定年後 :加藤仁

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長年、組織の中で生きていた人間が、突然その組織から離れ組織の外で生きて行かなけれ
ばならくなったとき、多くの人は戸惑い茫然自失状態になるようだ。しかし、早い遅いの
違いはあっても、人はいつの日には組織を離れるときが来る。
組織を離れた新たな人生をどのように生きていくか。それはひとり旅への出発に似ている
ような気がする。ひとり旅をいかに楽しむか。それはそれぞれ個々人の想いにかかってく
る。自分という人間に立ち返ったとき、自分がほんとうにやりたかったこととは何だった
のか。そこから改めて考え直してみる必要がありそうだ。

はじめに
・なにかを掘りあてるまで突き進むと、各人各様にもって生まれた個性がそこにぶつかり、
 はじめて腰がすわる。そこに腰を落ちつけて少しずつ前進していくと、ますますその個
 性に磨きがかかり、発展し、そして幸福と安心がもたらされる。集団エクスタシーが醸
 しだされる組織から離れ、ひとり四苦八苦しながら「安住の地位」を求めようとする定
 年退職者にもそっくり当てはまる。ただし「他人本位」から「自己本位」に生き方を転
 換するには、三カ条を心得ておかねばならない。第一に、自分の個性の発展を遂げよう
 とするならば、他人の個性を尊重しなければならないこと。第二二、自身が有する権力
 を行使しようとするならば、それに付随する義務を忘れないこと。第三に、自己の金力
 を示したいのであれば、それに伴い責任を重んじなければならないことである。

ひとり旅たち
・大切なのは、自分ならではのこだわりである。たとえば「健康」に執着するだけでも、
 かなりの地平がひらけてくる。
・まずは「一点突破」である。
・自分の評価は自分でくだし、自分の人生は自分で仕切りたい。
・サラリーマン時代は「リハーサル」、その後の人生が本番だった。
・企画力もさることながら、それ以上に大切なのは、実情に即して計画を修正していく能
 力である。 
・サラリーマン時代、スケールの大きな仕事をこなし、成果をおさめたにしても、会社の
 看板や職場のシステムに支えられてのことである。しかし定年後は、自分の才覚によっ
 て、計画をすすめなければならない。サラリーマン時代とは異なり、つねに「自己責任」
 というリスクがつきまとう。だからこそ「男のロマン」と言いたくなる。
・すべてを自分で仕切る。そのかわり責任を負う。だからこそ力が発揮できるし、サラリ
 ーマン時代に味わえなかったロマンと快感がそこにある。 
・熟っている柿の実をもごうと思ったら、最初にやることは、立つことである。
・どうすれば「好きなこと」が見つかるのか。35年以上もそしくの看板を背負い、自分
 を押し殺すように働きつづけていると、自分の「好きなこと」がなんだったか、わかな
 らくなってしまうようである。10代のころ、自分があこがれたことに挑んでみるのは
 どうだろうか。 
・楽しみや幸せを得ようと思えば、自分から歩き出さなければならない。都会に長く暮ら
 していると、どうしても世間の動きに自分を合わせ、意に反して自分も流されていく。
 自分は何が好きか、何に適しているのか、定年後に考え込む人たちは少なからずいる。
 「好きなこと」を見つけるには、自分自身とあくなき対話を重ねるしかない。

仕事を創る
・サラリーマンの自信は、砂上の楼閣なのか。環境が一変すると、たちまちのうちに崩れ
 てしまうことがある。自信とは、たったひとりで困ったり、悩んだりする体験を乗り越
 えることによって生まれるものである。大勢で神輿を担ぐようにして、なにごとかを為
 したにしても、そのよろこびがどれほどの自信につながるのか。定年後は、組織を離れ
 たひとりの人間として再出発をすることになる。そのときものを言うのが、個人的な体
 験のと蓄積であると、私は数多くの定年退職者を取材して教えられた。
・定年後の世界には、自信喪失の要素がありすぎるほどある。そのためいつまでも会社人
 間の殻に閉じこもってしまい、外界にふれようとしない人たちが少なからずいる。だが
 逆に、そのことに気づいて、定年後こそ新たに個人的な体験を蓄積して、それから先の
 人生に備えようとする人たちも増え始めている。
・資格は、足の裏についた米粒に例えられる。取らないと気持ち悪いし、取っても食えな
 いということである。私が取材した定年退職者の中には、資格取得者であっても、その
 分野の仕事をしていないという「ペーパードライバー」は数多くいる。
・生真面目なサラリーマンOBほど、気後れしたり、集団の調和を乱すまいとしたり、あ
 れやこれやと気をつかい、地域活動の当事者になりきれない。集団に入ることを躊躇し
 たり、入ったにしてもいつの間にか去っていったりする。こうした不毛の一因を「資格」
 によって克服できるのではないか、と私は思うようになった。
・正社員やフルタイム就労にこだわりすぎると、絶対的な境地に追いやられる。それより
 も、さながらネットサーフィンをする感覚で、「スポット就労」を繰り返して報酬を得
 ると、心労もなく、まだまだ自身に潜む「現役性」も実感できる。
・店舗を構えなくてもネット販売ができる時代が到来し、商売に不向きと思っている人た
 ちを奮い立たせる。

