離婚しないという選択 :芙蓉

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この本は、筆者が夫からモラルハラスメントやDVを受け、離婚の瀬戸際にまで追い詰め
られたとき、「新・良妻賢母のすすめ」という本に出会い、その本に書かれているとおり
を実践したところ、みごと離婚の危機を回避することができ、夫との関係も、今までにな
い愛に満ちた関係に戻ることができたという、筆者の実体験をもとに書かれたものである。
やや話がうますぎるのではないかというところもあるが、男の私からみても共感できる部
分も多い。
離婚が日常茶飯事となってしまっている現代社会において、良好な夫婦関係を築くにはど
うすればいいのかという知恵が書かれていると言える。そしてこの知恵は、夫婦関係のみ
ならず、広く一般的な人間関係においても、応用が可能ではないだろうかと思えた。その
基本とするところは、人間にはそれぞれ違う価値観があり、その異なる価値観をお互いに
認め合うことから始めるということではないだろうか。相手の価値観を認め、相手を称賛
するすることではじめて、こちらの価値も認めてもらえる。それが良好な人間関係を築く
ための基本だと思う。

発刊によせて
・人と人が幸せな関係を築くには、互いの善性に焦点を合わせてやり取りする努力が肝要
 です。相手の欠点に着目し、それらを正そうとしたり、不信の思いを持って接したりし
 ていると、負の反応しか返ってきません。良い関係を築けることはなく、喜びや平安も
 ありません。時には勇気を持って信頼してこそ、絆が生まれ、成長があります。

家庭崩壊への経緯
・夫は会社員で、私は専業主婦。とても平凡でありふれた幸せな家庭のように周囲からは
 見ていたと思いm巣。私自身、この結婚を決して不幸だとは思っていませんでした。で
 も、一つだけ夫との関係で悩んでいることがありました。それは、自分が夫を時々不機
 嫌にさせてしまうこと。時としてそれは大嵐のような爆発的な怒りを引き起こしてしま
 うことでした。普段は優しい人なのですが、ほんの些細なことが引き金となり、彼の怒
 りが爆発します。そうなると私はもう、打つ手立てがなくなります。謝っても許しても
 らえない。何かを言えば「言い訳するな」とても怒らせてしまう。黙れば「無視するな。
 何とか言え」とまくし立てられる。このような夫の行動を、世間では「モラルハラスメ
 ント」(言葉や態度で嫌がらせをし、いじめること。精神的暴力)と言うのだそうです。
・「きゃー!誰か助けてー!」部屋は表の通りに面しています。誰か通行人が助けてくれ
 るのではにかと考えましたが、無駄でした。叫んだことでますます殴られました。急所
 を蹴ってみましたが何の効き目もなく、一層怒らせてしまいました。
・普段護身術を練習している人は別として、急所を蹴るなどということは何の役にも立た
 ないということ。逃げようとするのは、かえって危ない場合もあること。暴力が始まっ
 たら、とにかく布団などで身を守ることです。
・もし今DV(ドメスティック・バイオレンス:家庭内における暴力行為)問題に直面し
 ている方がこの本を読んでおられたら、このことを頭の片隅に覚えておいてください。
 相手はいつか疲れ果てる時が来るから、それまで自分の身を守ることが一番です。   
・DVを受けてから、私は夫と寝室を別にし、家庭内別居状態になりました。私の精神状
 態が、どうしても夫を受け入れることができなくなってしまったからです。私は「この
 ままではいけない」と思い、夫に内緒でアルコール外来のある病院に相談に行きました。
 カウンセラーさんは、アルコール依存症の本を夫の目につくところにおいておくように
 とアドバイスをくれました。私が本気でアルコール問題に取り組もうという意思を持っ
 ていることを、夫に伝えることが大切だと言いました。
・家に戻り、その通りにしました。案の定、夫は「俺はアルコール依存症なんかじゃない
 ぞ」と激怒しました。「私はあなたがアルコール依存症だと思う。一緒に病院に行って
 ほしいの。そうしてくれなかったら離婚します」と冷静に告げました。
・ドクターは「アルコール依存症もかなり進んでいると診断します。最重度が死の一歩手
 前とするなら、ご主人の場合はその前段階、重度の一歩手前というところでしょうか」
 と言いました。夫は相当のショックを受けた様子でした。
・アルコール依存症にされたこと。それによって彼のプライドは傷つけられ、さらに私を
 許せない気持ちになってようでした。怒りの黒いオーラがメラメラと立ち上がっている
 感じでした。   
・その後もう一度、アルコール外来のカウンセラーさんに相談に行ったとき、「保健所に
 相談に行きなさい」と指示を受けました。保健所所では、女性センターの電話番号や、
 夜中でも受け付けているシェルターの連絡先などを教えてくれました。また、いざとい
 う時のためにまとまったお金を用意しておくことや、ウィークリーマンションの下調べ
 をしておくことなどを教えてくれました。
・夫が荒れる日は、手元に携帯を置き、女性センターの電話番号を握りしめて寝ました。
 DVを受けた日から半年が過ぎた頃、二度目のDVが起きました。アルコール依存症の
 家族会でいろいろ学んでいても、現実の暴力を前にして私はあまりに無力でした。絶望
 感に襲われ、目の前が真っ暗になりました。
・いざ夫と離れてみると、私の心の風景は、戦後の焼け野原の写真のようでした。何もか
 も空襲で焼けてしまった後に、ぽつんと放心状態でいるような感じでした。
・目の前に夫がいなくなっても、携帯の着信音が夫からじゃないかと思うだけで、体が震
 えたのです。それでも「生きていかなきゃ」という思いがあって、朝起きてご飯を作る。
 子供たちを送り出して、掃除・洗濯。学校の委員の仕事。何もなかったような顔をして
 日常生活を送ることができる自分が不思議でした。
・なぜおんなことになったのか?と考えると、「私の何かがいけなかったのんだろうな」
 と自分を責める気持ちが湧いてきました。夫が、「殴ったのは殴らせるようなことをす
 るお前が悪い」と何度も言ったことが、頭から離れませんでした。
・夫は別居後も生活費の面倒は見てくれていました。生活費を言われる度に私が悪いよう
 な気になり、稼げない自分が生きる価値のないものに感じました。     
・私たち夫婦が別居したことに対して義理の母からは、「暴力を振るうのは、そりゃあっ
 てはいけないことだけど、あの子はあなたにどうしても我慢ができなかったのではない
 の?」と言われました。夫の両親は、一貫して自分の息子の味方でした。そうだろうと
 は思っていましたが、実際口に出して言われるとショックでした。
 
