「快楽なくして何が人生」 :団鬼六

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 人生において何に価値を見出すのか。ひとそれぞれであると思う。仕事に価値を見出
す人もいるだろう。そして筆者のように快楽に価値を見出す人もいる。「快楽の追求こ
そ人間の本性にかなった生き方である」というのが筆者の生き方である。おそらく間違
ってはいないだろう。ただ露骨にそれを出してしまうと社会的に非難されるから隠して
いるだけであろう。そういう筆者も女性関係にはいろいろ苦労したようである。快楽の
追求は自分一人でできるなら簡単であろうが、相手が必要だから、その実現には筆者も
なかなか苦労したようである。
「真面目くさって一生懸命働いたって、この世は夢のようなもの」とのことである。心
が揺さぶられるような言葉である。

まえがき
・真面目くさって一生懸命働いたって、この世は夢のようなものだ、遊べ、遊べ。
・人間にとって遊ぶということが最も本性にかなった生き方だ。
・事業計画とか、家族計画のことではなく、そんなことは七十を過ぎてからあたふたし
 たってしょうがないのですが、自分は果たして心から快楽を得たことがあったか、自
 分がやり残してきてというのはつまり、快楽のことなんです。
・これまで得た快楽というのは本物だったのか、どうも疑わしいのです。若いとき、私
 の得た快楽は今から思うと何だか偽物であったような気がして、女にしても、よくあ
 んな程度の低い女を血眼になって追いかけ廻したものだと若気の過ちというものを感
 じているのです。
・ようやく人生というものがわかってきて、女というものを見極める眼が備わってきた
 ときには、自分はもう若くて青々した草や木の生い茂る森から出なければならぬ老境
 に達してしまっているのです。これが何とも悲しい。

死ぬまで酒、煙草、女はやめない
・私は子どもの頃から平凡主義、快楽主義であったらしく、世の中は快楽さえ追求して
 いけばそれでいいと思ってました。平凡なる現象を追って盲目的な力に屈従していけ
 ばいいと思ってました。
・快楽は人間にとって一種の激情であって、激情のない人生なんて考えられません。

気持ちだけは老け込まない
・最近、頻繁に中学、高校、大学時代の同窓会が開かれるようになり、あれは年をとっ
 てくると昔の仲間の元気な顔が見られるという一種の老人病になった幹事の音頭によ
 るものですが、どうもあの同窓会というのは好きにならないのです。かつてははつら
 つとしていた友人たちの老醜無残に成り果てた顔を見たくはないのです。自分の方だ
 って相当老醜化しているのですが、それは考えたくない。

老齢者の心境
・老人というものは年齢と共に一緒の諦めを持ち、一日一日、自分が滅んでいくのを楽
 しむ心境になるべきなのか、それが老人の均衡のとれた生活か、こういう考え方に反
 発する老齢者は大勢いると思われます。

経営者に快楽教を説く
・人間の本然の生き方は快楽に浸ることである。

快楽教団構想
・人間が自分を信じる力を失いと、麻原彰晃のような狂人の顕示に耳を傾けざるを得な
 くなる。

戦後デカダンス
・世の中の暮らし方というものは大雑把にいうと二通りあって、遊んで暮らすか、働い
 て暮らすか、だけなんです。一生懸命、遊んで暮らすのも一生懸命、働いて暮らすの
 も人の生き方であって結局は同じではないかと思いました。

女の魔性
・一見、貞淑そうで、温良に見えていた人妻が大胆な不倫行為を行って周囲の者を驚か
 したということは長い人生の中でずいぶん見てきましたが、要するに女性というもの
 は、山の霊気に当てられて行きずりの男とでもふとテントに入ってしまう魔性を本然
 的に持っているということなんです。

男の未練
・いざ、分かれるとなると女の方はサバサバしていて、これでもこいつ女かと疑いたく
 なるくらい未練を残さないんです。そういう場合の女の冷酷さに舌を巻くときがあり
 ます。
・分かれに対して男の未練たらしさというものは男の自惚れに起因しているものであっ
 て長い期間、肉体を共有し、ベッドの中では自分に対してあんな大胆なポーズまでと
 り、好きよ、好きよ、もっと強く抱いて、昂った声を出し続けた女がいざ別れるとい
 う段になるとこうも白々しいばかりに冷酷になり切れるというのが男は不思議に思う
 のです。

愛人を持つべし
・妻が可哀相だなどといって浮気を差し控えていては男としての資格はないんです。英
 雄、色を好む、といってふんぞり返っていてかまわないと思うんです。
・だが、これはいわゆる浮気、不特定多数の女との浮気であれば普通は許されるもので
 あって、私のように特定の女一人を選んで愛人に据えるという話になると妻の機嫌を
 損じることは必定です。

女流ポルノ作家からの抗議
・人妻の中には自分だけの可愛い亭主が単に一時の遊興にせよ、他の女の肌に触れるこ
 とには生理的に我慢できないという者もいるいようです。

男の願望
・男は家庭的な妻型の女性と、牝的要素を持った情婦的女性、この二人を共有しなけれ
 ば成り立たないのではないかと思うのです。

処女喪失
・女性というのは性的経験の多い男性を尊敬し、性的経験の豊富な男性との恋を好むも
 の。