして、この本の著者は「安倍晋三は国賊である」と断罪する。 なかなか激しい安倍批判の連続の内容である。 この本を読んでみて、「憲法の破壊」「公文書改ざん」「隠蔽」「捏造」など、安倍政権 時代のいろいろなデタラメぶりを思い出し、あらためて驚かされた。 結局、安倍政権のやったことをひと言で言えば「国家の私物化」であったと言っても言い 過ぎではないだろう。 この本を読んで、「政治の目的」とは何かということを、改めて考えさせられた。 安倍晋権の最大の過ちは、この「政治の目的」を完全に取り違えてしまっているところに あったのではないのかと思えた。 安倍晋三元総理は、「総理である自分」がイメージする国づくりを実現ことが政治である と思っていたようだ。 なぜなら、安倍氏はその著書「新しい国へ」で、「わたしが政治家を志したのはほかでも ない、わたしがこうありたいと願う国をつくるためにこの道を選んだのだ」と述べている からだ。 そして、そのためには、今の国のかたちを壊してもいいのだ。逮捕されるようなことさえ なければ、どんなことも、どんな姑息な手段でも、躊躇することなくなく行っていいんだ という考えの持ち主だったように見えた。 なぜならば、自分は正しいことをやっているのだ。自分のやっていることは正義なのだ。 そう強く思いこんでいたようだからである。 しかし、政治の目的とは、ときの権力者がその権力を用いて、強制的に権力者個人の理想 とする国づくりを実現することなのだろうか。 もしそうだとすれば、ヒトラー、スターリン、毛沢東などは、すばらしい政治を行ったこ とになる。 われわれ一般の国民が政治に期待するのは、われわれ一般の国民の側に立った政治だ。 弱者に寄り添う政治だ。ある特定の政党や特定にイデオロギーにこだわっているわけでは ない。 われわれ一般の国民の側に立った政治であるならば、それが自民党であろうと、立憲民主 党だろうと、あるいは日本共産党であろうといいのだ。 よくメディアは、特定の支持政党を持たない有権者を「無党派層」などと、いかにも政治 に無関心な有権者のような呼び方をするが、「無党派層」こそ真っ当な有権者であると私 は思っている。その時々に、われわれ一般の国民の側に立った政治をやってくれそうな政 党を真剣に選んで投票するのが「無党派層」なのだ。決して、「無党派層」だからといっ て恥じてはならないし、政治に無関心な有権者などと決めつけてもらっては心外なのだ。 さらに言えば、われわれはともすれば強いリーダーシップを求めがちである。 しかし、それは反面、非常に危ういことでもあるということを認識すべきだろう。 「決められない政治」を求めすぎた結果、安倍政権が誕生したとも言えるのではないか。 民主主義政治とは時間がかかるものであることを理解しなければならない。 そしてわれわれ国民は、政治が少しずつ変えていくことを辛抱強く待つ忍耐も必要なのだ ろう。政治は、パソコンやスマホを簡単にリセットするようなわけにはいかないのだ。 過去に読んだ関連する本: ・美しい国へ ・悪だくみ ・安倍政権のメディア支配 ・安倍政権とは何だったのか |
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はじめに ・国賊とは何か? 日本国語大辞典によると、「国を乱し、世の害を与える者、国家に仇する者。国敵」と ある。 ・安倍晋三は、国を乱し、世に害を与えてきた。文字どおり、定義どおりの国賊である。 安保法制騒動では憲法破壊に手を染め、北方領土の主権を棚上げし、不平等条約締結に 邁進。 国のかたちを変えてしまう移民政策を嘘とデマで押し通し、森友事件における財務省の 公文書改ざん、南スーダンPKOにおける防衛省の日報陰蔽、裁量労働制における厚生 労働省にデータ捏造など、一連の「安倍事件」で国の信頼性を完全に破壊した。 安倍は、水道事業の民営化や放送局の外資規制の撤廃をもくろみ、皇室に嫌がらせを続 け、「桜を見る会」問題では徹底的に証拠陰蔽を図った。 ・要するに悪党が総理大臣をやっていたのだ。 この究極の売国奴・国賊を支えてきたのが産経新聞をはじめとする安倍礼賛メディアで あり、カルトや政商、「保守」を自称する言論人だった。 「桜を見る会」には、統一教会の関係者、悪徳マルチ商法の「ジャパンライフ」会長、 反社会勢力のメンバー半グレ組織のトップらが呼ばれていたが、そこには安倍とその周 辺による国家の私物化が象徴的に表れていた。 ・安倍は憲法改正について、「決してたやすい道ではないが、必ずや私の手でなし遂げて いきたい」と表明。 「私は立法府の長」と国会で四回も言ったバカなので今に始まった話ではないが、自分 の役職や機能すら理解していない。 さすがに党内からも「憲法改正は国会が発議すべきもの」との声が上がったが、もはや 末期症状である。 ・バカがバカを支持すれば、当然バカな国になる。 これは「第二の敗戦」だ。 結局、日本人は先の大戦で何も学ばなかったのだ。 危機を感知する能力を失った。 そして戦後の対米追従と平和ボケのなかで、過去の亡霊の復活を許してしまった。 ・どこの国でも事情は同じだ。 日本も広告会社によるマーケティングとプロパガンダで政治が動いている。 その背景にはニヒリズムがある。 議論によって相手を説得し、合意形成を目指すよりも、社会に一定の割合で存在するバ カの動向をマーケティングで探り、プロパガンダにより「ふわっとした民意」をすくい 上げたほうが手っ取り早いと考える連中が、政権中枢にもぐり込んだ。 これを露骨にやったのが小泉政権におけるB層(構造改革に肯定的なバカ)戦略だった。 騙すバカと騙されるバカの自転車操業。 こうして平成の30年間にわたる政治の劣化と制度破壊の成れの果てが安倍政権だった のだと思う。 ・「保守」「ナショナリスト」がナショナリズムを解体するグローバリストの安倍を礼賛 する一方、頭の悪い一部の左翼は「戦後レジーム」を確定させた安倍を「戦前回帰の復 古主義者」と誤認する。自分の世界観に合わせて、都合よく現実を解釈するわけだ。 ・私は「国賊」という言葉は安易に使うべきではないと思う。 これは、都合の悪い人間にレッテルを貼るために使われてきた。 例えば戦時中に戦争に反対すると「国賊」「売国奴」「非国民」と罵倒された。 しかし、戦争に反対することが、国家に仇するとは限らない。 それどころか、無謀な戦争は国を滅ぼす。 ・言葉は厳密に定義し、かつ正確に使わなければならない。 私は安倍を罵倒するために「国賊」と言っているのではない。 事実として、国を乱し、世に害を与えてきた者について考えていく上で、正確な言葉を 選んだだけである。 安倍晋三論 ・2013年に安倍は「(日本は)シンガポールに追いつき、できれば追い越したい」と 発言している。 安倍が目指しているのは、外国資本と移民を呼び込み、外人メイドに子育てをさせ、 主婦を労働力として駆り立てるような社会、シンガポールのような人工国家、独裁国家 である。 ・短いスパンでしか歴史を見ていない人は、「安倍が日本を悪くした」と言うが、平成元 年にすでに火種は仕込まれており、その流れに沿って「小沢一郎」が「日本改造計画」 を書いたり、小泉劇場や民主党政治が出てきた。 安倍は最後の総仕上げとして、すでに傾いた日本を、地獄に突き落としたのだ。 戦後レジームからの脱却を謳いながら戦後レジームを確定させ、トランプやプーチンの ケツをひたすら舐め、戦後の腐敗を集約し、国家の根幹に火を放った。 ・それを象徴するのが、2015年の安保法制騒動における首相補佐官・「礒崎陽輔」の 「法的安定性は関係ない」という発言だったと思う。 ・「日本改造計画」は小沢の考えをベースに、「御厨貴」、「飯尾潤」、「伊藤元重」、 「北岡伸一」といった学者が協力して書いたものである。 