「年金・月21万円の海外暮らし」 :立道和子

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 今や、多くの人が海外での滞在をリタイア後の選択肢として考えるようになったと言われる。海外
で老後を過ごすとことが身近になってきた。特に、日本より物価の安い国で暮らせば、年金程度の収
入でも、比較的豊かな暮らしができそうである。海外に永住とまではいかなくても、数ヶ月間程度を
気に入った国で暮らしてみるのも、いろいろ刺激ある毎日が送れて楽しいかもしれない。
 私自身は以前からタイに興味を持っている。「微笑みの国」と言われるタイで生活してみたいなと
思って、タイでの生活体験記などを読んで憧れている。
 この本は、会社を55歳で早期退職して、年金月21万円で海外暮らしを自ら実践した体験記であ
る。私がこの本を読んでちょっと疑問に思ったのは「60歳までは会社からもらえる月々21万円の
年金がたより。60歳を過ぎたら唯一の収入になる厚生年金は確実にもっと少ない」と書いてある部
分である。筆者は55歳まで出版社にお勤めだったとのことであるが、どういう制度で55歳から
21万円もの年金がもらえるのか分からないが、ずいぶん恵まれた制度のある会社だったんだなと、
うらやましく感じた。

はじめに
 ・平成11年に行われた調査によると、60歳以上の人1ヶ月あたりの生活費は26万円ほどだと
  いう。
 ・55歳は区切りがいい。55歳からの人生の残り時間は、よくてあと20年そこらのものだろう。
  外国で暮らしたいと考えながら、のんびり定年を待っていたら、残された時間がますます少なく
  なる。体力が衰えないうちに、気力が残っているうちに、やりたいことをやっておくほうがいい。
 ・住む場所を選ぶにあたって、私にはいくつかの条件があった。
   ・治安のいいところ
   ・海に近いところ
   ・暖かいところ
   ・食べ物がおいしいところ
   ・人々の優しいところ
   ・物価が安いところ
   ・片言の英語が通じるところ
 ・これらの条件を満たすところは、タイのバンコクとマレーシアのペナンとハワイであった。
 ・日本から6〜7時間南西に向かって飛んで行くとタイやマレーシアがあり、東側に同時間飛ぶと
  ハワイがある。タイとの時差は2時間、ハワイとの時差は19時間である。

序章
 ・会社を辞めてみると、生活にかかる費用は、計算どおりいかないことがたちまちわかった。まず、
  地方税が高すぎるのである。年に95万8000円も取られた。年収が250万円程度の年金暮
  らしになって、なおこんな税金を払わなければならないとは。
 ・90日以内なら、ハワイやペナンではビザがいらない。バンコクは31日以上の滞在か、片道切
  符で入国する場合にはビザが必要だが、3ヶ月の観光ビザは簡単に取得できる。
 ・3ヶ月だけの海外暮らし体験なら、事前に十分調査と準備さえしておけば、悲壮な覚悟も、家の
  処置に悩んだりすることもいらない。
 ・外国に長く住んでしまうのに比べると、短期滞在の費用は高くつくのではないかと思われる向き
  には、こんな計算ができることをお知らせしておこう。確かに2〜3ヶ月と短期に借りる住居費
  は割高になるのがふつうだし、航空運賃だって2人分となるとばかにならないが、どの国に暮ら
  すにしても住居費以外の生活費は日本で暮らすよりずっと安いから、ハワイは別にして、3ヶ月
  の滞在でとんとんというところだろうか。私がこの方法をおすすめしたいのは、「自分はこの街
  には合わない」と思ったら、いつでも撤退できる点にある。少々ぜいたくかもしれないが、こう
  した暮らしを体験する旅をしながら本当に気に入った場所を見つけられるとしたら、すばらしい
  と思う。
 ・ハワイ、バンコク、ペナンのいずれかに行く限りは、英語やタイ語、マレー語が話せないからと
