ほったらかし投資術  :山崎元、水瀬ケンイチ

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私も投資を始めた当初は、試しにいろいろなものを手を出してみたが、最終的にこのイン
デックス投資に落ち着いている。本書にもあるように、個別株への投資は、大きく利益が
出る場合もあるが、損失も大きく、リスクが大き過ぎると感じた。それに昨今のように、
大手企業でも、信じられないような不正が突然明るみに出て、株価が大暴落するという危
険もある。
その点、インデックスファンドは、大きく利益は出ないが、個別株のような大暴落という
危険は少ない。日々の日経平均等の動きを見るだけでいいので、あまり株価情報に振り回
されることも少ない。素人でも、比較的安心して始められるのが、インデックス投資では
ないかと、私も思っている。

人はどのようにしてインデックス投資家になるのか
・私が実践しているインデックス投資とは、株価指数などに連動するインデックスファン
 ドを一定の割合で毎月定額積み立て投資していくという投資法です。
・これまでの私の経験から得たものは、個別株投資は生活に支障をきたす、ということ
 です。四六時中、株のことが気になってしまうのです。自分だけ逃げ遅れるのではない
 かという恐怖感の方が大きかったように思います。悪材料が出ていないか、常にチェ
 ックしないと不安だったのです。
・個別株投資では、どんなに厳選した銘柄も市場全体が下落するとそれにつられて一斉に
 値下がりしてしまうことがある。自分が積み重ねてきた努力が水泡に帰すというか、個
 別株投資に対して、ある種のむなしさを覚えたものです。 
・個々の株式を売買したり、プロのファンドマネージャーが運用する投資信託に投資する
 よりも、ただインデックスファンドを買ってじっと待っているほうが、はるかによい結
 果を生む。
・投資に入る前にぜひとも確保したいのが、「投資に回さない資金」です。「生活防衛資
 金」と呼ばれたりしますが、この余裕資金が非常に大切です。「給料の3ヶ月分」でい
 いという人もいれば、「3年分必要」だという人もいます。私は生活費の2年分以上を
 生活防衛費として銀行に確保しています。
・定時定額で積み立てる買い方は、凡庸な買い方ではありますが、長期的な経済成長の恩
 恵を受けるべく投資しているので、平均的なところで帰ればいい、くらいに考えてコツ
 コツ積み立て投資しています。
・私がやっているインデックス投資は、ある程度のリスクさえ覚悟してしまえば、基本的
 には「毎月インデックスファンドを積み立て投資をしてあとはほったらかし」というこ
 とになります。手がかからないので、日常生活は自由時間たっぷり確保できます。仕事
 に打ち込むもよし、趣味に没頭するもよしだと思います。
・コツコツ型のインデックス投資はギャンブル性が薄く、一般的に「一発当ててやろう」
 というヤマ師が多い男性よりも女性に向いているのかもしれません。

なぜ、普通の人にとって、ほぼベストの資産運用法なのか?
・インデックス投資は、@明快、A安価、B負けない、という三つの長所を持っています。
 勝ち、負けには相手が必要ですが、インデックス投資の相手はアクティブファンドです。
 インデックスファンドはアクティブファンドに負けないのです。アクティブファンドの
 平均は、インデックスファンドに負けているのです。
・市場平均に勝つファンドを、事前に特定する方法は確立されていません。そして、たぶ
 ん、将来も存在しないでしょう。 
・アクティブファンドは平均的にはインデックスファンドに負けていて、しかも相対的に
 どのアクティブファンドがいいのか事前にはわからないということの倫理的帰結は、
 「投資家がアクティブファンドを買うことは合理的ではない」ということです。  
・なぜ、年金基金は(日本ばかりでなく、欧米でも)、アクティブ運用がインデックス運
 用になかなか勝てないのに、アクティブ運用を使うのでしょうか。これは、純粋に基金
 の運用だけの合理性を考えると「謎」です。推測するに、基金の担当者はインデックス
 運用だけでは退屈でしょうし、基金を相手にする年金運用コンサルタントは自分たちの
 仕事を作りたいでしょうし、運用会社も運用手数料の高いアクティブ運用を熱心に売り
 込みます。つまり、年金運用ビジネスに関わる人々の都合で、アクティブ運用が生き残
 っているのではないか。  
・インデックスファンドの優位性の二つ目は、「安価」ということでしたが、この優位は
 目下圧倒的です。アクティブ運用される投資信託は、国内株式に投資するタイプのもの
