「恋する灯台プロジャクト」というものがある。
日本ロマンチスト協会と日本財団が共同で実施しているプロジェクトらしいのであるが、
灯台を「ふたりの未来を見つめる場所」として定義することで「ロマンスの聖地」へと再価値化するのが目的らしい。
日本全国の灯台から、ロマンスの聖地にふさわしい灯台を「恋する灯台」として認定し、地域の観光資源としての灯台の価値を見直すことのことだ。
この大須崎灯台もその一つに選ばれたらしい。
前からどんなところか、訪ねてみたいと思っていたが、今回、その思いを果たすことができた。
当初、車で、この灯台のそばまで行けるものと思っていたが、ちょっと甘かった。
近くまで行って、向こうに灯台の姿が見えるのだが、なかなか近づけないのだ。
灯台までのアクセス道を探して、何度も同じ道を行ったり来たりした。しかし見つからない。
ふと、道端に空き地があり、そこに傾いた手作りの案内板があるのに気がついた。そこに灯台までの道順が記してあるではないか。
はっきりとは記してはいないのであるが、どうも、ここに車を置いて徒歩で灯台に行けということらしい。
しかし、果たしてほんとうにここに車を駐車していいものかどうかわからない。周囲には人影もなく問える人はいない。
無断駐車にならないかと不安に思いながらも、そこに車を駐車して灯台に向かった。
灯台に行くには、途中で、右の横路に入らなければならなかったのだが、そこに気がつかず、ずっと坂を下りて港まで出てしまった。
それでやっと道を間違ったことに気づき、引き返して灯台への横道を見つけ、なんとか灯台にたどり着くことができた。
着いてみたら、すばらしい眺望が広がっていた。
晴れわたった青い空と白い雲、そして眼下に広がる太平洋。遠くには島々も見える。
自分以外には誰もいない。この眺望を独り占めなのだ。
眼下に見える港を見下ろすと、なんとそこはハートのマークに見えるではないか。
なるほどなるほど、「恋するふたり」にはピッタリの場所だ。まさにロマンチックな灯台だ。
【所在地】
宮城県石巻市雄勝町大須147ー2