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この本は、お金の「無駄使い」をいかに少なくするかについて説いている。私たちは、
「自分は無駄使いはしいない」と思っていても、けっこう何気ない習慣的なお金の使い方
によって無駄使いをしていることが多い。収入が多く、無駄使いなんか気にしなくてもい
い人にとっては、「よけいなお世話」かもしれないが、限られた収入の中で暮らしていか
なければならない人にとっては、常識と思っていたことが、実は無駄な出費だったという
こともあり、参考になることは多い。内容も、専門的な言い回しはせずに、素人でもわか
るように、やさしく書かれている。
日常における細々とした節約についてはもちろんのこと、配偶者控除や確定申告などの税
金に関すること、生命保険などに関すること、高額療養費制度などの医療費に関すること、
それから株などへの投資に関することなど、現在の国の社会保障制度や、「貯蓄から投資
へ」などという財政政策や金融政策などの裏の事情などを解説しながら、じつに分かりや
すく説明していて、すんなりと理解を深めることができる。若い人はもちろんのこと、特
に退職してこれから年金生活に突入する高齢者は、一度は目を通して確認しておきたい内
容の本である。これを読んで証券会社や銀行・郵便局の「カモ・ネギ」とならないよう気
をつけよう。

はじめに
・私たちの日々の行動の実に40%以上は、「その場の決定」ではなく「習慣」によるも
 のだそうです。
・思考には限界があり、私たちの生活はすべて習慣の集にすぎないそうです。つまり、良
 い習慣を身につければ幸せになっていく可能性があるし、悪い習慣を続けていると不幸
 から抜け出せない可能性があるということです。
・お金で幸せは買えないけれど、お金がないと幸せが支えられなくなる。

その悪習慣が散財のもと
・同じ病院の処方箋を持って行っても、調剤薬局によって支払う料金が違うことがある。
 なぜ、そうなるかといえば、薬そのものの代金は国が定めたものなので同じですが、調
 剤技術料という、薬局がそれぞれ細かく定めている基準が違うからです
・たくさん薬を扱う調剤薬局は手間賃(調剤技術料)がそれほど高くなくてもやっていけ
 ますが、客が少ないところは手間賃も高くなっているといったところです。ですから、
 病院の敷地内にある薬局が一番安く、次が病院に前にある門前薬局、次が量をたくさん
 扱う大手薬局チェーン、そして町の薬局ということになります。
・病院の治療で、年間10万円以上の医療費がかかったら、確定申告の際に医療費控除を
 申請すれば戻ってくるケースがかなりあります。10万円以上というとハードルが高そ
 うな気がしますが、医療費の中には、風邪の引き始めに薬局で買った風邪薬や胃が重だ
 るいので買った胃腸薬など、市販の薬も含まれます。ただ、インフルエンザの予防注射
 などは、病気の治療ではなく予防なので、医療費控除の対象とはなりません。また、人
 間ドックは、検診の結果病気が見つかって治療を始めたら対象になりますが、いたって
 健康だったという場合には、これも医療費控除の対象にはなりません。
・2018年の確定申告からは、薬局やドラッグストアで販売されている医薬品の中でも
 83成分を含むOTC医薬品と呼ばれる一般医薬品については、年間購入額が合計で1
 万2千円を超えたら、確定申告すれば払い過ぎの薬代が戻ってくるようになりました。
・ただし、OTC医薬品で確定申告したら、通常の医療費控除は使えません。一方、通常
 の医療費控除を使う場合には、OTC医薬品を買った金額も一生に合算して申請できま
 す。   
・紹介状もなく大病院にいきなり行くと、初診料に5千円以上が上乗せされます。対象の
 病院は、以前は500床以上が対象でしたが、2018年4月からは、400床以上が
 対象となっています。さらに、再診であっても、料金を払わなくてはならないケースも
 あります。
・病院の診療時間というのは基本的には、平日は午前8時から午後8時まで、土曜日は午
 前8時から正午まで。年末年始を含む日曜・祭日は休みということになります。それ以
 外の時間に診療を受けると、届けを出している病院以外は、「時間外加算850円」
 (概ね午前8時前と午後6時以降)、「深夜加算4800円」(午後10時〜午前6時)、
 「休日加算2500円」(日曜日・祝日・年末年始)という別途料金が加算されます
 (いずれも初診の場合)。ただ、この加算額をそのまま支払わなくてはならないかとい
 えば、健康保険が適用になるので人によって違います。
・スーパーに買い物に行くとき、もし、その日の献立が決まっていないなら、惣菜売り場
 から買い物をスタートしましょう。と言っても、惣菜売り場にある惣菜を買うのではあ
 りません。そこに並べられている惣菜を見て夕飯の献立を決め、その材料を、加工食品
 →肉→魚→野菜売り場とまわって買い揃えるのです。 
・なぜ、献立が決まっていない人が野菜売り場から買い物をスタートしてはいけないのか
 といえば、献立は決まっていないまま買い物を始めると、あれもこれもと買いすぎてし
 まうからです。ですから、まず惣菜売り場に置かれているものをヒントに献立を考え、
 そこから無駄の少ない買い物をスタートさせようということです。
・主婦の8割が、「毎日の献立を考えることは面倒だ」と回答しています。今の主婦は、
 子育て・家事 ・パートと、目が回るほど忙しい。その合間に食事の献立も考えなくて
 はならないのですから、苦痛になるのもわかります。しかも、お腹が空いている夕方に
 献立も決めないままスーパーに行くと、いろいろなものが美味しそうに見えて、あれも
 これもと買いすぎてしまう。これは主婦でなくても、思い当たるという方は多いのでは
 ないでしょうか。
・ネットスーパーの良いところは、自分のゆっくりした時間を利用できること。私のお勧
 めは、夕食を食べて落ち着いたところで、明日の夜の献立を決める。献立については、
 クックパッドで時短術や節約料理が簡単に調べられます。献立が決まったら、冷蔵庫の
 在庫を調べながら注文しましょう。足りないものを見ながらオーダーができる点で、買
 い過ぎを間違いなく防げます。
・頻繁に行く店のカードならともかく、それほど頻繁に買い物しないようなお店のカード
 を持っていても、結局はポイントは貯まらないということになります。しかも、ポイン
 トについては、使用期限が限られているカードもかなりあります。今はデフレで、同じ
 商品でも安値競争をしている時代、少しでも安く買おうと思ったら、ポイントにこだわ
 らないほうがいいかもということは頭の片隅にいれておいてもいいでしょう。
・ボーナスの現金払いならまだしも、クレジットカードの「ボーナス払い」で先に買い物
 を済ませている人もいるでしょう。けれど、これからは、ボーナスがあてにならない時
 代がやってきています。2018年の夏ボーナスは過去最高でしたが(大手企業、経団
 連発表)、ボーナスが給料の調整弁となってしまっている現状では、いつ下がるかわか
 りません。だとしたら、ボーナスは主に貯金に回し、月々の給料で生活できるようにし
 ておいたほうがいいでしょう。 
・「型落ち商品」をご存知でしょうか。冷蔵庫やエアコンなどの大型家電は、売り出し当
 初が最も高いものです。メーカーが家電製品の新型モデルを売り出すのは5月から6月、
 10月から12月に集中していて、この時期に新しい家電製品を出すと、それまでの商
 品は「型落ち」ということになり早く処分してしまいたいという思惑が働くので、大幅
 な値引き販売が行われるのです。ちなみに、今の電化製品の性能は、新機種といっても
 従来のものとほとんど変わりませんから、「型落ち」はおトクということになります。
・またメーカーも販売店も決算を迎えるのが3月末、9月末。この時期少し前には売り上
 げを伸ばしておきたいということで「値引きしてでも売り切りたい」というインセンテ
 ィブが働くので、値引き交渉がしやすくなります。
・ちなみに、車なども決算時期に安くなる傾向があります。自動車メーカーは、決算時期
 前になると、会社の業績を上げたいので、たくさんの車を売ってくれたディーラーにノ
 ルマが達成されたら報奨金をたくさん出します。そのため、ディーラーは値引きしてで
 も販売台数を増やそうとするので、いつもよりも大幅値引きになりやすい。ボーナスを
 あてにして買うよりも、ボーナスを貯金しておいて安い時期に買う。そうすれば、ボー
 ナスが減ったから買わなくてはいけないものが買えないということがなくなるでしょう。
 お金が払えない、なんて事態も避けられるはずです。
・「あったら便利」が、意外なところで家計を圧迫しています。例えば、都会に住んでい
 るのに、自家用車を持っている人。確かに、出かけるときには車があったほうが便利な
 気がします。けれど、地下鉄やバスの便がいい都会で、自動車は必需品でしょうか。タ
 クシーに乗って千円、2千円と払うのはちょっと惜しい気がしますが、でも、車を持っ
 ている維持費に比べたら安いもの。車があると、車代だけでなく、車検代、保険代、ガ
 ソリン代、駐車場代と、様々な経費がかかります。月にならすと、5万円くらいはかか
 っている方は結構いらっしゃると思います。これが、もし月5万円タクシーに乗るとし
 たら、乗り放題になることでしょう。地方では車は必需品ですが、都心では、なくても
 不便ではないのです。  
・なぜ、「あったら便利」と思って、いろいろなものを買ってしまうのでしょうか。それ
 は、本当に必要なものの優先順位がはっきりとわかっていないからだと思います。優先
 順位がわかっていたら、「あったら便利」というものの必要度の順位は低いはずです。
 それでも買う人は、物欲が強い時代に生きてきたからでしょう。
・けれどこれからは、シンプルに暮らすおkとが素敵なライフスタイルとなっていく時代。
 便利なものを求めてお金を使うよりも、心豊かに暮らせるライフスタイルが求められて
 います。どんなに便利なものを身近に揃えても、心までは満たしてくれません。 
・「足るを知る」という言葉がありますが、あれもこれもと欲しがるのではなく、心を満
 足させて楽しく暮らしていけるほうが、素敵だとはおもいませんか?