別居生活の苦悶、そして気付き
・私は、夫の暴力の記憶によってPTSDという心の病を患っていたのでした。淡々と働
 き続ける自分と、病んで身動きが取れなくなっている自分。この二人を客観的に見てい
 る三人目がいることにも気づかされました。三人目の自分は、一人目を「よくやってい
 るな」とか「大丈夫だ」と思ったり、二人目を「可哀想に」と同情したり、「そんなこ
 とじゃ困るよ」と呆れたりしているのです。
・カウンセリングで「ダブルバインド」という言葉を知りました。「二重拘束」という意
 味だそうです。人は、二つの相反するメッセージを同時に相手から受け取ると、自分が
 どうしたらいいのかわからなくなって、動けなくなってしまうことがあるそうです。私
 には夫との関係で心当たりがありました。夫の暴言に黙って我慢していると「無視する
 な」と怒鳴られ、何か返事をすると「そんなことはどうでもいい!黙れ!」と怒られる。
 どちらにしろ、恐ろしい思いをするのです。頭が真っ白になりました。このようなこと
 の繰り返しで、感情が鈍麻したり、自分がどうしたいのかわからなくなるとは、思いも
 よりませんでした。
・私は暴力や虐待とは無縁の中で、むしろ世間的には、惜しみなくお金や愛情を注がれて、
 大事にされているように見える環境で育ちました。それなのに、低い自己評価しか持て
 なくなってしまっていたのです。   
・私は結局、夫を愛していたから尽していたわけではなく、自分が認められたくて結婚生
 活を頑張っていただけなのかもしれない。ある時ふと、そう思いました。
・心の枯渇した領域に目を凝らすと、そこには必死でもがいている幼い頃の自分がいまし
 た。努力をして成果を出さなければ、生きる価値がない。いつも健気に頑張っていなけ
 れば、愛されない。そんな思い込みに縛られて壊れそうになっている、小さな自分のイ
 メージが浮かんできました。
・夫と別居して、現実的にまず困ったのはお金のことでした。専業主婦だった私は無収入。
 最初は夫の給与が振り込まれる銀行の家族カードから、同居していた時と同じように生
 活費を引き落としていました。時間が経つにつれ、夫から度々不満をぶつけられるよう
 になりました。   
・最初の仕事は、新聞配達員のために朝食を準備するというものでした。日曜以外、毎朝
 3時半に起きて自転車で近所の勤務先に行き、13人分の食事を一人で黙々と調理する
 日々が始まりました。料理は好きですし、朝も苦手ではなかったので、仕事がきついと
 は思いませんでした。エプロンを外し、帰り支度をしていると学生たちが、「お疲れ様
 でした!」「ご飯、おいしっす!」と声をかけてくれました。初めて「お疲れ様」の言
 葉を聞いた時、温かさが胸に広がって、ぽろっと涙が出ました。ずっと前からこの言葉
 を言われたかったような、不思議な気持ちでした。
・その人の価値観を理解して受け入れ、それに合わせるということが、どれだけ難しいか
 ということです。自分が普通。自分が正しい。誰もがそう思いがちだけれど、自分が正
 しくてそれ以外は間違っているということはないのだと気付きました。こんな当たり前
 のようなことが、私にはわかっていなかったのです。やがて自分と違う価値観を受け入
 れることにも次第に慣れていきました。
・「何もできなくてもいい。優秀である必要もない。頑張らなくてもいい。人はただ生き
 ているだけで、誰かの役に立っている。生きている意味がある」私が生きているのは、
 自分で生きているのではない、生かされている、という感覚が芽生えていました。それ
 が働く原動力になり、また利用者一人ひとりを大切にしたいという思いにつながってい
 きました。同時にまた、自分自身もそのままでいいのだ、と己を受け入れることができ
 るようになり、低い自己評価から脱する助けとなっていったと感じています。
・仕事先で、認知症サポーターの特別研修を受けました。そのなかにこんな内容があった
 のです。
 <認知症の三つの代表的な病状>
 @財布がなくなったと騒ぐ。「お前が盗んだ」とヘルパーや家族、ことに一番身近で介
  護をしてくれている人を疑う。
 A食事を食べたことを忘れてしまう。食べさせてもらっていないと騒ぐ。
 B自分の家にいるにも関わらず、「帰りたい」と言って徘徊する。頭に思い描いている
  場所は、かつて自分が一番幸せだった時に住んでいた家だったり、子供の頃の家だっ
  たりする。 
 <これらの病状の対策>
 @なくなった財布を一緒に探す。見つけた時、「ほら、ここにあるでしょ!」と言って、
  相手の間違いや不注意、盗みの疑いをかけたことを決して責めない。さりげなくわか
  りやすいところに置き、自分で見つけられるように促す。
 A食べていないと言ったからと、もう一度食べさせたら健康に害がある。かといって
  「何言っているの?もう食べたでしょ?」と、相手を混乱させるとうな対応もNG。
  「食事の支度が遅くなってしまってごめんなさいね。もうちょっとでできるから、こ
  れでも食べて待っていてくださいね」と言い、お茶や軽めのお菓子、何か好物を少し
  だけ出しておく。ある程度満足が得られれば、食事のやりとりをしていたことを忘れ
  てしまう。
 B「自分の家」あるいは、現存しない思い出の中の場所に行くと言って徘徊する時は、
  無理に止めない。「そんな場所、今はもうないよ!」などと現実を突きつけるような
  ことを行って混乱させてはいけない。「私もちょっと外に用事がありから、途中まで
  一緒に行きましょうね」と同行し、しばらく散歩をする。そのうち疲れてきて、自分
  がどおに向かっているのか忘れてしまうので、「疲れましたね。休みましょうか」と
  声をかけ、家にさりげなく戻ってくるようにする。
   
