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私たちは、脳や心臓などについては、非常に重要な臓器であるという認識は持っているが、
眼に関しては、それほど関心を持つことは少ないのではないか。そのため、眼については
ぞんざいに扱っていることが多いのではないだろうか。そして、何らかの原因でその視力
を失って、はじめてことの重大さを思い知らされるのである。
この著書のなかの筆者の言葉「眼はむきだしの臓器である」という言葉には、思わずハッ
とさせられた。そうなのだ。眼ってまさに無防備な状態に置かれている臓器なのだと。
私たちは「眼科」というと目薬を出す「眼医者」というイメージが強く、普通の医者より
も下に見ている傾向があるが、目薬で治せる目の病気は少ない。やはり、おおくは手術に
よる方法に頼らざるを得ないだろう。しかし、眼は小さく、デリケートな手術となる。
眼の手術は、手術のなかでも極めて高度な手術であると言われており、そのため手術の結
果の良し悪しは眼科医の腕の良さに大きく依存することになる。つまり熟練さがものをい
う世界なのだ。しかし、日本には手術に熟練した眼科外科医は少ないようだ。自分の住む
街の眼科医院についてネットで調べても、ほとんどが手術はしない眼科医で、手術実績の
ある眼科医院は数えるほどしかないのが実情だ。ネットで調べたところ、私の住む仙台で
は「佐藤裕也眼科病院」ぐらいではないか。日ごろから、いざというときのために、腕の
よい眼科外科医のいる病院を見つけておくことが大切だ。
この本には、いままで眼にとって良いことされていたことが、実は眼にとっては「とんで
もないこと」であるということが、いく例も述べられている。眼に関する間違いだらけの
常識がはびこっているのだ。自分の眼を守るためにも、いままで世間一般で常識とされて
いることを疑ってかかるべきであると、つくづく考えさせらた内容だった。

<深作眼科>
 http://www.fukasaku.jp/

はじめに
・日本人は、日本の医療は先進国でもトップレベルだと信じているかもしれません。しか
 し、こと眼科手術医療に関して言えば、世界トップレベルからみると圧倒的に遅れてお
 り、むしろ低レベルと言ってよい思います。
・白内障をはじめ、網膜剥離、また日本では治療ができないと信じられている緑内障も加
 齢黄斑変性も、早期であれば手術で治せることがまったく知られていません。私の病院
 であれば、世界レベルの眼科手術を施行することで、ほとんどの眼の病気を治すことが
 できます。それが先進世界では普通のことであり、日本にいると奇跡の方法にさえ見え
 るようです。
・研修病院の問題は、患者を練習台にするということをあらかじめ患者に伝えないだけで
 なく、手術後に悪い結果が出ても、正しい情報を伝えないで、ごまかす傾向があること
 です。我々の施設には、日本全国から網膜剥離などの手術を失敗した患者が殺到してい
 ます。 
・患者の側も、大学病院や総合病院という「研修病院(練習病院)」で治療を受けること
 が最高の治療だと勘違いしているため、診療のための長い待ち時間に耐えされられたあ
 げく、古い方法の手術や、時間稼ぎの治療に従っています。患者の情報不足だけでなく、
 認識不足も問題なのです。
・日本では、古い権威や、(間違っていても)多数の意向に従うことを強いられます。日
 本の眼科の状況は、世界的感覚では、とてもおかしな状況なのです。
・眼科にかかったときに、「早く手術をしなければ」と言われるかもしれませんが、最高
 の腕の眼科外科医を見つけることのほうがもっと重要です。間違っても、研修医がおこ
 なう研修病院や救急病院での手術に、大事な眼を任せてはいけません。
・眼科では「救急」はありません。網膜剥離でも、数日置いておいても大勢に影響はあり
 ません。早いに越したことはありませんが、下手に手を付けないことのほうがはるかに
 大切です。
・あなたの視力を守る唯一の道は、正しい知識を持ち、必要に応じて、眼科外科医の上級
 者から最先端の治療を受けることなのです。眼科外科は腕が全てに優先しますし、腕の
 ある眼科外科医は極端に少ないのです。
   
私が見てきた、日本の眼科医療
・白内障は全ての手術の基礎であり、だからこそ、白内障手術は手術する医師の腕によっ
 て結果はまったく異なるのです。じつは技術的には、白内障手術だけでなく、硝子体手
 術にも精通していないと、多焦点レンズ手術では良い結果は出せません。一般の病院で
 の未熟な医師による多焦点眼内レンズ移植術では、結局遠くも近くも見えにくくなって
 しまうという気の毒な結果が、現実には多く起きています。白内障手術は、医師の腕の
 差が極端に出る分野なのです。ですから、良い結果を出したければぜひ、最上級の眼科
 外科医を選んでください。
・網膜剥離手術や緑内障手術での技術差はさらに大きく、手術後の結果はまさに天と地ほ
 ど違います。
・日本には、本当の意味での優秀な眼科外科医がほとんどいないのです。日本の眼科医は
 外科医であるとの認識が低すぎるのです。競争もなく、正しいことを正しいと言えない
 雰囲気さえあります。
   
間違いだらけの眼科選び
(1)大学病院・眼科・医者に関する大間違い
・大学病院は「研修病院」です。研修というと立派なように聞こえますが、つまりは「練
 習」のことです。つまり患者は「練習台」になることを宿命づけられているのです。外
 科や内科であれば、大学病院でも優秀な医師が多いので、悪くないかもしれません。で
 も眼科外科に関して言えば、日本には世界的な意味での優秀な眼科外科医はほとんどい
 ませんから、大学病院での手術は、患者にとってはさらに未熟な医師による練習台にな
 ることと、ほぼ同義です。もちろん、少数の優秀な眼科外科医もいます。その医師を手
 術の際に指名できるならよいでしょうが、現実にはそのような医師を指定することは日
 本では無理です。
・日本の眼科医は、大学を出た後は開業医などの町医者になるのが一般的で、町医者はほ
 とんど手術をしませんから、手術など覚える理由がないにもかかわらず、研修中に一定
 数以上の白内障手術や網膜手術の経験が求められます。その手術経験をおこなうには、
 当然ですが、大学病院や大学の関連の総合病院の患者を使って練習します。つまり、大
 学病院や大学関連の総合病院では、患者さんは必然的に、手術経験がほとんどなく、勉
 強も覚悟も資質も不足している研修医の、練習台になる運命なのです。
・もっとも、日本だけでなく、アメリカでも、大学病院は研修病院です。しかし、アメリ
 カでは優秀な研修医が多いのですので意気込みが違います。さらに、私のような臨床経
 験豊富な指導医が教えますので、失敗も起こりません。通常は、手術においては患者と
 契約を交わします。研修病院では練習の要素がありますので、その代わりに手術代金は
