松島四大観の一つ「富山」に行ってきた。ここは我が家から車で1時間ぐらいのところだ。
ここは松島海岸と奥松島(野蒜)を結ぶ県道奥松島線(県道27)から林道に入るのだが、その入口に案内板はあるもののあまり目立たないため、うっかりすると見落としてしまう。
今回も通り過ぎてしまい、途中で戻って来て入ることとなってしまった。
その入口から車がやっと一台通れるぐらいの林道を1kmぐらい進む。
所々にすれ違うための空きスペースはあるのだが、対向車があったらどうしようと不安を覚えながら進むと、小型車2、3台ぐらいを駐車できるぐらいの空地がある。
そこに車を停めて、コンクリートの石段を登っていく。石段自体はしっかりと整備されているのだがあまり訪れる人は少ないらしく、寂しさが漂っている。
熊が出てきたらどうしようとどきどきしながら登った。結構な段数があり膝がガクガクし始めたところでやっと頂上にたどり着いた。
頂上には観音堂あった。この富山観音堂は、坂上田村麻呂が大同年間(806〜810)に慈覚大師が作った観音菩薩像を安置したことがはじまりと言われているらしい。
堂は伊達政宗の長女五郎八姫(いろはひめ)承応3年(1654)に改修させたものとのことだ。
観音堂向かって右手の梵鐘は明暦3年(1657)に五郎八姫から寄進されたもので宮城県の文化財に指定されているらしい。
観音堂の前には仁王門が建っており、その前には松島湾の全景を一望できる展望台があった。
この展望台は標高117mに位置しており、斜面に張り出しているので眼前には視界を遮るものがなく眼下の松島湾の海や島々を一望できる。
しかし、この日はまだ6月初旬というのに、朝から気温がぐんぐんあがり夏日になっており、そのため海面から立ちのぼる靄で景色がぼんやりして、
肉眼では素晴らしい景色が見えるのだが、写真に撮るとぼやけた景色にしか写らない。とても残念だ。
富山観音堂から少し下ったところに大仰寺というお寺があった。このお寺には明治天皇・大正天皇も東北巡幸の際にここに登られ休息をとられたそうだ。
本堂の縁側の腰を下ろして目にする眺望もまた展望台から景観に勝るとも劣らないものがあった。
空気が澄み時期にもう一度訪れてみたいと思いながら後にした。
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