年収崩壊 :森永卓郎

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この本は2007年に出版されたもので、一部内容に古い部分もあるが、それでもまだ十分
に参考になる内容の多い本である。
年収崩壊については、この本に書いてあるとおりの状況になってきている。私の年収も下落
の一途をたどっている。会社は「成果主義」を「錦の旗」にして、いろいろな理由を付けて
給与やボーナスをカットしてきている。
そして、そういう状況下にある社員も、その会社の都合にすっかり洗脳されて、それが当た
り前と思うようになり、中には会社の手先となって部下の給料やボーナスのカットに精を出
し、自分の存在感をPRしている中間管理職も目に付く。
今後、自分の収入が増えない。増えないどころかどんどん減っていく。それが当たり前の社
会になったのだと、覚悟はしてみたものの、それによっての失意は避けられず、仕事に対す
る士気も低下する。会社は、仕事の成果によって、給与やボーナスを増やしたり減らしたり
することによって、社員のやり気を引き出すと言っているが、これによってやり気が出てい
る社員がどれだけいるのだろうかと疑問に感じる。むしろやる気を無くしている社員が大部
分ではないだろうか。
この本では年収が減るこれからの社会では、ライフスタイル自体を変えていく必要があると
説いている。そして定年後に楽しく生きるための知恵や工夫が必要であることを説いている
ので参考になる。
森永氏はテレビにも時々出ていて、その面白いキャラクターがにじみ出る。ちょっとバカッ
ぼく(失礼)見える部分もあるが、れっきとしたあのりっぱな東大卒である。他の東大卒者
と異なり、とても庶民的な感性の持ち主で、私はとても好感を持っている人物である。

はじめに
・構造改革がもたらした自由競争社会の下で、ごく一部の人たちが巨万の富を得る一方で、
 大部分の国民は年収の低迷と相次ぐ崩壊で、ズルズルと手取り所得を減らしていきました。
 さらに、企業が正社員を減らして非正社員を増やすという人件費削減策に出たため、最低
 限の生活さえままならぬ貧困層が大量発生することになりました。
・かつて一億総中流社会とよばれるくらい平等だった日本は、すっかり弱肉強食社会に変わ
 ってしまったのです。
・つい10年ほど前までは、国民の大部分は、お上が敷いたレールの上を走っていれば、ほ
 うっておいても、なんとか生活ができるしくみになっていました。しかし、構造改革は、
 そのお上を解体するということも意味しますから、もうお上に頼ってはいられません。自
 ら情報を集め、何が自分の人生に起こるのかをキチンと整理し、そして自らその対策を考
 えなければいけなくなってきたのです。

年収300万円もいまや危ない
・格差の拡大は、正社員のなかで年収の高い人と低い人に分かれるという形で生じたのでは
 ありません。企業が正社員の数を絞り込み、非正社員を増やすという人事戦略に出たため
 高所得の正社員が減り、低所得の非正社員が増えるという形で格差が拡大したのです。
・非正社員の年収をキチンと集計した統計はないので正確なところはわかりませんが、いく
 つかの統計から推計すると平均年収は120万円程度だとみられます。
・つまり、いまや年収300万円を維持することさえ困難になり、平均年収120万円の非
 正社員が、働く人の3分の1以上を占める大きな所得格差を抱える世の中になってしまっ
 たのです。

公的年金制度もアテにならない
・65歳時点でいくら準備しておけば公的年金の不足を補って、現役時代の手取り収入の
 50% を85歳まで確保できるかを計算してみましょう。計算の結果、現在60歳の団
 塊の世代 は65歳の時点で452万円の資金をためておけばよいということになりまし
 た。ちなみに現在55歳の人は758万円、50歳の人は950万円、45歳の人は
 1103万円、40歳の人は1172万円となっています。かなり大きい金額ですが、貯
 められない額ではありません。