そこには、新自由主義的な経済改革、貿易自由化の推進、首相官邸機能の強化、軍事を 含めた積極的な国際貢献、政権交代のある二大政党制を可能とする政治改革(小選挙区 制の導入)などを提唱。 ・要するに、熟議や合意形成を重視した保守政治をぶち壊し、権力を集中させ、一気に世 の中を変えてしまおうという発想だ。 理念による社会設計、合理的な国家の改造。要するに極左の発想だ。 安倍はよく吉田松陰の名前を出すが、革命気取り、テロリストもどきが、政界に蔓延る ようになってしまった。 ・無知と忘恩。伝統の軽視。古くなったら、壊して、新しいものをつくればいい。 矛盾が発生したら、ルールを変えればいい。 こうした自分が何に守られているかを自覚できない人々が、改革の名のもとに破壊活動 を繰り返してきた結果、われわれがたどり着いたのは理想社会ではなく、嘘とデマがま かり通る異常な社会だった。 ・小選挙区制度は、二大政党制に近づく。 死票が増え、小さな政党には不利に働く。 政治家個人の資質より党のイメージ戦略が重要になるので、ポピュリズムが政界を汚染 するようになった。 ・党中央の権限が強くなった結果、ひたすら党に媚びへつらう思考停止した議員ばかりに なった。 下手に歯向かえば、次の選挙で公認をもらえないどころか、刺客を送られる。 これを露骨にやったのが小泉政権だった。 小泉は「自民党をぶっ壊す」と言ったが、自民党と一緒に議会主義も常識も政治のプロ セスもぶっ壊した。 ・この30年にわたり、連中は大衆の心の一番汚いところに訴えかけた。 「官僚や公務員はけしからん」 「あらゆる規制を撤廃して、既得権益を持っている連中を懲らしめろ」 と騒ぎ立て、一部の人間が別の型の利権を手にしてきた。いわゆる構造改革利権である。 ・また、これは平成になってからの傾向だが、選挙で洗礼を受けて政権を得た以上、それ は期間を区切られた独裁と捉えるべきで、権力を集中させてトップダウンでやるべきだ という発想が蔓延るようになった。 政治はスピードが必要であり、文句があるなら次の選挙で落とせばいいというわけだ。 目立つところでは、小沢一郎が言い出し、菅直人や安倍もほぼ同じ発言をしている。 ・もちろん、大間違いだ。 選挙は党に全権を委任するものではない。 第一党がやりがい放題できるなら、議会は必要ない。 そこで求められるのは議論である。 多数が正しいという保証はないからだ。 ・「ジョン・アクトン」は「権力は腐敗する。専制的権力は徹底的に腐敗する」と言った。 権力の一元化は地獄しか生み出さない。 ・橋本龍太郎は「行政改革」「財政構造改革」「経済構造改革」「錦秋システム改革」 「社会保障構造改革」「教育改革」の六大改革を独断で打ち出し、特に行政改革は「火 だるまになってもやる切る」と発言。このときの橋本がまいた火種により、日本は火だ るまになっていく。 ・橋本は首相直属の「行政改革会議」を設置。財界人や学者をメンバーにして、官僚や官 僚出身者を排除した。 ・首相権限強化を伴い内閣機能の見直し、公務員定数の削減など「行政改革会議」におい て決定。 さらに消費税率を5%に引き上げ、赤字国債発行、公共事業、社会保障費、防衛費を削 減した。 これで景気は完全に悪化。 橋本は生前「緊縮財政で国民に迷惑をかけた」と謝罪している。(2013年10月) ・取り返しのつかなくなった後で騒いでも無駄である。 結局、目の前で発生している現象が見えないボンクラが国を滅ぼすのだ。 政治の腐敗、権力の集中、小選挙区制の弊害。 平成30年間の「改革」のどんちゃん騒ぎの末路が、今の安倍政権であるとしたら、こ れからはその報いを受ける時代になる。 自業自得。 これはメディアを含めて、日本国民の責任だ。 ・この30年間にわたり、構造改革による国の解体を急激に進めてきた連中がいる。 彼らは政治に寄生する形で、自分の利権を確保してきた。 そして思考停止した社会のなかで、複数の宗教団体や外国に力を借りながら、日本を乗 っ取ってしまった。 半日勢力、売国勢力がいつも同じ衣装をまとっているわけではない。 連中もそれほどバカではない。 それに気づかないのがネトウヨや自称「保守」という情弱である。 ・すでにメッキは剥がれているが、安倍は保守ではなくて、構造改革論者のグローバリス トである。 ・外国勢力が放送を乗っ取るようにお膳立てしたのも安倍だった。 放送法四条の天拝を目指した放送制度改革で、安倍は、外資が放送局の株式を20%以 上保有することを制限する規定の撤廃を目論んでいた。 水道種子法事業を売り飛ばそうとしたり、種子法廃止を押し通したり。 ロシアにカネを貢いだ上、北方領土の主権を棚上げ、日韓基本条約を蒸し返して韓国に 10億円を横流しした。 「移民政策はとらない」と大嘘をつきながら、国の形を完全に変えてしまう移民政策を 推し進めた。結果、日本はすでに世界第四位の移民大国になっている。 ・憲法第九条第一、二項を残しながら、第三項を新たに設け、自衛隊の存在の明記をする という意味不明の加憲論により、改憲派が積み上げてきた議論を全部ぶち壊した。 さらには、震災の被災者の方々に寄り添う天皇陛下のものまねをして、茶化して見せた。 ・大事なことは、安倍には悪意すらないことだ。 安倍には記憶力もモラルもない。 善悪の区別がつかない人間に悪意は発生しない。 歴史を知らないから戦前に回帰しようもない。 恥を知らない。 言っていることは支離滅裂だが、整合性がないことは気にならない。 中心は空っぽ。そこが安倍の最大の強さだろう。 中味のない人間は担がれやすい。 ・ナチスにも一貫したイデオロギーはなかった。 情報機関は常に大衆の攻撃の対象を用意し、社会に鬱積する不満やルサンチマンをコン トロールする。 大衆と権力機構の直結。 20世紀以降の「悪」は純粋な大衆運動として発生する。 ・空気を醸成するためのテンプレートはあらかじめ用意される。 「安倍さん以外に誰がいるのか」 「野党よりはマシ」 「批判するなら対案を示せ」 「上から目線だ」 ネトウヨはこれに飛びつき拡散させる。 ・ちなみにネトウヨは「右翼」ではない。 単に日々の生活の不満を解消するために、あらかじめ用意された「敵」を叩くことで充 足している情報弱者に過ぎない。 ・日本における中間共同体の消滅と承認欲求の関係について、「宮台真司」は、オウム真 理教の幹部信者を例に出す。 そこに見出されるのは、「目標に達成できなかった」という挫折感ではなく、目的に到 達したのに自分は輝いていないという「こんなはずじゃなかった感」であると。 私は安倍信者にも同じにおいを感じてきた。 ・森友事件における財務省公文書改ざん、南スーダンPKOにおえる防衛省の日報陰蔽、 裁量労働制における厚生労働省のデータ捏造に加え、入管法改定問題に関しても法務省 がデータをごまかしていた。 ・口を開けば嘘しかつかない男が総理大臣をやっていても、閣僚が次々と不祥事を起こし ても支持率が下がらない理由は、「虚構が切実に求められているために、虚構が真実と 取り違えられる」からだろう。 ・多くの場合、人間は見たいものしか見ない。 そして自分の世界観を補強するデータはネットの中に山ほど転がっている。 情報化社会は皮肉にも大量の情報弱者を生み出した。 ・「日本は今こそ自立を」というおなじみのフレーズで、講演で荒稼ぎし「保守ビジネス」 の成功例を示してきた「櫻井よしこ」さんが、アメリカ隷従を進め、戦後レジームから の脱却を唱えながら戦後レジームを固定化した安倍晋三を礼賛する倒錯はどのようなプ ロセスにおいて発生するのか。 ・自立を口にするなら、わけのわからない加憲論や売国政策を真っ先に批判するはずだが、 そうはならない。 なぜなら本音では「自立」など考えてもいないし、よしこさんの後援に集まるオッサン 連中も「自立を唱える声に耳を貸すオレは立派」という自己愛に浸っているだけだから だろう。 実態は、左右問わず、日本国民のほとんどはアメリカ隷属を望んでいるんである。 