「会社に勝て」 :小杉昌昭

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筆者は東京工業大学工学部経営工学科を卒業し、経営コンサルタント事務所を経営して、事業
戦略、組織改革、人事給与などの分野のコンサルティイング活動を行っている。
会社が社員の面倒を最後まで見てくれる時代はとうに過ぎ去り、自分の身は自分で守るしかな
い時代になった現在において、そんな時代をどう生き抜いていったらよいか記した書である。
著者は、まず自分の身を守るための武器を鍛えろと言っている。この大競争時代を生き残るた
めの決め手は「知恵」であるという。知恵こそが自分を守るための武器に他ならないという。
なお、文中に、「危機感のない生き物が世の中には存在する。オバサンという生き物である。」
という名言があるが、なるほどと納得した。

第1章 会社に頼れない時代が来た
(1)給料の個人差がどんどん拡大する  
 @給料体系がくずれた
 ・日本の大企業の社長の年収は意外と少ない。
 ・日本の社長の年収は数千万円程度が普通であり、1億円を超えるようなケースはめ
  ったにない。
 ・日本の社長の年収は、アメリカの大企業経営者の年収に比べると、夢のある金額と
  はとても言えない。
 A高額所得者ほど年収が増えているアメリカ
 ・アメリカの大企業経営者の年収は数億円はざらであり、なかには数十億円という者
  もいる。
 ・彼らのほとんどはサラリーマン経営者であり、資本家とは違う。
 ・一方アメリカには年収100万円、200万円の低収入の人々が多数存在する。
 ・アメリカは成功者が巨額の収入を得ることに対する社会的な納得性が高い。
 ・もともと貧富の差の大きいアメリカ社会で、最近その格差が急速に拡大している。
 ・アメリカの社長の年収は、25年前は新入社員の25倍だったが、今では150倍
  以上にもなっている。
 ・日本の社長の年収は、新入社員の10倍程度である。
 B給料だって需要と供給できまる
 ・アメリカ社会の所得格差の拡大は、高収入の者に対する需要の増加や、低収入の者
  に対する供給の増加を示している。
 ・能力のある者に対する需要が増加し、これといった専門知識や特殊技能を持たない
  者の価値が低下している。
 ・規制緩和をして経済を自由競争体制に変えていくことは、日本経済が世界市場の中
  で生き残るためには、避けて通れない道である。
 ・今日のアメリカで起こっていることは、明日の日本でも起こる可能性は高い。
 ・自由な経済とは「弱肉強食」のジャングルのような経済である。特別な才能や専
  門知識を持たず、腕に技術を持たない人材は、安い給料で働かされる厳しい時代が
  迫っている。
(2)賃金と雇用の破壊はこれから本番
 @ヘビとカエルの経済学
 ・40億人の資本主義経済が20億人の共済主義経済を飲み込み、「消化の苦しみ」
  を味わっている。新しくできた60億人の世界経済は、まだ十分消化されていない。
 ・アメリカでは「賃金破壊」が起こり、ヨーロッパでは「雇用破壊」が起っている。
 A日本の賃金破壊と雇用破壊はこれからが本番だ
 ・日本は売り上げ低下と雇用の維持の板挟みになって、利益を減らし「利益破壊」に
  なっている。
 ・利益破壊に耐え切れなくなった会社は、賃金か雇用か、またはその両方に手をつけ
  ることになる。いよいよ待ったなしの状況に近づいている。
 ・日本の会社の賃金破壊と雇用破壊は、むしろこれからが本番である。
(3)年功賃金破壊のメカニズム
 @新入社員は金食い虫にすぎない
 ・会社のとっては、社会人になって数年間の社員は単なるコスト要因であり、投資の
  対象である。給料はもちろんのこと、研修や先輩からの指導など、すべてはコスト
  であり、すぐには回収できる見通しはない。
 A高給者は「持ち出し」の存在
 ・年功賃金のもとでは、給与は50代まで上昇を続け、いつかは付加価値と人件費が
  逆転することになり、働きよりも給料の方が高くなり、会社にとって「持ち出し」
  の存在となる。
 ・年功序列の賃金制度は、若い頃に積み立てた年金用貯金を中高年になってから取り
  戻すような制度である。
  しかし、そのような金の貸し借りに関する契約はどこにも存在しない。
(4)現状の年俸制はまだまだ甘い
 @年俸制導入予定企業は激増中
 ・約8割の企業がすでに年俸制を導入したり、将来的に導入しようと考えている。
 A年俸制の厳しさはこれから始まる
 ・年俸制の適用対象者は、主として部課長など管理職クラスが中心であり、人件費の