 非常に安くなります。しかし、指導医はしっかりと手術に責任を持ちます。
・対して日本では、単に「専門医になるための経験を記録するためだけの、練習としての
 手術をする」のです。しかも手術のうまい優れた指導者はほとんどいない。このような
 日本の大学病院眼科と、アメリカの大学病院眼科では、患者に向かい合う姿勢も、手術
 に際しての緊張感も、まったく違います。
・また何よりも、練習台になることを患者と契約して、納得させているかどうかが、国際
 基準と日本との違いでしょう。契約によって、「手術料金をタダ同然にするかわりに、
 研修医の治療を受けてもらう」ことを納得させるのがアメリカのやり方です。日本のよ
 うに我々のような超上級者と同じ手術代金を、研修医が取るのは世界の理屈からしてお
 かしなものなのです。
・一方で、イギリスやフランスなどの医療の社会主義化が進んだ国では、かかることので
 きる医療機関が住居地域で決められてしまいます。つまり、保険診療内で手術を受ける
 分には安く受けられるけれども、古い機械での遅れた治療を、かなり待たされた上で、
 地域ごとに決まった医師から受けるのです。良い医療は受けられないのです。イギリス
 で良い医療を受けたいのならば、自費で、腕の良い開業医の治療を受けるしかないので
 す。     
・日本語で出版されている医学書の翻訳版は、誤訳も多く使い物にならないばかりか、そ
 の本が日本語に訳されるまでにかなりの時間がかかり、時代遅れの知識になります。そ
 もそも「出版」という行為自体が時間がかかるものですから、最初の英語の本でさえ、
 最先端の知見が出されてから検証され、それがまとめられて本の形になるまでにずいぶ
 んの時間がかかります。そしてその本が和訳されるのに、また何年もかかるのです。つ
 まり日本語しかできない医師は、世界の最先端からつねに、ずっと遅れた情報しか得ら
 れません。これが日本の医師たちの現状なのです。
 
(2)眼・視力・老眼をめぐる大間違い 
・眼の病気というと、白内障や緑内障や網膜剥離が有名です。これらの病気は、通常は高
 齢者に多い病気です。しかし、外からの力を受けると、10代や20代という若い年齢
 の人でも、白内障や緑内障や網膜剥離などの病気を起こしてしまいます。
・多くの日本人がスギ花粉のアレルギーを持っています。ほかにもさまざまな植物や、ハ
 ウスダストによるアレルギーの人も多くいます。じつは、これらのアレルギーで眼がか
 ゆくなり、眼をしょっちゅうこする人は意外に多いのです。わずかな力でも非常に多く
 の回数を加えると、むき出しの臓器である眼はダメージを受け、障害が起こることがあ
 ります。現実に、花粉症をもっている若い方が、網膜剥離になって来院することは多い
 のです。アレルギー病状がさらに強く、掻くだけなく時には叩いたりすることもある
 「アトピー性皮膚炎」の方の眼は、さらに非常に高い確率で、網膜剥離や白内障を起こ
 します。アトピーの患者さんは、子ども時代から病状を抱えていた人も多いため、10
 代や20代の若い方が、白内障や網膜剥離になります。
・アトピー性皮膚炎での白内障手術や網膜剥離手術は、じつは老人性の場合よりもかなり
 難しく、上級の技術を持つ眼科外科医でしか治せません。アトピー性皮膚炎の患者の場
 合、網膜が破けるところが、「網膜鋸状縁」という、目の前方の網膜のいちばん端の場
 所であることと、白内障を起こした水晶体を支える細い紐のようなチン小帯が切れてい
 ることが多いからです。
・高齢者は、白内障や緑内障、網膜剥離、加齢黄斑変のうちどれか一つ、もしくは複数に、
 必ずかかります。どれも失明に繋がる病気です。今や平均寿命が90歳の時代が来つつ
 ありますが、眼のそもそもの寿命は、じつは、もっとずっと短く、その差の分だけ、高
 齢者は失明のリスクに怯えることになります。失明は、ご本人にはもちろん悲劇ですが、
 世話をしなくてはならない子どもや孫の負担もますます増えてしまいます。
・たとえば、白内障は、人間の眼の中のレンズに相当する水晶体の老化現象です。水晶体
 の寿命は、個人差は多少ありますが、せいぜい65年から70年ぐらいです。ですから、
 誰でも高齢者になれば、必ず白内障にかかるのです。白内障は眼科の手術で治るのです
 が、世界的に見ると、優秀な眼科外科医が少ない地域がまだまだ多いために、世界では
 白内障が失明の原因の圧倒的第1位です。さらに、白内障を放っておくと、水晶体が年
 々大きくなるため下から虹彩が押されて持ち上がり、眼の中の、水が流れる虹彩と角膜
 の間の「隅角」という隙間が狭くなります。このため、水の流れが悪くなることで眼圧
 が上がり、緑内障となります。つまり、緑内障は白内障と非常に関係が深いのです。
・日本では、白内障手術の時期について、「見えなくなるまで待ちましょう」などと言う
 眼科医さえいます。しかし、世界では、白内障は早く見つけ、早く手術するのが常識で
 す。世界の先進国では、白内障手術の成績が日本の一般レベルより良いこと、白内障を
 放っておくと緑内障を引き起こすことが共通した認識として知られているからです。一
 方、日本では、白内障で経過を見ているつもりが、緑内障にかかり、視神経が駄目にな
 ってしまっている患者さんをよく見ます。
・「国債眼科学会で、「緑内障治療には、まず白内障手術が必要だ」との共通見解も出ま
 した。ですから緑内障も、白内障同様に、高齢者になればなるほどかかる病気であるこ
 とを知って、腕のある眼科外科医による白内障手術を早期に受けるのが、世界的には常
 識なのです。緑内障でいったん失った視神経の機能は回復できないのです。早め早めに
 手を打つことが重要なのです。
・大切なのは、寿命は90歳であっても、眼の寿命はもっと短くて、せいぜい70歳ぐら
 いであることをまず認識することです。とくに、白内障、緑内障、網膜剥離、加齢黄斑
 変性、糖尿病性網膜症などの失明疾患を、早期に診断し早期に治療することで、失明を
 防ぐことが大切です。
・レーシックであれば、同じことをするのだから、安いところでも大丈夫だろうと思うの
 は間違いです。もちろん、手術機器を使いこなす腕も大切ですが、手術機器そのものの
 性能も、とても重要です。安さを基準に選ぶことはやめたほうがよいでしょう。
・「診察だけなら無料」というキャッチコピーにひっかかって、美容外科系のレーシック
 クリニックに行く方がいます。しかし、一度その手の施設に入ると、出てくることがで
 きないと聞きます。手術を予約するまで帰れないようになっており、手術を前提に検査
 をされてしまうのです。これらの行為は医療法では違反行為ですが、実態としては野放
 しなのを経営者は長年の経験で知っていますから、平気でおこなわれています。
・日本では、もともとは美容外科だったはずが、経営者が収入になると見込んで、大胆な