アメリカケツ舐め路線、全方向売国路線を突き進む安倍政権が続いている現状を見る限 り、日本人の多くは「自立しない」という道を選んだのだろう。 しかし、それははっきり認めたくないし、先の大戦における被害者感情やルサンチマン が消えることはない。 その矛盾をゴマ数ためには工夫が必要である。 反日国賊売国奴・安倍晋三の正体 ・国際ジャーナリスト・「堤未果」の「日本が売られる」を読むと、それが過ぎ去った時 代の話とは思えない。 日本がすでに三流国に転落している事実に多くの人々が気づいていないからだ。 ・平成の30円間にわたる売国・壊国路線の総仕上げをやったのが安倍政権だった。 規制緩和の旗の下、「既得権益を破壊する」という連中が「構造改革利権」という新し い利権を確保し、私利私欲のために国を売ってきた。 ・堤未果は姉政権が国民の財産、公的資産を外資、国際資本に叩き売った売国政権である という事実を綿密な取材と具体的なデータにより明らかにしている。 にもかかわらず、現実を直視できず、安倍政権を支持する人々は依然多い。 ・今は左右で小競り合いをしている時間の余裕はない。 日本人は決起すべきだ。 敵は国民の財産を横流ししている安倍政権およびその周辺の売国反日勢力である。 まずはわが国がすでに焼け野原になっている現実を認めるべきだ。 さもなければ、わずかに残された反撃チャンスさえ失われてしまう。 ・2018年12月、東京新聞の「望月衣塑子」記者が、官房長官の「菅義偉」に対し、 辺野古の米軍進基地建設について「埋め立て現場では今、赤土が広がっており、沖縄防 衛局が実態を把握できていない」と質問。 すると官邸は激怒し、「事実に反する質問が行われた」との文書を出した。 では、事実に反するのはどちらなのか。 ・土砂投入が始まると海は茶色に濁り、沖縄県職員らが現場で赤土を確認。 県は「赤土が大量に混じっている疑いがある」として沖縄防衛局に現場立ち入り検査と 土砂のサンプル提供を求めたが、国は必要ないと応じなかった。 その後、防衛局が出してきたのは、赤土投入の件とは関係のない過去の検査報告書だっ た。 ・東京新聞は官邸から過去に九回の申し入れがあったことを明かし、反論を掲載。 それによると望月記者が菅に質問すると報道室長が毎回妨害。 安倍が流した「サンゴ移植デマ」についての質問は開始からわずか数秒で「簡潔に」と 遮られた。 国会で「申し入れは報道の萎縮を招く」のではないかと問われた菅は「取材じゃないと 思いますよ。決め打ちですよ」と言い放ったが、特定の女性記者を「決め打ち」してい るのは菅だ。 ・2019年4月、野党五党が集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法を廃止 するための法案を参院に共同提出した。 これは当然、この問題の本質は、集団的自衛権を現行憲法の枠内で通せるか否かだ。 集団的自衛権とは「ある国家が武力攻撃を受けた場合に直接に攻撃を受けていたい第三 国が協力して共同で防衛を行う権利」であり、憲法を読めば通せないことは自明だ。 仮に憲法との整合性の問題がクリアできたとしても、集団的自衛権の行使が国益につな がるかどうかは別である。 国益につながるなら、議論を継続し、正当な手続きを経たうえで、法案を通せばいいだ けの話。 ・ところが安倍は、仲間を集めてつくった有識者懇談会でお膳立てをしてもらってから閣 議決定し、 「憲法解釈の基本的論理は全く変わっていない」 「アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対にない」 「自衛隊のリスクが下がる」 などとデマを流し、法制局長官の首をすげ替え、アメリカで勝手に約束し、最後に国会 に諮り、強行採決した。 ・要するにこの時点で日本は法治国家から人治国家へ連絡していたのだ。 安倍は改憲による一院制の導入も唱えている。 この際、右も左も革新も護憲派も改憲派も関係ない。 日本人ならタッグを組み、カルトによる危険な改憲を阻止すべきだ。 ・2019年4月30日、御代替わりを前に執り行われた「退位礼正殿の儀」で安倍は、 「天皇皇后両陛下には末永くお健やかであられますことを願って・・・あらされますこ とを願っていません」と発言。失礼にもほどがある。 これについて、「願って已(や)みません」を誤読したのではないかとの指摘が広がっ たが、その可能性はゼロにちかいと私は言っておいた。 安倍が漢字が苦手なのは誰もが知っている。よって原稿は総ルビかひらがなだろうと。 ・2016年8月、陛下(上皇)が「お気持ち」を表明されると、官邸は宮内庁長官の首 をすげ替えた。明らかな嫌がらせである。 また、安倍は震災被災者に寄り添う陛下のものまねをしてちゃかし、カーペットに膝を つきながら「こんな格好までしてね」と吐き捨てたという。 ・安倍は大統領制を唱えていた橋下維新と改憲でタッグを組み意欲を見せている。 これが何を意味するか。 皇室を大切に思う日本人はよく考えた方がいい。 ・なお、私は昔から改憲派である。 特に九条に限れば、独立国が軍隊を持つのは当然であり、憲法の矛盾は当然、改憲によ り解消しなければならない。 自衛隊の立場があいまいなのは危険だ。 ・一方、安倍は改憲派が戦後積み上げてきたロジックをすべてドブにぶち込み、しまいに は九条一項、二項を維持したまま三項をつけ加えると言い出した。 戦力の不保持をうたったのちに戦力の保持を書き込む。 アホにも限度があるが、これでは憲法は確実に空洞化する。 ・戦後の欺瞞に異議を唱えた作家の三島由紀夫は、自衛隊がアメリカの指揮下に入ること を危惧した。 「国の根本問題である防衛が、御都合主義の法的解釈によってごまかされ、軍の名を用 いない軍として、日本人の魂の腐敗、同義の頽廃の根本原因をなしてきているのを見た。 もっとも名誉を重んずべき軍が、最も悪質な欺瞞の下に放置されてきたのである」 ・三島が生きていたら安倍による会見は全否定しただろう。 日本の不幸は、まともな改憲は、保守派が激減したことだ。 ・オウム真理教による一連の事件は日本社会に大きな衝撃を与えたが、そこから教訓を学 んだようには思えない。 むしろ、人間の心の闇を利用する勢力が野放しになっているのが現在ではないか。 ・安倍がホラ吹きの無能であることは国際社会では知れ渡っているので、G20でもほと んど相手にされない。 成果は、サミット後の夕食会で、大阪城天守閣にエレベーターが設置されたことを、 「大きなミス」と言い、ひんしゅくを買ったことぐらいだ。 ・自民党本部は「フェイク情報が蝕むニッポン」なる冊子を作成して、所属国会議員に配 布。安倍を「稀有な政治家」と礼賛し、他方議員を罵倒。安倍だけがイケメンに描かれ ている。 ・党首討論では、消費税の引き上げとデフレ脱却を同時に主張。意味不明。 芸能人に近づき一緒に写真を撮って拡散し、同伴文化人には尊師の礼賛記事を書かせる。 ・安倍に対する問責決議案が出されると、自民党の「三原じゅん子」は血相を変えて、 「安倍首相に感謝こそすれ、問責決議案を提出するなど全くの常識外れ」 「愚か者の所業」 「恥を知りなさい!」 と公の場所で絶対的帰依を誓ったのだった。 昔からの自民党支持者は自民党以外へ投票すべきだ。 それが自民党を正常化させる最短の道である。 ・わが国においては言葉の意味がすでに蒸発している。 安倍ということこの人生を振り返ってみても、口を開けば「私の責任」と繰り返し、 責任をとることは一度もなかった。 「佐田玄一郎」「久間章生」「赤城徳彦」「遠藤武彦」「小渕優子」「松島みどり」 「西川公也」「甘利明」「今村雅弘」「稲田朋美」「桜田義孝」・・・ 閣僚が不祥事を起こし辞任するたびに、「任命責任は私にある」と言いながら、時間を 稼いでほとぼりが冷めるのを待つ。 ・安倍は米英のイラク侵略に関し「大量破壊兵器がないことを証明できるチャンスがある のにもかかわらずそれを証明しなかったのはイラクだった」と発言している。 いわゆる「悪魔の証明」問題で、挙証責任は当然イラクにはない。 ようするに「責任」という概念を理解していないのだ。 ・「責任政党として約束することは必ず実行する。できることを約束していく政党であら ねばならない」と言った直後に公約違反を追及されると「これまでのお約束と異なる新 しい判断」と言ってごまかす。 外交はすべて失敗。 「北方領土問題に終止符を打つ」と言って、プーチンに終止符を打たれ、「拉致被害者 を自分の責任で取り戻す」と言ったかと思えば、「拉致問題を解決できるのは安倍政権 だけだと私が言ったことはない」ニヤける。 ・森友学園への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改ざん事件に関しては「国民の行政 に対する信頼を揺るがす事態になった。行政の長として責任を痛感している。行政全般 の最終的責任は首相である私にある」と言いながら、責任逃れに終始した。 ・ロシア政府がウラジオストクで開いた「東方経済フォーラム」全体会合で安倍が演説。 プーチンに向かって、 「ウラジミール。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう。プーチン大統領」 「ゴールまで、ウラジミール、二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませ んか」 と発言。 ネットでは「気色悪いポエム」「青年の主張」などと揶揄されていたが、恋をしている かもしれない。 これまでもプーチンに会えば、体をくねくねと動かし、瞳を潤ませ、全力で恭順の意を ・一方、プーチンは安倍を「金づる」「ぱしり」くらいにしか思っていない。 安倍がウラジオストクに到着した日には、色丹島に建設された水産加工場の稼働式典に テレビ中継で祝辞を述べ、実効支配をアピール。 会合翌日には「(北方領土は)スターリンがすべてを手に入れた。議論は終わりだ」と 切り捨てた。要するに最初から一島たりとも返す気はない。 ・プーチンが安倍と27回もあったのはなぜか。「同じ未来を見ている」からではない。 ボンクラが日本の総理をやっているうちに、むしり取れるものはむしり取るためだ。 狡猾なプーチンが千載一遇のチャンスを見逃すわけがない。 ・浪人中は加計学園が運営する千葉科学大学の客員教授に収まり、文部科学相も務める 「萩生田光一」がテレビ番組に出演。 大学入学共通テストに導入される予定の英語民間試験についてキャスターから制度が不 公平との声があると指摘されると、「そこは、じぶんの身の丈に合わせて」と発言。 萩生田は加計学園事件のキーパーソンで、「幸福の科学」による大学設立に奔走した 「教育行政のエキスパート」ということもあり、余計に注目が集まったようだ。 ・要するに貧乏人や田舎者は「分をわきまえろ!」ということだろう。 「このままでは経済格差が教育格差につながる」と懸念する声も上がったが、すでに日 本はそうなっている。 ・家柄がいいという理由だけで出来損ないのボンボンが国のトップになってしまう。 勉強が大嫌いで嘘をつくしか能がなかったガキが、小学校からエスカレーターで大学に 進み、いつのまにか卒業。 南カリフォルニア大学政治学科留学と自称していた時期もあるが英語はしゃべれず、義 務教育レベルの漢字も読めず、日本語は大の苦手。 歴史、政治、憲法については無知をさらし、箸も持てず、犬食いで、迎え舌。 精神の成長が止まった「幼児」が今では玩具を振り回すようにして国の破壊にいそしん でいる。 ・「菅原一秀」の経済産業相辞任に続き、「河井克行」が法相を辞任。 第二次安倍晋三政権発足後、不祥事や失言での閣僚辞任は9人になった。 そのたびに安倍はバカの一つ覚えのように「任命責任は私にある」と繰り返してきたが、 もちろん、ただの一回も責任を取ったことはない。 毎日新聞によると「責任は私に」という発言は、33の本会議・委員会で49回に上る という。 ・要するに、閣僚が辞めたら「責任は私に」と言えばいいと機械的に覚えているだけで、 何を食べても「ジューシー」と言うのと同じ。 そうなると、安倍に責任を問うこと自体が適切なのかという問題が出てくる。 ・これまでのケースを見る限り、安倍が責任をとることはないので、結局、尻拭いをする のは国民ということになる。 そしてすでに、国力の衰退という形で罰は下っている。 ・「桜を見る会」が始まったのは1952年。各界で功績を挙げた人や著名人を招待する もので、飲食費を含めた開催費用は公金で賄われている。 2019年の参加者は1万8200人。 「桜を見る会」が問題なのではなく「桜を見る会」に後援会関係者を呼んだことが問題 なのだ。 ・安倍の地元山口県からは支持者850人が貸し切りバスに乗って参加。 安倍は「招待者の取りまとめなどには関与していない」と答弁していたが、「桜を見る 会」の日程を含んだ案内状が安倍の事務所から地元有権者に送付されていたことが発覚。 会の前日には都内のホテルで安倍夫婦同席の夕食会が開かれていたが、このとき集めた カネは収支報告書に記載されていたい。 公職選挙法違反や公金横領、政治資金規正法違反が疑われるが、すでに証拠は山ほどあ る。 ・自民党の稲田朋美、「松本純」、「長尾敬」、「世耕弘成」、萩生田光一らの後援会関 係者も「桜を見る会」に参加。それらは文書に残されていた。 要するに詰み。完全にアウト。 ・今回発覚した国家の私物化は氷山の一角に過ぎない。 「桜を見る会」には安倍に近い統一教会の関連政治団体・世界戦略総合研究所の事務局 次長や悪徳マルチ商法「ジャパンライフ」の会長も招待されていた。 ・安倍は簡単な漢字も読めないし、日本語が苦手。 「桜を見る会」に関する観光ツアーへの参加を募る文書が地元有権者に送られていた件 については、「幅広く募っているという認識だった。募集しているという認識はなかっ た」と発言。 「募ると募集するのは同じ」とツッコまれていたが、バカは国会から追放したほうがい い。 ・特に新型コロナウイルスをめぐる政府のデタラメ対応は、そのツケを払うときが巡って きたことを示している。 残念ながら自業自得と言うしかない。 安倍政権の8年間は、国と社会に対するテロだった。 ・安倍にだまされてきたバカもたいがいだが、メディアの役割を放棄し、安倍礼賛報道を 続けてきた産経新聞界隈の反日メディアは万死に値する。 ・安倍ヨイショライターの「百田尚樹」は 「皆さん、政府は無能です。国民の命を守るんだ!という意志も能力もないことが明ら かになりました」 「もし、私が想像する最悪の事態になれば、後年、鳩山由紀夫・菅直人以上に無能な首 相の烙印を押されるかもしれない・・・」 などとツィート。「何を今さら」である」その「無能」に媚びへつらい、礼賛してきた のはどこのどいつなのか。 今こそ保守思想を読み返す ・安倍には悪意すらない。 生活に困った経験もないので、金銭欲が強いわけでもない。 「私は立法府の長」という発言を繰り返したことからもわかるように、自分の仕事の内 容も理解していない。 政治や憲法、歴史に関する知識もほとんどない。 原爆投下後にポツダム宣言が叩きつけられたとの発言もあったが、居酒屋で小耳にはさ んだ程度の話を繰り返しているだけだ。 ではなぜこんな人間に支持が集まるのか。 内容がゼロだからだ。 ・専制と独裁は異なるものだ。 専制は前近代において身分的支配層が行うものであり、独裁は近代において国民の支持 を受けた組織が行う子のである。 全体主義は大衆の支持がなければ成立しない。 ・概念を操作することで権力を握った連中がいる。 キリスト教会は「神」という概念を自然や大地、民族、固有の歴史から切断し、都合よ くねじ曲げ、「神の下の平等」という呪文により、人類を子に分断し、弱体化させ、家 畜化した。 