  高い中高年層を狙い撃ちしたリストラ策とも受け取れる。
 ・7割以上の企業は、年俸制の対象範囲が今後拡大していくと答えており、今後は若
  年層にも浸透する勢いを示している。
 ・しかし、導入前と導入後を比較した場合、現在のところ一人当たりの人件費の伸び
  を抑制できたとする企業は19%程度であり、年俸制はまだ人件費抑制に直結して
  いないようだ。
 ・これは、本音では人件費の抑制を目的としながらも、ドライな実力主義に徹するこ
  とができず、会社側も悩んでいるようだ。
 ・日本の年俸制はまだ人件費の高い中高年層に対するショック療法の段階であるが、
  これから本格的化していく。本来の意味での年俸制は、こんな甘いものでは済まさ
  れない。
(5)本当の実力主義の厳しさとは
 @提案力がなければ社内失業者
 ・自分の働く場所とポストは自分で自ら選ぶことで、人事異動命令の必要がなくな
  り、人事部も廃止される。
 A実力主義が始まる三つの条件
 ・日本の会社で、本当の実力主義が実現されるようになるには、次の三つの条件が整
  ったときである、
 ・第一条件は、能力の「市場価格」が明らかになることである。
  社内人材と社外人材の能力比較であり、従来の終身雇用のもとでは、能力の社内価
  格と市場価格が大きく乖離していた。この二つが近づくことが、客観性のある能力
  評価の前提である。
 ・第二条件は、個人やチームの貢献を正しく評価し、処遇に結びつけることができる
  ような仕組みの整備である。
  いわゆる業績評価と報酬の制度だが、日本の会社はこれが非常に弱い。
 ・第三条件は、社内に「自己主張の文化」が定着することである。
  自分が会社の中で実行したい課題を発見し、これを実現可能な形で計画化し、その
  実行に自分がふさわしいことを社内アピールできるような自由な雰囲気のことで
  ある。
(6)退職金制度は廃止の方向にある
 @見直しの動きが活発な退職金制度
 ・従来の退職金は、おおかまに言えば退職時の基本給に勤続年数を掛けて算出してい
  た。単純化して言えば、10年勤続者の退職金と比べ、20年勤続者は4倍、30
  年勤続者は9倍の退職金を受け取ることができる。
 ・もし、40歳前後で1回転職すると、生涯に受け取る退職金の4割近くを失うほど
  の覚悟が必要だった。
 ・そのために、今の会社の中では十分能力を発揮できないと思っていても、転職を思
  いとどまり、定年まで「忍耐の日々」を過ごすという生き方が多かった。これは本
  人にとっても辛いが、せっかくの能力を埋もれさせることにもなり、社会的に大き
  な損失だった。大企業では窓際族でも、ベンチャー・ビジネスへ移れば、活躍のチャ
  ンスはいくらでもある。
 A人材の流動化を阻止する現行の退職金制度
 ・年をとってから高い給料をもらっても手遅れで、若いうちから高収入を得て、人生
  を楽しみたいというのが本音になりつつある。そのため、退職金を廃止して、その
  分を前払いしてくれる方式に大いに魅力を感じるようになりつつある。
 B近づきつつある退職年金制度の限界
 ・退職金制度の機能には、功労報償説、生活保障説、賃金後払い説などの解釈がある
  が、最近では賃金後払い説が強い。
 ・リストラに追われる企業では、退職金の優遇で人員整理を進めているところがあり、
  終身雇用の象徴的存在だった退職金の機能は、現在大きく変化しつつある。

第2章 会社の本音は45歳定年だ
(1)早期退職優遇制度と職場いじめ
 @会社の本音は不要社員の追い出し
 ・大企業の人員整理は、露骨な指名解雇のような荒っぽい方法は避け、早期退職優遇
  制度という穏やかな手法が普通になった。45歳とか50歳を過ぎた社員には、本
  人の判断で会社を去ってくれれば、退職金の積み増しのような優遇策を設けるよう
  になった。こうまでしても「不要な社員」を追い出したいという会社の本音が見え
  る。
 A激増する中高年社員への「職場いじめ」
 ・会社が中高年社員を追い出そうとする「厳しい本音」の背景には、単に人件費を抑
  えたいという理由ばかりではなく、中高年を減らすことにより組織の若返りをはか
  り、激変する事業環境に対する適応能力を少しでも高めておこうとする経営者の意
  思がある。
 ・不況に苦しむ会社が「職場いじめ」を利用して、中高年社員を自発的に退職に追い
  込もうとしている姿も目につく。自己都合退職にすれば、退職金を節約できるから
  である。
 ・早期退職優遇制度は最後の切り札にならなかった。辞めてほしくない優秀な社員ほ
