ひとり老後はこんなに楽しい :保坂隆

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人は、生まれてくるのもひとりであり、死んでいくときもひとりである。結婚して家族を
持ったとしても、やがては子供たちが巣立ちをすると、また二人に戻る。連れ合いより自
分のほうが先に逝きたいと思っても、希望どおりなるかわからない。確率的には50%で
ある。いずれどちらかはひとり老後を送ることになる。
この本は、そんなひとり老後を送ることになった人のための心構えが書かれている。老後
とは何歳からなのか。明確な定義はないらしいが、一般的には男性は65歳から、女性は
70歳からを老後だという意見が一番多いとのことである。日本人の平均寿命は、男性は
80歳ぐらいで、女性は86歳ぐらいらしい。老後といっても短いわけではない。ふたり
老後でもひとり老後でも、とにかく楽しい老後を送りたいものだ。

はじめに
・22歳で就職し60歳で定年を迎えるとして、その間に働いた時間と、定年後から男性
 平均寿命82歳までの自由時間を単純計算すると、驚くことに、どちらもほぼ同じ時間
 になります。人生60年などと呼ばれた頃なら、第一線を退いてすぐに人生を終えたか
 もしれませんが、現在は食生活の向上や医療の発達によって健康で長生きできるので、
 人生を終えるのはずっと先のことです。老後は「人生のおまけ」のような軽い扱いはで
 きません。老後はまさに人生の折り返し地点であり、第二の人生のスタートラインなの
 です。
・世の中には、ひとり老後を心から楽しみ、輝いた毎日を送っている人たちがたくさんい
 ます。彼らは、ひとり暮らしでしか味わえない自由で気ままな毎日を満喫しているので
 す。現役時代は会社に縛られ家族に縛られた男性も、あるいは子育てに追われた女性も、
 定年や子どもの独立といった区切りを経て、しがらみから解き放たれ、やっと自由を手
 にする。自分の思いどおりに生きるのが最大の魅力なのです。

実はバラ色!ひとり老後を楽しむために
・どんなに友だちがたくさんいて、にぎやかに騒ぐのが好きな人でも、ひとりになる時間
 がまったくなければ息が詰まってしまいます。なぜなら、誰にも気を使わない時間と空
 間こそが心の安らぎを生むからです。
・現代はストレス社会などと言われるように、学校でも職場でも家庭内でもストレスは絶
 えません。
・ストレスを引き起こす原因の多くは「人間関係のもつれ」です。極端な話、「人間のい
 るところストレスあり」ということなのでしょう。そう考えると、ひとり暮らしはスト
 レスフリーの代表格です。なぜなら、ドアを締めればわずらわしい人間関をジャッとア
 ウトできますし、無理に人に合わせて気疲れすることも、誰かのために何かを我慢する
 必要もないのですから。
・人は生まれてくるときもひとり、最後もひとり。つまり、「ひとり」はとても自然なこ
 となのです。その事実を素直に受け止められれば、ひとり暮らしのよさがもっと見えて
 くるでしょう。
・定年を迎えたり、子どもを社会に送り出した時点で人生のゴールが見えてしまったつも
 りになってはいけません。それまで走ってきた勢いのまま、惰性で走り切れるほど現代
 の余生は短くないのです。
・定年は人生の折り返し地点。まだまだ長い道のりを歩み続けるための中間点にすぎませ
 ん。ただし、精一杯がむしゃらに走ってきた前半とは異なり、折り返し地点を過ぎた人
 生は自分なりのペースで進むことが大事です。
・老後のひとり暮らしは、どうしても「孤独」というイメージがつきまといます。たしか
 に、自分の子どもや孫たちに囲まれてにぎやかにすごす老後が悪いとは思いません。き
 っと楽しいこともたくさんあるでしょう。しかし、家族が多ければ多いほど孤独感は薄
 れるかというと、正直なところ疑問が残ります。
・たとえ大家族のなかに身を置いていても、そのなかで心を通わせ合わせる人もなく孤立
 していれば、ひとりで暮らすよりもっと強い孤独感を味わうこともあるのです。孤独は
 山になく、街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の「間」にあるのです。
・連れ合いはあってもよし、なくてもよし。ただ目の前の現実を、ありのままに受け入れ
 ればいいのです。二人には二人のよさ、ひとりにはひとりのよさがあるのですから。
・ひとりで生きていくには慎ましい生活を送ることも大切です。しかし、自分のためにぜ
 いたくをすることも時には大切。日々の楽しみは生きる糧になるのですから。
・多くの人に囲まれて生活をしているときは「人に気にかけてもらう」ことなど、あまり
 意識しないかもしれませんが、ひとり暮らしではこういったことがとても大切です。
 もし近所に小売店があり、その店でも用が足りるなら、足を運んでみませんか。ひいき
 の店が多いほど、心の通うコミュニケーションも増えるはずです。
・人間のエネルギー源といえば食べ物です。食べ物がなければ生きていくことができませ
 ん。また、食べ物の選び方が悪ければ病気になることもあります。生活習慣病はその代
 表的なものですね。
・ひとり暮らしの場合は、自分の好みの料理が並び、何時に食べるのか、どれだけ食べ
 るのかも本人の気持ちひとつで決まってしまいます。とくに男性の夕飯は注意が必要で
 す。「あたりめと酒」「枝豆とビール」「冷奴と日本酒」のように、およそ夕飯とは呼
 べないようなものを口にして、酒の勢いで寝てしまう人も多いようです。こんな食生活
 では健康な体を維持することは難しいでしょう。「体が資本」という言葉があります。
 体さえ丈夫であれば年齢を重ねてもさまざまなことにチャレンジし、輝いた人生を送れ
 ます。健康な体があるからこそ、きままなひとり暮らしもできるのです。
・「老後はのんびりと暮らしたい」。多くの人が、この言葉を口にします。たしかに、家
 族のために、会社のため、懸命に働く生活をずっと続けてきたのですから、のんびりし
 たいと考えるのは当然でしょう。しかし、ここで気をつけるべきなのが、「のんびり」
 とダラダラ」をはき違えてはいけないということです。「のんびり」は「のびのびと、
 ゆったりしているさま」という意味ですが、「ダラダラ」は「決まりなく長々と続くさ
 ま。または、物事をのろのろと行う様子」です。    

