以前から一度訪れてみたいと思っていた旧有備館に行って見ようと思い立ち、車で岩出山向けて出発した。わが家から一般道で1時間半ほどの距離にある。
この旧有備館がある岩出山は、伊達正宗が1591(天正19)年に米沢城(山形県)から移り住んだところである。
当時この辺りは岩手沢と呼ばれていたようであるが、それを岩出山に改めたとのことだ。
この旧有備館は、江戸時代の仙台藩家臣である岩出山伊達家が開設した学問所(郷学)だったとのことであり、現存する日本最古の学問所建築であると言われているようだ。
開校は1850(嘉永3)年頃と考えられており、岩出山城北側の隠居所・下屋敷の敷地内に開設されたとのことである。
現存する有備館の「御改所(主屋)」は、二代宗敏の隠居所として1677(延宝5)年に建てられた可能性が高い建物とのことであり、
下屋敷としても利用され「対影楼」と呼ばれていたとのことである。
また、この旧有備館の庭園は、1715(正徳5)年に整備されたと伝えられているとのことで、池の中に四つの島を配した回遊式泉庭園である。
島の一つには茶亭があり島を渡る橋が架けられている。
この旧有備館は、あの3.11東日本大震災では、大きな被害が出てが、今ではきれいに修復されている。
ここに到着した時は、複数の団体客で混雑していたので、最初に庭園をのんびり回りながら、団体客が去るのを辛抱強くまった。
その甲斐あって、誰もいなくなり、ひとりじめ状態の旧有備館の座敷から障子越しに見る庭園の深緑の景色は、素朴でありながらとても美しかった。
秋の紅葉の時期も見ごたえがありそうだ。
【所在地】
宮城県大崎市岩出山字上川原町6