  ど、社外でも通用するので率先して退職してしまった。
 Bバブル世代の若手社員にも厳しい視線が
 ・早期退職優遇制度の対象年齢も、従来の45歳前後から最近では30代前半まで対
  象が広がっている。
 ・特に企業から厳しい目で見られているのが、バブル期に入社した世代である。彼ら
  は極端に人手不足の中で就職し、それまで入社が難しかった一流企業にも難なく入
  社した。入社してからも人手不足が続いたので、会社は彼らが退職しないようにご
  機嫌を取り、彼らの中には「働いてやっている」という意識が育った。
 ・労働省は65歳定年制を目指して、法制化の準備を進めているが、利益破壊に苦し
  む会社に現状はそんなに甘いものではない。早期退職優遇制度が普及する中で、現
  行の60歳定年制の維持も難しそうだ。
(2)会社は社員の独立を歓迎している
 @独立や転職を積極的に後押しする施策
 ・本音で45歳定年を考えるようになった会社側では、今では社員の転職や独立を嫌
  うどころか、むしろ心待ちするようになってきている。今では社員の退職促進策と
  して、退職金の上積みだけでなく、社員の独立や転職を積極的に後押しする施策が
  多の会社で取り入れられている。
 A独立支援制度の活用ポイント
 ・身内としての甘えを捨て去ること。
  在職中の人脈の効果は時と共にだんだん薄れていくと思わなければならない。
 ・独立の動機が自発的であること。
  独立支援制を導入した会社側の動機には、人減らし対策が濃厚に存在していること
  を忘れてはならない。
 ・収入は生活水準が下がっても、やり抜く覚悟を持つこと。
  独立の成功率は一般的にあまり高くない。サラリーマン時代より収入が下がっても
  よいから独立したいというくらいの覚悟が必要である。
(3)独立にはタイミングがある
 @転職よりも独立したい
 ・サラリーマンを辞めて独立するにはタイミングが重要である。遅くとも45歳ぐら
  いまでに独立するのがよいと言われている。これは独立に失敗しても45歳前なら
  ば致命傷になりにくいという考えからきている。これ以降の年齢になると、失敗す
  ると次にチャレンジする勇気を失う。
 A独立のための追い風が吹いている
 ・お金を失うのは「少し」失うこと。名誉を失うのは「大きく」失うこと。勇気を失
  うのは「全て」を失いことである。
 ・最近の通年採用の普及で、中高年の再就職も少しずつ間口が広がりつつある。定年
  近くになって、リストラの対象にされて放りだされるくらいなら、会社からクビを
  切られる前に自分の首を自分で切って独立するという選択が合理性を帯びてきてい
  る。
 ・リストラされなくても、定年になってから「自分の人生はこんなはずではなかった」
  と後悔するのではつまらない。
 ・不景気の時にスタートした方が、最初は苦しいかもしれないが、会社は長く続くよ
  うだ。
(4)資格試験は独立の落とし穴
 @おいしい資格は少ない
 ・今の日本には、それだけですぐに高収入に結びつくような「おいしい資格」はほと
  んどない。
 ・通信教育の会社や資格受験の予備校は、受験希望者が増えてくれないと商売になら
  ないから、資格試験に合格さえすれば「おいしい生活」が待っているような甘い説
  明をする。
 ・資格試験の中で、最難関と言われる弁護士や公認会計士でも、国家試験に合格して
  から数年間の見習い期間がある。見習いを終えても、優良顧客に恵まれなければ、
  高収入は見込めない。資格があれば、それだけで仕事が舞い込んでくるほど世の中
  は甘くない。本当の競争は、試験に合格してから始まる。
 A本当の資格は「センス」の善し悪し
 ・資格よりも、情報に対する論理的な思考能力や、問題の本質を直感的に把握する能
  力のような、努力では乗り越えにくい「センス」の善し悪しがものをいう。
(5)外資系企業は転職の落とし穴
 @外資系企業の採用は空いたポストの穴埋め
 ・外資系企業は「空いたポストを埋める」というスタイルが多い。特定のポストが新
  設されたり、従来のポストから人が辞めたりすると、そのポストにふさわしい人材
  を探し採用する。
 A良くも悪くも本人の実力次第
 ・外資系企業は「取り替えるマネジメント」である。育てようとする姿勢が弱い。現
  在のポストにふさわしい働きをしない人は、育つのを待ってもらったり、社内で異
  動させられるのではなく、「外へ」出される。つまりクビである。
 ・即戦力として自分の能力に自信のある人は、能力に応じた処遇を若いうちから手に
