人間を幸福にする経済  :奥田碩

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 本書は2003年10月に出版されたものである。筆者はトヨタ自動車の社長、会長を経て日本経
済団体連合会の会長となった。また、経済財政諮問会の議員や産業構造審議会の会長など多くの公職
を持つ人物である。
 筆者は、本書において、強者と弱者がはっきり分かれるアメリカ型の競争社会を推進することを提
案している。それが今日の日本の経済低迷を打開するための策であるとしている。
しかし、強者はますます強く、弱者はますます弱く立場に追いやられる社会は、ほんとうに幸せな社
会になりえるのだろうかと、私個人としては疑問をもつ。
 やはり、これは強者の論理ではないかと感じる。チャレンジする機会の平等と、理想的なことを言
っているが、いくらチャンスを平等に与えられても、一度格差がついた強者と弱者では、なんどチャ
レンジしても、常に強者が勝つという結果になるような気がする。
 そんな社会では、一部の強者による特権階級と弱者階級の2層構造の格差社会が生まれ、弱者階級
の人々の心は荒廃し、両階級間の抗争が激化していく、という未来社会をどうしても想像してしまう。
 他方、日本は2025年には、現役世代2人が高齢者1人を支えるという、世界に類をみない高齢
化社会に突入する。このままでは、今でも危うくなっている今の年金制度は、確実に崩壊する。
 今では約700兆円の赤字を抱えるこの国は、これからどうなっていくのだろうかと考えると、暗
澹たる思いに駆られる。
 もはや、消費税値上げ反対などという目先のことを、あれこれ言っている場合ではない。18%以
上の消費税も覚悟をしなくては、この国は確実に破綻する。こんな状態である中において、最近次々
と問題が明らかになってきた厚生労働省や社会保険庁の罪がは重い。


日本変革へのビジョン −周回遅れを取り戻すために
・いまの日本はダブダブになった古い背広を、身の丈に合った新しい背広に着替えようとしている
 最中である。古い背広とは、高度成長を背景としたキャッチアップ時代の制度やシステムのこと
 である。
・私たちが心に刻むべきなのは、ただ現状を嘆くだけの消極的な危機感ではなく、「なんとかしな
 けれな」と前向きの改革に挑む、積極的な危機感である。
・国が抱える様々な懸案に、これ以上の先送りは許されない。日本は今、本当の正念場を迎えている。
・いままでの日本は、横並びの風潮が幅を利かせていた。これは「嫉妬の経済」以外のなにものでも
 ない。平等は確かに尊重すべき価値観だが、それぞれの努力のプロセスを無視して、結果だけを
 同じにすることが公正であるとは思えない。それはむしろ悪平等であり、社会から活力を奪うだ
 けである。
・今我々が求められているのは、国民一人ひとりのモチベーションを高め、活力を引き出すような
 「攻めの姿勢」で、雇用の創出・拡大にチャレンジすることである。
・少子化・高齢化に耐えうる足腰の強い社会保障制度を持続させてためには、現役世代だけではな
 く、すべての世代が公平に負担を分かち合うという発想が必要である。その財源には消費税がも
 っともふさわしく、それ以外は考えられない。
・実際、少子化・高齢化の進行は待ったなしである。いまのままでは社会保障制度だけでなく、日
 本という国家そのものが破綻する可能性さえある。
・2025年度には、消費税を16%、から18%ぐらいまで引き上げなければならない事態も予
 想される。
・消費税を2007年度までに10%、2025年度までに18%まで段階的に引き上げることを
 提案する。
・仮に今のデフレを克服できたとしても、これまでのような年率3%、4%といった経済成長率を
 達成することは難しい。せいぜい1%か2%の低成長率の中で、「活力と魅力溢れる日本」を作
 るためには何をすべきか−−その一つがキャッチアップ時代の遺物である「嫉妬の経済」を「賞
 賛の経済」へ転換していくことである。
・「賞賛する経済」とは、個人の志が最大限に尊重される経済社会を言う。私たち一人ひとりが
 「他人と同じか、それ以上」ではなく、「昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自
 分」という考え方で努力し、進歩していくこと。そして、そのチャンスが平等に与えられること。
 それが「賞賛の経済」である。
・今の豊かな日本の社会では、生き方も考え方も異なる他人と自分とを比較しても意味がなく、む
 しろ、経済の活力に結びつくような格差の存在は、前向きに認めていくべきである。
・自らの才能と努力、そして運によって成功をつかんだ人は、それにふさわしい報酬と評価を得る
 ことができ、失敗した人にも、次の成功をめざして、何度でもチャンスが与えられる。そういう
 社会にしなければ、大事を成し遂げる気概や未踏の地への挑戦心は育たない。
・社会は少数の強者と弱者、そして大多数の「普通の人」で成り立っている。その普通の人にまで、
 強者と同じような生き方や働き方を求める社会は、本当の意味で豊かな社会とはいえない。むし
 ろ社会の大多数を占める普通の人に、それぞれの持てる力と個性を十分に発揮してもらうことこ
 そが、本当の豊かさではないか。
・日本を「活力と魅力溢れる国」として再生させるためには、個人の画一的な生き方、横並びを強
 いる企業中心の社会を過去のものとし、明確な価値観を持ち、自立した個人を中心としる社会に
 転換していくことが必要である。
・この場合の「自立した個人」とは、国家や地域社会、企業などの一員として、自らすすんで責任
 を果たし、公との「健全な依存関係」を築いていける個人のことである。
・サラリーマンなど組織に属する人であっても、その中で役割を担い、社会に付加価値を提供する
 ことによって、立派に自立した個人になることができる。
・「大勢に従ってつつがなく過ごそう」という意識や「誰かがなんとかしてくれる」という根拠の
 ない楽観論は、社会から活力を奪い、国を衰退させるだけである。企業が国の規制や保護に頼ら
 ず、自己責任で事業活動を展開していかなければならないのはもちろんのこと、個人も、モラル
 や価値観の面まで組織に寄りかかるのではなく、精神的に自立して生きていかなければならない。
・これまでの日本は、価値観やライフスタイルの画一化があまりにも目だった。同じもの同士、似
 たもの同士が結束する一方で、異なる意見や考え方を持つ人は排除するという傾向も強かった。
 国民のめざす豊かさの基準が一律で「人並み以下にならない」ことが「幸福」であると考えられ
 てきた。
・国や企業を延命させるには、危機感と緊張感、そして、つねに過去の成功体験にとらわれず、自
 己の変革をためらわない攻めの姿勢が必要である。
・現在の多くの日本人のように固定観念に凝り固まり、じっと我慢して、嵐が通り過ぎるのを待っ
 ているのでは、何も変わらない。
・変化のない組織はすぐに停滞し、腐敗が広がる。個人の志と多様性を原動力とした絶えざる変革
 のダイナミズムこそが、社会や企業を活性化させる。