・「あったら便利」なものは、結局は、「なくても困らない」もの。必需品だけ揃えるシ
 ンプルライフで、心豊かに暮らしましょう。 
・昔は電気代が高かったので、エアコンはなるべくマメにつけたり消したりすることが節
 約になっていました。ところが省エネが進み、今のエアコンには、それは当てはまりま
 せん。今のエアコンは、立ち上げの時に最も電気を使うので、30分ぐらいなら必要な
 くても、つけっぱなしにして置いたほうが良くなっています。
・また、昔はエアコンよりもガスファンヒーターのほうが節約になりましたが、今はエア
 コンの省エネ効果が上がっているので、ガスファンヒーターを使うよりも、エアコンの
 ほうが安上がりになるケースも出てきています。 
・「冷蔵庫は詰め込みすぎず冷たい空気が回るようにし、冷凍庫は反対にぎっしり詰め込
 んだほうがいい」冷蔵庫はこのままでいいのですが、冷凍庫は要注意です、確かに機能
 的には、冷凍庫は隙間なく詰め込んでおいたほうがそのぶん冷やさなくてもよく正しい
 ですが、実は、その理屈で冷凍庫に冷凍食品などを詰め込み過ぎて、中に何が入ってい
 るのか、上のものを取り出してみないとわからないようなケースが増えています。そう
 なると、長時間冷凍庫を開けておくことになるので、節約にはなりません。
・掃除機を使うときに、頻繁にスイッチを切ったり入れたりしながら電気代の節約をして
 いる人がいます。けれど、まずしっかり部屋を整頓し、掃除機をかけるところにあるモ
 ノをまず片付けて、ノンストップで一気に掃除機をかけたほうが節約になります。
・テレビも、以前は「見ないときには待機電力がかからないようにコンセントを抜いてお
 く」というのが常識でしたが、今のデジタル対応テレビは、コンセントを抜くと電子番
 組表のデータも消え、次につけたときこの読み込みを含む起動が電力を消費すると言わ
 れています。コンセントを抜くのは、長期で不在にする時にしましょう。。
・パソコンも、消すと起動するのに時間や電力がかかるので、スリープモードにしておい
 たほうが節約になるケースも。   
・「節約」の極意は、1回の見直しでずっと続くような大きな効果が得られること。例え
 ば、生命保険なども、これにあたります。不必要な保険を1回見直し月5千円でも支払
 が減れば、年間6万円、10年で60万円、30年で180万円を貯金できます。
・電気のアンペアの見直しなども同じ。家族が少なくなったら、60アンペアを40アン
 ペアに落とせば、電気の基本料金はずっと安くなります。
・今は、家族みんなが携帯電話を持つ時代なので、あまり使わない家の固定電話は辞めて
 しまうというのも同じ発想です。スマホを、格安スマホに換えるというのもいい。
・トイレの便座の電気は、冬だけつけて春になったら切っておく。冷蔵庫は、初谷強冷で
 も冬になったら弱冷にする。こうしたことは、月単位で気をつければ節約になります。
 時々見直す節約を忘れずに。
・冬の暖色系のカーテン、夏は青や水色など涼しげなカーテンに換えるだけで、体温温度
 が違います。     
・節約を、習慣にしてしまうというのも大切。例えば、水筒を持ち歩き、自動販売機など
 でやたらに飲み物を買わないとか、コンビニに不用意に行かない、財布にたくさんお金
 を入れておかない、毎日買い物に行かないなど、最初はしんどくても習慣づけてしまえ
 ば気にせずに節約になります。
・銀行の店舗は、ほとんどが駅前の地価の高いところにありながら、やっている仕事は収
 益にならない預金の出し入れや、手間ばかりかかって採算の合わない振り込みなど。そ
 れなのに窓口対応しているのは普通のOLよりも給料が高い女性行員なのです。それに
 気づいた銀行は、「採算が合わない普通のお客様を、銀行に来させない」という方法を
 考えました。「採算の合わない普通のお客さまを、銀行に来させない」ために何をした
 か。それは、インターネットバンキングとATMのコンビニなどへの設置強化でした。
・つまり、「窓口には来ないで、ネットで振り込んで欲しい。ネットが使えない人は、
 ATMを使ってください」という、銀行からのメッセージなのです。インターネットバ
 ンキングは、銀行にとっていいだけでなく私たち利用者にとっても便利です。
・銀行の、カードローンによる自己破産が急増しています。中でも、問題になっているの
 は「リボルビング」という返済方法。これは、あらかじめお金を借りられる枠を設けて
 おいて、その枠内でならいつでもお金が借りられるというもの。要は借金です。返済額
 は毎月一定額もしくは支払い残高に応じた一定割合の額でいいというものが多くなって
 います。
・「リボルビング払い」だと、お金をどんどん借りて借金の残高が増えていても、毎月の
 返済額が一定額なので、確認しないまま月に決まった額だけを払っていくということに
 なりがち。また、借りたお金をいつ返済し終えるのかがわかりにくく、延々と利息を払
 っていくことになりがちです。  
・カードローンの金利は14%前後のところが多いので、仮に金利14%とすると、50
 万円を借りて、総額で約75万5千円を返すことになります。
・こうしたカードで注意したいのが「無利息」のふれこみ。「最大30日間は無利息」と
 か、中には「5万円以下なら最大180日間無利息」などというものもあります。「無
 利息」ということは、ローン会社の儲けがゼロということになりますが、なぜこんな計
 算に合わないことをするのでしょうか。それは、一度借りてしまうと続けて借金をする
 人、借金漬けになってしまう人が多いためです。今まで、借金などしたことがないとい
 うガードの固い方を安心させて、万年借金に引き込むためでもあるでしょう。くれぐれ
 も、カモにならないように気を付けましょう。 

そのお金の常識は、もう非常識
・2018年からは、配偶者控除(配偶者特別控除)が150万円まで拡充されたことで、
 ますます働く主婦は増えそうです。
・稼ぎのある妻なら稼ぎの範囲内で自分名義の貯金を増やす。稼ぎのない妻なら、年間
 100万円の贈与税の無課税枠を使って、自分名義の預金を増やしておいたほうがいい
 でしょう。 
・妻が働きに出ると、今まで30万円でやっていた家計規模が、妻の収入まで足して40
 万円くらいになります。収入が増えるのは良いことですが、家計の財布は緩みがちにな
 ります。外食や出前が多くなったり、友達との飲み会や化粧品などにお金を使ったりし
 て、思ったように貯金が増えないというご家庭もあるでしょう。
・だとしたら、基本的には家計はなるべく夫の収入でやりくりし、妻が稼いだお金は、な
 るべく手をつけずに妻名義で貯めていくほうがいいでしょう。これは、浪費癖がある妻
 ではダメですが、普通の奥さんなら、貯金を妻名義にしただけで、働きがい、貯めがい
 を感じるはずです。
・有り余るほどの給料をもらっている人なら「残して貯めよう」ということも可能かもし
 れませんが、ほとんどの人は、それほどたくさんの給料をもらっているわけではありま
 せん。そういう人が「残して貯めよう」と思っても、まず残らないと思ったほうがいい
 でしょう。残そう残そうと思いながら、アレヤコレヤでお金は出ていってしまう。そう
 なると、お金は残らないのに、残そうという気持ちは挫けて、結局残るのはストレスだ
 けという結果にもなりまねません。
・「お金を貯めたい」と思ったら、まずしなくてはいけないのは、ストレスを抱えずにお
 金を貯めていくこと。それには、最初に給料の中から貯めていくお金を取り分けて社内
 預金、財形貯蓄に入れてしまうことです。そして、「残りは全部使おう」ということに
 すれば、月末までお金が足りなくなってきても次の給料日まで持たせればいいわけです。
 それほどシンプルならば、外食をやめようとか、会社に前日の残りのおかずでお弁当を
 持っていこうなど、前向きに努力できるのではないでしょうか。「お金を貯めたい」な
 ら、最強の方法は、あらかじめ貯めたいお金を先取りしてしまう、「先取り貯蓄」です。
・「先取り貯蓄を始めよう」というと、「でも、こんなに金利が低くては、貯金しても増
 えないから意味がない」という人がいます。これど、それは大きな間違いです。なぜな
 ら、ある程度のお金がない人にとっては、預けるお金がないわけですから低金利も高金
 利も関係ないのです。ゼロにどんなに高い金利を掛けても、ゼロはゼロ。金利が高いか
 低いかを気にしなくてはならないのは、お金がある人だけです。
・大切なのは、今のような低金利の中で、先取り貯蓄でコツコツとお金を貯め初めて、ま
 とまった貯蓄をつくっておくことです。一番ラッキーなのは、貯めているうちに高金利
 が来ること。そうしたら、貯めたお金を高金利で預ければ、お金は大きく増えます。し
 かも、今はデフレという状況です。デフレの中では、モノの値段は下がる傾向にある。
 銀行にお金を預けてもほとんど利息はつきませんが、実質的な貨幣価値は上がっている
 ということ。今が貯めどきなのです。
・実は、現金の落し物も多く、警視庁によれば2016年の現金の落し物は、総計約38
 億円。バブル末期でも35億円だったそうなので、バブル期以上ということ。バブルの
 時のような景気の良さはないのに、なぜ、こんなにゴロゴロ現金が落ちているのかとい
 えば、日銀のマイナス金利の影響です。どうせ銀行に預けていても利息がつかないのだ
 からと、「タンス預金」が増えたせいだと言われています。
・日銀のよると、個人のお金は1892兆円あり、そのうち78兆円が1万円札として市
 中に出回っています。こうしたお金を差し引くと、43兆円ほどが「タンス預金」にな
 っていると言われいます。   
・「タンス預金」が増えているせいか、「振り込め詐欺」などの特殊詐欺の件数も増えて