  入れることができる。しかし、本人に自信があっても、結果が出ず、会社側の期待
  に添うことができなければ「外へ」だされる。
 ・社内カルチャーも、組織の和よりも、自己主張が優先される。会議などでも「黙っ
  ているのは無能の証明」と見なされる。
 ・このような企業カルチャーが外資系企業の組織活力を生み出しているが、下手をす
  ると組織の和などゼロで、社内は足の引っ張り合いというすさんだ職場になること
  もある。
 ・一部の外資系企業では、本国の親会社の発言力が強大で、重要な意思決定はすべて
  本国にお伺いを立てるところもある。日本の子会社側では、重要なことは何一つ決
  められない。

第3章 会社に頼らない生き方とは
(1)時代の波を楽しく泳ぐ条件
 @終身雇用をアテにしない世代の入社
 ・日本の会社は、運命共同体のようなところもあるが、基本的にはライバル会社との
  競争に勝ち、利益を生み出すことで、その存在を維持している。利益を上げるため
  に役に立つ人材を切ることはない。付加価値が人件費を上回っている人材は、会社
  にとって「必要な存在」であり、会社に対して強い姿勢で臨むことができる。
 ・現在、中高年が厳しい状況にあるのは、高い給料を受け取っているので、付加価値
  と人件費が逆転しやすいからにほかならない。「高いところに登れば危険が高まる」
  という原理はここにも成り立つ。
 A人生展開力があればむしろ面白い時代だ
 ・「会社に頼れない時代」は、会社にしがみつく人間には非常に厳しい時代である。
  終身雇用や年功序列といった日本的雇用慣行の変化の中で、個人も新しい生き方が
  求められている。
 ・会社に頼らず、会社の外で通用する専門知識やスキルを身に付けることが、生活の
  安心のためだけでなく、精神の安定のためにも必要になってくる。
 ・「会社に勝て」ということは、会社の意向に左右されず、自主独立の気概を持ち、
  時代の変化を「人生展開のチャンス」ととらえ、創造的でしなやかな生き方を目指
  す、そんな新しい生き方のことである。
 ・そのための必要条件は、自分自身を「必要な存在」に維持することであり、己のた
  めに主体的に努力を続けることに他ならない。
(2)これからの時代に必要な存在とは
 @付加価値の高いビジネスこそ「実業」
 ・ビジネスの世界では、大きく分けて「コスト優位」と「差別化」という二つの戦略
  がある。
 A差別化と知恵の創造
 ・今の世の中は、どこの会社でも工場の稼働率は低下し、営業所では売れる商品がな
  く困っている。社会全体に「作る能力」と「売る能力」は余っており、「考える能
  力」だけが不足している。
 ・ビジネス感覚の中でも特に重要なのは、これから先に「何が余り、何が不足するか」
  を的確に見抜く能力である。
 ・知的職人の一部は、会社を飛び出して自分で会社を作り、今までの会社を下請けに
  使うところまで現れている。
 ・これからの時代の「必要な存在」とは、知的職人のことである。
(3)能力は本場で鍛えるのが一番
 @アウトソウーシングとライトサイジングの時代に
 ・コスト優位戦略の時代には、規模の効果は絶大だったが、差別化戦略の時代には、
  身動きの軽さの方が重要になってきた。やみくもに会社を大きくすることよりも、
  「会社の適正規模」にこだわるようになってきた。
 ・特に利益破壊に苦しむ多くの会社では、直接利益に結びつかない間接部門の業務を、
  社外にアウトソーシングするケースが増加した。
 ・ビジネスチャンスに対する身動きの軽さを追求し、自社の得意分野を特化して、差
  別化戦略で生き残りを果たそうとしている。
 A資源の投入はコア・コンピタンスに
 ・知的職人として会社の中で働きながら能力を鍛えるつもりなら、これから鍛えよう
  としている能力が、その会社のコア・コンピタンスに重なるようになるような会社
  で働くのが理想である。
 B間接部門には「社内のお役所」が多い
 ・従来の間接部門は、一種の「社内独占企業」だから、競争がなく「社内のお役所様」
  に陥ることが多い。社内のお役所様は、社内の独占企業という本人の能力とは無関
  係な理由で、社内から必要とされているに過ぎない。
 ・そんな職場に長くいても、その会社の中だけの「便利な存在」になってしまう危険
  性が大きい。
(4)ゼネラリストは価値が低下する
 @会社に慣れてはいけない時代だ
 ・海外では、どういう会社に入ったかよりも、どういう職に就いたかが重要で、日本
  でも今後は年俸制が広がる。