 レーシック手術の宣伝をして患者さんを集め、大量の患者さんの近視矯正レーシック手
 術をおこなっているところがあります。そしてその結果、予後の悪い患者が数多く生ま
 れています。 
・もし20代や30代で近視が進行するならば、それは「強度近視」という病気です。眼
 の中の、水晶体の周りにある毛様体という部分に水を分泌する細胞があります。通常は、
 ここから眼の中に水が適度に分泌されることによって、眼の中の眼圧が保たれています。
 これがうまくコントロールできずに水が必要以上に分泌されると、眼圧が相対的に高く
 なることで眼に圧力がかかり、眼がどんどん長くなってしまいます。これが強度近視と
 いう病気につながるのです。
・眼がとても長くなった状態とは、空気をたくさん入れた風船と同じようなものだと考え
 てください。伸びた風船は、薄いところから破けます。同じように、伸びた網膜は薄く
 なったところから破けます。人間の眼でもっとも破けやすいのは、まず周囲の網膜です。
 ですから強度近視の方は、周辺の網膜が裂けて網膜剥離にもなりやすいのです。
・さらに、50代半ば過ぎぐらいに、網膜の真ん中が裂けることがあります。強度近視性
 の網膜黄斑部の障害です。このダメージに対して、新生血管や変性が起きます。網膜の
 中心が裂けると、視力を回復することは困難になります。つまり、眼球を長くする強度
 近視にならないように、眼圧を下げる治療が早くから必要なのです。
・多くの問題を抱える強度近視の方々は、ぜひとも病気であるこという認識を持つべきで
 す。20歳を過ぎても近視が進む方の場合は、眼圧を下げる緑内障の点眼薬を使うこと
 で、近視の進行をある程度抑えることができます。大切な予防的治療です。心当たりの
 ある方は、ぜひしかるべき眼科で診てもらってください。
・何年か前に、ある精神科の医師がテレビで提唱しはじめた「眼球の体操」なるものがあ
 ります。眼を左右上下に激しく動かすことで、眼の健康と老化防止を図る、といもので
 した。ところがこれは、じつは眼の素人が雰囲気だけで考えた、とんでもない行為なの
 です。しかし、これを真に受けたかなりの中年女性が、眼の老化を防ごうとして、この
 運動を実行してしまいました。結果はどうなったかというと、この運動によって眼の中
 の硝子体線維が強く揺れ、その線維の端に付着した網膜が引っ張られて破け、網膜剥離
 になる方が続出しました。
・一般の人にとっては、「眼を激しく動かすこと」は、「走ることで健康になる」のと同
 じ類の運動たと思えるのでしょうが、激しく眼を動かすという行為は、眼の中の硝子体
 線維を激しく揺さぶる行為であり、眼の健康増進や眼の老化防止などにはまったく役に
 立たないばかりか、網膜剥離の原因にすらなることを、ぜひ肝に銘じていただきたいと
 思います。
・70歳以上で亡くなった方々の眼の解剖のデータがあります。70歳以上の人の網膜の
 90%以上は、周辺部に網膜の穴がありました。このような状態で、眼を叩いたりこす
 ったり、激しく動かせば、硝子体線維の揺れが網膜剥離につながることは明白です。中
 年以降の人はとくに、ぜひ覚えておいてください。
・眼の運動だけでなく、「○分で眼が良くなる」と称して、眼やその周辺部分をマッサー
 ジしたり、叩いたり、こすったり、温めたりする方法が述べられている本があります。
 これも不思議なことで、そんないい加減が本が売れているようなのです。私からすれば
 信じられないような内容のそうした本が売れていると聞いて、書店で見てきました。と
 んでもない内容です。決してその通りになどしてはいけません 
・学校のプールなどには、眼洗い場が付いていることが多いですね。でも、水道水で眼を
 洗うのは駄目です。よっぽど眼にゴミが入った時以外は、眼というものは洗ってはいけ
 ません。なぜかといえば、まず、涙の成分の中の油性分や、ムチンなどの角膜を守って
 くれる成分が洗い流されて、角膜が傷みます。また、水道水も無菌ではありません。浄
 水場を通ってきて、消毒もされているのだから、きれいだろうと思われると思いますが、
 一定の菌数以下というだけですので、無菌ではありません。地方によっては、アメーバ
 ー原虫もいます。ですから、眼は水道水で汚染されると考えてください。
・テレビCMなどで、「花粉症では眼を洗いましょう」などといって、ホウ酸水などで眼
 を洗う容器が宣伝されています。これも「とんでもないこと」です。眼の大事な油層や
 角膜保護成分を洗い流し、眼に汚い「汚染液」をいきわたらせることになります。私か
 らみたら冗談としか思えません。こうした薬もどきが、眼の病気を増やしています。
・地方の眼科医院で、眼を洗っている所があります。毎日来院させては、濃盆を眼の下に
 あてがって、看護師がホウ酸水で次々と洗っているのです。患者にすれば気持ちが良い
 のでしょうが、眼の有用な成分が洗い流されるので、眼の病気はかえって治らなくなり
 ます。その結果、患者は毎日その医院に通い、一人の医師で患者300人も診ているそ
 うです。「生かさず殺さず」といった皮肉な状況です。怖いものです。
・あえて「眼を洗わなければならない」状況を挙げるとすれば、眼の中に異物や埃が入っ
 てしまった時には、洗わざるを得ないこともあります。しかし、避けたいことにはかわ
 りありません。これを防ぐためには、埃やチリの多い場所ではメガネをかける、さらに、
 可能であれば大きめのメガネであれば、より効果的です。
・プールで眼を守ることもとても大切です。たくさんの人が泳ぐプールの水は、とても汚
 染されています。プール、そして海や湖の水泳場などには、細菌の数の基準はあります
 が、無菌ではありません。一定の菌数は許可のうちです。そして、このバイキンの数を
 増やさないように、水の中に塩素系の薬剤を入れて消毒しています。塩素は言うまでも
 なく、眼の角膜を傷害します。もしもゴーグルもしないで、直接プールのなかで眼を開
 けようものなら、眼の角膜が、「汚染され、かつ塩素を含んだ水」と直接触れるのです。
 このとき、眼の角膜に少しでも傷があれば、細菌はそこから眼の中へ入り込もうとしま
 す。また、角膜は細胞でできています。この生きた細胞は塩素にも弱いのです。裸眼で
 プールで泳いだあと、眼が痛くなり、外に出たときには真っ赤になっているのを見るこ
 ともあるでしょう。細菌を殺すためにプールの中へ入れる塩素ですから、普通の眼の角
 膜の細胞に対しても、当然ながら毒性が強いのです。ですから、プールで泳ぐときは必
 ず、裸眼は避けて、水泳用のゴーグルをつけて泳いでください。そして、プールから上
 がったら、ゴーグルをつけたままシャワーを浴びて、そおあとにタオルで拭いてからゴ
 ーグルを外せば、眼は汚染から守られます。プールサイドに水道水で眼を洗う装置があ
 っても、眼は洗ってはいけません。眼を洗うとかえって眼の病気になりやすくなります。
