所用で秋田県大館市まで一泊で出かけた。仙台のわが家自宅からは車で東北道を北上して約4時間半の距離だ。
用事が済んで時間的に余裕があったので、この会館を訪れてみた。JR大館駅からだと車で約15分ぐらいのところにあった。
この鳥潟会館は、旧鳥潟家住宅と庭園で、第17代・鳥潟隆三氏により1936年(昭和11年)から5年をかけて増改築して整備されたものとことだ。
京風の意匠を取り入れて、のべ1000人以上の京都の大工や庭師が携わったとのことである。
東北地方の近代庭園として2011年に秋田県指定文化財に指定されているとのことである。
もともとの主屋は1760年代初めの江戸時代に建築されたものらしく、1936年に旧主屋の場所から曳家してこの場所に移した後に、増改築されたとのことで、
旧屋部は江戸期の数寄屋造りで、増改築部は京風の佇まいとなっている。
主屋には二階部分があり茶室となっていた。また、主屋から離れにも秋田県唯一といわれる草庵茶室があった。
庭園は、池泉回遊式お近代和風庭園であり、春はツツジの繚乱、夏はセミしぐれの郷愁、秋は葉の色づきと落葉のもの悲しさが、侘びと寂の世界を演出するという。
なお、鳥潟家は慶長年間(1600年代初め)のころから続く旧家で、ここ花岡村の肝煎りを代々務めた家柄とのことで、学者や軽技師など、多くの偉人を輩出してきたとのことだ。
ここを増改築した第17代の鳥潟隆三氏は、日本の外科医学界の発展に貢献した医学博士で京都帝国大学名誉教授だったとことである。
また鳥潟右一氏は、東京帝国大学を首席で卒業し、26歳の時に鉱石検波器を発明した人物だ。秋田犬の里とされる大館が誇る偉人たちである。
【所在地】
秋田県大館市花岡町根井下156