工作船展示館
この工作船展示館海上保安資料館横浜館)は、横浜のみなとみらい21の赤れんが倉庫2号館の海側広場の傍らにあった。
平成13年12月22日に発生した、九州南西海域での不審船事件で、沈没した北朝鮮の工作船が展示されていた。
このとき、巡視船は、射撃に関する警告を行った後、20ミリ機関砲による上空・海面への威嚇射撃及び威嚇のための船体への射撃を行った。
これに対して、不審船は巡視船に対して自動小銃及びロケットランチャーによる攻撃を行ったため、巡視船は正当防衛射撃を実施した。
不審船による攻撃のため海上保安官3名が負傷すると共に、巡視船も大きな被害を被った。
不審船は自爆と思われる爆発を起こし、奄美大島から西方約390km付近において海底に沈没した。
不審船は沈没から約9ヶ月後の平成14年9月11日に海底から引き揚げらた。それがこの工作船である。
船体にはその時の生々しい弾痕が残っていた。この船からは、地対空ミサイル発射機、ロケットランチャー、軽機関銃、14.5mm機関銃などの武器が発見された。
また、日本の携帯電話(旧JーPHONEのプリペイド携帯電話)や日本のとりめしや赤飯の缶詰(製造元:山形県寒河江市)なども発見された。

思えば、国家の命を受けてとは言うものの、こんな船で工作活動しなければならなかった工作員が哀れに思える。
工作員にだって、親や妻や子供たちや恋人がいたかもしれない。他国の幸せな国民の生活を目にしながら、なぜ自分はこんなことをしなければならないのか、と悶絶することもあっただろう。
しかし、国の命令には逆らえない。祖国から遠く離れた海で、敵国の巡視船に発見されて、祖国の国家機密を守るために、自ら自爆するしかなかったのだろう。
この工作船を見て、つくづく思う。独裁者のいる国家の国民は哀れだと。

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