  あまり気にすることはないように私は思う。もっとも、オーストラリアやニュージーランド、カ
  ナダ、イギリスに行くとなると、英語が少しは話せないと困る場面が多いに違いない。
 ・タイは日本と同じで、アジアの中で植民地になったことのない国だから、あまり英語が話せない
  人が多い。一流ホテルや、外国人向けの高級なサービスアパートのフロント係や観光がらみの仕
  事をしている人たちは英語を話すが、上手な人はあまり多くない。だからお互いに下手同士、理
  解しやすく、されやすい。
 ・お金はできるだけいろいろな手段で用意する。キャッシュ(円とUSドルの両方)、トラベラー
  ズチェック(ドル)、クレジットカード、国際キャッシュカード、とできるだけ多くの方法で支
  払えるようにしておくのである。そしてこれらを首からぶら下げたり、腰に巻いたり、ハンドバ
  ックに入れたりして分散させておく。こうしておけば、どれかが盗まれても、全部いっぺんにと
  られてしまうことはないから、他の手段でお金を払うことができる。
 ・定年後あるいは早期退職の後、次のステージをどう生きるか。これはいつの時代も大きなテーマ
  だったに違いないが、人生80年時代と言われる今は、これまでにもまして重要な課題になって
  きた。とはいえ、80歳まで生きられるという保証はどこにもない。明日はなにが起こるか、誰
  にもわからないのだ。おまけに中年になってからの時間は、あっという間に過ぎてきた。
 ・そうした中で、この先一体自分になにができるか、場所を変えてじっくり考える時間を持つこと
  も価値のある選択と言えないだろうか。いっそ海外まで場所を移してみると、普段の生活を離れ
  て自由な発想ができそうに思えてくる。
 ・3ヵ所の中で生活費が一番安いのはマレーシアのペナンだった。次はバンコク、やはりいちばん
  高いのはハワイである。
 ・この海外暮らしのなかで50代、60代、70代の方にたくさんお目にかかった。いずれも海外
  での滞在を実にいきいきと楽しんでいらしゃる。みなさんに共通するのは、まず好奇心があって、
  積極的に行動することだった。行動しようかどうしようかと、あまりためらわないのである。言
  葉はさほど大きな問題ではなさそうに見受けられた。積極性こそが、海外での暮らしを成功させ
  る大きな要素なのだと、たくさんの実例から教わった。
 ・行った先が気に入ってしばらく住みたいと考えても、あまり急いで住む家を買うのは考えものだ。
  病気になって、せっかく手に入れた家を売ろうと思っても、なかなか売れなくて、捨て値で売ら
  ざるを得ないということもある。
 ・海外旅行中の病気として一般に恐れられているマラリアで死亡する人は年にたった1人。ところ
  が、海外で脳卒中と心筋梗塞で死亡する人は200人以上いるという。欧米の旅行者のように、
  自分の病気や体の情報を身に着けておく必要がありそうだ。
 ・英文診断書の入手には費用がかかるが(3ヶ月有効で2万円、1年有効だと3万円)、万一海外
  で入院した場合、EメールやFAXを利用して、現地の医師と国内の主治医との緊急連絡、医療
  翻訳をしてもらう費用を含まれているというから、安心料と考えればそう高くはない。
 ・脳卒中も心筋梗塞も、9割は防ぐことができるのだという。それには、ストレスを避け、食事と
  運動のバランスをよくして肥満を予防し、禁煙する。この3つを守ればいい。コレステロールの
  多い食事を避け、海草やきのこ類など繊維質の多いものをとり、アルコールを適量にする。そし
  てジョギングや散歩、自転車に乗るなどの有酸素運動をすればよいのだ。
 ・海外で病院にかかる場合は当然、費用が心配だ。その対策としては、出かける前に海外旅行傷害
  保険に入っておくこと。
 ・最近では、海外でも日本の公的医療保険の保障がある。「海外医療保障制度」といわれるもので、
  国民健康保険をはじめ共済組合保険や組合健保、政府管掌保険などすべての医療保険が適用され