結婚:男の立場から
・30〜34歳男性の非婚率が49.4%と、ほぼ半数に達したことです。しかも30歳代
 前半男性の非婚率は、毎年ほぼ1%ずつ上昇していますから、源氏点では、30歳代前半
 男性の過半数が非婚となっているのです。
・これからのビジネスは、基本的にファミリーではなく、シングルを対象に組み立てられて
 いくでしょう。たとえばファミリーレストランは衰退し、シングルレストランが流行して
 いくといったことが起こるかもしれません。

結婚:女の立場から
・女性の9割は結婚願望を抱いています。ただ、結婚のチャンスがなかったり、この人なら
 と思える男性に巡り合えないというのが、結婚をしていない最大の原因でしょう。
・いまや大銀行さえ倒産する時代になりました。リストラは日常茶飯事です。そして、ボー
 ナスゼロなんて珍しくもありません。そんな時代に「一生守り続けます」などと言われて
 も、新洋できないのです。女性が結婚に踏み切れなくなった最大の理由は、男性の所得の
 安定が損なわれたことなのです。
・結婚で長期的な安定は得られないと悟った女性は、短期的であってもイケメンや金持ちに
 享楽的な利益を求めるようになったとも考えられます。ところが、そんな男性はごく一部
 です。世の男性のほとんどはイケメンでもお金持ちでもありません。

避けられない少子化
・実は出生率の低下が進む中でも、結婚したカップルが産む子供の数は減っていないのです。
・日本では、結婚しないと、ほとんど子供は生まれません。未婚の父、未婚の母への社会の
 目が厳しいこともありますし、子育てに膨大な費用がかかるからでもあります。そのなか
 で、非婚率の上昇が起こっているわけですから、少子化が進んで当然なのです。

格差は拡大しているか
・結局、構造改革で何が起こったかと言えば、大企業が従業員をどんどん非正社員に置き換
 え、中小下請け企業への発注単価を引き下げ、利益を増やし、その利益を使って役員の報
 酬や株主への配当金を増やしたということなのです。その結果、中小企業は出口のない不
 況に追い込まれ、そしてすでに働く人の3人に1人を超えた非正社員は、年収100万円
 台という低所得を強いられているのです。

格差拡大をもたらす政策要因
・構造改革によって、確かに大金持ちは生まれましたが、そうした人の数はごくわずかで、
 逆に大きく所得を減らす人が続出したのです。市場原理は、弱食強食社会をもたらしたの
 です。
・完全な自由競争の下で報酬が決まる職業では、一流と二流の間に100倍の報酬格差が存
 在します。二流タレントのテレビのギャラは3万円ですが、一流タレントのギャラは
 300万円なのです。
・運の差とか能力や努力のほんの少しの差が、とんでもない所得格差に結びつく、それが市
 場原理の待つ残酷な性質なのです。

ニートという生き方
・かつての企業には、新入社員を雇ったら、一生面倒を見て、育てるという企業風土があっ
 たのですが、今は使い捨てにするモラルの低い企業が増えているように思います。これで
 は社会に希望を持てるはずがありません。

残業代がなくなる
・裁量労働制が、自由に働ける制度といっても、企業は労働時間管理を放棄するわけではあ
 りません。そのため、深夜残業をすると、企業は割増賃金の支払いをしなければなりませ
 ん。また従業員が過労死すると、企業は当然その責任をとらされます。ところが、ホワイ
 トカラー・エグゼンプションの下では、労働時間の管理を企業がまったくしなくなるため、
 どんなに残業しても残業代は支払われません。過労死しても企業が責任を問われることが
 なくなるのです。

女性の給料
・実は、能力や実績に応じて給料を決めるといっても、それをどう計るかが実に難しいので
 す。営業職のように 成果が数字になる職種はむしろ例外で、総務、経理、一般事務、秘
 書など能力や実績を数字にしにくい職種のほうが圧倒的に多くなっています。しかも職種
 が異なる人の間で、どちらが高い業績をあけたかを判定することはされに難しいのです。