これが近代理念に化けた。 ・「オークショット」は政治における合理主義」で、端的に、政治とはおのれの夢をかな える手段ではないという。 保守思想の理解によれば、「統治者の職務とは、単に、既成を維持するだけのことなの である」 世の中には多種多様な人がいる。 夢も価値観も理想もちがう。 だからそれらの「夢」が暴走し、国や社会を壊さないように管理しなくてはならない。 ・一方、人民政府では統治者の個人的な夢や理想が国民に押し付けられる。 安倍は、著書「新しい国へ」で、「わたしが政治家を志したのは、ほかでもない、わた しがこうありたいと願う国をつくるためにこの道を選んだのだ」と述べている。 ・吉田松陰が引用した「孟子」の「自らをかえりみてなおくんば、千万人といえどもわれ ゆかん」がお気に入りの安倍は、自分が信じた道が間違っていないという確信を得たら 断固として突き進むのだと繰り返している。 「この道しかない」といった安倍政権のスローガンはここからきているのだろうが、 これは保守思想の対極にある発想だ。 保守とは「確信」を警戒する態度のことである。 ・「正しいこと」が伝わらなければテロリズムに走るというのが松陰なら、たとえ「正し いこと」でも早急に物事を勧めないのが保守である。 なぜなら、保守は自分の理性さえ「確信」していないからだ。 保守とは理性を警戒し、常識を擁護する立場のことである。 ・飢饉が原因の暴動では、一般大衆はパンを求めるのが普通ですが、そのためにパン屋を 破壊する。 これはまさに今の日本で発生している現象です。 文明の破壊者を長年にわたりかつぎ上げてきたわけですから。 安倍政権が農協をはじめとする中間組織を攻撃するのも、それが健全な社会を成り立た せているからです。 中間組織を排除すれば、国家と個人が直接結ばれることになる。 これがあらゆる保守思想家が、警告を発してきた全体主義の仕組みです。 ・言葉はきちんと定義して使わないと、議論は混乱します。 例えば、「民主主義」という言葉と「代議制(間接民主主義)」という言葉が同じ意味 で使われている。 あるいは保守と右翼の区別がついていない人も多い。 右翼は理想主義であり、保守は反理想主義です。要するに水と油。それどころか、今日 の日本では、保守というのが、単なる体制派、政治支持者、親米といった程度に使われ ている。 民主主義という言葉は、いまや代議制議会制度そのものから共産主義革命までのすべて を包含している。 自由とは時には反動政治のことである。 これでは民衆の頭は混乱する。 ・今の日本では保守という言葉が正反対の意味に使われていることが多くなりました。 かつては少数ながらも日本にいた保守はほぼ全滅し、今では、保守でも何でもない人た ちが保守を自称しています。 特に平成の30年間にわたり、わが国で急進的な改革を唱えてきたのは、「保守」を名乗 るような連中でした。 急進的な構造改革、政治制度改革も、自民党内から出てきたものです。 ・安倍晋三を保守の政治家と誤解する人もいまだに多い。 「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」と言うグローバリストの安倍が 自称「保守派」に支持されるという奇妙な現象が発生しているのが現在です。 「国境や国籍にこだわらない」保守がいるわけがない。 安倍政権がやってきたことは、保守の対極です。 だからまずきちんと定義することが大切です。 ・保守とは何か。ひと言で言えば、「人間理性に懐疑的であるのが保守」です。 人間は判断を間違うことがある。 人間は合理的に動かないし、社会は矛盾を抱えている。 それを前提に、慎重に物事を判断しましょうというのが保守の本質です。 ・保守は伝統を重視します。 それも「理性に対する懐疑」ということで説明できる。 非合理的に見える伝統や慣習を理性により裁断することを警戒するわけです。 保守が宗教を重視するのも理性の暴走を防ぐためです。 中間共同体を重視する理由も同じ。 よって、保守は漸進主義になります。つまり、ゆっくりと慎重に改革を進める。 改革というより改善です。 ・一方、左翼は、人間理性を信仰します。 理性的に合理的に考えれば、正解にたどり着くと思っている。 もし、正しい国、正しい歴史というものがあるなら、それを実現するために「社会運動」 をやればいいという話になる。それが革命の原理です。 ・しかし、保守は、左翼のような「普遍的価値」という発想を否定します。 あらゆる価値は、個別の現実、歴史に付随するものであるからです。 保守にとっては、「自由」でさえ、絶対の価値を持つものではない。 それは個別に戦い取るべきものです。 自由の暴走はアナーキズムに行き着きますし、平等の暴走は全体主義に行く着く。 だから、節度ある自由と、節度のある平等を守ろうと本来の保守は考えます。 ・三島は右翼と誤解されがちですが、右傾化したのは晩年の数年間で、基本的には保守主 義者でした。 彼が最終的に守ろうとしたのは日本語でした。 国を守るというと、すぐに軍隊のことを考えます。 しかし、今の政権と財界が進めているように、移民政策を進めて、日本が多民族国家に なったとしたら、国土を守るだけでいいのかという問題が出てきます。 三島は一番重要なものは国土ではないという。 ・保守は常に物事を疑い思考停止を戒めます。 安易な解決策に飛びつかず、矛盾を矛盾のまま抱え込む。 保守の基盤は歴史や現実であり、そこから生まれる「常識」です。 保守とは「保ち守る」ということですから、常識人のことです。 でも、常識が通用しない時代になってしまった。 自由や平等といった近代の理想が暴走し、国や社会を破壊し、逆に自由や平等が抑圧さ れるようになった。 非常識な独裁政治がまかり通るようになった。 ・今の日本の状況を考えると、日本語はボロボロになってしまい、「常識」の破壊が急速 に進んでいます。 「保守」を名乗るような人々が、社会をリセットし、新しい国をつくるなどと言いだし た。 しかし、ファミコンではないのだから、社会は簡単にリセットしてはいけないはずです。 要するに先人が積み上げてきたものに恩義を感じないわけです。 破壊して新しいものをつくる。 これは左翼の発想です。 革命で更地にしてしまい、理想により正しい国をつくるという発想です。 要するに、政権の中枢や保守を自称するような人々が左翼の発想に侵されている。 ・今の日本では新自由主義者が保守を名乗っていたりします。 これは自由主義を至上の価値とする考え方です。 本来、保守と自由主義者は考え方が違います。 なぜこうなったかというと、冷戦下において、共産主義と戦うために、保守主義者と自 由主義者が手を結んだからです。 しかし、冷戦が終わった後も、そこで思考停止したままの人たちがいる。 それで、自由主義者こそが「保守の本質だ」などと言いだす人が出てきた。 自由を神格化するのは、本来の保守ではなく、アメリカの特殊な保守観です。 ・イギリスの作家のジョージ・オーウェルは、全体主義に支配された近未来を描いた小説 「1984年」を書いています。 全体主義は、恐怖を利用した社会運動、大衆運動として現れます。 そこでは密告や内部告発が行われます。 こうした監視社会では大衆の正義感が社会を窮屈なものにしていく。 この全体主義を支えるのが「言葉の破壊」であることをオーウェルは描きました。 ・「政治家なんてどうせ嘘をつくもの」と達観したような気分になっている人、こういう ニヒリストが増えれば、国家は崩壊する。 ・「1984年」に繰り返し登場する独裁政党のスローガンがあります。 「戦争は平和なり」 「自由は隷従なり」 「無知は力なり」 この小説の主人公の仕事は、歴史の改ざんです。 ・「大衆」という言葉に対して、「上から目線だ」「庶民を馬鹿にしている」といった反 発を覚える人がいるかもしれません。 