個人を社会の中心に −−多様性とゆるやかな連帯の時代
・戦後の小品種大量生産体制は、画一化された労働力があって、はじめて可能になるものである。
 しかし、それは一方で、個人のライフスタイルをも画一化させることになった。
・これからの企業には、柔軟性と多様性が求められる。経営者は、そういった企業活動を担う人材
 を積極的に登用しなければならない。そのためには、人材活用の基本原則を大きく見直すことも
 必要となる。
・自立した個人が確立することで、日本は、従来の企業中心の社会から「労働市場」「資本市場」
 「製品・サービス市場」「コミュニテー・市民社会」の中心に個人が位置する新しい社会に変化
 する。
・近年の日本社会では、家族や親族、地域、あるいは職場における連帯感が弱まり、希薄化する傾
 向にある。個人が多様化するということは、一方で、各個人が孤立化していくことでもある。
・これまでの家族や地域といった限られた範囲内での強い連帯に代わる、ゆるやかでフラットな連
 帯、健全な相互依存の関係を作り上げていくことが必要になってくる。
・人生のあらゆる場面において、一人ひとりが自分の意思で選択を行い、多様な人生をまっとうで
 きる制度が用意される必要がある。ただし、その際に重要なことは、行過ぎた結果の平等を求め
 ないことである。
・日本の教育は、現在もなお、「知識の偏差値」という単線のレールが敷かれた鉄道である続けて
 いる。その結果、学力による偏差値序列がかたちづくられ、子供達の意思とは無関係に高学歴化
 が進行している。
・しかし、本当に必要なことは、「偏差値の高い学校」に入学したり、「高学歴」の卒業証書を手
 にしたりすることではない。自分の生き方に合ったライフスタイルを、卒業後の実社会の中で実
 現できる知識と判断能力を身に付けることが必要なのである。
・これからの社会では、知識とあわせて、豊かな経験、高いコミュニケーション能力、構想力と決
 断力、幅広い教養、高い倫理観や責任感といった要素がトータルに評価されていくことが必要で
 ある。
・現在、フリーターの急増が社会問題化している。その第一の原因は、企業が長引く不況を背景に
 新卒者を含めた採用を抑制し、若者の働き口を狭めていることにある。そして、もう一つの原因
 は、画一的な雇用システムが、価値観の多様化した今日の時代に合わなくなってきているためで
 ある。
・個人お働き方や、労働に関する意識、価値観が、加速度的に多様化しつつある中で、仕事を通じ
 て能力を伸ばしたい人、働くことで生活の糧を得ながら社会貢献活動などを通じて生きがいを追
 求したい人、あるいは仕事と家庭のバランスをよく両立させて生活を楽しみたい人など、ライフ
 スタイルも多様化している。
・日本は世界では類を見ない速さで少子化が進行している。その最大の原因は、女性の社会進出で
 あると言われている。育児期にある女性は、多くの場合、休職、もしくは離職しなければならな
 いのが現状である。
・これを解決するには、仕事と子育ての両立がしやすい環境の整備が不可欠である。延長保育の拡
 充や入園待ちの解消などにとどまらず、駅前保育所の設置や、職場、住居、保育所が近接した街
 づくりなど、都市政策の視点からの整備を行うことも求められる。