  る。ただし、海外で治療を受けた場合には、いったん現金で支払った後、帰国後申請、審査を経
  て医療費が還付されることになっている。

ハワイ 1ヶ月単位でワイキキにコンドミニアムを借りる
 ・日本人や日系人がたくさんいるから、英語が話せなくても、多少は不便かもしれないが、暮らし
  ていける。日本の食べ物にも困らない。教育のない白人から不快な人種差別を受けることもほと
  んどない。ビールが安いし、気候のせいで高血圧の人間にも具合がいい。なによりアメリカの中
  では飛び抜けて治安がよいところだ。いざというときに日本語でも通じるのが、なんと言っても
  安心できる。
 ・日本と開国との間に摩擦が起こりやすいのは、ものの考え方のギャップや文化的背景の違いによ
  るものだと感じてきた。
 ・私たち日本人はどうも見栄っ張りだが、海外で暮らすと恥や見栄を捨てざるを得ない。そこが外
  国暮らしのいい点と言える。ハワイでの暮らしは、ストレスがなく、肩書社会でないので、リタ
  イアしたからといって肩身を狭く思うこともない。
 ・カナダもよかったが、ブラジルのほうにもっと興味を惹かれた。しかし貧富の差が激しいのと、
  治安に不安があるのとで、住んでみようという気にはなれなかった。
 ・ハワイでは「リタイアした」と言うと、「おめでとう!」と祝福される。そればかりか長年仕事を
  した先輩として、尊敬を受けさえする。退職ということへの、日本とハワイの感覚の大きな違い。
  肩書や仕事ばかりが人生じゃないということが、ハワイで暮らすと体感できるようである。

バンコク ホテルのように優雅なサービスアパートを借りる
 ・だいたいバンコクは暑すぎる。水も悪いし、治安だってそんなにいいとは言えない。自分でもそ
  う思うのに、なぜかバンコクが気にかかる。ハワイ、ペナン、バンコクの3ヶ所を比べると、バ
  ンコクが心情的にいちばん好きなのである。
 ・バンコクからは、人気のサムイ島やプーケット島、王室の別荘があるので有名なホアヒン、俗っ
  ぽくなってしまったがまだまだ人気の衰えないパタヤなどの海辺リゾートや北部の古都チェンマ
  イなどへも、バスや飛行機を使えば手軽に行ける。
 ・バンコクは観光都市だけあって、デパートやショッピングセンターをはじめいたるところに銀行
  の両替コーナーがあり、夜7時ころまで開いている。2〜3ヵ所で両替率を聞いてから両替をす
  るとよい。日本と違って両替率は銀行によってまちまちだから、安心ならないのだ。
 ・バンコクはショッピング天国でもある。何年か前のバーツ急落から、何を買っても本当に安い。
  ドルに対して円が下がっているときでも、アジア通貨に対して円はあまり下がらないから、こ
  こでは1万円の価値が高い。
 ・タイはシルクだけでなく、木綿の質もよいものが安く買える。
 ・「食」に関する限りバンコクはまさに天国だ。料理が辛くて、おいしくて、しかも安い。おまけ
  にどんなレストランに行っても、「しまった。この店はまずかった!」と思うことがない。どこ
  で食べてもおいしいのだ。違いは「すごくおいしい」か、「おいしい」か、まあ、おいしい」の
  どれかであって、「まずい」という言葉はまったくいらない。不思議なことにこの街では、レス
  トランに当たりはあっても、はずれはないのだ。
 ・ビルの中にある屋台の集合体のような「フードコート」へ行っても、おいしさは変わらない。バ
  ンコクではショッピングセンターがあれば必ずフードコートがあるといってよく、広い食堂の壁
  際にごはん物や麺、飲み物、デザートと庶民の味が揃っている。値段はレストランよりだいぶ安
  く、食券を買って注文すればいいから、言葉がわからなくても「これ」と指でさすだけでよい。
  安い、うまいの簡易食堂だから、フードコートはいつも地元の人で賑わっている。昼どきは特に