楽しむ、学ぶ
・定年を迎えた時の感慨は「会社のためと懸命にやってきたことが、一夜開けると無意味
 になってしまう。これは虚しい」であった。定年後は逆の発想をしなければ、ますます
 虚しくなる。「役立つ」ではなく、「役立たない」に重きをおき、講座を受講するよう
 にした。
・仕事以外の分野に分け入る人には、徹底性が大切であることを心得ておきたい。
・20歳から働き始めて60歳で定年を迎えたとすると、それまでの労働時間の総計は8
 万時間になる。定年後はのんびりすごすことにする。睡眠や食事、入浴の時間を差し引
 くと、1日の余暇時間は平均して11時間以上もある。80歳まで生きるとすれば8万
 時間となる。つまり定年後の余暇時間は、会社で働いた時間とほぼ同じということにな
 る。
・お金はちょっぴり、時間はたっぷり、というのが退職後の暮らしであるならば、時間が
 もたらす贅沢を大いに味わいたい。
・それまでの人生において、ひとつやふたつ、だれでも胸弾む体験があったはずである。
 その体験を掘り起こし、ふくらませて、たにしい世界をきり拓いた人は枚挙にいとまが
 ないほどいるのである。
・半ば趣味として、インターネットで株を売買している。そうすると、ついつい時間に流
 される。そのため朝6時半の起床、午前11時の昼食準備、午後3時の体操、夕刻5時
 の夕食支度、深夜11時の風呂の点火という具合に、アラームを合図に家事などをこな
 す。散歩するとき必ずデジタルカメラを持参する。最初の頃は、四季折々の草花など片
 っぱしから撮っていたが、現在はもっぱらご近所の「幼児たちの笑顔」をテーマにして
 いる。
・趣味はいくつあってもいい。その中にひとつ、80代、90代の自分が夢中になってい
 る姿を想い浮かべると楽しくなる趣味を加えておきたい。
・遠出しなくても、未知との出会いが旅であり、独自性があるほど胸躍る。独自性のある
 旅とは、だれも試みることがないあったオンリーワンの旅、すなわち前人未到の旅であ
 る。当然、達成の歓びは大きい。
・なんでもいい、いまだ興味が衰えていないことがあれば、その分野の才能が眠っている
 と思いたい。