夫婦再生への道のり
・あるセミナーを受講しました。そこで知り合った女性たちは、皆夫婦関係の悩みを持っ
 ていました。「新・良妻賢母のすすめ」という本の存在を、私はそこで初めて知りまし
 た。この本の著者は、アメリカの敬虔なクリスチャンの女性です。   
・「実際、結婚において、女性の幸福の中心は愛されることですが、男性の中心は称賛さ
 れることなのです。」世界中の全男性は、パンに飢えると同じように称賛に飢えている。
 もし、それが与えられなければ、死んでしまうというくらい切実なもの。私は、それが
 真実であることを実感しました。同時に、私はこれまで、夫に「心の主食」を食べさせ
 てこなかったことに気付きました。男らしさを称賛することがどれだけ重要か、現代の
 女性で知る人は案外少ないのではないでしょうか。ただ、男性相手の接客を仕事にして
 いる女性は、客の心を捉えるテクニックとして「男らしさを褒める」ことを意識してい
 るそうです。本来、家庭の妻こそが、夫の幸福のために知っておかなければならないこ
 とだったと思いました。
・「あなたが心から夫を称賛されば、大きな見返りが二人に来ます。夫は、男性として非
 常に重要な欲求が満たされるわけですし、それがきっかけとなって、もっと男として頑
 張り、成功を収めることも可能なのです。あたなにも同じくらい大きな報いがあります。
 あなたが彼から一番求めるのは、愛です。彼を称賛すると、愛が返ってきます」
・男性は、自分の価値を評価してもらえないと、扱いづらい人間になるということが書か
 れています。  
・自分のイライラを家族にぶつけ、怒鳴り散らす夫を、何とかおとなしく変えようとして
 いました。無理やり教会に連れて行き、信仰を持たせようとしたこともありました。そ
 れは、表面的には「このままでは夫がダメになってしまう」という、あたかも夫のため
 を思ってのことのようですが、実は自分のエゴに過ぎなかったのです。結局、夫を変え
 ようとして、何もいいことはありませんでした。夫は、何をしても変わりませんでした。
 変わらないどころか、ますます状況は悪くなる一方だったのです。
・「新・良妻賢母のすすめ」の中では、男性から見た理想の女性像が言及されています。
 それは、天使的側面と、人間的側面を併せ持った女性。妻には、この二つの要素が必要
 だと言われています。”天使的”とじゃ、人格面に関わるもので「善良な性格」「男性
 に対する理解力」「家事の才覚」などです。一方、”人間的”とは「女らしい外見や仕
 草、性質、魅力」「子供のような無邪気さや信頼」などを指しています。
・昨今、夫婦間のモラルハラスメントが問題視されるようになってきました。夫からの精
 神的虐待を訴える妻が増えてきているのです。妻からの言い分を聞けば、人権侵害に相
 当するひどい話なのですが、夫側にもきっと言い分があるのではないでしょうか。
・「根掘り葉掘り聞くことをせず、彼がどんな状況にいるのかわかるよう努めましょう。
 彼の気持ちになり、彼と一緒に苦しんでください。問題の要因を理解する必要はありま
 せん。が、彼の痛みを理解し、それに対する思いやりを表しましょう」
・「彼の悲しみであなたまで参らないこと。彼と一緒に落ち込まないようにしてください。
 明るい態度を保ち、楽天的でいましょう。けれど、彼の苦しみに同情していないと感じ
 させるほど気楽でいてはいけません。彼はあなたに喜怒哀楽を共にしてほしいのです」
    