  込むから、まず席を確保してから注文するのがコツである。ただし、ここではセルフサービス。
  料理は自分で運ばなければならない。タイ人たちのまねをして、できあがった料理にトウガラシ
  や砂糖、ケチャップ、醤油などをおいてある調味料でちょっぴり自分流の味付けをしてもよい。
 ・フードコートでの食事の利点は麺類や、ごはん物と簡単なおかずなど一品料理ですませられると
  ころだ。「ああ、食べ過ぎた」という反省をしないですむ。
 ・バンコクには和食のレストランもあちこちにあり、寿司をはじめたいていのものは食べられる。
  しかし、料金はもちろん安くないから、どうしても和食が恋しくなったらランチタイムに日本料
  理店に行くのがいい。昼どきだとちょっと高級そうな店でも100〜150バーツ(320から
  480円)くらいで、焼き魚定食やトンカツ定食といったメニューがある。それよりおすすめは、
  伊勢丹のスーパーマーケット。ここに行くと焼いた魚やごはん、漬物、赤飯まで売っているから、
  手軽に「日本」の味が食べられる。お豆腐やタイ製のかまぼこもあるし、おまんじゅうや羊羹な
  どの和菓子まである。
 ・それにしても、どんな店に入ってもおいしいなんて、そんな場所が世界で他にあるだろうか。タ
  イに来るたびに私はそのことに感動し、不思議に思い、羨ましくなる。もちろん高級な店も多い
  からどこでも安いとは言えないが、おいしいことは確実である。
 ・レストランの次に私を惹きつけてやまないのが、タイ式マッサージである。私のお気に入りは、
  タニヤ通りにある。「有馬温泉」というマッサージ屋である。ここはガイドブックに載っている
  せいか、日本人の客が多く、マッサージのお姉さんたちはたいてい日本語が少し話せる。どのマ
  ッサージ嬢に当たってもなかなか上手で、タイ式マッサージと指圧の両方を混ぜたようなマッサ
  ージをしてくれる。しかも1時間半で280バーツ、1000円もしない。
 ・足の裏ツボ刺激するフットマッサージも気持ちいいが、フェイスマッサージが楽しい。これには
  お金持ちや駐在員夫人たちが通う高級店からタイのふつうの人々が行く店までいろいろあり、1
  時間の料金も1000円程度から4000〜5000円するところまである。酷暑の街頭から冷
  房の効いた室内に入ってリクライニング式のイスに仰向けになり、魔法のようにくるくると動く
  指で顔をなでられていると気分がほんわかとなごんでくる。マッサージやパックをされている間
  についうとうとと眠ってしまうほどで、ときどき寝息ならぬいびきをかいている人もいる。驚い
  たことにバンコクでは男性も堂々とこのフェイスマッサージを受けていて、隣が男の人だったり
  することは珍しくないのだ。このソフトな心地よさに相棒がやみつきになった。
 ・バンコクでの優雅な暮らしぶりの生活費は、いったいいくらぐらいかかっているのだろうか。家
  賃の他には外食の多い食費がおよそ月3万〜4万バーツ、電気代が7000バーツ、水道代が
  1000バーツ、メイドさんの給料が4200バーツといったところ。その他、外出する際の車
  代など雑費はいろいろあるにしても、ざっと16万〜17万円。これならリタイアした後でも、
  家賃さえもう少し安いところを選べば、十分に暮らせそうである。
 ・タイの滞在は、’98年暮れから1年間有効の退職者ビザというのができ、リタイア後の長期滞
  在が比較的簡単になった。ビザを取得する際の条件は、50歳以上で、過去にタイ国への入国を
  拒否されたことがなく、1人80万バーツ以上の預金がタイ国内にあればいい。あるいは年金な
  どの収入が月6万5000バーツ以上あるということでもいい。80万バーツといえば約240
  万円。1ヶ月20万円あれば、外国人でも十分暮らしていけるということなのであろう。
 ・タイで暮らした1ヶ月。この初めての長期滞在で、料理やマッサージや買い物の魅力にもまして
