シンプルに生きる :ドミニック・ローホー

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現代社会は物質的には非常に豊かになった。自分の身の回りを見ても、モノが溢れている。
しかし、それらのモノが生きていく上で、ほんとうに必要なものなのかと問われれば、甚
だ疑問である。恐らく不要なものがたくさんあるだろう。
最近は「断捨離」が流行っているようだ。不要なものを思い切って捨ててしまおうという
のである。思い切って断捨離が実行できたなら身の回りがすっきりするだろうとは思う。
しかし、問題はその後にあるのではと私は思う。せっかく断捨離が実行できても、もう不
要なものは買わないという強い意志を持ち続けられなければ、また元の木阿弥となってし
まうからである。そしてまた物が溢れるようになり、また断捨離というサイクルを繰り返
すことになる。
現代のような大量消費社会になる前の社会では、「もったいない」精神が根底にあり、モ
ノに愛情を持ち大切にしてきた。まさにシンプルに生きていたのである。シンプルに生き
るとは、「もっともっと」という果てしない人間の欲望に打ち勝って生きることではない
のかと私は思う。

はじめに
・ものを過剰に所有することをやめてみましょう。すると、ものに対して使っていた時間
 が減り、自分自身にかける時間が増やせます。からだをケアし、心のなかの整理をする
 と、自分のもっている可能性を再発見することができ、意欲が湧いてきます。
・シンブルにすること。それは、暮らし全体の風通しを良くするということです。ものを
 減らすことからはじめて、時間の使い方やひとづきあい、自分との向き合い方まで、あ
 らゆることをシンプルにすると、たくさんのものに囲まれていたときよりもずっと、心
 が豊かになり、幸せな時間を過ごせるようになります。
・物質的な豊かさは、品格や美を約束してはくれません。それどころか、わたしたちを、
 ものの虜にし、心を破壊してしまいます。
 
ものと上手につきあう方法
・不要なものを捨てて、ものから自由になることで、こうなりたいと願う自分に一歩近づ
 くことができます。ものがありすぎて、生活空間が圧迫されていませんか?
・もっているものを捨てるには勇気が必要です。処分することが難しいのではなく、必要
 か否か、勇気をもって判断する、そこのところがなかなか難しいのです。
・われわれの精神と楽しみの時間を損なうだけの、まったく無意味なガラクタを加えなく
 ても、知識の世界はわれわれの人生を満たすに充分なほど豊かである。
・気に入ったものを所有することは個人の自由ですが、ものに対して自分なりの考えや姿
 勢をもっていることが大事なにです。自分が必要とするものの限度を知りましょう。
・人間的な価値や仕事、心の平安、美、自由そして生命あるものを優先させ、ものには重
 きを置きすぎない考え方に転換することが必要です。ものをため込むことは、悩みや疲
 労のもととなり、人生を複雑にします。
・ものにとらわれて生きることをやめて、むしろからだに感性を、心に刺激を与え、精神
 的に豊かに暮らしていきましょう。
・ものの虜にならないための唯一の方法は、なにももたないでいることです。
・住民ひとりあたりの所有物の数の平均は、モンゴルで300個、日本では6000個だ
 ったそうです。
・ものの質や価値を見逃さない目を養うと同時に、ものの凡庸さや無益さを見抜く目を養
 うことができれば、自分が本当に必要としているものだけに囲まれて暮らすことができ
 るようになるはずです。
・自分が本当に必要としている、お気に入りのものたちだけに囲まれていれば、平穏な気
 持ちで暮らすことができるようになるにちがいありません。
・つまらないものや過去のものに、自分の世界を占領されないように。少しだけ、でも飛
 びきり良いものだけに囲まれて生活することを心がけましょう。
・ほどほど良いもの、ほどほどお気に入りだったものは処分し、完璧なものと取り替える
 こと。たとえ、それが浪費と映っても躊躇しないことが大切です。シンプル主義は高
 くつきます。
・ものを購入するということは、つまり、自分のからだの一部となるものを買うというこ
 と。
・上質のものは、使うほどに、必ず優雅に、上品に美しく変貌していきます。
・残念ながら、現代の消費社会においては、質の良いものを目にする機会がどんどん少な
 くなり、そういったものを求めるひとも減りつつあります。
・高くても良い買い物は、それだけ人生に満足感を与え続け、それを取り出して眺めるた
 びに喜びを与えてくれる。
 