そうだとしたら、「大衆」という社会学の概念と「庶民」の違いを理解していないから でしょう。 ・「大衆」とは労働者、下層民などを意味する言葉ではなく、前近代から近代へと移行す る過程で、共同体から切り離され、都市部においてバラバラになった個人を指します。 ・「オルテガ」は大衆を次のように定義しました。 「大衆とは、善い意味でも悪い意味でも、自分自身に特殊な価値を認めようとはせず、 自分は「すべての人」と同じであると感じ、そのことに苦痛を覚えるどころか、ほかの 人々と同一であると感じることに喜びを見出しているすべての人のことである。 ・要するに、空気に流されやすい人たちです。 彼らの最大の特長は「凡庸であることを自覚しつつ、凡庸たることの権利を主張」する ことです。 要するに何でもかんでも口を出す。 今の時代なら、ワイドショーのコメンテーターが典型でしょう。 ・では、一方の「庶民」とは何か。 「庶民」とは日々の生活を大事にし、身のほどをわきまえ、己の人生を精一杯生きる人 々のことです。 「大衆」の意味が分からないまま過剰反応し、「庶民をバカにするな」と騒ぐ人こそ、 典型的な「大衆」であり、「庶民」とは一線を画す存在だと言えるでしょう。 ・これは誰でも知っていると思いますが、 「権力は腐敗する。専制的権力は徹底的に腐敗する」 という言葉があります。 「権力は腐敗する。絶対権力は絶対的に腐敗する」 という言い回しもあります。 ・全体主義勢力は権力を一元化します。 共産主義もその一つの現れです。 近代の理想を実現させるためには、強大な中央権力が必要になる。あるいはその理屈を 建前として利用する。 ・「ロベスピエール」、ヒトラー、スターリン、毛沢東、ポル・ポト・・・。 彼らが試みたのは権力の集中により、国をリセットし、「理想の国」「新しい国」を人 為的に作り出すことだった。 その結果については今さら説明するまでもありません。 権力の一元化派地獄を生み出します。 ・平成の30年にわたり、わが国で繰り返されてきたのは、権力に一元化と言っていいか もしれません。 その一番の原因は1994年の政治制度改革だと思います。 簡単に言えば、小選挙区比例代表並立制によりポピュリズムが蔓延するようになった。 また、政治資金規正法改正により、党中央に権限が集まるようになった。 それによる政治の劣化が、その後の小泉劇場や、民主党政治、居間の安倍政権のような ものを生み出しているというのが、大きな流れだと思います。 ・細川護熙を担いで政治制度改革をやった小沢一郎も、小泉純一郎も、民主党も、口を開 けば改革と言います。 彼らは、守旧派、抵抗勢力、官僚といった「悪」を設定し、それを駆逐すべしと世情に 訴えかける。 「改革を進めれば理想社会が到来する」というわけです。 その結果、今はどういう状況になっているのか。 ・「桃太郎」みたいな紙芝居に熱狂し、あらゆる制度を解体した結果、大変なことになっ てしまった。 いまだに「安倍政権は民主党よりマシ」という人もいますが、戦後の思考停止と政治シ ステムの崩壊の行き着いた先が、民主党政権であり、その一番危険な部分、ロクでもな い部分を引き継いでいるのが安倍政権です。 ・安倍の会見にしても無茶苦茶です。 私は改憲派ですが、安倍に改憲させたら、国が滅びます。 安倍と維新の会が組んで憲法改正をしたら、日本は確実に終了します。 ・講演会でよくありがちなのは、最後に「われわれ日本人には危機を乗り越える底力があ る」みたいなのが多いが、私はそういう無責任なことは言いたくありません。 必要なことは、各自が思考を続けることです。 国家とは何か。 地域共同体とは何か。 政治とは何か。 なぜ私たち人間は何度も同じ過ちを繰り返すのか。 それでもバカとは戦え! ・2019年1月、日本維新の会が比例代表で三人を公認したが、そのうちの一人が、元 フジテレビアナウンサーの「長谷川豊」だった。 言わずと知れた人間のクズ。社会のダニである。 これは別段キツイ言い方ではない。その証拠として彼の発言を引用しておく。 「自業自得の人工透析患者なんて全員実費負担させよ!無理だとなくならそのまま殺せ」 「マホメット?ただの性欲の強すぎる乱暴者です」 「今の世界で起きている戦争、ほとんどイスラム系でしょ?一番、暴力的な人間が教祖 様のところでしょ?」 「八割がたの女ってのは、私はほとんど『ハエ』と変わらんと思っています」 「育休とったら出世できない?育休取ったら社会に戻れない?言い訳すんな。バカ」 「死刑はもっと残酷に殺すべきだ」 「小学校時代から死刑執行シーンはみんなに見せた方がいい」 「できればネットで生中継したほうがいい」 ・もっとも長谷川のような人物は、残念ながら一定の割合で世の中に存在する。 問題はこうしたバカを選挙に担ぎ出す維新の会だ。 長谷川は「60歳以上って、選挙権剥奪でいいんじゃないか?」とも述べているが、 「八割がた」の女性と、「60歳以上」の人は、絶対に維新の会および長谷川に投票し てはいけない。 ・長谷川は経費の不正使用で降格処分を受け、その後、フジテレビを退社。 これまでヘイト発言を社会にまき散らし、デマを垂れ流してきた。 自分は「人工透析患者を殺せ」なんて言っていないと嘘をつき、千葉県警に道路交通法 違反で予備さされていたとネットで指摘されると「デマだ」と騒いだ。 ・2017年の衆院選では維新の会から出馬し、最下位で落選。 長谷川は「勉強不足な有権者からは投票権を取り上げるべし」と主張していたが、この 理屈だと長谷川が当選することは未来永劫ないだろう。 ・野党共闘は必要だが、”政界の肥だめ”とも揶揄される維新の会と組むのは論外であるこ とを指摘しておく。 ・大事なことは、政治家が語る公約、夢、未来ではない。 過去に何とやったかである。 政治家の「猫なで声」に騙されてはいけない。 ・以前、「小泉進次郎」の著書や発言を集めて検証したことがあるが、批判するところが 一カ所もなくて驚いた。 内容がゼロだから批判しようがない。 例えば進次郎はカメラをしっかり見据えて、 「必要なことをやるべき」 「世論調査を見ても納得している人が圧倒的に少ないことは明らかだ」 「政治主体、行政全体の信頼が失墜していることは本当に不幸だ」 などと語りかける。 昼のワイドショーを見ているおばさん連中は「本当にそうねえ」というかもしれないが、 冷静に考えればいずれも「塩はしょっぱい」レベルの話。 ・自民党の客寄せパンダからガス抜き要員に出世したのも、内容がないことを自信満々で 語るその面の皮の厚さが党中央に評価されたからだろう。 ・とはいえ、進次郎の芸はこれだけだ。 統計不正問題で注目が集まる中、国会で質問に立った進次郎は、 「平成が終わろうとしている」 「こお(衆院予算委員会の)基本的質疑は目の前のテレビを見ている方も、この景色を 見ているように、すべての大臣が出席しなければいけないことになっている」 と、「テレビを見ている方」も知っている事実を述べたうえで、総理大臣や閣僚の国会 出席数の削減による負担軽減を求めた。 ・さらに「この問題が起きるまで、誰もがこんな統計のことを考えることはなかった」と して、厚労省幹部の報告が遅れたことを「危機管理上アウト」と批判。 アホなことを言ってはいけない。 「統計は詐欺だ」との声は上がっていたし、問題は厚労省および政府の不正であり、危 機管理ではない。 質問に細工を施すことで論点をずらしたり問題を矮小化するのはプロパガンダの初歩的 な手法だが、こんなのに騙される人間がいるもの絶望的だ。 進次郎は「厚労省、目を覚ましてほしい」と言っていたが、目を覚まさなければいけな いのは国民である。 ・結局、進次郎は「大臣が代わって済む問題とは違う」「厚労省の改革にしっかり旗を振 ってほしい」と質問をまとめたが、これが茶番、出来レースでなくてなんなのか。 ・小泉進次郎の快進撃が止まらない。 