週末起業 :藤井孝一

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今の時代はサラリーマンの時代だ。大部分の子供は成長して社会人になると、どこかの会
社に就職することが当たり前となっている社会である。ところが今の時代は就職氷河期と
も言われている。就職したくてもなかなか職にありつけない若者も多い。いや若者だけで
はない。中高年者だって一旦失業すれば、新たに正社員として職に就くのは困難で、たい
へんな時代だ。
しかし、考えてみると、我々はサラリーマンになるしかないのか。他の生き方はないのだ
ろうか。確かにサラリーマンのほうが収入が安定しているので楽な生き方ができるかもし
れない。しかし、サラリーマンとは、だれかがつくった会社に雇われることである。雇わ
れた会社の中で激しい出世競争を繰り広げ、課長になった部長になった役員になったと胸
を張っても、所詮は雇われの身である。考えみれば虚しい。
他人のつくった会社の中で競争に打ち勝って出世するという、一生雇われの身のままで終
わることを目標とするのではなく、自分で起業し、いずれは雇う側になる。そういう目標
を持つべきではないのか。
それは中高年になってからでも遅くはない。定年後の中高年は働きたくても、もはや雇っ
てくれるところは少ない。それならいっそう自分で起業し個人事業主になったらどうか。
年金をもらいながら自分の小遣い程度の収入を得ることを目標に起業というのなら実現性
は高いのではないか。これはまた、老後の長い時間を持て余すという問題の解消にもなり、
生きる張り合いにもなるのではないか。

はじめに
・起業は素晴らしいライフスタイルです。自分のやりたいことを、自分のやりたいように、
 自分の信念に従って思う存分できるのです。人生は一度きりです。後悔したくないじゃ
 ないですか。ただしリスクは抑える必要があります。
・起業するときに直面する最大のリスクは、収入が突然なくなることです。それに、起業
 家の世界と会社員の世界はまったく違います。起業すると、何でも自分でやらなくては
 なりませんし、法律、会計、税金などを学ぶ必要があります。何よりも大変なことは、
 自力でお金を稼がねばならないということです。
・こんな世界に何も知らずに飛び込んだら、普通は大けがをします。それを避けるために
 は、起業家になるためのトレーニングを積むことが必要です。そのトレーニングとして
 最良なのが、会社を辞めずに起業してみることなのです。

週末起業で「こんな時代」を生き抜こう!
・日本経済はかつてないほどの混迷状態に陥っています。企業も生き残りのために必死な
 のです。かつては日本的経営の象徴として世界に誇った終身雇用や定期昇給など従業員
 に優しい制度も、もはや古き良き時代の名残り、すでに維持できなくなっています。
・日本企業は、国際競争の波にもまれ、どんどん世界標準に向かっており、人事制度だけ
 が日本式を維持することはできないというわけです。こうしてサラリーマンの平均年収
 も、世界標準並の三百万円前後になるという人までいます。
・ますます不本意となる処遇に我慢することで、労働条件は悪くなっていきます。突然の
 転勤、人権を無視した雇用環境、折り合いの悪い上司にも甘んじることになるからです。
 滅私暴行の度合いはますます色濃くなります。
・そこで得た知識や技術は、それぞれの会社や業界に固有のものでした。そこで築いた人
 脈は社内人脈であり、取引先との閉鎖的な関係でした。そうした知識、技術、人脈は、
 会社を一歩出たらほとんど役に立ちません。
・残念ながら転職市場は超氷河期です。そう簡単に仕事が見つかるものではありません。
 かりに運良く決まっても年収は大幅に減少する、いわゆるワンランク下の転職が多い
 のです。いまは人件費を削りたい企業側の買い手市場ですから無理もないことです。
・転職したときの給与は「七五三が相場」だそうです。つまり転職後の給料は転職前と比
 べ「良くて七割、普通は五割、悪いと三割」に減るそうです。
・マスコミ、人事関連の専門家、人材派遣会社の担当者なども、サラリーマンが自分から
 行動を起こすことに対して否定的です。そして「多少の減給や不本意な処遇にも、とも
 かく我慢してできるだけ会社にしがみつけ!」とアドバイスしています。事実、退職金
 の額面の大きさに惹かれて早期退職制度に飛びついたものの、転職できずに苦労する人
 がたくさんいます。そういう人も後進に対しては「早まるな!世間の風は冷たいぞ!」
 と助言しています。
・資格を取っただけで「何かあったときに仕事にありつける」というのは幻想です。そも
 そも就職を保証してくれる資格などないのです。医者や弁護士など特別な仕事ならとも