住まい
・ものと家具はすべて、新プリに、軽く、が基本。インテリアは、目を楽しませてくれる
 だけでなく、常に居心地のよいものでなくてはなりません。
・埃の吹き溜まりになっている飾り棚の上のありとあらゆるものを、すべて廃棄処分にし
 ましょう。
・ゆったりした空間にいると、自分の存在を支配しているのは自分自身だ、ということが
 実感できます。
・住まいをすっきりとした状態に保ち、散らかさないためには、収納スペースに見合った
 量のものしかもたないことが基本原則です。ものの量と収納スペースとのバランスを考
 えましょう。
・「使うときのことを考えて、収めるべきところに収める」というのが収納のルール。
・昔の本の家屋は、その部屋に住んでいるひとが立ち去ると後にはなにも残らない、その
 ひとの存在のかけらも、その部屋で行った活動も、跡形も残らない状態でした。使って
 いたものも、すべてコンパクトに畳んで、押入れに片付けてしまっていたからです。
 これこそが、ものに支配されることのない、住んでいるひとが主役の、理想の住まいだ
 と思います。
・わすかな、自分が選び抜いたもののみに囲まれた生活こそが理想です。豪奢よりも質素
 を、喧騒よりも静寂を、流行りよりもオーソドックスで長持ちするものを。
・コンパクトで快適、便利な家こそ、シンプル主義にかなう住まいです。家のなかは、も
 のではなく、住むひと自身が主役です。
・住まいの色の基本は、モノクロに限ります。色彩は目を疲れさせます。黒、白そしてグ
 レーは、他の色の存在をも消し去り、究極のシンプルスタイルを演出してくれる頼もし
 い色です。
・豊かさを得るためには食べ物を一箇所にまとめ、その場所がいつもストックでいっぱい
 の状態であるように気を配ることです。

ファッション
・手持ちの服のなかから、中途半端な服や、小さすぎたり古すぎたり、「すぎる」がつく
 ものは処分しましょう。色あせた服を着ると老けて見えてしまいますから、それも要処
 分のポイントです。
・ひとの真似をしようとすると、簡単に自分自身を見失ってしまいます。
・シンプル主義を実践し、「少なく」もつことを選択すると、「まあまあな服」と「少し
 はましな服」で満杯になった、ぎゅうぎゅうの洋服ダンスから解放されます。
・人生の80パーセントで着つづける服は、ワードローブのなかのたった20パーセント
 だという話もあります。
・家にいるときでも、旅行中でも、自分が身軽になるための工夫をかかさずしてください。
 ものの分量を減らすだけでなく、時間的、精神的負担を減らす工夫を常に考える、これ
 がシンプル主義です。
 
時間管理
・人間とは、時間が足りないと嘆きながら、同時に、時間を無駄に使ってしまうものなの
 です。
・自分で自分の面倒をみること。できる限り、なんでもひとに頼らず自分自身でやりまし
 ょう。
・毎朝、これから始まる一日に感謝しましょう。その一日を自分がどのように過ごすかが
 大切だ、ということをしっかり意識して毎日を過ごしましょう。良い一日の積み重ねが、
 より良い将来を築くのですから。
・現実から逃げ出さず、ちょっと立ち止まって、自分自身のことをよく考える時間をもつ
 もとは、とても大切なことです。
・遠出せず、一日中家に引きこもって詩の本を読んだり、料理をしたり、香を焚いたり、
 おいしいワインを飲んだり、月を眺めたりして過ごすのも、すてきなお休みですね。
 
お金の管理
・お金が自分にとっていかに大切なものか、お金から自分がいかに影響を受けているか、
 もっと意識して考えてみる必要があるのではないでしょうか。
・お金を失う原因は、実は理性的な大きな投資ではなく、もう思い出すこともできない小
 さな出費の積み重ねなのです。
・手持ちのお金を、日々の暮らしに使うためのお金と、「金持ちの気まぐれ」的な出費を
 したくなったときのための超過分に分けます。
・自分がお金に使われるのではなく、お金を自分の奴隷にしましょう。
・他人に、金銭的に依存するなどもってのほか。借金や負債の悪循環に陥らないようにし
 ましょう。
・自分が稼ぐ以上に、絶対に使わないことです。
・倹約の大敵は、衝動的な、法外な買い物というよりは、考えなしの、無計画なこまごま
 とした出費の積み重ね。
 