休めない日本人と休む欧州人
・年収の高い正社員にとどまることができれば、私たちには幸福な毎日がまっているのでし
 ょうか。これまでに何度も触れたように、正社員には過剰な負担がかかっています。その
 ため満足な休暇が取れない人も出現しています。
・ヨーロッパの労働時間が短いもう一つの理由は、そもそも彼が長時間労働を好まないから
 です。ヨーロッパの人たちは、「いかに人生を楽しむか」ということをふだんから真剣に
 考えています。その結果、彼らがたどり着いたのが、「なにもしないでボーッとしている
 ことこそ、最大の幸福なのだ」という結論でした。
・パリのカフェには、カフェオレ一杯頼んだだけでなにもせず、テラスでただ道行く人を眺
 めている中高年がたくさんいます。実はそうした時間の使い方こそが、最大のぜいたくな
 のです。
・ヨーロッパのサラリーマンの年収は300万円程度です。ただ、彼らはそれ以上を望んで
 いません。年収300万円あれば十分に暮らしていけるからです。また、貴族支配の階級
 社会が続いたことによって、ヨーロッパの一般市民は、上昇志向そのものを失ってしまい
 ました。いくら努力しても貴族にはなれないからです。努力をすれば大富豪への道が開か
 れている「アメリカンドリーム」の国とは、価値観が大きく違いのです。

起業するのはよいことか
・起業は大きなリスクが伴います。開業後10年経って、予定していたようなビジネスを実
 現できている企業は、おそらく1〜2割しかないと思われます。新紀開業白書で見ても、
 目標の月商を達成できていない企業が62.3%にのぼっています。
・また、起業して仕事が楽になることもありません。労働時間は、会社に勤めているときよ
 りも、ほぼ確実に長くなります。小さいながらも会社の総責任者になるのですから、あら
 ゆる雑用が降りかかってくるからです。
・起業のプラス面は、大成功の可能性があるということです。日本の社長の平均年収は
 3000万円、上場企業の社長でも4000万円です。つまり、サラリーマンとして、
 どんなに成功しても、その程度のお金しか手に入れることはできないのです。ところが、
 起業して、上場まで持っていけば、株式売却によって、数億円、場合によっては数百億円の
 お金が手に入ることもあります。
・新しい会社法で、これまでの最低資本金の規制がなくなり、1円起業が可能になりました。
 実際にはさまざまな手続きで30万円ほど必要ですが、それでも、これまで有限会社を作
 るのに300万円の資本金が必要だったの比べれば大きな進歩です。
・正直な気持ちで言えば、もし事業に失敗しても、生活の面倒をみてくれる家族やパートナー
 がいるのであれば、思いきってチャレンジしてみるのも悪くないと思います。ただ、その
 場合でも、どうやって顧客を確保するのかだけは、しっかりと考えておきましょう。新規
 開業企業がいちばん苦労しているのは、その点だからです。

大富豪はどのように生まれているのか
・大金持ちは働いて稼いだ人ではなく、お金に働かせて稼いだ人なのです。日本ではこれま
 でそういう人は非常にまれでしたが、欧米では「お金持ちが働かない」というのは常識で
 す。
・富豪になっている人たちの思考には一定の特徴があることがわかります。第一に、お金は
 使うものではなく、増やすものだと考えていること。たとえば自分が住むための言えはな
 るべく買わない。彼らは貸して収益を上げるために買うのです。
・富豪になった彼らが今後めざすのは、今の階級が子供の世代、孫の世代まで継続するよう
 な階級社会を作ることではないかと私は考えています。