 で、典型的には信託報酬が1.5%、販売手数料が3%といった水準の費用がかかりま
 す。はっきり言って「暴利」です。そもそも、信託報酬が1.5%という段階で、運用
 商品として「論外」でしょう。検討する必要がない、と断言します。
・投資信託としてはよく売れている「毎月分配型」のファンドも、多くは組み入れ対象が
 外国債権ですが、信託報酬が1%程度あるものが多く、資産形成のための運用手段とし
 ては検討の対象外です。
・日本の投資信託は、日本株のアクティブ運用のファンドでも、1990年頃の設定のフ
 ァンドの場合、0.8%程度の信託報酬だったのですが、90年代半ばから後半にかけ
 て、信託報酬水準が大きく値上がりしました。株価も低迷し、物価もデフレなのに、投
 資信託の信託報酬は昔よりもずいぶん高いというのは困ったことです。アクティブファ
 ンドは、運用商品としては、かつてよりも劣化していると言い切ってかまいません。   
・銀行や証券会社のような販売会社は、顧客にファンドを乗り換えさせることによって手
 数料を稼ぐ誘惑にさらされており、顧客側からみても、運用会社側からみても、もう一
 つ信用できない面があることを覚えておいていただきたいと思いますし、こうした相手
 の「おすすめ」は一切開く必要がありません。
・インデックスファンドは、一般的な公募の投資信託の場合、国内株式を対象としてTOPIX
 に連動するもので年率0.4%程度、外国株式のインデックス連動対象とするもので
 0.6%程度まで信託報酬が下がってきました。ネット証券などを通して投資する場合、
 販売手数料はゼロです。
・個人の運用手順で一般によくある間違いは、購入窓口選択を最初に決めてしまうことで
 す。典型的なケースは、退職金が振り込まれた銀行や、現役サラリーマンの場合、給与
 振込口座がある銀行で資産運用まで行おうとするこでしょうか。こうすると、商品選択
 でベストなものが選べない可能性が大きくなりますし、手数料の最も安い金融機関を後
 から選ぶことができにくくなります。  
・はっきり言って、銀行にせよ、生命保険会社や証券会社にせよ、相談の担当者の使命は
 自社の手数料をなるべく多く上げることであって、顧客にとってベストな運用計画を作
 ることではありません。また、給与振込口座があるような銀行は、顧客のお金に関する
 事情を相当に深く把握しているので、セールスマンとして相手にするには手強すぎます。
・大手の金融機関は「マネーのワンストップ・ショップ」などと称して、一つの窓口で多
 様な商品を取り揃えて顧客に対応することが便利なことであるかのように言いたがりま
 すが、「ワンストップ・ショップ」は、医療で言うと、「セカンド・オピニオン」を遮
 断する効果を持つ、顧客を囲い込むための仕組みです。運用計画は自分の理解でできる
 範囲で、自分で作ることです。少なくとも、金融商品を買うかもしれない相手とは相談
 しないことが重要なのですが、「お客様」扱いされるとつい相手に心を許してしまって、
 この注意を守らない人が多いのは残念なことです。新聞、雑誌などのマネー関係の特集
 記事では、「分からないことがあれば、金融機関の担当者にしっかり訊いて解決しまし
 ょう」「自分の納得がいくまで、金融機関の窓口で相談してみましょう」といった内容
 が結論になっている場合がしばしばありますが、これは、鴨が漁師の家を訪ねるくらい
 の間抜けで危険な行為です。 
・「長期投資だから、リスクは小さい」あるいは、リスクに対して同じ態度を前提として
 「長期投資だから、大きなリスクを取ることができる」というのは正しくありません。
 おおざっぱに言って、リスク資産の収益率がランダムに変化し、投資家のリスクに対す
 る態度が変化しない場合、運用期間の長短とその投資家が取るべきリスクの大きさは無
 関係です。
・お金の運用目的は、誰しもが、「お金を増やすこと」であり、もう少し丁寧にいうとし
 ても、より安全により多くのお金を得るという意味で「効率的に」お金を増やしたい、
 ということに尽きます。お金に色は着いていないので、将来のお金の使途は、それが結
 婚資金でも、離婚資金でも、老後資金でも、子供の学資でも、家の建て替え費用でも、
 病気の備えでも、何でも同じで、自由自在です。
・資金の使途別にそれに適した運用方法や運用商品があるというのは、運用商品を売る側
 がふりまいている、マーケティングのためのフィクションです。医療保険、学資保険、
 個人年金、といったお金の使途を謳った商品の大半は検討する価値さえない代物です。 

インデックス投資、こうやったら大丈夫