家族を見つめる
・夫婦のいずれかが病に倒れ、長期にわたって寝込むようなことがあったとき、もはや息
 子や娘による家族介護を受けられない。そもそも自分たちは、戦後の核家族化に乗じて
 親元を離れた世代であり、そのため自分の身は自分で守らなければならないことを承知
 している。だがどれほど健康に気づかっても、疾病から逃れられるという保証はない。
 運動や栄養補給もさることながら、倒れた時にどのような暮らしが可能なのか、一度は
 想いをめぐらしておくことも大切であろう。
・妻が「やってみたい」と言うことに対して、絶対に夫はNOを言ってはならない。数多
 くの退職者の事例から、私はこの大原則を教えられている。妻のたっての望みであれば、
 なにはさておき夫はYESと答えなければならない。
・在職中の40年間、組織の中に身をおき、その庇護のもとに生きてくると「自力」のす
 がすがしさを忘れがちになる。退化しかけた手足を蘇らせ、いま一度の自身を取り戻そ
 うと「主夫」を自立の第一歩にしていたのである。
・「世渡りは下手でも妻の子もいます」
・夫婦共通の趣味やたのしみを無理して持つこともない、と私は思う。というのも、これ
 まで、そうすることが仇となった夫婦を数多く見てきたからである。
・夫婦が同じ靴に足を突っ込んで、窮屈な思いをすることもない。時折ショッピングや外
 食をするなり、映画やコンサートに出かけるなり、小旅行をするなり、ふたりでガーデ
 ニングをするなり、夫婦が寄り添えるものはいっぱいある。
・夫が妻を自分の世界に誘い込むのではなく、まずは妻の世界を尊重すべきであろう。夫
 婦それぞれ、まずは一番やりたいことに挑むのがいい。
・夫婦がお互いの第一義を認め合えば、おのずとそのほかの面で寄り添うことにもなるで
 あろう。
・妻は地域社会のあれやこれやだけでなく、夫の性格や資質、潜在的な願望という情報も
 把握している。さらにいえば、妻の情報には、企業社会で利潤や効率を追及してきた夫
 に、それまでの価値観を見直させる発想が込められている。
・それまで妻は、夫とは異なる日常に身をおいてきた。定年後、夫の日常は妻に近づいて
 いく。妻の言動や姿から、どのような情報を読みとれるか。妻の情報力を信じ、妻から
 情報伝達や提案があったならば、ますは素直に目をみはり、耳を傾けたい。
・妻の才能を封じ込めた定年後の暮らしは危うくもある。
・夫は妻の才能を引き出すプロデューサーでもある。それまで部下の能力を見つめてきた
 ように、妻の才を見つめたい。 
・酒びたりになったり、怒りっぽくなり、さらには暴力をふるうようになったりと、気が
 つくと自分で制御できない自分がそこにいたりする。これらの人たちに共通するのは、
 家庭における対話不足である。
・職場の人間関係にうんざりしたのか、新たな人間関係を築こうとする意欲が失われてし
 まった定年退職者はいる。いまさら仲間をつくるなんて、という思いがあるのだろう。
・趣味でも地域活動でも、仕事でも交友でも、なにかひとつ胸を躍らせるものがあればい
 い。
・かつての同僚は定年直後に妻を喪って意気消沈し、無残な生活を送ったという。台所仕
 事は不慣れで、煮炊きもできない。淋しさを紛らわせるために夜毎飲みに出るようにな
 り、ついつい深酒をして脳血管障害で倒れた。独居なので自宅療養もできず、施設に入
 ったとのこと。「明日は我が身」と思い、料理だけでも習っておくのがいいと考えたら
 しい。妻に先立たれると、核家族ゆえに夫は孤独と不慣れな家事という二重の苦痛を味
 わう。精神的に落ち込んだり、娘夫婦の近くに引っ越したりする「寡夫」も少なからず
 いる。

地域社会に生きる
・あまり指摘されていないが、団塊のサラリーマンには他の世代とは異なる特徴がある。
 好況期、企業が多額の費用をかけて社員教育をおおない、その恩恵に浴したことである。
 それによって公的資格を取得したり、専門分野のインストラクターになったりと、ビジ
 ネススキルを磨いた団塊のサラリーマンは少なからずいる。しかしバブルがはじけ、不
 況の時代に突入すると、後継世代に対する3K予算(教育費、交際費、交通費)は削減
 されていった。
・多くの定年退職者は、無意識のうちに居場所を二つ確保している。一つは、例えて言え
 ば下着姿で気楽にごろ寝ができるような、ごくごく「私的」な場所である。だれからも
 とやかく言われず、ひとり居ることを心ゆくまで楽しみ、孤独と向かい合う場所である。
 もう一つは、少しばかり気どってみせたり、格好をつけたり、緊張したりと、自分の姿
 を他人にさらす、「公的」な場所である。地域活動とか、趣味のサーブルとか、第二の
 職場とか、堅苦しい言い方をするえと社会参加の場である。来客が多い家ならば、応接
 間やリビングルームがそうした場所にもなる。
・自分らしさを確認するには孤独の時間を必要である。そうでなければ情報洪水になかで
 自分を見失ったり、受け手の怒りを煽り立てるテレビ報道にストレスばかりを溜め込む
 ことになりかねない。
・定年後にボランティア活動をする男たちの溜まり場を訪れたときのこと、男たちはミー
 ティングを開いいた。距離をおいて差し障りのない発言をする者もいれば、毒舌を吐き
 つつ本音を語ろうとする者もいる。気まずい雰囲気になりかけるとユーモアで包み込も
 うとする者もいる。お互い会う回数が増えるにつれて、緩急自在の運営が呑み込めてき
 たという。
・まず一人でいいから同志を得ることである。これまで私が取材をしてきた数多くの地域
 活動について言えることは、どれほど大規模のグループであっても、中核となるメンバ
 ー、つまり同志はほんのひと握りにすぎない。数百人を擁する活動グループも中核を手
 繰り寄せていいくと、実質的には二人だけだったという事例もめずらしくないのである。
・地域社会のお役に立ち、行政の手の届かない仕事をするのが「コミュニティビジネス」
 とされている。私が「コミュニティビジネス」という呼称からまっ先に想い浮かべるの
 は、長野県小川村の「おやき村」である。各集落に「おやき村」「農園村」「きのこ山
 菜村」などと銘うった作業場を設け、そこに責任者をおいて集落おこしに挑んだ。7人
 の従業員は10年後117人に膨れあがり、年間、おやきは600万個、漬物は120
 万袋を生産するまでになった。おやき村を運営する「小川の庄」という会社は「入社
 60歳」「自主定年」を原則にしていた。元気だから働くのもさることながら、みな働
 くことによって元気を得た。高齢の人たちが楽しそうに働いている。これこそ「コミュ
 ニティビジネス」の原点ではないのか。賃金は高くなくても、みな納得して働いていた。
・もはや子育てやローンの縛りはない。収入は限定されても「食事処」や衣料品チェーン、
 格安旅行の出現によって、趣味教養・遊興費は伸縮自在となった。世間相場に惑わされ
 ることもない。 
・60歳を過ぎて仕事や扶養義務から解き放たてると、なかには生きる張りを失ったかの
 ように、気力までまえてしまう人たちもいる。そのようなとき、どこかに仕舞いこんで
 いた古酒の瓶を取り出し、静かに味わってみると、自分がどのように生きてきたかが確
 認できる。忘れ物を取り戻しにも行ける。まずは、わが人生に乾杯し、来し方行く末を
 見つめてみたい。 
・歳をとると、自身の存在が宙を舞っているいるような思いにとらわれ、ついつい精気を
 失いがちになる。そのようなとき、自分が生きてきた意味や意義を思い起こさせ、その
 人をその人たらしめてくれるのが過去である。