 かく、それ以外の職で「この資格さえあれば大丈夫」などという資格はありません。ま
 してパソコンや語学の資格などは、履歴書に書いたところで転職にはほとんど役に立た
 ないといわれています。
・資格を持っただけで、お客さんが集まってくるわけではありません。お客さんを開拓す
 るためには、営業活動や販促活動が必要になります。
・副業をすれば確実にお金になります。ですから当面の資金繰りには有効です。しかしこ
 れを育てて、いずれ大きく稼ぐということはできません。なぜなら、副業は「時間の切
 り売り」にすぎないからです。
・副業をするサラリーマンの平均収入は月額三万円くらいしか稼げていないのが実情です。
 またアルバイトの仕事は、割に合わないものばかりです。そりゃ、そうでしょう。自分
 でやったら割に合わないからこそアルバイトに頼むのです。この人余りのご時世に、割
 に合う仕事なら、働き手をわざわざ募集広告まで出して探しません。そんな仕事があっ
 たら、社員や親しい人、さもなければ自分でやるでしょう。
・副業とは時間と体力という、あなたの財産を切り売りしてお金を得るようなものです。
 家族とのコミュニケーションがなくなる。疲れる、もしかしたら病気になってしまうか
 もしれません。
・いま不安にさらされているのは「雇われる」という生き方です。「転職する」「副業を
 する」という対応は、いずれも「雇われる」ことからの脱却ではなく、「雇われ先」を
 変えることにすぎないのです。だから不安から逃れるための抜本的な解決策にはならな
 いのです。
・つまり不安から開放されるためには、会社への依存から脱却するしかないのです。雇わ
 れる生き方から、自立するしかないのです。すなわち独立開業です。
・起業家の世界は決して甘くありません。サラリーマンとはまったく異質な世界です。す
 べて自分でやらなければなりませんし、売上がなければ収入はゼロです。また銀行の預
 金残高をいつも気にしなければなりません。一瞬でもキャッシュフローがなくなれば、
 たとえ儲かっていても倒産します。
・年間百万人以上のサラリーマンが、リストラや倒産で否応なく職を失っているのです。
 いくら自分が会社にしがみつきたくても、いつまでも会社にいられる保証はどこにもな
 いのです。
・唯一無二の人生、そして大事な時間だからこそ、自分の好きなことをして、ワクワクし
 て過ごすべきだと思います。二、三日くらい寝なくても平気なほど好きなこと、お金を
 払ってでもやりたいことを見つけて、とことんやるべきだと思います。当然その権利が
 あると思います。
・会社を辞めずに、週末などを利用して起業している人に共通していたのは、次の2点で
 した。
 ・お金をかけずにはじめたこと
 ・インターネットを駆使していること
 そして何より大事なことは、自分の好きなことをビジネスにしていることです。
  
これが週末起業の醍醐味だ
・週末起業の魅力は、リスクをとらず、元手を準備することなく、起業というきわめてエ
 キサイティングなライフスタイルを、簡単に手にすることができるところにあるのです。
・サラリーマンをしていて何がつらかったかといえば、自分の思いどおりに仕事ができな
 かったことです。例えば、自分がゼロから立ち上げて育ててきた仕事を「さぁこれから」
 というところで転勤や配転、担当替えになり、取り上げられたことがあります。また上
 司の命令というだけの理由で、明らかに失敗するだろうということをやらされたりもし
 ました。
・起業の「リスク」の高さに比べたら「多少のことは我慢して働くほうが得策」と考える
 のが、多くのサラリーマンの本音だと思います。しかし、もしサラリーマンを辞めずに、
 自分の思いどおりに仕事をしたいという気持ちを満たせるなら「ぜひやってみたい」と
 思う人も多いはずです。
・週末起業では、土曜日と日曜日、それと休日だけは起業家になれるのです。週にたった
 二日では少ないと感じるかもしれませんが、まったく経験せずに人生を終えてしまうよ
 りずっとマシです。
・週末起業をやると仕入れから販促、顧客獲得から顧客対応、さらに代金回収から帳簿付
 けまで、すべて自分でやらざるを得ません。そのためビジネスをトータルに捉える感覚
 を身につけることができるのです。
・サラリーマンの人間関係は、会社どっぷりになりがちです。とくに年齢を重ねるごとに
 その傾向は強くなります。そのため定年退職した途端に行き場がなくなる人もいます。
 また会社以外の人間関係がないため、リストラなどに遭うと人格を否定されたようにな
 り、ダメージも大きいといいます。
・辞めなくてもできることは結構あります。例えばビジネスプランを書き上げたり、顧客
