この観自在王院跡は、毛越寺に隣接している場所なのだが、まだあまり知られていないのか、訪れる人は少なかった。しかし、ここも世界遺産に指定されたところだ。
観自在王院跡は奥州藤原氏二代基衡の妻が造営した寺院の遺跡とのことで、近世までに往時の堂塔はすべて失われ、庭園も荒廃して後には水田化してしまっていたが、
遺跡発掘調査の成果に基づいて伽藍遺構と庭園の修復・整備が行われ、今日の姿になったとのことである。
ここも舞鶴池を中心にした浄土庭園であり、池の周りの新緑に包まれてとても美しい景観をつくり出していた。
平安時代の人々の思い描く「浄土」とは、こういうイメージだったのだろう。
日々の生活で汚れきった心が洗われるような気がした。毛越寺を訪れた際には、ぜひここも訪れてみたいところだ。