  私を虜にしたものの正体に、遅まきながら気が付いた。それは、そのへんにいくらでもいる街の
  人々だったのだ。仕事の付き合いのはずなのに、いつの間にか友達のように損得抜きで接してし
  まう。
 ・タイの人たちはこうした優しさに接していると心がほんわかと温かくなる。給料は私たちに比べ
  ればはるかに安く、生活は大して楽じゃないと思われるのに、人々は明るくて心優しいのだ。
 ・バンコクは、暑くて、埃っぽくて、渋滞だらけで、住む環境は決してすばらしいと言うことがで
  きない。それなのに、外国人の私にさえ生まれ故郷のように郷愁を覚えさせる「とんでもない街」
  だというしかないのである。

ペナン 宿泊は島のリゾートホテル
 ・東洋の真珠と言われるペナンは、高床式のカンポンハウス(田舎家)や植民地時代の建物を見る
  のも面白いし、何百種類もの熱帯植物があるボタニカルガーデンや、極楽寺という名のマレーシ
  ア一大きな寺院、150年近く前に建てられた蛇寺、ハイビスカスガーデンなど観光するところ
  はいろいろある。
 ・3ヶ月以内の短期の滞在では、ホテルを借りるか、サービスアパートを借りるしかなく、住居費
  はどうしても割高になる。ペナンでは、アパートの賃貸契約の基本は2年単位なのだそうである。
  サービスアパートは、1ベットルーム(1寝室とリビング、キッチン)で1ヶ月およそ6万円ぐ
  らい。ホテルになるともう少し高くて9万円くらいかかる。
 ・ペナンで高いのは車とアルコールだけかもしれない。ところが、この二つときたら、めちゃくち
  ゃな値段なのだ。車は日本より高いし、ビールは日本とほぼ同額ときている。
 ・ペナンでは1ヶ月20万円ほどの年金があったら、ゆとりのある生活ができる。ここの物価は日
  本のおよそ4分の1だということだから、20万円あれば豊かに暮らせて当たり前なのだ。
 ・ペナンでの上手な買い物のコツは、まず値切ること。デパートやスーパー、ドラックストアなど
  で、きちんと値札の貼ってあるものは定価販売。しかし、それ以外はまず値切り交渉から始めた
  い。
 ・ペナンの暮らしになじんでくると、おいしいお店がいっぱいあることに気が付いた。しかも高級
  レストランではなく、カフェとかコーヒーショップとか呼ばれる朝市や夜市の食堂と同形式の、
  いわゆる屋台の集合体のようなところの料理がいけるのだ。
 ・ペナンの水道水は十分飲めるのだそうだ。私は最初ミネラルウォーターを買っていたが、その後
  一度沸騰させた水道水を冷蔵庫で冷やして飲むことにした。コーヒーやお茶用には水道水をその
  まま沸かして使ってまったく大丈夫。一度もお腹を壊したことはなかったのである。 
 ・ペナンは東南アジアの中では比較的治安のいいところだと言われているが、日本より安全という
  わけではない。’93年の資料でペナンの犯罪発生状況は殺人が日本の2.6倍、強盗が3倍、
  侵入盗は日本より少なく0.8倍であった。当時より日本の状況が悪くなっているから、この数
  字が現在も当てはまるかどうかは疑問だが、よその国に滞在する場合には、あまり気を抜き過ぎ
  ないほうがよい
 ・服装やアクセサリーも控えめがよさそうだ。私がいつも現地のバーゲンで買った安物の服を身に
  着けているのは、あまり派手にして泥棒心を刺激しないためでもある。また、人前で財布を出し
  てお金を数えたりするのも気をつけたほうがよい。私たち日本で何気なくこんな動作をしている
  が、外国では現金の出し入れや保管には十分すぎるほど気をつける必要がある。十分注意さえし
  ておけば、怖い目や口惜しい事件にあわずにすむ。
 ・片道航空券では、原則としてマレーシアには入れないと言われるが、往復の航空券を持っていれ
  ば、たいていは90日以内の滞在許可が出る。ペナンが気に入ってここでずっと暮らそうと言う
  のでない限り、ペナンへはこの方法で来るのが簡単だ。