 ・終身雇用制に代表される日本的な経営の時代は終わり、今後は個々の仕事に基づい
  て報酬を貰う、プロの時代が始まろうとしている
 Aもはやゼネラリストは不要な存在
 ・従来の日本企業の中で重宝されてきた「ゼネラリスト」とは、社内の人間関係に通
  じ、暗黙の社内ルールや縄張りを熟知し、職場文化に沿った細かい気配りを通じて、
  仕事を進めるタイプの人材だった。
 ・しかし、従来の「ゼネラリスト」は「必要な存在」から「便利な存在」に格下げに
  なり、今では「不要な存在」になりつつある。
(5)いつも忙しいのは無能の証明
 @「汗水たらして」は偉くない
 ・日本の会社の中で「働き者」と言われている人の中には、勤勉だがものを考えない
  タイプの人が少なくない。自分の頭で考え抜くという「実務」を避けて、安易なみ
  せかけの作業に逃避している。一見すると忙しそうであり、会社に大いに貢献して
  いるようだが、その業務の中身を冷静に分析してみると、付加価値の低い「虚務」
  ばかりということになる。
 ・このような「虚務家」は、仕事のアマチュアであり、いつも忙しがっているのは
  「無能の証明」である。
 ・知的職人になる第一歩は、「虚務」すなわち無駄な仕事を、徹底的に排除すること
  から始まる。
 A「手を抜く」のも能力のうち
 ・効率化運動で、ます第一に考えるべきことは、「虚務」を見つけ出して、今すぐに
  やめることである。
 ・毎日一枚の紙を用意して、その日の仕事をリストアップし、優先順位を判断するま
  で仕事には着手しない。これを身に付ければ「必要な存在」になるための効果的な
  習慣になることは間違いない。
 ・優先順位の高い仕事には、思い切って時間を配分し、優先順位の低い仕事は、思い
  切って手を抜く。
(6)知的職人のプライドとは
 @知的職人は腕にこだわる
 ・知的職人は、彼らの知的創造能力、すなわち「腕」にこだわる。
 ・彼らの中では「腕の差」すなわち知的創造能力だけが問題なのであり、地位や人間
  関係は二次的となる。能力の劣るメンバーは、初めは批判の的になるが、やがて無
  視されるようになり、最後は距離をおいて、あわれみの対象となる。
 ・知的職人の世界では、見習いは先輩から職人技を「盗む」のである。それもそのは
  ずで、見習いが一人前になれば、自分のライバルになる。下手に指導すれば、敵の
  塩を送るようなことにもなる。本当の実力主義とは、そんなドライな世界である。
 Aこれからは仕事と生活水準を選ぶ時代に
 ・知的職人は自分で自分を管理する。これらには、知的職人の側が、そのプライドの
  現れとして、管理されることを拒否する側面があると同時に、会社側から言えば、
  管理しても管理できない事情がある。
 ・上司やリーダーでも、その内容の詳細まで理解することが不可能である。だから知
  的職人に対するマネジメントでは、結果で評価する他はなくなる。
 ・日本の会社は、従来の「ゼネラリスト」中心の組織を改め、知的職人が中心になる、
  機能的な組織に変化していくだろう。そのような組織の中で、「必要な存在」になり、
  たくましく人生を展開していくためには、厳しさの中で知的職人としてのプライド
  を持ちながら、人生を送る覚悟を必要とする。
 ・これからの時代は、個人の価値観に基づいて「仕事と生活水準を選ぶ時代」なる。
  給が安くていいから、のんびりやりたいというのも一つの生き方だし、脳細胞を酷
  使して、厳しいけれども世の中にとって「必要な存在」になり、豊かな生活を追求
  するのも一つの生き方である。

第4章 付加価値の泉は脳細胞にある
(1)脳細胞を徹底的に酷使せよ
 @「脳味噌しぼって」働く人が評価される
 ・昔は「汗水たらして」働く人が評価されたが、今は「脳味噌しぼって」働く人が評
  価される。
 ・たたき台を作るという作業は、脳細胞を猛烈に酷使する。
 ・他人が作った「たたき台」を批判して意見を言うことは、多くの場合、もとになっ
  ている「たたき台」を作るよりもやさしい。
 ・他人の作った「たたき台」に対して、単に意見を言うだけの人は「大人の肩の上の
  子供」になるおそれがある。
 Aたたき台作成を避けるタイプの弱点
 ・「たたき台」の作成を避ける人には、綿密な思考が苦手なタイプが多い。もう一つ
  のタイプは「ものぐさ」なのである。
 ・「たたき台」を作るのが苦手な人は一枚の紙を用意して、要点をメモする練習から
  始めるとよい。
(2)悪性パラダイムの恐ろしさ
 @明るい所で財布を捜している