 ゴーグルはむき出しの弱い臓器である眼を、プールの汚染された塩素水から守る大切な
 道具です。公共のプールの中で顔を浸けるのであれば、眼を守るために必ず、水泳用ゴ
 ーグルをつけてください。
・眼によい食べ物として、ブルーベリーがさかんに宣伝されています。また、ブルーベリ
 ーから作ったっサプリメントもたくさん売られています。しかし、その効果については、
 じつはエビデンスがありません。実際には、ブルーベリーには抗酸化作用があるのは分
 かっていますが、眼の健康によいかもしれないという程度の希望的な観測だけで、効果
 は証明できていません。ブルーベリーを嗜好品としてとるのは問題ありませんが、眼へ
 の栄養効果を期待するなら、意味はないでしょう。
・最近はご存じの方も増えていると思いますが、現在、多くの人々が晒されているLED
 ライトや、パソコンやスマホの画面から出るKED由来の短波長の高エネルギーである
 ブルーライトは、網膜を障害することが報告されています。ブルーライトは可視光の中
 でも最も短波長・高エネルギーであるため、眼の表面だけでなく、眼の奥にまでダメー
 ジが及びます。テレビ、パソコン、スマートフォンなどに使用されるLED液晶から大
 量に放出されているものです。
・パソコンやスマホの画面から出るブルーライトやLED光は、非常に問題です。紫外線
 に近い性質の短波長の高エネルギーであるブルーライトは、網膜を傷害することが報告
 されています。LED液晶から大量に放出されており、眼の表面だけではく奥にまでダ
 メージが及びます。このため、若いときから十分に注意する必要があります。この短波
 長のブルーライトから網膜を守るためには、短波長を吸収ブロックする黄色の色素を含
 む保護用メガネが有用です。黄色は青の補色にあたり、ブルーの短波長を吸収遮断する
 役目を果たすのです。
 
(3)メガネ・コンタクトをめぐる大間違い 
・たかがコンタクトレンズでも、使用の仕方によってはやはり、多くの問題を起こすこと
 があります。そもそも、コンタクトに向いていない方も多くいます。コンタクトレンズ
 は、涙に「浮いている」ようなものですので、涙の分泌の少ない人にはもともと向いて
 いないのです。また、よく「コンタクトレンズ」は酸素透過性が70%と高いので、つ
 けっぱなしにできます」「眼に優しい材料なのです」などと広告しています。しかし、
 販売する側の目的は、治療ではなく「売ること」なのです。儲けのために会社が言って
 いることは、まずは疑わなければなりません。
・コンタクトレンズを眼につけて使っていると、タンパク質や油やカルシウムや汚れが付
 着して、酸素透過性もどんどん悪くなります。そして、酸素が十分に黒目に角膜に行き
 渡らなくなります。すると、角膜の表面の上皮という皮膚のような皮がまず傷み、表面
 の細胞が死にます。細かい傷がたくさんできます。こうなると、通常はごろごろしたり、
 眼が赤くなったりするのですがメーカーの宣伝を鵜呑みにして「眼に優しい」コンタク
 トレンズをつけていると思い込んでいますから、そのまま一日中つけてしまうのです。
・コンタクトレンズの原則を言います。まず、長くても8時間以内の装用にしてください。
 そして、装用中でも、眼に異常、痛いとか、赤いとか、見えにくいとか、目やにが多い
 などがあれば、すぐにコンタクトレンズを外してメガネに代えてください。「眼に優し
 いコンタクトレンズなどない」のです。
・たとえば、角膜の表面に傷ができました。でも気づかずに、そのままコンタクトを付け
 たままにしたとします。とくにレンズがソフトコンタクトですと、傷を覆ってしまい、
 痛みを感じにくくなります。これがまずいのです。角膜表面の傷は、細菌感染を起こす
 ことがあります。細菌は人間の細胞の壁を溶かす物質を出します。このため、コンタク
 トを付けっぱなしにしたままだと、角膜細胞の壁が溶かされ、小さな穴が開きます。
 そして、この小さな穴から細菌が眼の中に侵入して、眼の中に細菌が広がって増えてい
 ってしまうのです。    
・コンタクトレンズの使用は1日8時間まで、という原則を覚えておいて、できるだけ守
 るようにしてください。仕事の間じゅう、付けっぱなしなのであれば、8時間を超えた
 らメガネにするか、家に帰った後や休日は、できるだけメガネをつかって眼を休ませて
 あげることが大切です。つまり、傷害を受ける可能性がある「医療材料」だという意識
 を持たないと、とんでもないことになるということを知っておいてほしいのです。また
 眼科外来で定期的に角膜内皮細胞を撮影して、内皮細胞密度が減っていないかどうかを
 測定してください。 
・コンタクトは手入れがいい加減な方がいることも問題です。まず、できれば2週間装用
 タイプなどは使わないでください。そうしたタイプの場合、レンズを外した後は保存液
 に入れるのですが、この保存液が問題です。保存液に入れておけばタンパク質も除去で
 き、清潔にできるとうたわれているそうですが、本当にタンパクを分解して細菌を殺せ
 るなら、その液につけたコンタクトをそのまま眼に装用したら、眼の細胞が死んでしま
 います。つまり、実際には保存液は水と一緒です。信頼などできないのです。この保存
 液を買わずに、水道水で代用する人もいます。しかし、水道水には当然雑菌含まれてい
 ますし、地方によってはアメーバー原虫もいます。
・サングラスは、ただ太陽が眩しくて周囲が見えづらいからするわけでも、おしゃれのた
 めにするわけでも、芸能人が周囲の人から気づかれないためだけにするものでもありま
 せん。何より、大事な眼を光の刺激、光の毒から守るためにするのです。強い日差しの
 林間学校やスキー合宿などで、サングラスやゴーグル、それに相当する防御メガネを指
 導者が付けさせないでいるとしたら、大問題です。昼間の強い光に網膜がさらされてい
 ると、光の成分、とくに紫外線によって、子どもでも多くの眼の病気が起こる可能性が
 あるからです。指導者のなかには、いまだにサングラスをファッション的な発想でしか
 捉えていない人もいて、子どもにサングラスやゴーグルなんて生意気だと思っているこ
 とも多いようです。
・強い紫外線は、眼に対して非常に危険です。たとえば、雪山で裸眼で過ごしますと、雪
 眼炎(雪目、雪眼)になることもあります。殺菌効果のある紫外線燈を長く見ていると、
 紫外線眼炎も起こります。また、日常生活で外で過ごすことが多い人は、紫外線刺激が
 原因の一つである白内障、翼状片、瞼裂斑形成などになる可能性が高いのです。
 
(4)白内障をめぐる大間違い 
・眼の中のレンズに相当する水晶体が、何らかの原因で濁ってきて、光の透過が悪くなる
 病気があります。このように水晶体が濁って見えにくくなることが、白内障という病気
 なのです。白内障は、加齢とともに誰にでも起こる病気です。本来は透明である水晶体