 情報を集めたり、人脈を広げたり、ホームページを立ち上げたりすることです。これは
 いずれも会社にいるあいだにでも十分できることです。会社に勤めながら始めれば、立
 ち上げたビジネスを軌道に乗って利益を生むまで、会社から生活費や軍資金の一部をも
 らいながら続けることができます。辞めるのはそれからでも決して遅くはありません。
・起業には、試行錯誤が避けられません。だからダメ元でやるのがいいのです。でもダメ
 元のうちに会社まで辞めてしまってはいけません。日本のようにまだまだ閉ざされた社
 会では、失敗したからといって簡単に再就職はできません。退職は取り返しのつかない
 のだということを覚悟すべきなのです。 
・大企業ははじめる場合でも「新規事業」は最初、赤字です。ではその間、その赤字の
 「新規事業」を誰が支えているのでしょうか。答えは、すでに軌道に乗っている事業で
 す。投資回収がとうの昔に済んだ、コアになる事業が十分利益を生み出し、「新規事業」
 を支えることができるからこそ、リスクの伴う冒険ができるのです。それでも企業が新
 しいことをやるのは「黒字事業」が衰退したとき、その企業を支える次の「黒字事業」
 を育てておく必要があるからです。だからこそ「黒字事業」から十分キャッシュフロー
 を得られるうちに、その利益の一部を新しいことに赤字覚悟で投じようというわけです。 
・今は「勤務先の仕事」が「給与」というキャッシュフローを生み出しています。しかし
 これは将来どうなるかわかりません。だからこそ今のうちに新しい事業にチャレンジし
 ておくべきなのです。 
・最近はインターネットを活用すれば、ほとんど元手がなくても、商売を始めることがで
 きるようになりました。またレンタル・オフィスや秘書代行サービスなど、起業家を支
 援するインフラはどんどん整備されています。 
・週末起業をはじめた方に話を聞くと、皆さんほとんど元手をかけずにスタートしていま
 す。もちろん、インターネットにつながったパソコンや携帯電話などは必要になります
 が、これはすでに持っている方がほとんどです。あとは名刺くらいでしょう。これなら
 数千円の投資ではじめることができます。 
・週末起業は小資本ではじめるべきです。出資も融資も受けるべきではありません。とに
 かく手持ちの資金ではじめ、その範囲でできないことはあきらめるべきです。特に、融
 資を受けることは絶対に避けるべきです。なぜならば、成功しようが失敗しようが、全
 額プラス金利を返済する義務が生じます。これが起業のリスクを著しく高めるからです。
 融資を受けるためには担保を取られます。その担保は家や土地など個人の資産です。こ
 れにしたがうと、かりに事業に失敗した場合、起業家は会社だけでなく、個人の財産を
 取られてしまいます。一家が路頭に迷う可能性すらあります。
・手持ちの資金の範囲内に限定しておけば、かりに失敗しても、失うものはその出資金の
 範囲です。これなら「高い授業料を払った」で済みますし、再起を賭けてもう一度やり
 直すことも可能です。
・とりあえず現金主義に徹し、手堅く利益をあげることに注力すべきです。資金がないた
 めに、おおきなチャンスを逃すこともあるかもしれません。しかし、とにかくリスクと
 その他の要素を天秤にかけ、リスク回避を最優先することです。
・お金の制約がある以上、支出は極力抑えるべきです。事務所を持つ、人を雇うといった
 ことはずっと先の話と思ってください。
・一般に米国の企業の場合、就業規則のなかに従業員が会社外で働くことを禁じる規定が
 ありません。一方、日本では八割以上の会社が就業規則のなかで自社の給与以外に他の
 仕事で収入を得ることを禁じています。考えてみればこれはおかしな話です。未来私た
 ちは、平日の九時から五時という一定の時間、労働力を会社に提供して給料をもらって
 いるのです。それ以外の時間に何をするかまで会社が拘束するのはむしろ問題です。
・週末起業のビジネスモデルの代表的な例として「オンラインショップの経営」があげら
 れます。  
 ・鉄道模型のインターネットショップ運営で年商約八百万円
・商品を仕入れて販売する場合のポイントは、きちんと仕入先を開拓して卸値で商品を仕
 入れることです。
・手作り品は、他で手に入らないものですからお勧めです。
・代行ビジネスは、ほとんどの人が、代行会社から仕事をまわしてもらう、いわゆる下請
 けに甘んじています。 
・広告で収入を得る方法は「広告モデル」といわれ、最近はあまり儲からないと言われて
 います。 
・週末起業は、会社を辞めない、お金をかけない、自由な起業スタイルですから、どのよ
 うなつきあい方も自由のできるのです。 