 います。2017年に全国の警察が認知した件数は約1万8千件で対前年比28.7%
 増。ただし金融機関の窓口での阻止率は年々上がってきています。
・なぜこのような阻止が可能なのでしょうか。お金を銀行に預けていれば、かかってきた
 電話で「お金を用意して!」と言われても、わざわざ銀行まで行って引き出さないとい
 けません。そして今は、年配の人が銀行で大金をおろそうとすると、必ずと言っていい
 ほど「何にお使いになるのですが?」と窓口の係員に聞かれます。   
・銀行だと100万円単位で引き出し制限をしていて、信用金庫などは50万円までとい
 うところが多い。
・年配の方の中には、2000年前後に多くの金融機関が破綻した記憶があって、銀行不
 信に陥っている方も多いかもしれません。けれども、今はそんなに簡単に銀行を倒産さ
 せない仕組みになっているし、もし倒産したとしても、預金保険機構で銀行一行あたり、
 預金1千万円プラス利息までは、確実に守られることになっています。ですから預金が
 3千万円あってどうしても破綻が心配というなら、1千万円ずつ3つの銀行に分けて預
 けましょう。
・現実問題としては、「オレオレ詐欺」の被害者の96%が高齢者。「詐欺にあわない」
 と自信を持つよりも、「もし詐欺にあったらどうしよう」ということを考えたほうが良
 さそうです。 
・金融機関の生き残り策として最も大きいのが、「手数料を様々なところで稼ぐ」という
 ことです。稼ぐのに最も有効なのは、銀行利用者に投資させること、投資でお金を出す
 人は、儲かることもあれば損することもあるのでリスクを負います。けれど、金融機関
 は、投資する人が儲かっても損してもかならず手数料を稼ぐことができるのでノーリス
 クで儲けられるのです。
・これkらマイホームを買おうという人は、「将来値上がりする」などとは考えないほう
 がいいと思います。
・グローバル化の中で、2001年3月末決算から、買った時の価格が帳簿上ずっと続く
 簿価会計から、期末時点で資産を評価し直す時価会計に変わりました。そうなると、下
 手に土地や株などを買って価格が下がると、不良債権を抱えることになります。バブル
 崩壊後、日本で地価や株が下がり続けたのは、それまで株(持ち合い)や土地の一番の
 買い手だった企業が、一番の売り手になってしまったからにほかなりません。
・土地の売り手は、企業だけではありません。後継者のいない三大都市圏の農地が、バブ
 ル崩壊後、住宅地として大量に放出されてきています。なぜなら、宅地並みの税金がか
 かるけれどもいつでも売れるという農地がっ三大都市圏の周囲にはたくさんあって、相
 続税が高いので相続税対策として続々売り出されているからです。
・今や1人っ子は当たり前の時代。1人っ子と1人っ子が結婚すれば、将来的に両親が他
 界すると、家が1軒余ります。現在、都心でも10軒に1軒は空き家だと言われていま
 すが、2033年には30%が空き家になるとのこと。
・マンションには老朽化の問題も出てきています。今日本には、644万戸(2017年)
 のマンションがあって、このうち10年後に築40年を超えるマンションは185万戸
 あります。築40年といえば、そろそろ建て替えを考えなくてはならない時期ですが、
 建て替えられるマンションはほとんどなさそうです。なぜばら、築40年のマンション
 に住んでいる人は、ほとんどが年金生活。建て替え費用が捻出できないからです。
・新築で家を買うのは30代が多いのですが、「バリアフリーになっているので、老後も
 車椅子でらくらく生活できますよ」などと言われ、将来のことを考えて少し高くてもこ
 うした住宅を買おうという人が多いようです。けれど、若いうちから本当にバリアフリ
 ー住宅が必要でしょうか。「車椅子に頼らざるを得ない人にとっては段差のないバリア
 フリーは必須である。しかし、転倒リスクを減らすためのバリアフリー化は、段差への
 注意力と筋力の低下を招き、かえって屋内外での転倒を助長する危険がある」との説も
 あります。   
・老化した身体には安全が必要です。しかし、安全を優先し過ぎたバリアフリーは、筋肉
 の老化を早めます。家の中のバリアフリーに慣れ過ぎて、外に出た時にちょっとのこと
 でつまずいてしまうというケースもあるようです。
・そもそも昔ながらの日本の家は、筋力を鍛えられるつくりになっています。玄関には小
 上がりがあって上り下りせねばならず、階段も急こう配の家屋も少なくありません。階
 段の上り下りは安静時の3.5倍のエネルギーを使い、下半身を鍛える最高の筋トレに
 なるのだそうです。
・もちろん、高齢者になったらこうした家はきついので、バリアフリーに改装しましょう。
 手すりの取り付けや段差の解消など、6種類のリフォームが、介護保険制度を利用して、
 たった1割負担で工事ができます(1人につき20万円まで)。対象になるのは要介護
 認定を受けている65歳以上の第1号被保険者、そして40歳以上65歳未満の第2被
 保険者です。
・「普通」に暮らせば、これといって特別なことをしなくてもやっていけると思っている
 人は多いでしょう。これど、努力しなくても「普通の暮らし」「人並みの暮らし」が手
 に入るのは20年前まで。当時は、会社で働く人の約8割は正社員でしたが、その割合
 はこの間に減り続けて、現在は約6割。職場によっては、割合が逆転しているところも
 あります。
・また、正社員でも、収入は一律ではありません。高度成長時代の終身雇用で給料が右肩
 上がりという会社は姿を消し、仕事の実績で給料も左右されう時代になりました。そん
 な中で今までどおりの生活を続けていきたいなら、家計の見直しが必要です。
・厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料は、原則として4月、5月、6月の給料の平
 均をベースとして決まります。この給料の中には、残業代なども含まれています。つま
 り、4〜6月にたくさん残業すると、その増えた給料をベースに社会保険料が計算され
 るために、社会保険料も高くなってしまうということです。 
・2018年には、年収1220円超のサラリーマンについては、奥さんが専業主婦であ
 っても、配偶者控除が使えなくなっています。配偶者控除が使えなくなるということは、
 そのぶん増税になるということです。
  
入ってはいけない保険、頼れる保険
・子供がみんな社会人になったというのに、生命保険に大きな死亡保障をつけたままとい
 う方がいます。見直さないと、無駄に保険料を払い続けることになりまねません。
・生命保険は複雑に見えても、基本の保障は2つ。1つは、死んだときに死亡保険金が出
 るという保障。もう1つは、病気で入院した時(通院のケースも)に給付金が出るとい
 う保障。この2つの保障はそれぞれ、1年ごとの掛け捨てです。  
・サラリーマンの夫に先立たれると、小さな子供を抱えた妻は、途端に路頭に迷ってしま
 う。ですから「たくさん保険金をかけなくては!」と思うかもしれません。けれど、残
 された妻と子供には、夫の厚生年金から遺族年金が出ます。子供が2人いた場合、子供
 が18歳になるまで月々15万円前後出ます。また、夫が銀行で住宅ローンを借りてい
 たら、残りのローンは無くなります。 
・ローンがない家に住んで月々15万円前後もらえたら、妻がちょっとパートでもすれば
 路頭に迷うことはないでしょう。ただ、そこで困るのが、子供の教育費。今、子供1人
 の大学までの教育費は約1千万円。2人だと2千万円かかりますから、そのぶんは保険
 でカバーしておきましょう。けれど、子供が社会人になると、教育費がかからなくなる
 ので保険も必要なくなります。
・「持病があっても入れる保険」のデメリットは、加入条件が緩くなっているぶん保険料
 が高い。通常の保険の1.5倍から2倍の保険料になっています。しかも、保険は年齢
 が上がれば上がるほど保険料は高くなりますから、60歳でこの手の保険に加入しよう
 と思ったら、保険料が安いネット加入でも、1日1万円の入院給付金を得たいとすると、
 月の保険料は1万3千円くらいになります。また、加入したからといって、すぐに満額
 の給付金が保証されるわけではありません。加入してすぐ病気が発病、保険金や給付金
 を支払うのでは保険会社は割に合わないので、支払い削減期間というものが設けられて
 いる商品がたくさんあります。 
・高齢者になると、何をしなくても自然に身体の節々が痛くなって病院に行く回数も増え
 るので、医療費負担が気になって来ます。けれど、年齢が上がれば、医療費負担は逆に
 低くなります。例えば70歳以上で一般的な収入(年収156万円から約370万円)
 の方は、どんなに高額な治療を受けても、「高額療養費制度」で負担額の上限は月約5
 万8千円です。月に1千万円の治療を受けても2千万円の治療を受けても、健康保険の
 対象内の治療なら上限は月約5万8千円。年収80万円から156万円までだとこの上
 限は月約2万5千円。年収80万円以下だと上限は月約1万5千円になります。しかも、
 69歳以下と同じように、4回目からはさらに安くなります。
・今は、高齢者だからといって、長く病院においてはくれません。長引く時には介護のほ
 うにまわされますから、それほど医療費の自己負担はないのです。
・実は、家族で同じ保険制度に入っているなら、「高額療養費制度」では、負担額はさら
 に低くすることができます。例えば、70歳を過ぎたAさんと妻が一緒に入院して、そ
 れぞれ月百万円の治療を受けたとします。この場合、一般的な収入なら「高額療養費制
 度」1人の上限は月約5万8千円なので、2人なら倍の約11万6千円になりそうな気
 がしますが、「世帯合算」という仕組みがあって、2人の合計11万6千円にさらに