 が、歳をとるにつれてタンパク質が変性して濁ってきます。加齢以外の原因で、若い人
 に起きることもありますが、ほとんどが加齢によって起こります。
・私が小切開の超音波白内障乳化吸引術と無縫合切開を開発したことで、白内障手術後の
 視力の出る精度が格段と上がりました。そこにさらに多焦点眼内連洲を開発し、使用を
 開始しました。大切なのは、「この多焦点レンズを移植しさえすれば、いつでも遠くと
 近くが見えるようになるのか」ということです。率直に言いいます。決め手は「手術の
 腕」なのです。通常の白内障手術レベルの治療では、多焦点レンズ手術後に、むしろ近
 くも遠くも見えなくなることが多いのです。白内障手術のレベルが上級者であり、かつ、
 必要に応じて硝子体手術もできないと、良い結果は出ないのです。水晶体の中は、クリ
 スタリンなどのタンパク質でみたされています。水晶体線維細胞という、本来は透明な
 ものです。これが歳とともに濁ってくるのが白内障で、この濁った水晶体を取り除きま
 す。そして最後に、うすく残った皮質を完全に吸引して、きれいに取り除く必要があり
 ます。ただしその際に、後嚢という薄いカプセルだけは残さなければなりませんので、
 慣れていないと怖いものだと思います。カプセルを吸引して薄く残ったかすのような皮
 質を取る最中に後嚢がやぶけてしまうこともありますので、かなりいろいろな方法が編
 み出されました。しかし、日本の眼科では、この上級者のテクニックであるカプセルの
 クリーニングを、完全に行っている施設は少ないのです。ですから、多焦点レンズ移植
 術後に視力が出なくなることもあるのです。カプセルのクリーニングは、完全に上級者
 のみができることなのです。うまく視力の出ない施設で見られる多くの手術では、この
 カプセルのクリーニングが不完全なのです。
・本当に良い視力を得たいのならば、医師の多焦点レンズ移植手術実績数と、多焦点レン
 ズ移植述後の成績をたずねてみてください。単焦点レンズの移籍数が多いだけでは駄目
 で、多焦点レンズの手術の実績が重要です。多焦点レンズ手術は、単焦点レンズとは別
 の白内障手術と考えたほうが無難です。
・歳をとってきて白内障になって、眼科で診てもらい、その後は薬で経過をみているとい
 う患者さんが少なくありません。しかし、これは問題です。白内障は、いったんかかっ
 たならば、現実には手術以外に有効な方法はないからです。白内障の予防薬というもの
 がありますが、これは日本にしか存在しません。そして日本にしか存在しないというの
 は、かなり怪しいものだからなのです。
・日本の薬の治験制度はおかしなもので、薬品会社からお金をもらって治験をする施設が、
 さらに評価までをするという、非常に間違ったことを許しています。メーカーからお金
 をもらった施設が、正確な治験などできるわけがないでしょう。
・日本で白内障の予防薬として使われている「カタリン」などは、もともとは肝臓の代謝
 の薬として考えられたものでした。代謝に良さそうなら、同じように代謝が悪くなって
 起こる白内障にも効くかもしれない、という推測で、白内障にも適用になっています。
 ですからこの薬は、科学的に効果を証明された薬ではないのです。現実に、私の30年
 以上の経験からみても、この薬は暗示効果ぐらいはあるかもしれませんが、医学的な効
 果はないと思っています。しいていえば、薬の処方のために、定期的に眼科に通っても
 らう効果ぐらいしかないでしょう。白内障に効かない薬を出して、治療を遅らせること
 は、非常に問題なことです。
・はっきり言いますが、白内障手術を遅らせても、良いことなどはありません。逆に、遅
 らせることでどのような弊害が出て切るかを知るべきです。ひとつは、白内障の治療を
 遅らせることで、緑内障になるということです。
・さらに、白内障の手術をするにはむしろ遅すぎるくらいの時期でも、「まだ早い」と言
 われることがよくあります。それは近代的な白内障手術の良い結果を出せない医師の場
 合です。最新の方法であれば、術後視力で1.2以上が出るは当たり前です。しかし、
 研修病院では、手術手技の問題と眼内レンズの精度の問題で、視力が0.5ぐらいしか
 出ないことがざらです。となると、下手をすれば手術前よりも視力を悪くしてしまうか
 もしれません。このような腕や経験や知識しかない医師であれば、「まだ早い」と言い
 たくなるのでしょう。
・白内障は、眼科の手術の基本です。しかし、これはイコール、簡単だという意味ではも
 ちろんありません。むしろ施設によって、白内障の手術結果はまったく違いのです。単
 焦点レンズでもかなり違うのですが、とくに多焦点レンズを使用した手術では、術者の
 腕により結果はまったく異なります。
・白内障を早期に発見するためのチェックポイント
 ・白内障にかかると、ちょうど、濃い黄色やオレンジ色のガラス版を通して物を見るよ
  うな色味の変化があります。
 ・核が白く濁ってくると、光が当たったときに光の乱反射が起きて、物がいくつも見え
  たり、光が散乱して物が滲んでグレアー状に見えたり、光がスターバースト(放射線
  状に広がるようにも見えます。)  
 ・濁りがさらにひどくなると、曇りガラス越しに物を見るようになり、視力が極端に落
  ちて見えなくなります。

(5)緑内障をめぐる大間違い
・緑内障は、じつは本当の原因がはっきりとは分かっていない病気でありながら、じつに
 よくあるありふれた病気です。日本はつねに失明の原因の第1位を競っているような、
 眼科の外来ではよく診る病気です。65歳以上の高齢者では、白内障と同様に多くの方
 がかかります。またお年寄りだけでなく、若くても緑内障はあり、少ないですが、子ど
 もでもかかります。統計的な推測によって、「眼圧が高い」ということが原因に一番影
 響していると思われます。次いで、視神経への血流の悪さの問題と、視神経への機械的
 な圧迫が原因であると推測されます。緑内障は、これらの原因で視神経線維が障害され
 て、見える範囲の視野が狭くなっていきますが、最後の最後まで中心部分の視野が残る
 ことが多いので、「失明の寸前まで患者が緑内障であることに気付かない」という危険
 性があります。ですから早期の発見、早期治療のためには、眼科での定期的な視野検査
 などが重要です。
・日本ではとくに、緑内障の治療を薬に頼っています。しかし、薬は失明に至るスピード
 を遅くはしますが、根本的な治療にはなり得ないのです。良い薬がありますよと言われ
 て、ずっと眼科にかかっていたのだが、結局、見えなくなってしまった、と嘆く方が多
 いのです。
・緑内障の根本的治療で大切なのは、手遅れになることなく適切な時期に、経験の深い眼
 科外科医から緑内障手術を受けることです。緑内障手術は完璧ではなく、時間とともに
 効果がなくなることも多いのですが、しかし、いくとかの緑内障手術を組み合わせて、