安易な転職をしてはいけない
・会社勤めをしていれば、いろいろなイヤなことや腹の立つことが起こります。「なんでこ
 んなツライことを続けなければならないのだろう」と思うのは当然です。そんなとき、
 「今すぐ辞表をたたきつけてしまえ」という悪魔のささやきが聞こえてくることもあるで
 しょう。ですが、絶対に安易に会社を辞めてはいけません。
・本当にそんなにお金が必要でしょうか。年収300万円を超えていれば、工夫次第で、そ
 こそこ楽しい暮らしはできます。無理して働いて給料を増やしても、交際費や服飾費など
 見栄を張るためのお金で消えてしまって、定年を迎えたときに、残されたものはボロボロ
 になった体と心だけということにもなりかねません。それよりも、身の丈に合った暮らし
 淡々としたほうが、よほどステキ人生です。
・普通の会社には、出世の道を閉ざされて、ゆったりと仕事をしている人が必ずいるはずで
 す。そうした人生をめざしてみては、いかがでしょうか。出世しようと思うからキツいの
 で、それさえあきらめてしまえば、サラリーマン生活は楽になるものなのです。
・仕事がキツい原因は、時間的な問題ではなく、人間関係の場合もあります。「あんな上司
 の下では働けない」と思っている人も多いでしょう。しかし、私の経験ではっきりしてい
 ることは、「どんな会社にもイヤな上司はいる」ということです。
・あなたの会社に人事異動があるのであれば、じっと我慢さえしていれば、その上司はいず
 れ移動していきます。転職しても、よい上司にめぐり会えるとは限りません。案外、みず
 から転職するより、上司の異動を待ったほうが早いということも十分ありえる話しなので
 す。

銀行預金は選ぶ時代
・私は、普通の銀行が庶民の預金を相手にしなくなったのであれば、それを逆手に取って、
 新しいタイプの銀行を積極活用すべきだと思っています。
・ペイオフは解禁されましたが、元本1000万円以下の預金は、利息も含めて預金保険で
 完全に保護されていますから、銀行経営の安全性を過度に気にかける必要はありません。

金利上昇局面での資金運用
・私は、5年満期の固定金利型個人向け国債を検討してもよい段階に来ているのではないの
 かと思います。固定金利型個人向け国債の金利は、5年もの国債の発行金利から0.05%
 差し引いたもので 、当然5年間固定です。金利も1.13%と、変動金利型よりずっと
 高くなっています。日銀が3回目の利上げに踏み切れば、金利はさらに上がるでしょう。
 そのタイミングで固定金利型個人向け国債を買えば、その金利が5年続くことになるので
 す。

株式投資は預貯金とセットで、うまく活用を
・元本が保証されていて、いつでも現金に変わる預貯金は、必ず持っておくべきです。ただ
 し、無制限ではなく、生活費の3年分を持っておけば十分だと日ごろ私は言っています。
 年収の3年分ではありません。

商品の性質を理解してこそ、いいポートフォリオが組める
・リスクをあまり取りたくない人が個別株を持つときに、注意すべきことは、できりだけ幅
 広い分野に分散投資をすることです。銀行株が下がったときに電力株が上がるといったよ
 うに、値上がりと値下がりが相殺されて、リスクを小さくすることができるからです。
・そうした意味では自分の勤める会社を買うのは絶対に禁止です。自分の業界を買いたいな
 ら、ライバル企業の株を買うべきです。自分の会社の株を買うと、万が一会社が倒産した
 ときには、仕事も資産も同時に失ってしまうからです。

マイホームは定年後を豊かにする
・定年を間近に控える50代になったら、私は家を持ったほうがよいと思います。その最大
 の理由は、定年後の生活を豊かにするためです。年金生活をしている高齢者の暮らしぶり
 を調べると、家を持っている人のほうがずっと豊かな暮らしができています。
・資産価値は、まず株価が上がって、そのあとを地価が追いかけるという順序になります。
・今回の景気回復が「勝ち組」景気だということです。庶民の生活はいっこうによくならず、
 お金持ちに所得が集中しているのですから、地価上昇もお金持ちが欲しがる一等地が中心
 になると思われます。

50代からの資産運用のコツ
・1960年から80年のインフレ時代に、20年間現金を持っていた人は当然資産が1倍
 にしかなりませんでしたが、預金した人は4倍、株式に投資した人は16倍になっていま
 す。しかも、石油危機のときに明らかになったように、預金金利は物価上昇においつかな
 い可能性が高いのです。
・老後の生活を安定させるためには、資産を株式などリスクのある商品に振り向ける必要が
 でてきます。問題は、具体的にどこの株を買えばよいのかということです。長期の未来を
 予測することは不可能です。結局、分散投資をしてリスクを減らすしかありません。でき
 るだけ幅広い業種の株を買っていくべきでしょう。
・中止しなければならないことは、少なくとも当面長期国債などの長期債券を米ドル建て商
 品を買ってはいけないということです。長期債券は金利が上昇すると自動的に値段が下が
 ります。これから金利は上昇する可能性はあっても、下がる可能性はほとんどないのです
 から。長期債券は値下がりが必至なのです。
・アメリカは日本円に直すと年間100兆円もの経常収支赤字を出しています。そんな借金
 大国の為替が維持できるはずがありません。米ドルは暴落のリスクをはらんでいるのです。