 「高額療養費制度」を適用できるので、2人合わせて実質的な支払額は月約5万8千円
 になります。   
・こうしてみると、老後でも2人で2百万円前後の蓄えがあれば、医療費はだいたい間に
 合う。そのために、現役時代に高い保険料を給料から引かれているのですから。
・「健康保険の対象とならない治療になったら高額なのではないか」と心配する人も多い
 ことでしょう。確かに、がんの陽子線治療や重粒子線治療などは3百万円前後かかりま
 すから、こうした治療を全額自己負担でしなくてはならないとなると大変です。ただ、
 多くの人がこうした治療をしているのかといえば、そうでもありません。現在、がんの
 治療をしている人は全国に150万人ほどいますが、そのうち陽子線治療や重粒子線治
 療を受けているのは4千人弱。つまり、がんになってこうした治療を受ける確率は、
 0.3%強ということです。
・おじいちゃん、おばあちゃんがいるご家庭では、「郵便局の学資保険には、入っておい
 たほうがいい」と必ず言われます。なぜなら、今から30年前、郵便局の学資保険に加
 入していた人は、学資保険の運用利回りにあたる予定利率が高かったからです。ですか
 ら、この時期に加入していた人は預けていたお金が2倍近くに増えたのではないでしょ
うか。その成功体験があるので、自分の孫ができたら学資保険を勧めるおじいちゃん、
 おばあちゃんが多いのですが、実は、表でもわかるように、低金利の中で運用利回りに
 あたる予定利率が史上最低まで落ちていて、今加入すると、損してしまうことになりま
 す。 
・こども保険は、保障によりも貯蓄性に重きを置いた商品がほとんどです。小さな時から
 積み立てておけば、将来の教育資金の足しになるというもので、特徴は大きく3つあり
 ます。  
  @子供に何かあった時の保障
  A親が死亡した時に以降の保険料の支払いが必要なく、商品によっては育英年金が出
   る
  B貯蓄として教育費が備えられる
 これらは本当に必要でしょうか。@の子供の保障、今は、全国ほとんどの自治体で乳幼
 児・子ども医療費助成をしていて、中学校までは医療費が無料というところが半数以上。
 ですから、わざわざ保険で保障を買う必要はないかもしれません。Aの親の保障は、す
 でにお父さんがそれなりの生命保険に加入しているというご家庭が多いので、その保険
 額がある程度あれば必要ないかもしれません。Bの貯蓄は、今低金利なので運用利回り
 (予定金利)が1%前後と低い商品がほとんど。預金は1万円預けるとそこに低金利で
 あっても利息がつくので元本割れはありませんが、保険は、保険料を支払うと、払った
 保険料の中から保障の代金と保険会社の手数料が引かれて運用されていくことに注意が
 必要です。ですから払った保険金がなかなか元の金額に戻りません。中途解約すると元
 本割れになるのはこのためです。また、預金だと金利が上昇すれば預金金利も上げって
 いく可能性がありますが、保険の場合には、加入時の運用利回りが最後まで適用されま
 す。それも、もらえるのは18年先ですから、インフレになっていたら貨幣価値が目減
 りしてさらにソンになります。中には、100万円支払うと最終的に108万円戻って
 くるという商品もありますが、20年後に8万円増えていても、日銀が目指す緩やかな
 インフレになると、物価が上昇し、貨幣価値が目減りしている可能性もあり得るので、
 おトクとは言えないでしょう。 
・学資保険に限らず、今は、「保険で貯蓄」をするとソンする時代になっています。運用
 利回りが、現在はすでに1%前後まで下がってきているからです。保険の場合、加入す
 る時に契約した運用利回りが最後まで続きます。ですから、途中でインフレになって銀
 行預金の金利が5%くらいまで上がったとしても、保険の運用利回りは1%のままです。
 しかも、保険と貯金の大きな違いは、保険には保険料から様々な手数料が引かれるとい
 うこと。商品や加入年齢、性別によってみんな違うので、どれだけ手数料が引かれるか
 は一概には言えませんが、例えば貯蓄性のある終身保険に1万円の保険料を支払うと、
 そこから保障と経費の代金が2千円引かれ、残りの8千円が年1%で運用されていくと
 いうイメージです。 
・外貨建て生命保険と通常の生命保険との大きな違いは、通常の生命保険は円建てですが、
 外貨建て生命保険はドルなり、ユーロなりの為替がからむところ。「死んだら2千万円
 の保険金が出ます」というのが通常の生命保険ですが、外貨建て生命保険は、「死んだ
 ら20万ドルの保険金が出ます」という契約になります。ですかれ、死んだときに1ド
 ルが150円だと日本円で3千万円もらえますが、1ドルが80円だと1千6百万円し
 かもらえません。つまり、死んだタイミングによってもらえる金額が違うのです。
・そもそも生命保険の死亡保障は、自分が死んだらもらえるが、死ななければもらえない
 という命をかけたギャンブルのようなもの。そこに、さらに為替レートというギャンブ
 ルまで加える必要があるのでしょうか。しかも、為替で運用するぶん手数料も高くなり
 ます。  
・夫が妻や幼い子供を残して他界したら、子供が18歳になるまで月々15万円前後の遺
 族年金が出るので、残された妻と子供はなんとか生活していける。では、夫ではなく、
 妻が他界したらどうなるでしょうか。実は、以前は専業主婦がなくなっても遺族年金は
 出ませんでした。ですから、幼い子供がいるご家庭では、妻の死後にベビーシッターを
 雇ったり、保育園や学童に子供を行かせるために、妻も小学でもいいので生命保険に入
 ることをお勧めしていました。 
・これど、2014年4月から、夫に養われている妻にも、死んだら遺族年金が出ること
 になったのです。例えば、まだ幼い子供2人を残して妻が他界したら、今は、月々10
 万円くらいの遺族年金を、子供たちが18歳になるまでもらえます。ここからベビーシ
 ッター代も保育園代も出るので、妻に生命保険の死亡保障は必要ないということになり
 ます。 
 
夫婦仲改善が家計にプラス
・アベノミクスで好景気が続いているといいながら、国税庁の調査でもサラリーマンの給
 料はほとんど増えていません。しかも給料が増えない中で、税金や社会保険料、教育費
 など様々な出費が増えているので、家計が苦しいという実感を持っている方が多いよう
 です。 
・節約観念の乏しい夫に対して「来月から、あなたの小遣いを減らしますからね!」など
 という言葉を投げつけるので、夫はふてくされてますます家計の赤字減らしに非協力的
 になるという悪循環となりますこうした状況をつくらないためには、最初に「あなたの
 小遣いを減らします!」などと言ってはいけません。
・女性は感情で物事を把握しやすく、男性は理屈で物事を把握する傾向があると言われま
 す。だとすれば、理屈でものごとを把握する夫に、感情的な働きかけをしても、共感は
 得られないし、ますます夫婦仲が冷えるだけ。もし、家計を赤字から救いたいなら、ま
 ず月々の収入と支出を細かく書き出し、どれくらい赤字になっているかということを数
 字で示しましょう。  
・妻は、日々の買い物の中で、少しでも節約しようとする傾向があります。ただ、細かな
 節約は得意でも保険の見直しやローンの組み替えなど、大きな仕組みを変えるというの
 は難しいという人も多いようです。
・一方夫は、会社で様々な計画を立ててそれを実行に移して成果を上げるという人が多い
 ので、計画作りや仕組みの見直しなどが得意な人も多い。 
・2011年からは、株価が上げっているにもかかわらず夫の小遣いは減っています。な
 ぜこうなるかと言えば、景気が完全に二極化し、株主などは株高で儲かっても、その恩
 恵が一般の人にはほとんどないからです。 
・「いい夫婦」とは、どんな夫婦なのでしょう。アンケートを見ると、「良く会話する」
 が70%でトップ。2位が「感謝の気持ちを忘れない」で59%。3位が「相手を尊重
 する・信頼する」で57%でした。 
・夫婦で家計を健全化するために話し合うには、どうすればいいのでしょうか。まず、大
 切なのは、共通認識として家計の現状をしっかり把握することです。そのためには、現
 在ある資産の「棚卸し」を2人ですることが大切です。具体的には、現在ある貯金や投
 資信託、株式、保険などのプラスの資産と、住宅ローンなどのマイナスの資産を見開き
 で書き出します。これは、見開きでないといけません。ポイントは、プラスの資産とマ
 イナスの資産が一目でわかること。
・芸能人の離婚だと、慰謝料ウン千万円というケースもありますが、普通のサラリーマン
 家庭の場合、離婚して妻がもらえるお金はそれほど多くない。離婚してもらえる可能性
 がある「お金」は、「財産分与」「慰謝料」「養育費」「年金分割」の4つあります。
・「財産分与」できるのは、あくまでも夫婦が結婚後に築いた財産なので、結婚前の各自
 名義の貯金や車などは、対象外です。また、結婚後でも、妻の親が亡くなって妻が相続
 したというような財産は、「財産分与」に対象にはなりません。
・「慰謝料」は、精神的など様々なダメージを受けたほうが、離婚の原因をつくったほう
 に対して請求できる損害賠償金。浮気やDVなど証拠もあって相手も認めているような
 場合では請求しやすいですが、性格の不一致といったどちらかが一方的に悪いとは言え
 ないケースの場合にはもらうことが難しいかもしれません。しかも、芸能人のような多
 額な請求は難しい。「慰謝料」の相場は、夫の浮気が原因で離婚することになった場合
 でも、普通の人なら3百万円程度と思ったほうがいいです。 
・別れる夫婦に子供がいる場合、子供を引き取ったほうが、子供の「養育費」を請求する
 ことができます。「養育費」とは、例えば夫の年収が5百万円だとすると、子供1人に
 月4万から5万円というケースが多いようです。ただし、子供が2人だから2倍という