 つねに眼圧コントロールをおこなうことはできます。決してあきらめないで、全ての手
 術方法に熟達している術者からの緑内障手術を受ければ必ず治せます。
・腕のあると言ったのは、単に一種類の手術術式しかできない医師や、経験がそれほど多
 くなく、手術後の成績もあまり良くない術者が現実に多いからです。充分に情報を集め
 て、正しい判断をしてください。
・緑内障は、早期発見、早期治療がもっとも重要です。まず、早い段階では、眼圧を下げ
 るということしかありません。点眼剤や、飲み薬での眼圧効果をおこないます。また、
 線維柱帯というところに色素がたまって眼圧が上がることがありますが、この場合には、
 ここに特殊なレーザーを打って、色素をとばすという方法もあります。また、レーザー
 治療では、虹彩切開術というものがありますが、虹彩にレーザーで小さな穴を開けて、
 そこから房水が流れ出るようにする手術です。じつはレーザーを打つと、角膜の内皮細
 胞を障害したり、穴が開かずにかえって炎症だけが出る、ということがかなりあるので
 す。しかし、かぜ多くの病院で、これらのレーザーの手術がよくおこなわれるかといい
 ますと、簡単だからです。そしてなぜか、不思議なことに、レーザー手術は手術代金も
 高いのです。一方で、周辺虹彩切除術というものがあります。これをおこなうと、眼圧
 は確実に下がります。しかし、この手術には確かな腕が必要です。そしてさらに不思議
 なのは、手術室を使い手間のかかるこの観血的手術の手術料は、レーザーよりも安いの
 です。誰かがレーザー治療に誘導しているとしか思えないのですが、日本には理不尽な
 ことが多いです。
・眼圧は、正常ですと10〜20mmHgですが、60や70もあるときにレーザーで穴を開
 けようとしても、まずうまくいかないことが多いです。うまくいかなかった場合、角膜
 内皮細胞を障害してしまいますから、角膜移植を後でやらなければならなくなります。
 このようなケースはたくさんあります。世界では常識ですが、日本の学会でさえ、眼圧
 が高すぎるときのレーザー治療はしない方がよいという報告がありました。周辺虹彩切
 除術や白内障手術で治すのが世界の標準治療なのです。
・緑内障手術は、1回おこなってもまた再発することはあります。この場合、再度手術を
 する気持ちを持つ必要があります。1回手術をして、駄目だったからやめるということ
 では、足りないのです。しかし、なかなかそういう意識は広まりません。ですから、一
 般的に、日本の中の常識では「緑内障は手術ができない」ということが広まってしまっ
 ているのでしょう。    
・緑内障は、視力を失う寸前まで自覚病状がないことが多い病気です。ですから来院され
 た方に「緑内障ですね」と告げると、多くの方が驚きます。自覚がないからです。緑内
 障は、ここに大きな問題があります。視野の一部が欠けてきても、最後の最後まで中央
 部が見えることが多いため、両眼で見て生活している分には視野が欠けていることに気
 付きにくいのです。また脳は、視野の欠けに対して勝手に像を補うという優秀な機能を
 持っていることがあだとなって、「見える」ように補正されてしまい、気づくことがで
 きないのです。 
・眼には「眼圧」というものがあり、日本の眼科医は10mmHgから20mmHgまでを正常域
 としています。眼圧は、もともとドイツ人の眼を使って測られました。ドイツ人の眼は、
 角膜が600ミクロンほどと厚いので、眼圧がやや高く出ます。一方で日本人の角膜は
 550ミクロンほどで、やや低い眼圧で押しても、ドイツ人の角膜と同じだけ角膜が歪
 みます。つまり歪みが同じなら、日本人の方が眼圧は低いのです。すなわち、日本人の
 「正常眼圧」は、もっとずっと低いはずなのです。日本人にはさらに、角膜が400ミ
 クロン台の方もいます。この人たちは、いつも眼圧が見かけ上かなり低いのです。つま
 り、正常眼圧とは、角膜の厚みにより変動するものなのです。日本人はとくに角膜が薄
 いので、ドイツ人を使ってもとめた正常眼圧値の「10〜20mmHg」は使えないのです。
・じつは世界では、正常眼圧、などという言い方はもはや「死語」なのです。眼圧はたし
 かに、経過を見るために重要です。しかし、ほとんどの日本の眼科医が「眼圧が正常範
 囲にあるので問題ない」と言うのは、まさに非常識な認識です。
・緑内障の原因はハッキリとはしていないのですが、眼圧が重要な要素ではあります。
 「眼圧は角膜の厚みによって変わるので、その補正をしなくてはならない」という常識
 が、日本の患者と日本の眼科医になるのは、まさに非常識です。
・緑内障については、新薬が次々と開発されています。そしてどれもが高価な薬です。一
 本(5cc)で数千円もします。たしかに、眼圧はある程度であれば、薬で下げられる
 ようになりました。しかし、これは治るということではありません。失明する時間を先
 送りにして、視神経障害の進み方を少しだけ緩やかにしているという意味なのです。大
 切なのは、視野の障害の程度に合わせて、目標眼圧を手術によって獲得することです。
 視野の欠けが進んでいるときは、眼圧をかなり低くしなくてはなりません。目標眼圧を
 10mmHgとするならば、薬ではほぼ不可能です。こうなったら優秀な眼科外科医を探し
 て、自分の眼に適した緑内障手術を、一刻も早く依頼しなくてはなりません。
・現実には、緑内障手術を確実におこなえる術者が少ないので仕方がない面もありますが、
 本来であればいくつかの緑内障手術を組み合わせることで、緑内障の進行を抑えられる
 ことをぜひ知ってほしいと思います。これを知らずにいつまでも薬に頼っているだけだ
 と、適切な緑内障の手術時期を失いことになってしまいます。
 
(6)網膜剥離をめぐる大間違い 
・世界でも稀な社会主義的な医療保険制度を持っている日本では、患者に大変優しい仕組
 みがあるのです。しかし、患者の側がこれを生かしていません。なぜ、手術を受ける前
 に十分な調査をして、最高位の医療機関で最高の手術を受けないのかが不思議です。網
 膜剥離など、手遅れでない限り、我々のような世界的な手術経験数の眼科外科医なら、
 1回で完全に治すのが普通です、なぜ研修病院でわざわざ練習台になり、何回も手術を
 受けて、手術回数分の費用を請求され、しかも視力が出ないことを我慢するのかが不思
 議です。日本の眼科医療の問題は、本当の情報が隠されていることでしょう。
 
(8)糖尿病性網膜症をめぐる大間違い 
・糖尿病の人は網膜の微小血管が詰まり、破けて眼底出血します。出血による酸素不足を
 補うためや組織修復のために、血管新生因子が出て新生血管が生えてきますが、これが
 また、もろくて破けやすいのです。そして、眼底出血や硝子体出血を繰り返し、さらに
 進行すると、出血での炎症反応から眼球内に線維組織の増殖が進み、最終的にはこの増