ひとりだから許される楽チン生活
・シニアに限っては「何かを極める」より、「あっちも好き、こっちも楽しい」と思える
 趣味を、たくさん持ったほうがいいのです。ひとつの趣味、ひとつの楽しみ方しか知ら
 なかったら、それができなくなったときの喪失感は大きいでしょう。しかし、多くの
 楽しみを知っている人は「こっちがダメなら今度はそっち」、そっちもダメなら今度は
 あっち」という具合に、上手に乗り換えることができます。それが「多くの趣味を持っ
 たほうがいい」という理由です。さらに、趣味の種類は、「ひとりでできるもの」と
 「多数でやるもの」を持っていると楽しいでしょう。元気なときには多くの人と交わる
 趣味を楽しみ、それができなってもひとりでできる趣味を持っている人は、生きていく
 ことに柔軟で強いといえます。
・趣味というのは、時として生きがいにもなります。退屈なシングルシニアにならないた
 めにも、ぜひ趣味は持っていたいものです。趣味を持つことは、その道を極めるのとは
 異なりますから、それほど難しいことではないのです。なぜなら、その趣味が、上手に
 できるかどうかが問題ではなく、自分自身が楽しいかどうかが大事だからです。
・「ペットがいれば、毎日の生活にハリが出るんじゃないだろうか?」などと思ったこと
 はありませんか。とくに飼い主に従順で人懐こい性質を持っている犬は、ひとり暮らし
 のパートナーに選ばれることが多いようです。しかし、「可愛いから」「寂しいから」
 といった短絡的な理由で犬を飼いはじめるのは、ちょっと待ってください。犬の寿命は
 平均して10年以上で、なおかつ散歩が必要になります。犬より自分のほうが長生きで
 きて、最期まで散歩に連れて行ける体力があるかどうかをよく考えなくてはなりません。
 捨て犬のなかには、高齢者が長期入院したり、福祉施設に入居するためなどの、やむを
 得ない事情で飼育を放棄したものが多いそうです。もし誰が引き取ってくれる人がいな
 ければ、その犬たちは保健所で処分されてしまいます。癒しのために飼われた犬の末
 路がそれでは、あまりにかわいそうですね。 
・年齢を重ねても、男性は女性に、女性は男性にモテたいものです。「この年になってそ
 んな色ボケなんて」などと思わないでください。異性に好かれたいという気持ちは人間
 の本能ですから、恥ずかしいことでも、浅ましいことでもありません。それどころか、
 精神の若さを保つ特効薬にもなります。
・人間は年齢を重ねるごとに、「何かをしようという前向きな気持ち」や「ワクワクと胸
 が騒ぐ気持ち」が少なくなってしまいます。もしかすると、こういったことが一番の
 「老い」なのかもしれません。「恋をするときれいになる」などと言われますが、これ
 は何も若い娘に限ったことではありません。老若男女を問わず、恋は人を輝かせてくれ
 るものなのです。本当の意味でのアンチエイジングは精神的に輝きを失わないこと。
 シニアになっても「人を好きになる心」は決して否定しないでください。