 のではなく、2人だと6万から8万円が多いようです。
・現在、離婚の9割は相互の話し合いによる協議離婚。最初はお金を払っていたのに、い
 つのまにか払われなくなってしまうというケースも多いようです。 
・サラリーマンの夫と専業主婦の妻が離婚する場合、妻は、夫と一緒にいた期間の厚生年
 金を、「年金分割」というかたちで夫から分けてもらうことができます。例えば、一般
 的なサラリーマンの場合、基礎年金に上乗せされている厚生年金は10万円ほどなので、
 40年連れ添った妻なら半分の 5万円を自分の年金としてもらえます。ただ、2人な
 ら20万円でなんとか生活できても、別れて1人10万円ずつで老後生活を送るという
 のは厳しいかもしれません。
・どうしても一緒に暮らせない理由があれば別ですが、経済的に見て、別れてそれぞれや
 っていくというのはかなり大変なことが多いでしょう。まず、夫婦関係の改善を。
・サラリーマンの妻や青色申告、白色申告の事業従事者でない自営業者の妻は、年収が
 103年以下なら、夫の所得から38万円の配偶者控除を差し引けました。この年収
 103万円だった妻の働く壁といわれた配偶者控除が、2018年からは大幅に引き上
 げられて150万円になりました。さらに、配偶者特別控除も201万6千円以下なら
 つくようになっています。ただし、夫の年収が1220万円を超えている人は、配偶者
 控除そのものが受けられなくなりました。
・ところが、配偶者控除が150万円に拡大される一方で、106万円という新しいパー
 トの壁ができています。これは税金の壁ではなく、社会保険料の壁です。
・2016年10月からは、従業員501人以上の会社で働く人を対象に、パートでも年
 間収入が106万円を超えると、会社の厚生年金保険、健康保険に加入しなくてはなら
 なくなっています。   
・パートが会社の社会保険に加入する際のハードルは、今後もさらに低くなっていくこと
 が予想されるので、パートで働く主婦にとっては、今まで気にしていた税金の103万
 円の壁が消えた一方で、新たに106万円の壁を意識しなくてはいけないことになった
 ということです。
・収入が130万円になった途端に、それまで払わなくてよかった国民年金保険料、国民
 健康保険料の合計約25万円を、自分で支払わなくてはならなくなります。ですから、
 対象となるパートの方は、なるべく年収を130万円未満に抑えたほうがいいかもしれ
 ません。もっとも、パートで年間130万円以上稼ぐとなれば、労働時間が週に30時
 間を超え、会社の社会保障制度に加入するということになりかもしれません。
・「甘えさせて育った子供」と「甘やかされて育った子供」の違いがわかるでしょうか。
 「甘えさせて育った子供」というのは、周囲の大人がしっかり見守っていて、子供がス
 キンシップを求めてきたら抱いてあげ、子供が疑問に思ったことを聞いてきたらしっか
 り答えてあげ、子供が助けを求めているようなら手を貸してあげる。そうして育てられ
 た子供は、いざという時には頼れる人がいるんだということを認識し、心理的にも安定
 して、自分が興味を持ったことに突き進めます。一方、「甘やかされて育った子供」は、
 転びそうになると親が手を出して転ばないようにし、欲しいと言ったら無条件に与えら
 れるという環境に育ち、自分でやってみる、我慢するという訓練をさえてない傾向があ
 ります。
・この差は、社会人になった時に、大きく出てきます。「甘えさせて育った子供」は、辛
 いことがあってもイザという時に頼れるものがあるので頑張って乗り切ることができる
 でしょう。けれど、「甘やかされて育った子供」は、辛いことがあったらそれに耐えら
 れない。会社にも行かず、部屋に籠ってゲームばかりしているということになりかねま
 せん。  
・生きていくためには、働いてお金を稼がなくてはいけない。その価値観は、とても大切
 なものです。汗水垂らして働いてお金を稼ぐ人は、お金を稼ぐということが簡単にでき
 る500ものではないことを身にしみて知っているので、お金を大切にします。親が子
 供に教えなくてはいけないのは、英語でも数学でもなく、こうしたことです。
・そのためには、欲しいものがあってもすぐに与えるのではなく、ある程度までは我慢さ
 せることが必要でしょう。例えば、携帯電話、今は、子供でも携帯電話を持っています
 が、通信のみのワンコイン(月500円)のもので充分。大人並みの月5千円も6千円
 もかかるものを持たせる必要はありません。
・親が英語を喋れないのに、小学校の子供が週1回1時間程度の英会話教室に通って、英
 語がしゃべれるようになるとはとても思えません。バレエやピアノ、バイオリンなども、
 子供がどうしても通いたいというならその好奇心を満たしてあげるのもいいですが、親
 が小さい頃にやりたかった習い事をさせているなどというケースもあって、本当に子供
 が喜んでやっているのかは疑問です。
・小さな時に習い事で山のようにお金をかけ、中学受験させて私立の中高一貫校に入れ、
 大学に行かせることが子供の才能を伸ばすことだと勘違いしている親を見かけます。
 確かに、大金持ちならそれでも経済的に大丈夫でしょうが、普通のご家庭がこのペース
 で出費していると、大学に行くまでに蓄えが底をつくことになるでしょう。
・「子供の教育費だけは削れない」と思っている親は意外と多い。中には、多額のローン
 を組んで中学受験をさせている親御さんもいます。けれど、中学受験は、「降りられな
 いエレベーター」でもあります。私立に入学すると、想像以上に多額の教育費が必要と
 なりますが、途中でやめて安い公立に転校させるということはできないのです。もちろ
 んできないことはありませんが、私立に通っている子供に、「お金がないから公立に転
 校して」と言った途端に、子供は今までの自分の人生を全否定されたような気持ちにも
 なるでしょう。
・ちなみに、中学校と高校は、公立のご家庭なら授業料は無料ですが、私立だと授業料だ
 けで約279万円。そのほか学校納付金や修学旅行代などすべて含めると500万円く
 らいはかかると言われています。
・良い学校に入れば一流会社に勤められ、一生安泰という時代は終わっています。そもそ
 も、東芝やシャープといった一流会社が、あっけなく経営危機に陥る時代です。しかも、
 せっかく苦労して大学までやっても、卒業後に進学も就職もしていない子供が7%もい
 ます。もしそうなったら、子供が親の老後を食いつぶしていくことになりかねません。
 まさに、家計の大きな不良債権になってしまうかもしれないということです。これから
 の子供に大切なのは、良い大学に入ることではなく、社会に出て一人前に働いて稼げる
 ことです。
・これから社会に出る子供たちは、自分が食べていくことで精一杯で、親への仕送りどこ
 ろではないでしょう。だとすれば、将来は子供に頼らない覚悟でそのぶんを貯金し、さ
 らに社会人になってら親の脛をかじらなくても大丈夫な、自立心を備えた子供を育てて
 いくことに重点を置いていったほうがいいでしょう。
・日本の年間死亡者は134万人で、そのうち約1万5千件(2014年)の相続につい
 て当事者では話し合いがつかずに家庭裁判所に持ち込まれています。平均審理期間は、
 短くなる傾向にあるものの、再審の数字で約12ヶ月。しかも、高額の遺産で争うので
 はなく、1千万円以下の相続で争っているというケースが32%にもなります。
・どんなに仲の良い兄弟でも、いったん裁判沙汰を経験したら、その後は口もきかなくな
 るでしょう。これは、少しだけ残したお金で子供たちを不幸にしているとも言えます。
 本来なら、自分が稼いだお金は、自分で楽しく使って逝くのがベストです。
・お金の使い方としてのお勧めは、家族旅行。費用を全部持ってあげて、みんなで海外旅
 行や国内旅行に出かけると、お金には代え難い楽しい思い出ができます。こうして家族
 の絆を深めておけば、死後に醜い争いも起きにくくなるかもしれません。それでも使い
 きれなければ、寄付するといいでしょう。欧米では寄付の文化が根付いていて、巨額な
 富を持っている人ほど、寄付をして子供にお金を残さないことにしているようです。な
 ぜなら、自分が稼いだわけでもない巨額なお金を手にしたら、勤勉に働こうという気持
 ちが薄れて、子供の人生を破滅させることになるかもしれないと危惧するからです。ち
 なみにビル・ゲイツには3人の子供がいますが、あるテレビ番組で、「子供が素晴らし
 い人生を自分で築き上げるために、お金ではなく素晴らしい教育を施している」といっ
 ていました。  
・相続が「争続」にならないためには、あらかじめ、誰が何を受け取るかという遺言状を
 作成しておくといいでしょう。遺言状には、いくつか種類があります。全部自分で書き、
 日付も入れて署名捺印した「自筆証書遺言」と、公証人に作ってもらい原本を公証人役
 場で保管してもらう「公正証書遺言」、自分で書いて署名捺印し、公証人役場で公証人
 および証人の立ち会いのもとで保管してもらう「秘密証書遺言」です。
・相続する財産は、相続税の対象になりますが、相続税には、一定額までは税金がかから
 ない基礎控除があることも覚えておきましょう。相続の基礎控除は、3千万円+6百万
 円×法定相続人の数。例えば、妻と2人の子供が相続するなら、3千万円?6百万円×
 3人で、4千8百万円までは無税。
   
投資しませんか?から破綻まっしぐら
・2000年を境に、国の方針が変わりました。公的年金や医療、介護など、国の社会制
 度が揺らぎ始め、国はもう国民の将来の面倒まで見られなくなったのです。そこで、
 「自分の身は、自分でなんとかしてね」という自己責任論が浮上し、そのために「貯蓄
 から投資」という流れに変わりました。