 殖膜の牽引で、網膜が破けたり剥がれたりして、網膜剥離で失明します。
・日本では糖尿病の合併症として、糖尿病性網膜症で失明する方が、年間3千人以上と報
 告されています。そのほかの合併症としては、糖尿病足病変で足を切断しなければなら
 ない方が年間3千人以上、糖尿病性腎症で腎透析となる方が年間1万6千人以上とのこ
 とです。
・糖尿病が内科的に見つかった場合には、必ず眼科的な検査をしなければなりません。糖
 尿病の患者さんは、糖尿病性網膜症だけでなく、白内障や緑内障にも高率でかかるので
 す。失明につながる病気ですので、早く診断をつけて、適切な治療を適切な時期に、と
 くに手術の時期を失わないうちにおこなわなければならない場合が多いのです。
・糖尿病の方が糖質を取ると、血糖が高くなり、高い血糖を下げるために、薬でインシュ
 リンを追加分泌させたり、インシュリン注射をすることになります。じつは、この「食
 後の高血糖値」との差が大きいほど、糖尿病性網膜症は悪化します。ですから、血糖の
 変動をいかに少なくするかが根本的に大切なのです。
・血糖値を上げるのは、食べ物中の「糖質」だけです。「糖質」というのは炭水化物から
 繊維質を除いた成分です。簡単にいうと、米、パン、麺類、砂糖などが、糖質の代表例
 です。    
・血糖を上げるのが糖質だけですので、糖質の多い食事の主体であった、米、パン、麺類、
 砂糖をとらないようにすることで、血糖はあまり上がらなくなります。この、「血糖の
 コントロール」こそが大切で、血糖の上下こそが眼を障害する、ということについては、
 まだあまり知られていないのですがとくに強調したいことです。
・眼科で網膜症が見つかり、血液検査をして糖尿病だと分かった後、患者さんを内科に送
 って血糖のコントロール治療が始まると、糖尿病生網膜症がかえって悪化することが多
 くあります。まずはなにより適切な血糖コントロールが大切です。この際に注意するこ
 とは、血糖を上げたり下げたりすること自体をできるだけ避けなければならない、とい
 うことです。  
・糖尿病の方は、膵臓の働きが悪く、インシュリンが充分に出ないので、膵臓を刺激する
 薬を内服したり、インシュリン自体を注射して血糖を下げます。しかし、血糖を急激に
 下げるという変化や、インシュリンそのものが、網膜の血管を破いて出血させるのです。
 この出血によって炎症反応が起き、増殖膜が張ります。増殖膜が張ると、網膜を引っ張
 って、網膜剥離となり失明するのです。つまり、血糖を上げたあとでインシュリンで急
 に下げるような、過激な血糖コントロールが避ける必要があります。繰り返しますが、
 血糖が上がるのは、糖質を食べた時だけです。糖質とは、炭水化物から繊維質を取り除
 いたものです。ですから、眼科的に言っても、「糖質制限食」が、これからの時代の糖
 尿病の治療に最も理屈に合っています。
・いつものどが渇いてしまって水をよく飲む人は、ひょっとすると糖尿病かもしれません。
 血液の中の血糖値が高いと、身体が血糖を薄めようとします。このために、水分が欲し
 くなるので喉が渇くのです。水をやたらと多く飲むので、当然ながら小用にしょっちゅ
 う行きます。これも糖尿病の重要な自覚症状の一つです。糖尿病によって眼に起こる主
 要な病気が糖尿病性網膜症です。日本では失明の大きな原因です。ですから糖尿病の自
 覚症状があれば、はやく眼底の検査もするべきです。
・糖尿病の患者さんは白内障や緑内障にも高率にかかります。これらも失明につながる病
 気ですので、早く診断を付けて、適切な治療、とくに、手術の時期を失わないうちに正
 しい手術をしなくてはならない場合が多いのです。そしてなにより、糖尿病に気づいた
 時点で、糖質制限をはじめることを強くお勧めします。
・糖尿病ではブドウ糖の取り込みが悪くなるので、空腹感がすぐにきますし、エネルギー
 不足が体がだるくなり眠くなります。糖尿病が進むと、腎臓のろ過組織の糸球体の血管
 が障害を受けます。すると、本来はろ過されるアルブミンなどのタンパク質が尿にも出
 てきます。おしっこをするとブドウ糖が出て甘い匂いがするだけでなく、タンパク質が
 出て尿に泡が出るようになります。
・糖尿病性網膜症の初期症状ですが、網膜症はかなり進行するまで、あまり気づかない人
 が多いのです。しかし、硝子体出血すれば、もちろんわかります。何か赤黒いものが広
 がったり、飛蚊症が広がり、視力も落ちます。
・糖尿病は血糖変化が強いので、水晶体の代謝異常をきたします。つまり、糖尿病の方は、
 早く白内障になり、視力低下が起きます。糖尿病の白内障手術は、手術中の瞳孔縮瞳や
 炎症反応が出やすいので、白内障手術は上級者に任せるべきです。大学病院や総合病院
 などの研修病院での白内障手術はかなりリスクがあります。
      
(9)生活習慣に関する大間違い
・眼科的に見ると、水を大量に飲むというのは、じつは緑内障お誘発試験でもあります。
 健康のためにと、2リットル入りのペットボトルをそばに置いて、つねに水を飲むこと
 を心がけている人がいます。ドロドロの血液は体に悪い、だからたくさん水を飲むのが
 良いといった、マスコミに洗脳されたイメージでしょうか。もちろん、暑い日に水分を
 補給しないで炎天下にいることは良くないことですし、運動中にも十分な水分補給は必
 要です。また、体の水分が少ないと、血液も粘土が上がって、詰まりやすくなる傾向は
 あるでしょう。しかし、部屋の中にいて、しょっちょう水を飲んでいる姿は、じつは不
 健康そのものです。眼だけについて言っても、急激に大量の水をいっきに飲むと、眼圧
 が急に上がることがよくあるので、よくありません。
・コレステロール値についても、いまだに古い考えに支配されています。内科では、コレ
 ステロール値が高い方は、「血液がドロドロだから、サラサラになるように」と、抗コ
 レステロール剤などのいろいろな薬を出します。しかし、これもイメージだけで、かえ
 ってまずいことが多いのです。コレステロールは血管壁の修復やホルモンの生成に必須
 です。むしろ現在のコレステロールの正常値の基準がおかしいのであって、いわゆる正
 常値より少し高い方が長生きすることが分かっています。
・何か突然に眼に変化が来るときは、ほとんどの場合が血管のつまりです。血栓によって
 眼の動脈が一時的に詰まって、視力がなくなることがあります。しかし、短時間で血栓
 が移動して、血流が戻って見えるようになることがあるのです。一過性の虚血発作です。
 つまり、血栓が眼の動脈にきたときには、一過性に「見えない」という症状が出るわけ
 ですが、この血栓が脳の動脈を詰まらせると、麻痺が出たり、じゃべることができなく
 なったり、などの症状が出るというわけです。ですから、この「短時間で回復する眼の