 ・企業の中の問題解決で、「解決すべき問題」ではなく「解決し易い問題」に取り組
  んでいることが多い。
 ・個人でも組織でも、人間というものは、自分が長年親しんできたやり方とか、かつ
  てうまくいった方法を、引き続き使い続ける習性がある。
 A新しい良性パラダイムを発見できる能力を
 ・パラダイムは、組織にも個人にも存在するが、従来のパラダイムが悪性化した時に、
  いち早く新しい良性パラダイムを発見し、それに乗り換えることはやさしいことで
  はない。これができる人のことを「天才」と呼ぶこともあるくらいだ。
 ・順調に成長してきた会社がつまづき、混乱に陥り、最後には倒産する。その背景に
  は、たいてい、悪性パラダイムへの「しがみつき」がある。
(3)危機には積極的に効用がある
 @パラダイム転換は視点を変えることから
 ・古いパラダイムでは解決不可能な問題に直面し、壁の前でもがき苦しみ、場合によ
  っては絶望する中で、知的職人は自分が置かれている状況に対する「新しい解釈」
  を発見する。これが「パラダイム転換」と呼ばれる現象である。
 ・解決できない問題が引き金になってパラダイム転換が起こるから、理解できない現
  象(壁)に出会った時が、知的職人の勝負の時である。
 ・理解不可能な事実をじっくり検討し、これまでのやり方を変える柔軟さを持てば、
  いずれ壁は越えられる。固定観念(悪性パラダイム)を捨てるというのは、そうい
  うことだ。
 A目からウロコが落ちる快感を
 ・何か新しいものを生み出そうと思ったら、「創造は壁にぶつかった時から始まる」
  と肝に銘じなければならない。
  「小さな失敗」という名の壁にぶつかり、危機の中でもがき苦しみ、その中で何か
  を見つけることで創造が行われる。そして高い付加価値が生まれる。
 ・危機感のないところに創造は生まれない。
 ・危機感のない生き物が世の中には存在する。「オバサン」という生き物である。歳
  をとっても「オバサン」になるとは限らない。危機感を失うから「オバサン」にな
  るのである。
(4)特許より価値がある発明とは
 @付加価値と収入は「ニーズと解決策の新しい組み合わせ」によって
 ・知的職人とは「ニーズと解決策の新しい組み合わせ」に関わる人々である。現代に
  おいて、高い付加価値と収入は「ニーズと解決策の新しい組み合わせ」によっても
  たらされている。
 ・なぜ「古い組み合わせ」ではダメかというと、それは世の中にあふれており、供給
  過剰になっているからである。
 A「差別化」を永続させることは難しい
 ・「新しい組み合わせ」を発見しても、それが高い付加価値を生み出すのは、ライバ
  ルが追随するまでの短い期間に限られる。「差別化」を永続させることは難しい。
 ・現代のように、解決策が過剰に存在している成熟社会では、新しいニーズの発見は、
  特許に値するような高度な解決策の発見よりも、大きな付加価値を生むことがある。
(5)発明者は真のニーズに気づかない
 @テレビの真のニーズは?
 ・高い付加価値は「ニーズ」と解決策の新しい組み合わせ」から生まれるものなので、
  解決策だけの専門家では、その分だけ会社に対して立場が弱くなる。
 ・歴史上の有名な発明でも、発明者が真のニーズに気づかなかった例は少なくない。
 A真のニーズの発見者が付加価値を手に入れている
 ・発明から得られる付加価値の多くは、元の発明者ではなく、真のニーズの発見者が
  手に入れていることを忘れてはならない。
 ・事業化に成功するには、アイデアレベルの1000倍、発明からでも100倍のエ
  ネルギーを要する。
(6)脳の開放がアイデアを生み出す
 @脳細胞を酷使していなければアイデアは生まれない
 ・知的職人が、危機の中でもがき苦しみ、集中力を発揮しても、それだけで新しいア
  イデアが生まれるとは限らない。集中的に情報をインプットして、脳細胞を酷使し
  てから、しばらく潜在意識に考えさせることで、驚くようなアイデアが生まれる。
 A「受け皿」となる自分専用のメモ帳のすすめ
 ・自分のアイデアだけでなく、人から聞いた話しの中でピンときた情報や、街歩きを
  していて目についた情報などを、その場ですぐにメモすることが大切だ。
 ・自分専用のメモが大切な理由は二つある。一つはそれがオリジナリティの源泉であ
  り、もう一つは、それがまだ曖昧なアイデアを明確化を可能にするからである。自
  分専用のメモは、水面下の潜在意識と、水面上の意識的な思考をつなぐ「架け橋」
  として機能する。
(7)創造とはリンクの発見である