・確かに、低金利では預金してもお金は増えません。けれど、今は「デフレ脱却」が叫ば
 れているように、デフレという状況です。デフレではモノの値段が下がりますから、1
 万円のモノが、翌年には9千5百円になっている。ということは、去年1万円と言われ
 たモノを、今年買って1万円出したら5百円のお釣りがくる。つまり、1万円に1年間
 で5百円の利息がついたも同じことです。  
・表面的には、低金利なので利息は付いていませんが、貨幣価値そのものが上がっている
 のがデフレという状況です。ということは、デフレの中では無理に投資をしなくても、
 預金しておいても貨幣価値が上がっている分お金の使い道は増えている。
・デフレの中でしなくていけないのは、投資ではなく借金の返済。デフレの中の借金は、
 相対的に重くなっていくのですから。 
・インフレでは、デフレと逆で、モノの価値が上がって貨幣価値が下がる。つまり、お金
 で持っていても貨幣価値が下がってしまうので、モノで持っていたほうがいい。貯金で
 はなく、様々なものに投資をするというのも、インフレでは有効です。
・では、日本はインフレになるのでしょうか。安部首相は、「アベノミクスの一丁目一番
 地は、デフレ脱却だ」と言っていて、黒田総裁は、2年でデフレを脱却する宣言をしま
 した。ところが、2年どころか5年経ってもデフレ脱却の目処は立っていない。すでに、
 達成時期を6回も先送りしましたが、ついに先が見えなくなって、脱却時期そのものも
 示さなくなりました。 
・いつデフレを脱却するのかわからないなら、下手にリスクを取るよりも、デフレの中で
 価値が上げる現金をしっかり持っておいたほうがいいのではないでしょうか。インフレ
 対策で投資もいいですが、それは、日銀がデフレ脱却宣言をしてからでも充分に間に合
 います。
・最もやっていはいけない投資は何かというと、「マンション投資」です。なぜなら、不
 動産の資産価格が下がり続ける中では、どう計算しても儲かるはずがないからです。
 「マンション投資」は、とにかく持ち出しが多くて思ったほど儲からないのです。しか
 も2018年になって、「シェアハウスサブリース」という、「マンション投資」と同
 じようなスキームの投資が出てきて破綻し、大問題となっています。
・仕組みは個人が銀行からローンを借りてシェアハウスに投資すると、シェアハウス業者
 を介して毎月入る家賃収入がローンの返済額を上回るので年金がわりになり、ローンを
 返し終えれば物件は自分のものになって老後は左団扇というもの。しかも、業者が30
 年一括借上げをしていて投資利回りが8%という物件まで出てきました。でも、世の中
 に、こんなうまい話があるはずはありません。 
・案の定、このビジネスモデルは行き詰まり、事業者は倒産。約7百人が1億円前後の負
 債を抱えることとなりました。 
・投資には、株や金、通貨など様々なものがありますが、不動産だけは、こうしたものと
 同列に考えてはいけない投資です。なぜなら、他の投資商品と違って、不動産は持って
 いるうちに確実に価値が目減りしていく投資商品だからです。老後のために買ったマン
 ションは、老後になる頃には老朽化しています。しかも、投資用マンションというのは、
 利回りを考えたら建て替えやメンテナンスがなかなかしにくい、老朽化の早い商品。最
 後は、お金を出さないと解体もできないという状況になる可能背もあります。そんなも
 のに、なけなしのお金を投資してはいけません。 
・「公的年金はあてにならないので個人年金を」という保険会社の大攻勢で、個人年金へ
 の加入が増えています。でも、本当に、個人年金に加入したほうがいいのでしょうか。
 個人年金には、大きく2つのタイプがあります。
 @契約時に約束した年金が支払われる「従来型の個人年金」
 A運用次第で、最終的にもらう額が決まる「変額型の個人年金」
・従来型の個人年金は、今加入したら、運用利回り(予定利率)が低すぎて、老後までほ
 とんど増えません。しかもこの年金の場合、もらうのがかなり先になります。例えば、
 30歳で加入して60歳からもらうとすれば、30年後の物価がどうなっているかが問
 題。30年前の国立大学の授業料は年間30万円でしたが、今は53万円で7割以上上
 がっています。デフレの中でさえこんなに上がっているのですから、日銀が目指すイン
 フレが実現したら、30年後はラーメン1杯1万円になっているかもしれません。そう
 なると、従来型の年金は、実質的に大きく目減りします。ただし、過去の運用利回りが
 高かった時期に加入した個人年金は別です。今でも高い利回りで運用されているので、
 そのまま続けていくといいでしょう。
・「変額型の個人年金」はどうでしょうか。これも、運用手数料が高すぎて、目減りして
 しまう可能性が高い。「変動型」は、「従来型」が約束した利回りで運用していくのと
 違って、預けたお金が投資信託などリスク商品で運用されていきます。ですから、払い
 込んだお金から保険として保障料や保険会社の経費が引かれるだけでなく、信託報酬と
 いう運用手数料も引かれます。もちろん、運用がうまくいけば老後資金も増えますが、
 うまくいかなければ老後資金が目減りすることになります。   
・個人年金ではなく、「個人年金タイプ」という金融商品もあります。代表的なものは、
 「1千万円預けると、月々2万円の配当が出ます」といった謳い文句の「毎月分配型投
 資信託」。ただ。この商品も手数料が高いために、ほとんどマイナスになっていて、月
 々2万円は支払われますが、それが預けている1千万円の中から出されるというタコ足
 分配になっているものがほとんどです。
・投資といえば「株」ですが、みなさんご存知のように、今は国が株価を買い支える、官
 製相場になっています。2017年に日銀が1年間で買った株(上場投資信託)は、5
 兆9千億円。今までに買った株の累計は約20兆円。また、日銀や公的年金、公務員が
 加入していた共済年金など、合わせると70兆円に達しています。ここにさらに、ゆう
 ちょ銀行、かんぽ生命などのお金を加えると、そのうち100兆円に達するのではない
 かと言われています。
・一見すると安定しているように見える株式市場ですが、問題は、この相場を支えている
 のは公的資金と海外投資家の買いで、一般的な人の買いはそれほど多くないということ。
 こうした相場は、株価が上がっていればいいのですが、困ることは、何らかの要因で株
 価が下がった時。個人や外国人投資家は、株価が下がったらさっさと売って市場から逃
 げ出せばいいのですが、公的資金はそうはいきません。なぜなら、図体が大きい公的資
 金は、逃げるに逃げられないからです。
・今株を買っている公的資金は、買った株をなかなか売れません。そもそも、「公的資金
 が株を売り始めた」という話が出ただけでも、みんなが先回りして一斉に株を売ります
 から、株価は暴落する可能性があります。つまり、公的資金は、株を買うことはできる
 けれど、なかなか売ることができない。
・日銀が株を買いまくってきた結果、ファーストリティリング(ユニクロ)をはじめてと
 したかなりの会社の筆頭株主が日銀になったというとんでもない状況が生まれています。 
 しかも、ここまでして金融を総動員したにもかかわらずデフレ退治に失敗した黒田日銀
 総裁は2018年4月に再任されたことで、表立った路線変更ができないというのは不
 孝なことです。
・それでも株をやってみたいという人は、失ってもいいお金で、ギャンブルをするつもり
 で、その場合、大切なのは投資できるお金をあらかじめ決めておくことです。今あるお
 金から生活にしていくのに必要な額だけは除き、残ったお金で投資をする。失ったも、
 生活に影響がないようにしておかなければいけません。また、買うにしても、一度に投
 資してはいけません。投資するなら10分に1くらいの額で始め、安くなったら買う、
 高くなったら売るということをこまめに繰り返す。そんな時間がなく、手間が面倒に感
 じられるなら、やめたほうがいいでしょう。
・「短期での投資にはリスクも多いけれど、長期の投資なら安心。リスクも分散されるの
 で、リターンを望めます」。こんな、投資への誘い文句に、騙されてはいけません。
 現状では、30年の長期問い資ではことごとく損をしていますが、1年の短期投資では
 儲けている人が多いようです。 
・投資では、損することも得することもありますが、投資期間が短いと、損したまま終わ
 ってしまうケースが出てきます。ところが、投資期間が長ければ、その間に相場が盛り
 返る可能性があり、そうなった時に売れば儲けが出せるかもしれません。つまり、短期
 よりも長期のほうが、リスクコントロールをしやすくなるという理由でしょう。ただ、
 そのためには、常に投資商品を気にして、少しでも利益が出たらそれを確定して次の投
 資を始めるといった熱心さが必要です。残念ながら、そうした投資家は、日本には少な
 いようです。 
・また、かつての日本は、バブル崩壊までは、すべての投資が右肩上がりでした。少し下
 がっても、気長に待っていれば必ず上がってきました。その経験が、「待てば、いつか
 はよくなるかも」という願望と結びいているのでしょう。
・「長期投資」というのは、投資商品を売る側にとって都合がいい。なぜなら、「お前が
 勧めるから買ったのに、損しているじゃないか」と怒鳴り込んできた客に対して、「お
 客様、この商品は長期投資なので、長い目でみたらよくなるんです」と言い繕えるから
 です。そして、再び「長い目で見ても値上がりしないじゃないか」と客が怒鳴り込んで
 きた時には、担当者は別の部署に行ってまっているということに。ちなみに、投資信託
 の場合、担当者は3ヶ月くらいで成果をださないとクビか減俸。なので、投資信託で