美容
・普段と違うファッションを試したり、朝のコーヒーを紅茶に変えたり、通勤経路をちょ
 っと変えてみたり、毎日ただ繰り返しているだけのことに、遊び心を取り入れましょう。
・美しさを形成するもっとも重要な要素のひとつが「生きる喜び」です。ストレスや不安、
 怒り、悲しみ、恐れなどはすべて美しさお敵です。
・健康はわたしたちのもっとも大切な財産です。病気になってからそのことに気づいて後
 悔するまえに、ライフスタイルを一新させましょう。
・健康であるためにはきちんと食べ、適度な運動をし、充分な睡眠をとらなくてはいけま
 せん。
・朝の洗顔に石けんは不要です。朝一番のあなたの味方は、冷たい水です。
・湿気が多く暑いとき以外は、あまり頻繁に洗髪することは髪のためによくありません。
 シャンプーの量もできるだけ少なくしましょう。

食事
・私たちは、あらゆるものが過剰な社会に生きています。消費過多、営養過多。肥満は、
 食べることに対する感覚が麻痺した結果に生じるものです。そして、なにかが多すぎる
 か少なすぎる、あるいは早すぎるか遅すぎる、こういったバランスを欠いた状態が、か
 らだの不調やひいては病気を招く源なのです。
・あれもこれも我慢しないと痩せられない、と嘆くまえに、このことを心に留めておいて
 ください。痩せるための唯一の方法とは、自分をいたわることにあるのです。
・現代社会においては、工夫をしない限りは、たいてい食事の量も過多になりがちです。
 栄養過多の食事は、肥満の原因となるだけでなく、そもそも消化し、吸収するためにか
 らだに絶え間ない負担をかけつづけてしまうものです。
・お米はなんにでも合います。お米を主体としながら、夏にはサラダを、冬には温かいス
 ープ(野菜を3〜4種類入れましょう)といった具合に工夫しながら野菜中心のおかず
 を組み合わせれば、健康維持にぴったりの、すぐれた食事になります。さらに、魚また
 は肉を少々加えれば、シンプルで、バランスのとれた食事の出来上がりです。
・健康的な食べ方のポイントは、「空腹を感じたときのみ食べる」「ひと口ずつ味わって
 食べる」「空腹感がなくなってきたら食べるのをやめる」という三つだけです。
 
ひとづきあい
・自分にとってなんの支えともならないような、無益な交友関係は整理してしまいましょ
 う。恋愛においては相手の性の奴隷とならないように、知性のないひととは一線を引き
 ましょう。相手を批判して正そうとするよりも、そもそも批判したくなるような人とは、
 つきあうのをやめたほうが賢明です。
・ひとの気持ちを理解することのできないひとは、わたしたちの向上心を阻害します。段
 階的に、ただし確実に、そういうひとたちが自分の生活に占める割合を減らしていくよ
 うにしましょう。
・居心地の悪いシチュエーションに、無理に適応しようとするのはやめましょう。つねに
 まわりが要求することに気を配り、仮面を被ってさまざまな役を演じるような、巷のル
 ールは放っておきましょう。 
・批判ばかりするひとは、自分に問題があるひとです。感情的にどう思っても、ひとの悪
 口は言わない、と心に誓いましょう。
・自制心をもつことは、周囲との良好な関係を保つために重要です。自分の知識をひけら
 かしたり、哲学者のように振る舞ったりするのはやめましょう。
・ひとに説教をする前に、自分の行いを正しましょう。そして、けっして見栄を張らない
 ことです。
・不毛なことにはかかわらないようにしましょう。自分とは折り合わない信仰や価値観、
 義理のつきあいは断ちましょう。
・相手の言うことに静かに耳を傾ける態度は、優雅さと威厳を示し、品格を感じさせ、穏
 やかなイメージを与えます。
・ひとと一緒にいるときは、話し過ぎないように注意し、余計な動きを慎むことを心がけ
 ましょう。
・相手に対して親切な言葉をかけられないときの黄金律は、「なにも言わないこと」です。
 自分が相手に敬意と思いやりをもち、相手のことを大切に思って対応していることが伝
 わればそれでいいのです。
・自分の身の上に起こった不幸について話すのもやめましょう。マイナスな話題は、相手
 を疲れさせるばかりでなく、結局は自分をも疲れさせるだけ。そこからは、なにも生ま
 れません。
・実に多くのひとが、不幸のなかに生きています。自分に自信がなく、愛されるに値しな
 いと思い込み、アルコールやたばこ、仕事、テレビなどに逃げています。
・自分自身に優しくしましょう。今よりずっと幸せな気分になれるでしょう。自分自身を、
 慈しみをこめて扱うようにしましょう。そうすることで、まわりのひとにも同じような
 接し方ができるようになるでしょう。
・自分を肯定し、あたりまえに評価してあげることで、多くのストレスから解放されるは
 ずです。
・ひとは自分ひとりでは叶えられない幸福を、他人に求めようとします。けれども、自分
 を取り巻くできことに対して、責任があるのは自分だけです。幸せになるためには、他
 人を当てにしてはいけません。
・尊敬すべきは、他人になにも求めないひとです。そういうひとは、自分の内に永遠の可
 能性を見つけられるひとでしょう。
・どんな理由があれ、他人を変えようとするのはやめましょう。そんなことをしても、あ
 なたの人生が複雑になるだけです。エネルギーを奪われ、フラストレーションが残るだ
 けです。
・真のひと助けとは、そのひとを自分の頭で考えられるように導いてあげることです。や
 たらお膳立てをしたり、仕切ったりといった役割を放棄しましょう。
・あらゆる欲求から、自分の気持ちを切り離すこと。その訓練を積むことができれば、そ
 の後の人生は素晴らしいものになるでしょう。
・どんなに金銭的に豊かになったとしても、残念ながら世の中の悲惨な出来事を消すこと
 はできません。
・貧しさはお金の有無ではなく、人道的、精神的、知的な資質が低下することを意味する
 のです。
 