正直、ここまでのタマとは思っていなかった。 環境相に就任したとはいえ、政治家になってからの実績が特にあるわけではない。 性悪も国会の議員配布資料のペーパーレス化とか深夜国会による時間の無駄遣いの削減 とか、いずれも主婦の節約レベルの話。 だから、まともに勉強もしないまま 親の地盤を継いで政治家になったよくあるタイプ のボンボンだと思っていた。 ・しかし、「地位は人を作る」のか、入閣後の発言は突き抜けた感がある。 東京電力福島第一福島原発事故に伴い除染で出た福島県内の汚染土は30年内に施設か ら運び出し県外処分をすることになっている。 この処分場の軒燈の遅れを記者から指摘された進次郎は、 「約束は守るためにあるものです」 とおなじみの「進次郎話法」で返答。 ドヤ顔でニヤリと笑った後、さらにひねりを加えてきた。 記者が「具体的には?」と聞くと、進次郎は遠くを見つめ、 「私の中で30年後ということを考えたときに、30年後の自分は何歳中とあの発災後 から考えていた。だからこそ、私は健康でいられればその30年後の約束を守れるかど うかの節目を見届けることができる可能性がある政治家だと思います」と言い、うんう と二度うなずいた。意味不明。 このまま新ネタを投下していけば客寄せパンダから出オチ芸人くらいには出世するだろ う。 ・元TBS記者「山口敬之」による「伊藤詩織」さんへのレイプ事件。 東京地裁は「酩酊状態で意識がない伊藤さんに合意がないまま性行為に及んだ」と認定 し、山口に330万円の支払いを命じた。 山口は、伊藤さんが著書などで被害を公表したことで名誉を傷つけられたとして逆に賠 償を求めたが、「公表内容は事実で、名誉毀損には当たらい」として棄却された。 ・この裁判が注目されたのは山口が安倍に極めて近い人物であるからだ。 報道によれば、山口には逮捕状が出ていたが逮捕直前に警視庁刑事部長だった「中村格」 が執行を取り消している、 なお、中村は「週刊新潮」の取材に対し、この事実を認めている。 ・立憲民主党と国民民主党の合流騒動。 すでに藤一会派を組み、幹事長レベルで協議を重ねてきたが、2020年1月に行われ た党首会談は決裂。 国民の「玉木雄一郎」は 「新しい政党名は民主党でどうか」 「原発ゼロ法案は一度撤回して再協議してはどうか」 「新党の綱領に改革中道との文言を入れてもらえないか」 などと提案したが、立憲の枝野は応じず、最後まで党名にこだわったという。 アホか。党名などどうでもいい。多くの国民は「立憲民主党」などという党名になんの 思い入れもない。一体どこを見て政治をやっているのか。 ・劣悪な政権の暴走が続いているのは野党にも責任がある。 やはり現状認識がおかしいのではないか。 枝野は口を開けば「国会論戦に集中」と言うが、今、自民党と野党の間で発生している のは「政策」の相違ではない。 「国家を私物化」という犯罪を許していいかどうかである。 酔って野党は、「政策」でまとまる必要はない。 野合でいい。とにかく現政権に対抗するための、わかりやすい投票先を整備することだ。 ・一方玉木も「どちらかの考え方に寄せていってはみんなが納得できる形にはならない」 などと言っていたが、小学校の児童会かよ。 大局を見るべきだ。 ・政権と反社会勢力やカルトとのつながり、IR疑獄、公文書改ざんや虚偽答弁の横行。 いかがわしい勢力が国を乗っ取っている以上、今、野党がやるべきなのはあらゆる手段 を使って悪党を引きずり降ろすことだ。 ・国が危機にさらされたとき、政治家は体を張らなければならない。 それには危険が伴う。 しかしその大義を忘れ、自分の次の選挙のことしか考えられないのなら、安倍犯罪政権 の補完勢力として、今度こそ国民から完全に見放されるだろう。 ・ワイドショーが俳優の不倫について騒いでいるが、なぜそこまで熱中できるのか理解で きない。 他人のプライベートな話などどうでもいい。池に落ちた犬を棒で叩くのがそんなに楽し いのか。ゲスの極みである。 ・一方、政治家の不倫については騒ぐべきだ。 特にホテル代が政治資金で支払われていたならなおさらだ。 ・俳優も含め表現者と政治家では求められるものが違う。 表現者はその性格上、社会の規範に縛られないアウトサイダーの側面を持つ。 よって過度なモラルや品性を求めるのは筋違い。 ・一方、政治家には品位と倫理が求められる。 もっと言えば、それが唯一の条件だ。 下品な人間が政治をやれば国は下品になる。今の日本のように。 ・小泉進次郎は人妻と不倫、その際利用したホテル代を政治資金で支払っていたという。 人妻は小さな子どもを実家に預けながら逢瀬を繰り返し、夫にバレて離婚。家庭崩壊に 追い込んだ揚げ句、進次郎は逃げ切り、「滝川クリステル」とデキ婚を発表した。 なおその人妻と滝川は親友だったそうな。ゲスな話だねえ。 しかも同時期に復興庁の元部下の女性とホテルで密会。 さらにメーキャップアーティストの女性を赤坂の議員宿舎に呼びつけていた。 これではチンポが乾く暇もない。 衰退途上国日本 ・平成の30年間にわたり「改革」の嵐が吹き荒れました。 安倍晋三の支持者やネトウヨは、「安倍さんは民主党から日本を取り戻してくれた」と 言うけど、バックにいるのは同じような連中。 安倍がやっているのは民主党よりタチが悪い売国です。 ・では、その民主党と今の安倍政権の一番の違いはどこにあったのか。 民主党時代はまだメディアが機能していました。 加えて、確かな野党いま。民主党時代の最大野党は、自民党ですからね。 今は、メディアも政権に掌握さされてしまっているし、旧民主党系の野党も機能してい ません。 ・このままいくと危ないというか、もう終わっています。 政治崩壊の原因をさかのぼって考えると、1994年の政治制度改革に行き着くと思っ ています。 小選挙区比例台業並立制の導入と、政治資金規正法の改正により、選挙のスタイル、党 の運営まであらゆる変化が発生しました。 ・小選挙区制度では、政治家個人の資質より党のイメージや戦略が重要になるので、ポピ ュリズムが政界を汚染するようになります。 ・政治資金規正法によって、党中央にお金が集まるようになってしまいました。 政治家が自由に行動したり、発言をしたりしづらくなりました。 ・ひたすら党に媚びへつらう思考停止した議員ばかりになった。 下手に歯向かえば、次の選挙で公認をもらえないどころか、刺客を送られます。 ・1994年に日本の崩壊が本格的に始まったとしたら、その終わりは2015年です。 憲法第九条の解釈を変更し、改憲なくして集団的自衛権の行使が容認されました。 これは、左とか右とか言った次元の話ではありません。国の根幹の問題です。 集団的自衛権とは、「ある国家が武力攻撃を受けた場合に直接に攻撃を受けていない第 三国が協力して共同で防衛を行う権利」です。 現行の憲法では通せません。違憲です。 集団的自衛権の行使が必要なら改憲しなければならない。 ・ところが安倍は、お仲間を集めて有識者懇談会をつくり、そこで集団的自衛権を行使で きるようにお膳立てをしてもらってから閣議決定し、 「憲法解釈の基本的論理は全く変わっていない」 「アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対にない」 「自衛隊のリスクが下がる」 などとデマを流し、法制局長官の首をすげ替え、アメリカで勝手に約束してきて、最後 に国会に諮り、強行採決した。 ・しかもその際に首相補佐官の磯崎陽輔が「法的安定性は関係ない」と言ったんですよ。 それを言ったら法治国家としておしまいです。 ・自民党が野党時代の2012年に発表した新憲法の第二次案はひどい内容です。 憲法学的にめちゃくちゃなんです。 ・憲法とは、国家権力から個人の基本的人権を守るために、主権者である国民が制定する ものです。 