退職金の使い道
・私が携わった高齢者生活の調査の経験では、いつまでも元気で生き生きと老後を過ごして
 いる高齢者の特徴は、自分の活躍できる場、あるいは自分を必要としてくれる場を持って
 いることです。会社で培った人間関係は驚くほど早く消え去ってしまいます。定年後には
 定年後の人間関係を築かないといけないのです。
・ある程度の退職金の額があるなら、預貯金、株式、債券、外貨に分散投資して、公的年金
 生活費が不足するようになった場合に、少しずつそのときに有利なものを売っていくとい
 うのが一番効率がようでしょう。

がんばらないことの大切さ
・市場原理が貫徹している自由業の報酬の決まり方を私は「100倍の法則」と呼んでいま
 す。自由に報酬が決まる市場原理の世界では、一流と二流の間に100倍の報酬格差がつ
 くからです。
・確かに勝ち組の生活のほうがよいかもしれません。しかし、勝ち組に残れるのは、せいぜ
 い全体の数パーセントです。ということは、勝ち組になるためには熾烈な競争を勝ち抜か
 なければならない、つまり仲間をけ落さなければならないということです。
 そして勝ち残ったとしても、幸せになれるとは限りません。お金を持てば持つほど失うの
 が怖くなるからです。
・それと比べたら、最初から勝ち組になろうなどと思わなければ、年収300万円でも、人
 性はそれほどつらいものではありません。300万円あれば、人並みに食事もできるし、
 普通の服も着られる。家電製品もひととおりそろえることができる。統計で見ると年収
 300万円台の世帯でも、マイカーを持ってる世帯は7割にも達しています。
・ただし、私は仕事の手を抜けと言っているのではありません。仕事はキチンとしないと、
 リストラされてしまいます。必要なことはキチンとやったうえで、意味のないサービス残
 業をやめたり、上司にこびるために一緒にゴルフや飲み会に参加するのをやめたり、お中
 元やお歳暮をやめたらどうかという提案なのです。
・高い年収を得るために、自分の魂や健康を会社に売り渡す必要はありません。ただ、それ
 を貫くには、強い意思を持っていないと難しい。

欧州の貴族を見習う
・まずは、見栄に使うお金を減らすことから始めれば、ストレスなく節約できるのではない
 でしょうか。また、これは節約の基本なのですが、なにかを買うときには安くても良質な
 ものを選べる眼を持つこと。うわべのブランド力や見た目に大金を出すのは無意味なこと
 です。
・ギスギスした生活をしなくても出費は抑えられる。それを忘れずに、優雅な節約生活を
 心がけましょう。
・B級コレクションのススメ
・定年後の幸福を決めるのは、お金よりも生涯を通じてやることを持っているかどうかだと
 いうことでした。なんでも構いません。自分が生きがいを感じて、自分を必要としてくれ
 る場を持つことが、幸せな定年後を迎えるために必要なのです。
・何に美しさを見いだし、それをどのように整理するかというのはコレクターの感性の表現
 です。だから人からなんといわれようと、自分の感性に従って集める行為自体がとても楽
 しくてしかたがないのです。
・振り込みで小銭稼ぎ
・定年後を豊かに過ごすための一つの秘訣は、小銭を稼ぐことです。年金収入に、少し副収
 入が加わるだけで生活に潤いが生まれるからです。

幸せなトナカイ生活
・衣食住のすべてにわたって、極端な理想を描くのではなく、無理をせず、自然体で、「そ
 こそこに稼いで、ほどほどに生きる」というのが、いちばん幸せになる暮らし方なのだと
 思います。