企業の自律・地域の自立 −−「共感」と「信頼」の枠組みを
・企業は、多様な個人が、安心して多様な働き方を選択でき、働きに応じて報酬が得られるしくみ
 をつくっていかなければならない。従業員を、共通の目標、価値観、嗜好を持つマスとして一律
 に扱うのではなく、多彩な個性を持つ個人として尊重しなければならない。それが従業員の活力
 を引き出し、企業収益の源泉となる。
・ただし、それは成果主義を採用することを即意味するものではない。それぞれの個人の意欲や能
 力に適合する仕事を提供することで、必ずしも高い賃金を提示しなくても優秀な人材の確保は可
 能である。自己実現に結びつき、自身の成長にも資する仕事を与えられていれば、労働時間や賃
 金に関する不満は、むしろ減少する。
・次世代の日本の基幹制度として、「中央政府」「州政府」「現行の市町村よりも広域な自治体」
 という三つの政治・行政組織が、それぞれの担当分野で責任を持って行政を遂行する新しいシス
 テムを提案する。
・生活空間を増やし、豊かな生活を実現するためには、まず住宅メーカーが、住宅の建設、維持管
 理、建替えなどにおけるコストを削減するとともに、各世代が住み継げる高い耐久性を持つ住宅
 を開発し供給していくことが必要である。
・各種のライフラインに過度に依存しない自立型の住宅、たとえば、燃料電池などの分散型電源、
 雨水・太陽光の利用設備、汚水やゴミの家庭内処理設備などを完備した住宅の開発を急ぐことも
 大切である。
・郊外への無秩序な外延化や、都心部における過密を放置しておいては、快適な住居空間を作り出
 すことはできない。郊外においては、新たな緑地をつくりながら、ゆったりとした低密度の空間
 を形成し、都心部においては、土地の有効利用を進めながら、多目的に活用できる空地を設け、
 より機能的な都市を形成していくことが重要である。

日本再生の前提 −−社会システムの再構築
・2025年には、65歳以上人口の15歳から64歳までの生産年齢人口に対する比率は48.5%
 まで上昇する。つまり、現役世代2人で1人の高齢者を支える構造になる。
・日本の少子化・高齢化は、世界に類を見ないスピードで進展するため、他国の制度を模倣するだ
 けでは、これを乗り切ることは不可能である。
・個人や法人の収益に対して直接負担を求める所得課税から、間接税である消費税にウエイトを移
 行していくことは、不公平を是正し、企業で働くビジネスマンのモチベーションを高め、ひいて
 は日本経済の活性化を促進させる効果がある。
・現在の所得税のしくみは、源泉徴収制度によって所得が把握されるサラリーマンのほうが、自営
 業者などに比べて負担がしわ寄せされやすく、「とりやすい所からとる」構造になっている。そ
 のため、きちんと税を払う人が余計に負担しているのが現状である。
・現行の消費税は、低所得者の負担が相対的に重くなってしまう、いわゆる逆進性の問題が指摘さ
 れている。このような問題を解決するために、基本税率とは別に、食料品などの消費税を低めに
 設定する、複数税率制を提案する。
・複数税率制を導入に際しては、商品によって税率が違うのに本体価格しか表示されない外税方式
 では、消費者の混乱を招く恐れがある。消費税込みの値段を表示する内税方式とする必要がある。
 国際的に見ても内税方式が一般的となっている。
・日本企業の国際競争力を高め、企業が国内においてリスクに果敢に挑戦できるようにするととも
 に、海外からの直接投資を活発化させる観点から、法人税については、地方税を含め、実効税率
 を大幅に引き下げていくべきである。
・このまま高齢者に対する給付を既得権として認めていけば、現役世代・将来世代の負担は増え続
 け、現在の水準の給付を維持することは不可能である。その結果、公的年金制度への信頼は失わ
 れ、ますます制度の崩壊が進む。
・何よりもまず、保険料の徴収を徹底することが重要であるが、さらに低いコストで必要な財源を
 確保するしくみを構築することも求められる。
・現行の社会保障制度の問題点として、現役世代が高齢者を支えるという世代間での過度な所得移
 行が行われるため、制度を支える側、すなわち現役世代に不信感が高まっていることが上げられ
 る。明確なビジョンがないまま改革が先延ばしされていることによって、将来に対する不安感が
 高まって消費の手控えが起き、これらが相まって経済低迷が長期化するという悪循環が生じてし
 まう。
・ 現行制度は、右肩上がりの経済成長、釣鐘型の人口ピラミッドを前提に、本来の目的を逸脱した
 水準まで給付が拡大している。各制度の目的を明確にして、最低限必要な給付にターゲットを絞
 る必要がある。
・また、1400兆円近い個人金融資産の半分以上を高齢者が保有していることからみても、「高
 齢者=弱者」という図式は崩れつつある。能力のある高齢者には、できるだけ支える側にまわっ
 てもらう必要がある。
・必要な負担を「とりやすい所からとる」のではなく、能力に応じて公平に負担するしくみが実現
 されなければならない。最低限整備すべき社会的インフラとしては、納税者番号制度の導入と、
 税・社会保険料の一括徴収システムの確立が急がれる。
・企業の従業員についても、従来の事業主負担分については、従業員の給与に上乗せして、自営業
 者と同様、保険料を全額本人が負担する方法に改めることが必要である。これにより、本来の受
 益者であるサラリーマンのコスト意識が高まり、安易な負担増に対する抑止力となることも期待
 できる。

