「霞ヶ関残酷物語」            :西村 健


官僚たちの冬 霞が関復活の処方箋 (小学館新書) [ 田中 秀明 ]
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著者は東京大学工学部を卒業後、旧労働省に技官として入省し、4年間霞ヶ関で働いた経歴を持
つ元キャリア組である。その4年間に見た霞ヶ関という官僚の世界の不合理を指摘した告白本の
ひとつであると言える。
官僚の身分制度であるキャリア組とノンキャリア組という制度の問題点の指摘から始まり、同じ
キャリア組の中においても事務官と技官ではその待遇に雲泥の差があるという。さらには大蔵省
を頂点とする各省の格差などの問題も指摘している。そんな特権階級的な官僚も永田町の議員、
特に族議員には頭が上がらないという。霞ヶ関の封建的な古い体質、無意味な国会答弁作成のむ
なしさ、根回し地獄などに嫌気がさし、次第にやる気をなくしていく若手官僚。官僚の世界の裏
を見たような気がする。