自己管理
・心配事の9割は、実際には起こりません。起こりもしないことを思い悩むのに、時間と
 エネルギーを使うのはやめましょう。
・ストレスと上手につきあうために、
 ・よく食べる
 ・からだを動かし、酸素を充分に取り入れる
 ・日常的にボディケアを楽しみ、自分のからだをいたわる
 ・体内時計を守る
・心配、孤独、落ち込み、恨み、怒りで頭がいっぱいになる。そんなときは「面白い本を
 読む」「いつもと違った服装をする」「花を飾る」「音楽をかける」「香を焚く」「ア
 ロマキャンドルをともす」などのことを試して、自分の周りをできる限り楽しくするよ
 うに心がけましょう。
・孤独は、わたしたちの基本的な存在条件です。わたしたちは、深い意味ではみな「独り」
 だからです。
・不安に感じるのは物理的な孤独ではなく、精神的な孤独です。もし見捨てられたら、と
 いう不安、周囲のひととコンタクトを取れなくなる不安です。けれども、わたしたちは
 実は、孤独を通じてエネルギーを充電できるのです。孤独を味わいましょう。孤独を試
 練ととらえずに、特権と思うことです。孤独の時間は種をまくために容易された時間。
 まかれた種は、未知の世界に向けて芽を出し、開花します。
・孤独を味わえるようになることで、むしろ、他人が存在する喜びが2倍に感じられるよ
 うにもなるでしょう。
・シンプルな生き方を受け入れ、自ら「つつましさ」を選択すると、次第に人生が「豊か」
 に変わっていきます。自分を捨てることができる人が、結局、自分の望むすべてのもの
 を手に入れることができるのです。
・シンプルな生き方とは、質素でなんの変哲もないと思えるもののなかにも喜びを見出し、
 味わうことでもあるのです。
・シンプルに生きることは、物質主義的な世の中に対する自分なりの評価基準をもち、本
 来自分に与えられている幸福に気づき、その恩恵にあずかり、お金や時間、そして所有
 しているものを賢く活用することです。
 
おしまいに
・避けて通れない不幸は、あきらめと許しの気持ちと共に受け入れましょう。そして、い
 ずれどこかでこれも役に立つこと、と自分に言い聞かせるのです。与えられたときにな
 にをするかを知ることが知恵というもの。避けられないものとの戦いにきっぱり終止符
 を打つことで、より豊かに生きることができるでしょう。
・生きるということは、突き詰めれば、食べて寝て、そして自分なりになんとか時間を潰
 すことでしかないのです。わたしたちが真に求めるべきことは、いわば自分自身になる
 ことなのです。