家族の新しい歩み
・「新・良妻賢母のすすめ」には、「夫の真価を認める」という言葉が出てきます。真価
 を認めるとは、彼を正しく評価し、彼の長所を認めて尊敬する、とあります。言い換え
 れば、彼の人間として生まれ持っている善性を、しっかり見るということです。
・「新・良妻賢母のすすめ」には、以下のように書かれています。「愛されていないと感
 じている人は、「夫が本当に私を愛してくれたら幸せになれるのに」と考えがちです。
 男性の愛は、女性の完全な意味での幸福には欠かせないものですが、私がここで言う内
 面の幸福感には、必ずしも必要ではありません。事実、真に夫に愛される前に、内面的
 な幸せをまず自分の中に見出さなければならないのです。多くの男性たちが妻のもとを
 離れて別の女性のところに行っていますが、それは妻たちの内面が不幸だからです。夫
 や子供、親戚、友人といった他の人々が、幸福の大きな要因となることがありますし、
 それは環境にも言えることですが、それは絶対になくてはならぬ要因ではありません。
 あなたにこれらの条件が備わっておらず、人があなたを失望させたり環境が困難だった
 としても、それで落胆してはいけません。正しい原則を生きれば、幸せになれるのです。
・内面の幸福を得るために、家庭での役割を果たし、人格向上に努め、他者に奉仕し、創
 作活動を楽しみ、自分自身を受け入れ、単純な事柄にも喜び感謝し、知識と知恵を求め
 ましょう。 
・「新しい喜びを体験するのです。やり遂げた喜びだけではなく、困難な中で培った新し
 い強さから来る喜びです。時には、惨めさ、悲しみ、痛み、苦労を経て、幸福を得るこ
 とがあります。快楽は罪を犯して得ることがありますが、幸福は罪を克服しようと闘う
 中で感じられるものです。単に罪のない人生を送るだけで、苦労の経験のない人は、幸
 せにはなれません。幸福が不愉快な体験や悲嘆、苦痛から生じながらも、幸福感それ自
 体は、悲嘆とは正反対のものです。幸福とは、魂深くに感じるもので、平安と喜び、静
 寂とが一緒になったものです。しかし、自分で体験しない限りは、その素晴らしさがわ
 かりません。けれど、体験したならば、間違いようのない明白なものです」
   
あとがき
・特別に暴力的で、人間性に問題がある男性だけがDVをするわけではないのです。ごく
 普通に会社員として働く夫、医者や弁護士や裁判官といった、社会的に尊敬されるよう
 な職業の夫であっても、妻に手を上げている例は珍しくありません。すなわち、どんな
 家庭でも起こり得るのです。身体的な暴力以外に、女性側の離婚の原因として上位を占
 めるものに、「夫が生活費を入れない」「精神的虐待」というものがありました。これ
 も、経済的DVとか精神的DVということで一括りされます。