 症状」は、次に重篤な血管閉塞がくる前触れともいえます。こうした場合には、血栓が
 できないように、抗凝固剤を内服することが必要になる可能性があります。
・タバコはニコチンを主成分にします。ニコチンは強い血管収縮剤です。眼の血流が極端
 に悪くなります。ニコチンは視神経障害などを起こし、煙の中の一酸化炭素は、眼の組
 織の酸素不足を起こします。
・飛蚊症という症状があります。その名の通り、視界の中に蚊が飛んでいるような小さな
 濁りが見える症状です。この「蚊」のように見えるものは、通常であれば、年齢変化に
 よる生理的な硝子体線維の濁りであることがほとんどです。しかし、この飛蚊症は同時
 に、網膜剥離や、網膜に穴が開いたときの初期の自覚症状でもあります。ですから、こ
 れらの病気を一刻も早く発見するために、非常に重要なサインでもあります。それでは
 どんな時が危険な飛蚊症でしょうか。まずは、今までになかった飛蚊症が急に出現した
 とき、そしてもう一つは、今までよりも急に飛蚊症で飛ぶ濁りの量が増えたときです。
 これらの症状が出たときにはとくに注意してください。
・蚊ではなく、光が飛んで見えることもあります。この場合には、網膜に硝子体線維が付
 いていて、網膜が引っ張られ、電気反応が起きている時が多いのです。このように硝子
 体線維が網膜を引っ張る原因としては、網膜裂孔が起きている可能性が考えられます。
 つまり光が飛んで見えるときも、飛蚊症と同様に、網膜に穴が開いたとくの自覚症状で
 す。 
・日本では「本当の意味でのいい病院を選べば」、世界で最も安価なレベルの医療費で、
 非常に良い医療を受けられる、たいへん恵まれた国だといえます。こんな良いシステム
 を、患者はなぜ利用しないのでしょうか。わざわざ研修病院に足を運び、説明もされず
 に病気も治らないのです。日本では、この「本当の意味での良い病院を選ぶ」ことが、
 最も大切なことです。きちんと選びさえすれば、最高の医療機関に最低の費用でかかれ
 る、こんな患者にとって良い国は世界でどこにもないのです。

死ぬまで「よく見える」生活術
・健康本や健康雑誌で紹介されている眼のトレーニングや体操、マッサージなどについて、
 安易に信じてはいけません。それらのほとんどが無意味であり、中にはかえってまずい
 ことになるものもあるからです。
・少なくとも本当の眼科医であれば、最低5年は研修をしたとの印に、最低レベルであっ
 てあったとしても、「眼科専門医」との記載があります。日本では眼科専門医とあって
 も、眼科外科医という意味ではありません。眼科外科医になるには、さらなる10年以
 上の厳しい修業が必要です。
・眼は、紫外線と、短い波長の青系統の光に弱い者ものです。ですから、これらの傷害的
 な光を防ぐためのメガネがあります。紫外線は100%カットしますし、可視光線でも、
 短波長の青系統の光をカットしてくれます。私自身も、この種のメガネを使っています。
 とくに、運転や、ゴルフなどの外での活動の際には必須のメガネです。通常の黒っぽい
 サングラスではありません。レンズの色は、薄いオレンジの色です。これをつけると、
 眼が救われる感じがするほど楽になります。見えやすくなるだけでなく、網膜の光線に
 よる傷害が防御されます。
・プールで泳ぐときにはぜったいに裸眼は避けてください。多くの人が泳ぐプールは、水
 が大変に汚染されていて、細菌もいますし、塩素系の消毒剤によって眼の角膜も障害さ
 れます。プールでゴーグルなしはあり得ないと考えて、必ず水泳用のゴーグルをつけて
 泳いでください。
・逆に使ってはいけないグッズは、テレビでもよく宣伝されている、眼を洗う容器のよう
 なものです。かえって眼の病気を増やしますのでやめましょう。
・夏の強い日差しから眼を守るためには、つばの広い帽子をかぶるのが有用です。とくに、
 網膜の病気の方は、夏の強烈な直射日光を浴びないように、つば広の帽子を活用してく
 ださい。また、埃の多い場所では、メガネやゴーグルをかけるようにしてください。ま
 ぶたを開くとむきだしの状態なのが眼です。外の埃にたいへん弱いのです。メガネはデ
 ザイン上、小さいものが多いのですが、メガネの効果を得るには、やや大きめのものの
 方が有用です。
・眼科医選びは、「眼科専門医になってからの経験の深さ」が大切です。経験の深い医師
 ならば、スリットランプ顕微鏡を使って眼を診察し、たいていの病気は一目で判断でき
 ます。研修病院では、ああでもない。こうでもないと、多くの機械的検査をして、結局
 は病気を発見できない例が多いのです。    
・大きな病院なら良い、大学病院なら良いと思ってしまうのは間違いです。研修病院の代
 表は大学病院です。また、総合病院はほとんどが大学の医局と関係を持っています。つ
 まり、総合病院の多くは大学の関連病院であり、研修病院です。先進国では、現実には
 厳しい眼科手術は、研修病院の大学病院などではなく、我々のような眼科の手術専門家
 が集まったプライベートな手術センターで行うことが多いのです。
 
眼科医にこそできること
・一番良くないのは、血糖をインシュリンで急に下げ、血糖の強い上下変動をきたしたり、
 また低血糖を発病させることです。血糖を安定させるためには、インシュリンなどの薬
 はじつは危険なのです。血糖はブドウ糖であり、ブドウ糖を作る材料は糖質です。つま
 り、糖質を多く含む食品をとらないことが、もっとも良い解決策です。糖質が少なけれ
 ば見当の変動はあまり起こらず、糖尿病も実質的には治ります。
・従来言われていた、タンパク質の方が糖質よりはるかに有害だと、洗脳されきたことは
 間違っています。タンパク質をいくらとっても腎疾患にはなりません。また、脂肪を食
 べると肥満になるというのも間違っています。つまり、従来言われていた、糖尿病治療
 や体重を減らしコレステロールを下げようとして、炭水化物を大いに食べ、肉の摂取を
 減らし、できるだけ脂肪をとらない、という定説はまったくの嘘です。

おわりに
・今や人間の寿命は、90歳近くになろうとしています。しかし、むき出しの臓器である
 眼は、外傷などの外からの力に極端に弱いのです。10歳ごろから増えるスポーツ外傷
 などによる網膜剥離、アトピーや花粉症で眼をかくことで起こる白内障や網膜剥離、強
 度近視や強い遠視で若くても起こる緑内障、50歳以上ならすべての人に起こる老眼に
 よる問題、65歳以上の高齢者では必ず起こる白内障や緑内障や網膜剥離や加齢黄斑変
 性などなど、すべての年齢の方々が知るべき真実のめの情報と、その治療のための眼科
 手術の最新情報を網羅しました。これらの知識を持って眼科にかかれば、良い眼科医か
 悪い眼科医かの見分けがつくでしょう。ご自分だけでなく、親や子どもの突然の眼の病
 気の時に、頼りになるのは真の眼科治療の知識です。いったん間違った治療、とくに手
 術を受けると、後で取り返しがつきません。