・インターネット環境は必須です。証券口座もネット証券がベターですし、銀行口座から
 の送金も手数料が安くて楽なインターネット経由がよいです。情報収集にもインターネ
 ットはとても便利です。
・証券講座は、対面型の大手証券、ネット証券、銀行の投資信託口座など、いろいろあり
 ますが、インデックス投資用となると、ほぼ限定されてしまいます。各金融機関のイン
 デックス投資関連商品・サービスの動きをつぶさに見てきた経験からおすすめできるの
 は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社です。いずれもネット証券で、主要
 なインデックスファンド、国内ETF、海外ETFという3種類のインデックス商品を
 取り揃えています。
・もちろん、対面型の大手証券やネット銀行、一部のメガバンクなど他の金融機関でもイ
 ンデックス商品を買うことはできますが、コスト、インデックス商品の品揃え、新商品、
 新サービスへの対応スピードなど、インデックス投資に必要なサービスレベルのバラン
 スが取れているのが先のネット証券3社だと言えます。 
・入金には「即時入金(リアルタイム入金)」と「銀行振込」の2つの方法がありますが、
 「即時入金(リアルタイム入金)」の利用をおすすめします。即時入金(リアルタイム
 入金)サービスとは、ネット証券提携金融機関でインターネットバンキングの契約をさ
 れている人が利用できるオンライン入金方法で、指示した金額がすぎに反映され、かつ
 入金手数料は無料です。 
・入金されると、自動的にMRFという金融商品に交換されます。これは、いわば証券会
 社の「お財布代わり」の基本商品。株式・証券・投資信託などの金融商品の購入、配当
 や分配金の受け取りなどがMRFを通じて行われます。 入金が完了すると、ネット証
 券の「口座管理」「ポートフォリオ」画面などで、「預かり金」「現金残高」などの項
 目に金額は入ってきます。
・「ほんたらかし投資術」では、基本的に「投資信託」と「ETF」しか使いません。
 「投資信託」とは、多くの投資家から集めた資金をひとつの大きな資金にまとめて、運
 用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。インデックスファンドも、
 投資信託の種類のひとつです。
・投資信託は、少ない金額から購入でき(1万円から)分配金を自動的に再投資してくれ
 たり、利便性が高いのが特徴です。元本保障はありませんが、投資信託の場合、仮に運
 用会社が倒産しても、株式のように投資家の資産が紙くずになるようなことはありませ
 ん。
・投資信託の値段のことを「基準価格」といいます。この基準価格、ちょっと面白いとこ
 ろがあって、投資信託の買い付け・換金を注文する時点では、まだ基準価格が決まって
 いないのです。投資信託によって違うのですが、日本の資産に投資するものはその日の
 夜、外国の資産に投資するものは翌営業日の夜にやっと決定し、運用会社が発表します。
・ETFは、上場投資信託といい、証券取引所で取引される投資信託のことです。「進化
 した投資信託」とでも言いましょうか。証券取引所に上場されているため、株式と同様、
 立会時間中(証券取引所が開いている時間)いつでも売買できます。価格もリアルタイ
 ムに変動しているので、投資信託と違って売買時にも価格がはっきり分かり、値動きや
 損益が把握しやすいです。運用コストである信託報酬はインデックスファンドよりもさ
 らに安く設定されていることが多いのが魅力です。 
・ETFは株式と同様に、証券取引所に証券会社を通じて売買を注文します。ネット証券
 の「株式」画面などから注文します。
・インデックスファンド、国内ETF、海外ETFのどれを買ったらいいのでしょうか。
 基本はインデックスファンドでよろしいと思います。
・今、手元に何千万円も自由になるお金がある人はそうはいないでしょうから、給料など、
 毎月の収入の中から、投資資金を捻出する積み立て投資が現実的でしょう。
・積み立て投資の発展型で「リレー投資」というのがあります。インデックスファンドか
 らETFへの乗り換えのことですが、インデックスファンドは少額から購入でき、全般
 的に利便性が高いというメリットがありますが、信託報酬が高めというデメリットがあ
 ります。一方、海外ETFには低コストというメリットがありますが、売買手数料が高
 いため少額での売買には向きません。これらのデメリットを打ち消しあって良いとこ取
 りをしてしまおうというのがリレー投資の考え方です。