・週末起業は、「本業も楽しいが、いずれは起業したい」という方が、起業の準備をする
 ための格好の場になります。 
・最近、定年退職してからビジネスを立ち上げるシルバー・ベンチャーをする人が増えて
 いる。定年退職したからといって、隠居のようになりたくない人には、起業がぴったり
 だと思います。 
・週末起業をしている皆さんに共通していることは次のような点です。
 ・無理をしないこと
 ・できることから、とにかくはじめること
 ・将来につなげること
・人生は一度きりですから、取り返しがつかなくなるような失敗は許されません。ただ、
 あれこれと理由をつけて行動を先延ばししていては、いつまでたっても新しいことは始
 められません。だからとにかくはじめてみることが重要です。
・時間は誰にも平等に与えられた財産です。この貴重な財産である時間をアルバイトなど
 をして、わずかなお金と引き替えに切り売りするようなことをしてはいけません。それ
 は人生を切り売りすることに等しいと思うべきです。あなたの人生は、時給千円やそこ
 らの価値ではないはずです。ましてや刹那的に、いっときの快楽や暇つぶしのために浪
 費してしまうのはもったいないです。時間は、現在を楽しむことはもちろん、将来何倍
 にもなって返ってくるようなことに使うべきです。 
・週末起業は、自分のビジネスをゼロから立ち上げ、大きく育んでいくことです。これは
 まさに今を楽しみながら、自分の将来につなげていくステップです。多少は忙しくなり
 ますが、その一つひとつは決して無駄になりませんし、間違いなくその過程はやり甲斐
 のある楽しい時間です。

成功する週末起業の考え方
・週末起業は、時間、資本、かけられる労力ともに限られています。また、会社の仕事と
 違って、週末起業の仕事をやらなくても当面の食い扶持に困るわけではありません。そ
 のため、明確な目的意識のないままはじめてしまうと、ちょっとしたことで嫌になり、
 投げ出してしまうことになります。
・週末企業には、「週末は社長になれる」「起業の準備に最適」「生き生きとした週末が
 過ごせる」「副収入で家計が潤う」など様々な効用があります。 
・週末起業のテーマを決める際の重要なポイントは次の三つです。
 ・やりたいこと
 ・できること
 ・時流に乗っていること
・本業以外に事業をはじめるのですから、できるだけ趣味や好きなことなど「やりたいこ
 と」を見つけましょう。日中は会社に勤めているという時間の制約のある週末起業では、
 好きなことでないと続かないものです。
・長いあいだ日本の会社社会は「仕事優先、滅私奉公が良し」とされ、趣味をはじめとし
 たプライベートが軽視されてきました。そういう環境に長く身を置いたためでしょうか、
 「自分が何をやりたいのか」を見失っている方が多いようです。
・自分が何をやりたいのかわからなかったら、次のような質問を自分にしてみてください。
 ・お金を払ってでもやりたいことは何だろう
 ・一晩くらい寝なくてもできることは何だろう
 ・これまでに最もお金を使ってきたことは何だろう
 ・二時間ぶっとおして話続けられることは何だろう
・まず「やりたいことは何か」を考え、次に「それが自分にできることか」を考え、最後
 に「時流に乗っているか」をチェックしていくことです。  
・ビジネスとは「お客様に価値のあるものを提供して、その見返りにお金をいただくこと」
 です。そこで「何をお客さんに提供して(売って)お金をいただくか」を考えます。
・モノ以外にもいろいろ売れそうなものはないか検討してみます。コツは、あなたが起業
 したいと考える分野に関するモノ、ワザ、知識・情報、人脈のうち、うれそうなものは
 ないか考えてみることです。 
・もし、あなた自身に「ビジネスにできるほど知識・経験はない」ということなら、あな
 た自身がやらなくても結構です。世の中には「売れるほどもものが描けない、つくれな
 い」と嘆く人と同じくらい、「作品は作れるが、どうも売っていいわからない」という
 人もいるのです。ここに着目すれば、ビジネスの可能性が広がります。
・売る物はありきたりでも、お客さんを絞り込んだり、これまで誰も売ろうとしなかった
 対象に売ることでユニークなビジネスが生まれることがあります。 
・自分のビジネスのお手本になりそうなお店を見つけて、そこでお客さんとして買ってみ
 るのです。するとどのようにお金と商品が流れていくのかを知ることができます。また、
 そこで発行される納品書や領収書のフォーマットや、顧客対応の言い回しなどを参考に
 することができます。 
・そのビジネスが成功するかをチェックするのは、次の二点をチェックすることをお勧め
 します。 
 ・お客さんはいるか?