 ・まったく新しい創造はほとんど存在しない
 ・近づきつつある「世界は一脳」時代
 ・ブラウジングでリンクを張り巡らす
(8)孤独な時間は創造の必要条件
 ・毎朝思い切り泣く女性プロデューサー
 ・日本の会社の大部屋主義の功罪
(9)成功は論争を沈黙させる
 ・相手を説得する方法
 ・これからは「しなかった」責任が問われる
(10)脳細胞をベストに保て
 ・理不尽な配置転換に苦しむ必要はない
 ・本当に「ねばならない」ことなんか、ほとんどない

第5章 知のリストラで頭脳再生せよ
(1)ビジネスにおいて無知は罪悪だ
 @30歳から45歳までの黄金の15年
 ・30歳から45歳までの15年間は、ビジネスマンにとって「黄金の15年間」で
  あると同時に「魔の15年間」でもある。この15年間に、自分なりの能力開発の
  ための長期ビジョンを持って過ごした人と、単に会社に求めるまま脇目もふらずに
  働く人との間では大きな較差が生ずる。
 ・能力が陳腐化して、時代遅れになってしまった社員には、厳しい時代が訪れようと
  している。常に時代の変化に対応して、自分の能力のブラッシュアップをはかる責
  任は、会社ではなく、ビジネスマン本人に求められる時代が到来した。
 A数回の転職は当たり前の時代がやってくる
 ・不遇の時は、充電のチャンスである。不遇の時でも自分の可能性を信じて自分を鍛
  え、チャンスに備える。
 ・実力主義の社会では、実力の積み上げがなければ、デビューはできない。
 ・知的職人として、会社に頼らない生き方を志向するなら、能力開発は、自己責任
  で行わなければならない。ビジネスにおいて無知は罪悪であり、知的職人には充電
  責任がある。
 ・そして、日常的な充電とは別に、少なくとも5年おきに、大規模な専門知識の棚卸
  しが必要になる。陳腐化して使いものにならなくなった知識を捨てて、自分の能力
  在庫の再編成を行うのである。このような「知のリストラ」を実施しないと、あな
  た自身が不良在庫になり、リストラの対象となる。
(2)知的職人は使うほど価値が増す
 @強いものはますます強くなる
 ・資本主義の競争経済では、ますます「考える能力」が、競争に勝ち抜くための決め
  手となりつつある。「考える力」の強弱が、貧富の格差に直結する。
 ・知的職人の世界では「強い者はますます強く」という原理がストレートに働く。
 A会社は自己の創造性を発揮するための道具
 ・真のノウハウは、実際に知的創造活動を遂行する中でだけ生み出され、身に付ける
  ことができる、本を読んだり、先輩から学んだりして身に付けることができるノウ
  ハウは、初歩的な部分だけである。
 ・優秀な知的職人には、活躍の機会が多く与えられ、その中で能力に磨きをかけ、ま
  すます多くの機会恵まれるようになる。そして、ますます能力が高まる。
 ・このような良循環サイクルの究極の段階に達した知的職人にとって、会社という存
  在は、自己の創造性を発揮するための道具の一種に過ぎなくなる。
(3)富士山には五合目から登れ
 @無駄な労力は徹底的に省け
 ・仕事の中だけでの充電では、単なる経験の集積にすぎない「断片的な頭」になって
  しまう。定期的に「体系的な知識」を充電することで、経験情報の整理が可能にな
  り、そこから自分なりに原理原則を抽出して、新たな問題への対応能力を高めるこ
  とができる。
 A本を読むことの上手下手が優劣を決定
 ・「体系的な知識」を充電する方法は、なんと言っても本を読むことに尽きる。体系
  的な知識を身に付けるために、これほど効率的で、安上がりな方法はない。
 ・情報の厚みや幅の広さからいって、書籍に替わるものはない。
 ・本を読むことの上手下手が、知的職人の優劣の、かなりの部分を決定している。
(4)情報過多の時代の情報センス
 @情報オタクの泥沼に陥るな
 ・現代は情報過多の時代である。情報収集のパラダイムを根本的に転換する必要があ
  る。情報は、多ければ良いというものではない。
 ・情報過多の時代には「情報に距離をおく能力」が重要になり、これは判断力の問題
  である。
 ・情報収集センスを鍛えることなく、ただやみくもに情報収集に走ると、情報過多の
  よる分析不能に陥り、身動きが取れない状態になる。
 A情報収集のための3つのポイント
 ・「情報と距離感」を常に意識すること
  情報オタクにならないように注意すること。
 ・目的に応じて収集方法を変えること
  思想とデータを区別して収集方法をかえること。
 ・「他人の頭」を活用すること。