近代立憲主義憲法は、個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限することを目 的とします。 「人の支配」ではなく、「法の支配」、つまり、法によって権力を拘束するのです。 ・したがって、「国家」の対極にあるのが「個人」です。 そこで、現行日本国憲法第13条は、「すべての国民は、個人として尊重される」と規 定してあります。 ところが、第二次法案は、「すべての国民は、人として尊重される」と変えてしまって います。 「人」の対極は犬や猫といった動物であり、「個人」のような「国家権力」との緊張感 はありません。 この文言の修正を見ると、第二次草案は立憲主義憲法なのかと疑問を呈さざるを得ませ ん。 ・おそらく、今の自民党は「戦後の日本で連帯感がなくなったのは、個人主義の蔓延のせ いだ」と結論づけ、その元凶として、現行憲法の中にある「個人」という言葉を削除し ようといたのではないでしょうか。 ・しかも、自民党が発表した「日本国憲法改正法案Q&A」は、「西欧の天賦人権説」を 否定しています。 ・さらに現行憲法第24条は、家族に関することは、「個人の尊厳と両性の平等に立脚し て」規定するとしています。 しかし、第二次草案は、「家族は、高いに助け合わなければならない」と付け加えてい ます。 立憲主義の立場からは、「家族は国の保護を受ける」とすべきであって、家族構成員間 の相互扶助などは憲法に書くべきではありません。それは、道徳の問題です。 この点でも、立憲主義が理解されていないのです。 ・「桜を見る会」騒動をはじめとする一連の安倍晋三の悪事と過去の疑獄。 例えばロッキード事件やリクルート事件、東京佐川急便事件などが決定的に異なるのは、 これから追及が始まるのではなく、すでに詰んでいることだ。 正常な国ならば捜査が始まり、問題があれば逮捕し、裁判という流れになっていくだろ う。 ・しかし頭の弱い「幼児」が「ボク、負けていないもん」と開き直り、周囲のいかわがし いメディアや乞食言論人を使って逃げ切ろうとしてきた。 そして嘘に嘘を重ね、それが国民の目の前で次々とばれていった。 だから政治とカネをめぐる汚職事件というより、国や社会に対するテロであり、同時に 劇場型犯罪でもあるオウム真理教事件に近い。 ・カルトは追い詰められると発狂する。 信者は「時間のムダ遣いだ」「ほかにもっと大事なことがある」「野党による改憲つぶ しだ」と騒ぎ出し、最後はなぜか「野党が不甲斐ない」という話で終わる。 時間のムダになっているのは、安倍が嘘をつき、説明ぜずに逃げ回っているからだ。 安倍は無実と言うなら、招待客名簿や領収書などを率先して出せば一瞬で終わる話であ る。 ・追い詰められた安倍は元野球選手のイチローに国民栄誉賞授与を打診、断られると、今 度は招待客名簿を廃棄した経緯の説明の矛盾を「障害者雇用職員」のせいにし出した。 ・悪徳マルチ商法の会長や反社会勢力の「個人情報」は必死になって守る一方、必要もな いのに担当者の個人情報を平気でさらす。絵に描いたような人間の屑である。 ・そしてついに政府は、「その時々の社会情勢に応じて、(反社会勢力の定義は)変化し 得るものであり、限定的・統一的な定義は困難だ」とする答弁書を閣議決定した。 つまり反社とのつながりが明らかになっても、しらばくれると予防線を張ったわけだ。 ここまでくると、政府自体が反社ということになる。悪党は完全に開き直った。 ・「桜を見る会」の参加者を募集していた件について国会で追及された安倍は「幅広く募 っているという認識で、募集しているとの認識はなかった」と答弁。 バカがバカを担いだ結果、日本はバカな国になってしまった。 安倍晋三の主な発言集 ・「(日本の原発で全電源喪失)事態が発生するとは考えられない」(2006年12月) =>その後、福島で全電源喪失事態が発生 ・「ポツダム宣言というのは、米国が原子爆弾を二発も落として日本に大変な惨状を与え た後、(どうだ)とばかりにたたきつけたものだ」(2005年7月) =>嘘。ポツダム宣言は7月26日。原爆投下はその後、8月6日と9日。 ・「私は立法府の長」(2018年11月) =>嘘。総理大臣は「行政府の長」 ・「民主党政権は悪夢だった。間違いなく」(2019年2月) =>「国会答弁で悪夢のような民主党と答えたことはない」(2020年3月) ・「最後の一人までチェックして正しい年金をきちんとお支払いをします」(2007年7月) =>嘘だった。いまだに2000万件の記録がうやむやになっている。 ・「私の世代が何をなし得るかと考えれば、自衛隊を合憲化することが使命ではないかと 思う」 =>(自衛隊を)合憲化するということを私は申し上げたことはありません」 (2018年2月) ・「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統制され ています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、 及ぼすことはありません」(2013年9月) =>大嘘だった。放射性物質は漏れまくり。東京電力も安倍の発言を事実上否定。 ・オリンピック招致演説にて、安倍「世界有数の安全な都市、東京」(2013年9月) =>「(共謀罪の法案を整備しなければ)東京オリンピック・パラリンピックをできな いと言っても過言ではありません」(2017年1月) ・「北方領土問題を解決した上で平和条約を締結するのが日本の原則」だと直接反論した。 (2018年9月) =>ロシアのペプコフ大統領報道官 「プーチン大統領が前提条件なしの年内の日本との平和条約締結を安倍晋三首相に 提案したとき、安倍首相本人から何の反応もなかった」(2018年9月) ・名護市辺野古の埋め立てについて「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移している」 「(絶滅危惧種を)砂をさらって別の浜に移した」(2019年1月) =>根も葉もない嘘だった。 ・「女房の昭惠が名誉校長を務めている学校はあまたの数ある」(2018年3月) =>嘘。森友学園と加計学園の二つしかなかった。 ・「今回の(安全保障法案の)法整備に当たって、憲法解釈の基本的論理はまったく変わ っていない。この基本的論理は、砂川事件に関する最高裁判決の考え方と軌を一にする ものだ」(2015年6月) =>元最高裁判事「間違っている」 ・「採択されている多くの教科書で、自衛隊が違憲であるという記述がある」(2017年5月) =>嘘だった。 ・「拉致問題は私自身の責任で解決しなければいけないという強い使命感を持っている」 (2018年6月) =>「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことは、ございません」 (2018年9月) ・「大企業の業績の果実が、国内の中小・小規模企業、そして従業員の皆さんに行き渡ら ないようであれば、アベノミクスは失敗であると、私は考えています」(2013年12月) =>「私はトリクルダウンなんて言ったことない」(2018年9月) ・沖縄沖で米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が墜落。 安倍は国会で「(飛行)中止を申し出た」(2018年6月) =>真っ赤な嘘だった。 ・池上彰「今回の選挙でアベノミクスはずいぶん訴えたが、集団的自衛権の憲法解釈をあ まりおっしゃらなかった」 安倍晋三「そんなことはありません。街頭演説は限られている時間の中でも、私は7〜 8割は安全保障について話をしているはずですよ」(2014年12月) =>嘘だった。 ・「安倍政権は、いわゆる移民政策を取ることは考えていまい」(2014年10月) =>「移民流入」日本は世界第4位に。(2016年の時点ですでに) |