 ・すでにやっている人はいないか?
・特にすでに大手が参入していたり、本業でやっている人がいるビジネスは、資金と時間
 に制約のある週末起業では太刀打ちできませんので避けたほうがいでしょう。
・週末起業では「ナンバーワン」を目指すのでなく「オンリーワン」を目指すほうが得策
 です。 
・ニーズは確実にあるが、お客さんの数が少ないために大資本が参入していない、そうい
 う市場を見つけ「自分にしかできない」「誰もやっていない」やり方で参入できればベ
 ストです。 
・やりたいことが決まったからといって、一度に多額のお金をかけるのは禁物です。最初
 からうまくいくとは限らないからです。今ある資金で、少しずつ始めるのが週末起業の
 ポイントです。 
・ある程度の投資は必要です。ビジネスでは投資をしなければ、リターンはありえません。
 そこで儲かったら、利益の一部は必ず次の投資にまわしましょう。
・とにかく週末起業のビジネスを楽しむことです。儲けばかり意識すると、とたんに楽し
 くなくなります。趣味をテーマに週末起業をして人は、下手をすると大事な趣味まで失
 います。まずは楽しむつもりでやりことが大事です。

週末起業家のための税金講座
・サラリーマンと起業家の大きな違い、それが税に対する関心です。サラリーマンの場合、
 税務に関する手続きは会社がすべてやってくれます。そのためサラリーマンは一般に納
 税者意識を持ちにくくなっています。 
・週末起業は、半分サラリーマン、半分起業家です。そのため税金についても起業家並み
 の知識が必要になるのです。
・税金は売上げがなければかかりません。週末起業でビジネスを始める前から、儲かるこ
 とを見込んで頭を悩ますのは大いに結構ですが、税金で頭を悩ませるほど儲かるなら、
 その時に専門家を雇えばいいだけの話です。週末起業家には時間が限られています。
 節税よりも、どうしたら売上げを伸ばせるかを考えるほうに頭を使うべきです。
・サラリーマンでも原稿を書いたり、オークションで設けたりした場合、所得が年間二十
 万円を超えれば、確定申告をして税金を払わなければなりません。 
・ほとんどの週末起業家のように、法人を設立せずに個人で週末起業を行う場合、週末起
 業からの所得は「雑所得」または「事業所所得」のいずれかになります。 
・「雑所得は、事前に申請する必要はありません。また年間二十万円を超えない年は、確
 定申告すら、必要がありません。 
・「まず始めてみたい」という人は、「雑所得」として申告することをお勧めします。週
 末起業のほとんどが「雑所得」で申告をしています。実際に始めてみて、「年間の所得
 が二十万円を超えた」ときに確定申告をすればいいのです。ただ、雑所得はあくまでも
 副次的、臨時的な所得という意味です。そのため「必要経費」として認められる範囲が、
 それぞれの収入を得るために明らかに直接使った費用に限定されてしまいます。そのた
 め「事業所得」として申告するよりも、経費として認められるものが少なくなります。
・「事業所得」にすると、勤務先からの給与所得と合算できるというメリットがあります。
 これを「損益通算」といいます。ただし、デメリットもあります。それは個人事業にす
 ると、週末起業の所得が二十万円未満や、マイナスだった場合でも申告が必要になると
 いうことです。軽い気持ちで開業届けを出すとあとで面倒な実務だけが発生してしまい
 ます。 
・事業所得として申告するには、原則として事前に税務署などに「事業開始の届け(いわ
 ゆる開業届)」を提出しておく必要があります。ところが、週末起業の場合、この開業
 届の申請を税務署に受付けてもらえない場合があるようです。 
・「所得税」の負担を軽くするには「所得」を小さくすればいいのですが、そのためには
 「支出」すなわち「必要経費」を大きくすればいいのです。「必要経費」とは「事業所
 得」「雑所得など所得を得るために直接・間接に要した費用のことです。商品の仕入代
 金や運送費、交通費、通信費があげられます。