新しい成長のための戦略 −−技術革新のダイナミズム
・今後、日本では、少子化・高齢化が進み、労働人口が減少する。そのため、これからは、資本投
 入、つまり設備投資の拡大と、技術革新がますます重要になってくる。
・従来から日本が得意としてきた生産工程におけるプロセス・イノベーションに加えて、基礎研究
 に基づくプロダクト・イノベーションを活発化させなければならない。
・ITを活用したソリューション・ビジネスから、医療、福祉、教育、環境などの暮らしに密着し
 た事業まで、サービス産業は、依然、高い雇用吸収力を持っている。サービス産業は、個人や企
 業のニーズにきめ細かく応えていくことで、さらに社会的価値を生み出していくことができる。
・地球の資源は有限である。大量生産、大量消費、大量廃棄のシステムを21世紀においても継続
 していくことは不可能である。かつて自然界に存在した循環を再び取り戻すために、環境と調和
 した新しい社会システムの構築と、それを支える技術開発を急いで進めなければならない。

「第三開国」を自らの手で −−グローバル競争に挑む
・グローバル化は様々な問題を伴うが、それ以上に日本に多くの利益をもたらす。グローバル化が
 もたらすメリットを享受し、成長の源泉としていくことこそ真の国益につながるはずである。
 そのために「積極的通商政策」を展開していくことが、現在の日本には強く求められている。
・欧米諸国と比べ、日本に最も欠けているのは、リージョナルなアプローチである。日本の対東ア
 ジア外交、とりわけ経済外交は、近年の中国やASEANの急速な経済発展という大きな環境変
 化を踏まえて、再構築されなければならない。
・日本が、東アジアにおいて自由経済圏構築を進めるためのイニシアティブを発揮するためには、
 ます市場を自らの手で開放していく必要がある、さもなければ、いかなる国も日本との交渉を望
 まないであろう。

日本経団連の決意 −−民主導の改革を実現させるために
・日本が直面する課題を解決するためには、何よりもまず、企業と個人が自立に向けた意識を高め
 ていかなければならない。日本の政治には利益誘導型という批判があるが、その背景には、「政
 治に頼み込めばなんとかなる」という企業の個人の依頼心がある。
・日本が官主導型の経済社会であるとの指摘があるのは、「役所に任せておけばよい」という意識
 が根強かったからである。このような意識を払拭しないかぎり、民主導型の経済社会は実現され
 ない。
・現在、国際制度間競争、すなわち経済発展に向けた制度づくりの国際競争が激化している。今日
 の日本経済の低迷は、20世紀終盤における国際制度競争の敗れたこともその一因がある。
・現在、多くの日本人は、日本が、あたかも動力や舵や錨をなくした船のように漂流していると感
 じている。また、IT化やグローバル化という変化の波に日本が飲み込まれて、行き先を見失っ
 てしまうのではないかと不安を感じている。
・危機を乗り切る最善の方法は、日本のすべての企業、すべての個人が、自ら行動し、自ら社会を
 変えていくことである。それによって日本は、夢と希望を持っていきいきと活動する個人の集合
 体となる。