 「長期投資」など考えられるファンドマネジャーはいないと思ってもいいでしょう。
・「今から投資をしないと、将来大変になる」と思い込んでいる人がいます。金融庁をは
 じめとして、国を挙げて「投資が必要」と勧める時代なのですから、皆さんがそう思っ
 たとしても当然でしょう。困るのは、そう思い立った時に、「素人でお金の運用につい
 てはよくわからないので、プロに相談しましょう」となること。確かに、法律のことは
 弁護士に相談すると解決できるケースが多いし、病気のことは医者に診てもらう方が大
 半でしょう。お金のこともそれと同列に考えて、ファイナンシャルプランナーなどの資
 格を持った人に相談しなければと思うかもしれませんが、その前に、その人がどんな立
 場の人か、何で生計を立てている人かを確認しておく必要があるでしょう。
・皆さんが相談するとしたら、銀行や証券会社の窓口、郵便局の窓口の人ということにな
 るかもしれませんが、こうした人たちは、肩書きはファイナンシャルプランナーでも、
 実際にはその会社に所属するセールスマン。ですから、皆さんに投資商品を売ることで
 手数料を稼ぐ人たちなのです。  
・しっかり年供して知識を身につけようと、無料のセミナー、不動産セミナーなどに出か
 けていく。はっきり言うと、そこで得られる知識というのは、たいして役にも立たない
 ものが多い。役に立たないどころか、「不動産は、今が買い時」だとか、「投資するな
 らこの投資信託がいい」などと、逆に儲かりもしない投資商品を売りつけられてしまう
 かも。
・無料の金融セミナーに行くと、無料なのに、帰りにはメモ帳やボールペン、テェッシュ
 ペーパーなど、様々なものをもらって帰ってくる。この世知辛い世の中で、無料でいろ
 いろなことを教えてもらった上にお土産までもらうなどという美味しい話があるわけで
 はありません。主催者はそれだけ「出血」しても、元が取れるとみるのが普通でしょう。
 では、どこで元を取るのか。証券会社なら株や投資信託の販売。不動産会社なら投資用
 不動産の販売、保険会社なら保険商品と、自社の儲けにつながる商品の販売のために、
 セミナーを開いて興味がある人がどこにいるのかを探し、何とか販売につなげようとい
 うことでしょう。それに参加した時点で、あなたは「カモ」だと思われているのです。
・お勧めしたいのは、何でもいいから少額で試してみることです。この場合、あらかじめ
 失っても生活に影響のないお金で投資用口座をつくり、その口座の範囲内で投資をする
 ことです。そして、実際に投資商品を買ってみる。投資力を身につけるために一番いい
 のは、インターネットで株をひとつ買ってみること。投資信託などは人任せの金融商品
 なので投資の勘が養われにくいですが、株は自分の読みが価格にすぐに反映されやすい。
 そして、自分の判断で売り買いをやってみて、口座にお金が無くなったら、あなたは投
 資に向いていませんからもうそれ以上投資するのはやめましょう。
 投資セミナーに100回足を運ぶより、そのほうが投資力は養われるはずです。
・アベノミクスが始まってから、すでに450兆円近いお金が日銀から銀行に流れてきま
 したが、貸し出しできない銀行は、やむをえず再びそのお金を日銀の当座預金口座に預
 けています。それが390兆円にもなり、貸し出しに回らないことに苛立った日銀は、
 これ以上日銀の当座預金にお金を預けたら、預けたぶんのお金から手数料を取ることに。
 これが、マイナス金利です。
・ところが、手数料を取ると言われたいもかかわらず、貸し出しできない銀行は、仕方な
 くお金を日銀に預け続け、その預け入れ金は2年で約100兆円も増えました。なぜな
 ら、日銀がお金を流すだけでなく、皆さんが、お金を預金として銀行に持っていくぶん
 もあるからです。これど運用先がないので、わざわざ手数料まで払って日銀に預け続け
 ざるをえない。そこで、今、銀行が必死になっているのは、皆さんが預けようと持って
 きた預金を、いかに預金ではなく投資商品に振り向けようかということです。
・銀行は、皆さんが預ける退職金などを、貯金ではなく投資に振り向けようと必死です。
 なぜなら、持ってきたお金を投資に振り向けられれば、わざわざ手数料を払って日銀に
 預けなくてもいいだけでなく、皆さんから投資の手数料をもらえるという、二重の意味
 で美味しいことになるからです。
・そのために、必死で投資を進めますが、そもそも銀行の窓口で投資商品など買っては
 いけません。なぜなら、手数料が高いからです。銀行の窓口で販売している投資商品の
 手数料は、3%前後というものが主流。もちろん投資すれば、大きく増える可能性もあ
 るが、減る可能性もある。では、1千万円を投資で預け、増えもせず、減りもしなかっ
 たら30年後にはどうなるか。「増えもぜず、減りもしなかったら、1千万円は1千万
 円のままだろう」と思っていたら大間違い。30年間、年3%の手数料を引かれ続ける
 と、なんと1千万円は4百万円に目減りします。
・窓口で投資相談をするというのは、こうした商品が紹介されるということ。まさにカモ
 がネギを背負って鍋の中に飛び込むことです。
・私たちは金融機関から狙われているという自覚を持ったほうがいい。そして、もし投資
 がよくわからないとか、投資の必要性をあまり感じないというなら、金融機関にはあま
 り近づかないほうがいいかもしれません。
・日本一売れている投資信託といえば、「毎月分配型投資信託」。購入すると、毎月一定
 額の分配金が口座に振り込まれる投資信託で、これに投資している金額(純資産総額)
 は総額で約35兆円といいます。なぜ、こんなに人気なのかといえば、毎月(隔月もあ
 り)一定の配当がもらえるものが多く、将来年金代わりになるという安心感があるから
 でしょう。
・けれど、「投資信託」は「貯金」とは違います。運用次第で増えることもあれば減るこ
 ともある。減った時も同じく配当が出るというのは、何かカラクリがあるはず。実は、
 減った時には、そのお金を元本から取り崩し、補てんしているのです。
・「毎月分解型投信」は、銀行や郵便局の窓口でも簡単に買えて、しかも「年金がわりに
 なりますよ」と言った勧め方をしています。ですから、金融商品のことがよくわからな
 い人の中には、高利回りの貯金の感覚で買っている人もいます。こうした人は預金と勘
 違いしているので、いちいち投信の現在価格がどうなっているのかを確かめない人も多
 くいます。つまり、投資しているという感覚を持ちにくい金融商品でもあります。
・「毎月分配型投信」は、設定当時の基準価格を下回っているものがほとんどです。
 2016年10月に、1484本の「毎月分配型投信」について調べたところ、買って
 1年間保有を続けたとすると、8割の投信が分配金の半分以上を元本を削って支払う状
 況になっているということでした。全額を元本から出しているものも2割あったそうで
 す。そして驚くことに、この中で運用益だけで分配金をまかなえるのはたったの2%と
 いうことでした。 
・「毎月分配型投信」で、最も問題なのは、手数料が高いこと。投資の世界は、運次第。
 勝つときもあれば、負けるときもあります。株ならば、値段が下がってしまっても塩漬
 け(そのまま置いておく)にしておけば、置いておくうちに配当が出る場合もあります。
 けれど、投資信託は売らない限り、ずっと信託報酬という手数料を払い続けることにな
 ります。これが、商品にもよりますが2〜3%程度と高いものが少なくありません。
・「毎月分配投信」の場合には、毎月一定額の分配金を出し続けていきますから、年3%
 の信託報酬を支払い、さらに分配金を毎月阿していかなくてはならないとなれば、最低
 でも毎年5%以上の運用をしていかないと増えていきません。金融機関さえも運用難に
 陥っている中で、それだけの運用をしていくのは至難の技。  
・よく見かけるのが、定期預金と投資信託や外国債券がセットになり、定期預金の金利が
 年率1%以上というもの。ポイントは、この「定期預金」をするためには、同額の投資
 信託を購入しなくてはいけないというところ、つまり、百万円を「定期預金に預けたら、
 百万円ぶんの「投資信託」を買わなくてはいけないのです。しかも、セットで買う「投
 資信託」は、買う時に手数料を払うタイプのものです。しかも、「投資信託」だと、こ
 れでは終わりません。買った後も、運用のために信託報酬等の手数料を払い続けなくて
 はなりません。これが、年1〜2%。つまり、運用状況にもよりますが、年1万円前後
 のお金を銀行に払い続けなくてはいけないということ。 
・「預金」は低金利といえども預けたら目減りしはしない。皆さんにとってはノーリスク
 の金融商品です。けれど、金融機関にとっては、いったん預かったら低金利といえども
 運用して増やさなくてはならない。もし、運用に失敗しても、皆さんにはお金を返さな
 くてはいけませんから、銀行にとってリスク商品なのです。
・けれど投資商品は、その逆です。買った皆さんは、値上がりしたり値下がりしたりとい
 うリスクを抱えますが、銀行は、値上がりしようが値下がりしようがノーリスクで儲け
 られる。つまり、投資商品というのは、銀行にとってはノーリスクなのです。だからこ
 そ、なんとか皆さんにリスク商品を買ってもらいたい。そのために、高金利の定期預金
 で安心感をあたえながら、投資に誘い込もうというのです。   
・低金利の中で普通に銀行にお金を預けている人は、「金利1%」以上の金融商品がある
 と聞けば、心が動くことでしょう。けれど、低金利の中で、定期預金に1%以上の金利
 をつけるには、何かワケ(理由)があるはずです。そのことを肝に銘じ、甘い話には最
 初から近づかないほうがいいかもしれません。