  自分の得意分野は自分で収集し、その情報と交換に、他人の情報を教えてもらう。
(5)自分のカタログを作る
 @年に1度は能力の棚折しを
 ・定期的に「自分のカタログ」すなわち自分自身の能力の在庫リストを作るべきであ
  る。今までの人生で何をしてきたか。今なのができるか。これからの人生で何がし
  たいかを作る。
 A充電は「得意分野に焦点を絞る」のが大原則
 ・充電は「得意分野に焦点を絞る」のが大原則である。
 ・一分野を熟知し、得意分野を形成すると、他の分野にも洞察力が効くようになる。
 ・苦手分野は、それが必要性の低いものなら「放っておく」のが原則だ。
 ・必要性がそこそこ高いなら「人並みを目指す」のが原則だ。
・苦手分野だが、必要性が非常に高い時は、専門を見直すべきだ。
(6)仕事を楽しむ秘訣は初期充電
 @基礎を覚えるまでの初期充電期間が必要だ
 ・知的職人は、仕事を楽しんでいる。
 ・仕事を楽しむための秘訣は、一定期間、楽しくなくても仕事に熱中することである。
 ・どんな仕事でも、最初から楽しい仕事は少ない。基礎を覚えるまでの「初期充電期
  間」が必要だ。
 A初期充電期間の短い仕事は要注意
 ・初期充電期間が短い場合は要注意である。そのような仕事には、「すぐ飽きる」、
  「競争相手が多い」という落とし穴が待っている。
 ・初期充電期間が短い仕事は、すぐに若い人に追いつかれてしまうから、中高年にな
  ってから辛くなる。

第6章 プロは自分で自分を管理する
(1)目標へのコミットメント
 @会社よりも自分が大切
 A目標には自発性がなによりも大切だ
 ・他人から強制された目標や、いやいやながらの義務感にもとづいて設定された目標
  は、心の底から「達成したいという気持ちになりにくい。自発性がなにより重要であ
  る。
(2)達成意欲と目標水準の関係
 @達成意欲の高い人の目標設定の仕方
 ・達成意欲の高い人は、現在の能力よりも「少し高い」目標を設定する。そして、そ
  れまでの能力水準より「少し」背伸びをして、苦労しながら目標を達成する。そし
  て、達成感を味わう。
 A達成意欲の低い人の目標設定の2パターン
 ・現在の能力水準よりも低く目標を設定する。簡単に達成できるから、達成感も生ま
  れず、自信もつかない。背伸びがないから能力も伸びない。
 ・現在の能力水準に比べて、はるかに高い目標を設定する。そして達成に失敗して挫
  折感を味わう。
 Bまず成功して達成感を味わうこと
 ・「小さな成功」を体験して、達成感を味わい、自分に自信をつけさせることである。
 ・自分に自信が芽生えるまでは「失敗は成功のもと」などと考えてはならない。小さ
  な成功は大きな成功のもとと考えることである。
(3)ワークデザインの考え方
 @ワークデザインの特徴は「目標の分解」
 A本当に追求したいものを把握すること
 ・自分の本当に追求したいものをきちんと把握しておかないと、あとあと後悔するこ
  とになるから、世間体などに縛られずに、固定観念を捨てて、素直な心で考えるこ
  とが大切である。
(4)達成感を味わうから「はまる」
 @達成感を味わうためのPDSサイクル
 A日々の行動設定記憶をとることからスタート
 ・自己管理能力を高めるには、計画や目標設定よりも、行動の記録が先である。
 ・行動の記録のメモを書きながら「達成感」を味わうこと。
 ・せっかく作った記録は、読み返しをしたり、月末に集計したりして活用する。
(5)知的職人は仕事と遊びを分けない
 @仕事が楽しければこの世は天国
 ・仕事がつまらなければ、人生の半分以上は、砂をかむような忍耐の時間になる。
 ・仕事が楽しければ、人生はわくわくするような冒険の日々になる。
 ・仕事を楽しむことに飽きたら遊びに移り、遊びに疲れたら仕事に戻る。
 A仕事神聖主義は奴隷の論理
 ・大切なのは、苦労ではなく、知恵だ。そのような知恵は、仕事と遊びを分けるよう
  な硬直した考え方からは生まれてこない。
(6)楽しむ者だけが生き残る世界
 @苦労よりも「働くことの意味」
 ・夢やロマンの感じられる仕事には、ハードワークもいとわないし、それを苦労とも
  感じない。
 ・仕事を楽しむということは、このようなロマン、「意味の感じられる仕事をする」
  ということである。
 ・「自由と達成感」こそ、知的職人の仕事の本質であり、仕事の楽しさの源泉である。
 A知的職人にはポジティブ・エネルギーが必要
(7)知的職人は仕事を選ぶ
 @仕事の選択肢は5万種類ある
 ・大切なのは「会社選び」ではなく「仕事選び」である。
 A仕事選びにはわがままも必要