終の住処
・歳だから自分はなにもできない、とついつい弱気になる。周囲には、なにもさせないほ
 うがいいと思い込んでいる家族がいる。身体に不具合が生じたならば、本人も家族も安
 心・安全という発想にとりつかれ、施設における至れり尽せりの介護を選択しようとす
 る。しかし、そのような介護は、そのひとから生活能力を失わせることになりかねない。
 もはや自分は無用の長物ではないかと思うのか、萎縮したように生きる要介護者の姿を
 目の当たりにしてきた。
・いつの日にか、私たちは介護スタッフに支えられて生きることになるまもしれない。心
 得しては、日々の営みにおいて、自分が大切にしていることを確認しておくことがあろ
 う。地域活動やボランティアを含めた広い意味での仕事、趣味、宗教、家族、交友、過
 去の栄光、等々。介護スタッフも、そのいずれが大切であるかがわかれば、支えの手を
 差しのべやすい。
・在宅介護と家族介護を混同している人たちが、いまも数多くいる。それを親孝行である
 かのように受け止めて、一身に介護を引き受けてしまう家族が見受けられる。だが家族
 介護は、逆効果をもたらしかねない。
・家族で介護をすべて背負い込むと、要介護者のためにもならず、家族共倒れになりかね
 ない。在宅介護は、家族介護とは異なり他人の協力を積極的に求める介護である。デイ
 サービスをはじめヘルパー派遣、配食サービス、通院のための移送サービスなど、行政
 が提供する福祉サービスは、可能な限り利用する。
・高齢社会の到来は、寡婦の時代の到来であるともいわれる。平均寿命のデータによると
 男性よりも女性が長生きをし、夫との年齢差を考慮すると、女性は寡婦として10年近
 く生きることになる。
・明日の日はわからない。毎日を充実させることは大切だが、欲張らないこと。
・何歳になっても、せめて自分たちの飲み代くらいは稼いでいたい。そうすると自分がま
 だまだ現役である自負も生まれるのではないか。
・在職中は、意に染まない仕事や不本意な人事でストレスを溜め込んでいた。退職後は、
 退屈し過ぎると、またもストレスと付き合うことになる。
・ひとり暮らしで大切なことは「明日に楽しみをもつこと」という。図書館の日、洗濯の
 日、外食の日、病院の日など、一週間の予定を組む。さらに来週は食事会、来月は旅行、
 正月は孫たちと戯れるという具合に、先々の楽しみを持つようにしている。

おわりに
・自分らしく躍動することが第一、収入は二の次という「定年文化」が各地に築かれつつ
 ある。定番メニューにこだわることなく、自分の関心事に突き進めばいい。
・団塊世代の定年後にしても、人数の多さを楽しみに動くのではなく、あくまでも「自分
 本位」を貫き、「個」に立ち返ることを心がけたい。