・銀行に言われるままに、住宅ローンを組んではいけません。銀行に行くと、「年間返済
 額が年収の30%までは借りられます」とか、銀行によっては「35%まで大丈夫です」
 などと言います。これど、これは、あなたが返済できる額ではなく、銀行がとりっぱぐ
 れなく貸せる額なのです。銀行は、年収のどれくらいまでなら貸しても破綻率が低いか
 という統計を持っています。彼らはこの統計と破綻した時に取れる担保などに照らして、
 「30%まで貸せます」などと言っています。あなたの人柄や家族事情を読み取って、
 親切に提案してくれているのではないのです。
・住宅ローンを組むならまず、自分たちの生活を考え、いくらまでなら不自由なくローン
 を払っていけるか計算してから、ちょっと少なめに「この額しか借りられません」と銀
 行に言う。すると、貸し出しに困っている銀行は、「申し越しお貸しします」と下手に
 出てきますから、そこから交渉で有利な条件を引き出していくことです。
・お金を返せない時というのは、どうしても弱気になりがち。けれど、実はお金というの
 は、貸した人よりも借りた人のほうが、立場が強い。なぜなら、貸した人に「返せない
 から、どうにでもしてくれ」と開き直られると、打つ手がないからです。
・アメリカでは、「ノンリコース」と言って、多額の住宅ローンが残っていても、住宅を
 手放したらそれで終わりです。5千万円の住宅ローンがある家が4千万円でしか売れな
 かった場合でも、家を手放した途端に1千万円のローンは払わなくてもいいことになる。
・日本の住宅ローンには「ノンリコース」はありませんが、自己破産して免責を受けると、
 ローンの残債は無くなります。自己破産されて免責を受けられてしまったら、銀行は打
 つ手なし。これは、銀行が一番恐れている方法ということも覚えておきましょう。
  
老後資金にまつわる大ウソ
・若いうちから老後のことなど心配してはいけません。なぜなら、長い人生の中では、老
 後になる前に不安を解消しておかなくてはならないことがたくさんあるからです。まず
 目の前には、マイホームのローン、子供の教育費、両親の介護その他、山積みの問題が
 あります。そしれ、老後の心配というのは、多くの人にはその先にあるものだからです。
・いきなり老後のことを考えるとなかなか目標に到達しません。老後を考える前に、まず
 は、老後前の50歳までにしっかりと足元を固めておくことが大切です。しっかり足元
 を固めるとは、借金の少ない堅実な家計にしておくことです。   
・家計は、50歳の時点で、借金と貯金がプラス・マイナス・ゼロになっていれば、黄金
 の老後を迎えることができます。たとえ貯金がゼロでも、50歳までに住宅ローンが終
 わり、子供の教育費がかからなくなっていれば。家計におちえは勝ち組です。
・なぜなら、50歳までに住宅ローンが終わっていれば、それまで住宅ローンとして支払
 っていたお金を、貯蓄に回すことができます。さらに、50歳で子供も社会人になって
 教育費負担が終われば、子供にかかっていた教育費を貯蓄に回すことができます。
・加えて、もう子供に手がかからなくなったら、奥さんも働くことができます。そうなれ
 ば、住宅ローンと教育費、妻の稼ぎで、月に20万円くらいは貯蓄していくことができ
 るのではないでしょうか。  
・ここに退職金をプラスし、なるべく長く働いて年金の受給年齢を遅らせれば、老後にお
 金で困ることはほとんどないでしょう。
・50歳を過ぎてもかまいませんから、少しでも早く、借金と貯金がプラス・マイナス・
 ゼロになることを目標に、家計を見直していきましょう。
・2020年の東京オリンピックが終わると、それまでの必要だった人も物も余り、成果
 が上がらないアベノミクスのツケで、不況がやってくる可能性があります。しかも、5
 年経ってもデフレを脱却できない現在の日銀の金融政策が破綻をきたすと、日本経済も、
 大きな打撃を受ける可能性があります。
・企業年金というのは、企業が独自に公的年金に上乗せしている年金で、10年間支払わ
 なけれなもらえない公的年金と違って、働いている会社に企業年金があれば、たとえ1
 ヶ月の加入であっても、一生涯もらえる年金です。ところが、それを忘れていて、企業
 年金をもらい忘れている人が、なんと現時点で130万人もいるというのですから驚き
 です。なんと2割の人が、もらえるはずの年金をもらっていない・ 
・最も多く考えられるのは、結婚までの腰掛のつもりで厚生年金基金のある企業に勤め、
 それで社員の念願の結婚退社したというケース。厚生年金基金は、60歳になってはじ
 めて支給されます。ですから、かつて自分が勤めている会社に厚生年金基金があって、
 自分もそこで働いて加入していたということを覚えていれば請求できますが、大抵の人
 は忘れてしまっているのではないでしょうか。しかも、結婚して名字が変わってしまう
 と、本人の特定が難しくなり、本人が申し出ない限り厚生年金基金では持ち主を調べよ
 うがなくなります。
・また、10年未満など短期の加入者や、10年以上加入していたという人でも厚生年金
 基金自体が解散している場合には、積み立てた企業年金は企業年金連合会に移管されて
 いるので、それをしらないで請求されず、放置されっぱなしになっているというケース
 も多いようです。
・さらに、退職時に厚生年金の「加算年金」を一時金で受け取っているので、それで終わ
 りと思っている人もいるようです。けれど、厚生年金基金では、厚生年金の一部を国が
 代わって運用(代行)しているケースが多く、ここから支給される年金があることを知
 らないというケースもあるでしょう。  
・65歳より後にもらい始める「繰り下げ受給」の場合、1ヶ月遅くなるごとに年金額が
 0.7%ずつ加算されます。たとえば、70歳からもらい始めると、0.7%×12ヶ
 月掛ける5年で42%支給額が増えます。65歳で10万円もらう人なら、70歳まで
 支給を遅らせると、70歳から月14万2千円の年金をもらえます。この場合の損益分
 岐点は81歳。80歳までに死ぬと、65歳からもらい始めたほうがよかったことにな
 り、81歳以上生きれば、70歳からもらったほうがよかったことになります。
・ですから、額は少なくても遊べるうちに年金が欲しいという人は至急年齢を早めるとい
 う選択もありかもしれません。けれど、これからは人生100年時代。あまり早くから
 もらってしまうと、少額しかもらえないので長生きしたらお金が足りなくなってしまう
 というケースも出てくるでしょう。最低でも65歳まで働き、年金はそれ以降という選
 択がいいのではないでしょうか。 
・デスクワークをしてきた人にとって、農業というのはかなりハードルが高い気がするよ
 うですが、今はそうでもなくなっています。農業をやってみて得られるものはかなり大
 きい。まず、生産性が上がり、家計にも貢献します。特にゴルフをやっている人には
 「定年後は、ゴルフクラブを鍬に持ち替えましょう」とお勧めしています。なぜなら、
 ゴルフはお金が出ていくばかりですが、鍬を持って畑を耕せば、作物ができ、家計も野
 菜を買わなくていいぶん潤います。また、健康的に、長生きできる可能性もあります。
・自営農業者は、それ以外の人に比べて医療費への出費が3割程度少ないことがわかりま
 した。つまり、病気になりにくいということです。また平均寿命にも違いが出ました。
 自営農業者の男子の平均寿命は81.5歳で、それ以外の人の平均寿命は73.3歳と
 と、なんと農業をやっている人のほうが平均的に8年も長生きしていました。
・実は、農家の平均年齢は65歳を過ぎていて、しかも後継者不足もあって農地は余って
 います。現在、全国の耕作放棄地を集めると、富山県や福井県の面積を上回ると言われ
 ています。こうした農地が、市民農園として大量に貸し出しされています。
・市民農園は、10坪から20坪に区画されている農園で、私の友人も借り得て仕事の合
 い間に耕していますが、年間に種代や指導代など3万円程度支払って、6万円程度の野
 菜の収穫があるそうです。   
・興味のある方は、農林水産省のホームページから「全国市民農園リスト」にアクセスす
 ると、自分の住まいから近い市民農園が、どこにどれくらいの価格で貸し出されている
 のかをチェックすることができます。
・マイホームは、一生に一度の大きな買い物。一生に一度の大きな買い物なのだから、少
 し高くてもいいものを手に入れたいという心理が働いて、銀行から借りる住宅ローンの
 額も大きくなりがちです。しかも、低金利なうえに、返済が70歳までOKというとこ
 ろがほとんどになっています。中には、返済を80歳までできるというところも出てき
 て、返済期間を伸ばせばいくらでもお金が貸りられるようになっています。
・でも、本当に70歳まで返済する住宅ローンを組んで大丈夫でしょうか。答えは、ノー。
 なぜなら、現行の年金制度は、支給年齢が65歳。サラリーマンの場合、65歳までは
 会社で働くこともできますが、60歳になった時点でまず給料がガクンと下がる企業が
 ほとんどです。しかも、65歳で定年になると、収入がなくなるケースも。だとしたら、
 少なくとも、年金生活に突入する前に、住宅ローンを払い終えておかなくてはいけない
 でしょう。
・実は、住宅ローン繰り上げ返済は、下手な投資よりも確実に将来を安定させるかもしれ
 ません。「住宅ローンは、退職金でまとめて返せばいい」と思っている方もおられるで
 しょう。けれど、老後の虎の子の退職金を住宅ローンで目減りさせてしまうというのは、
 不安があります。退職金は、老後資金としてしっかり温存しておかなくれはいけません。
 そのためには、すでに住宅ローンを借りている方は、しっかり繰り上げ返済をして、老
 後生活までには住宅ローンの返済が終わっているようにしておきましょう。