まだ間に合う!「脳にいいこと」を始めよう
・毎日の健康のためにできる小さな努力を三つ提唱したいと思います。それは「よく噛む
 こと」「よく笑うこと」「よく眠ること」です。
・日中の活動量と睡眠量は比例します。若くて多くのエネルギーを消費している人はたっ
 ぷり眠る必要がありますが、活動量が少ない高齢者はそれほど多くの睡眠を必要としな
 いのです。それなのに、「することもないし、布団に入るか」「よく眠りたいから早め
 に布団に入ろう」などと思ってしまうため、ますます寝つきの悪さを感じてしまうわけ
 です。ある程度は「眠くなるまで待つ」ことも大切です。また、日中の活動量を無理の
 ない範囲で増やすことも、心地よい睡眠には欠かせません。
・人間の体温は目覚めのときが最も低く、夕方から夜にかけて上昇し、最高潮に達した後
 は徐々に低下していきます。体温が低下する際に眠気を感じるので、このタイミングに
 布団に入るとスッと眠ることができます。そして、体温の低下の幅が大きれば大きいほ
 ど、深い眠りに入れるのです。しかし、年齢を重ねると最高体温が低くなるので、低下
 の幅は自然に小さくなります。そこで有効なのが就寝前の入浴です。なぜなら、加齢の
 せいで低くなった最高体温が、入浴によって一時的に引き上げられると、体温の下げ幅
 が大きくなって心地よい眠りに入れるようになるからです。入浴のタイミングですが、
 体温の低下にかかる時間を考えて、寝床に入る一時間前に風呂から出るようにするのが
 いいでしょう。 
・年をとると、当然ながら若いときより疲れやすくなります。また、前は少し休めば回復
 した体力が、なかなか元に戻りにくいこともあるでしょう。若い頃からスポーツをやって
 体を鍛えている人ほど、「ちょっとのことで疲れる自分」が許せなくて、「もっと、も
 っと」とトレーニングに励んでしまう傾向がありますが、寄る年波にはゆるやかに身を
 まかせ、しっかり疲れをとる習慣をつけたいですね。しっかり疲れをとってまたがんば
 る。この繰り返しが長く健康でいられる秘訣と思ってください。
・仕事をしているときにはハイヒールや革靴を履いていた人も、第一線を退いたら、裸足
 生活にぜひトライしてみてください。家の中にいるときに素足でいることを心がけるだ
 けでも、十分効果が期待できます。冬は床が冷たくて無理でも、春から秋にかけての季
 節なら、気持ちよく過ごせるのではないでしょうか。最初はやや違和感があっても、し
 だいになじんで素足の心地よさを体験できるでしょう。
・年齢を重ねるとどうしても出てくるのがイライラです。ついこの前まで楽にできていた
 ことが難しくなったり、自分の思いどおりに体が動かなくなると、「こんなはずじゃな
 かったのに」という喪失感に似た気持ちが、いらいらへと変わっていくのです。 こん
 なときのストレス解消法に「水辺へ行く」というものがあります。都会に住んでいれば
 森林や高原には気軽く出向くことができませんが、公園の噴水を見に行くくらいならそ
 う難しくはありません。地球は水の惑星と呼ばれ、人間は水なしでは生きていくことが
 できません。ですから、水は人に安らぎを与えてくれる存在なのです。水辺で大きく息
 を吸い込んだときに肺の中なかに広がるひんやりした感触は、ちっぽけな不安をすっと
 消し去ってくれる力を持っているのです。
・もし、「最近ちょっとダラけているな」と感じているなら、朝のウォーギングをはじめ
 てみませんか。これはやったことのある人しかわかりませんが、朝は本当に気持ちがい
 いのです。吹く風にはさわやかな香りがし、朝日に照らされた木々や街並は金色に輝き、
 毎朝生まれ変わるような印象さえ受けてます。そんな街のなかを歩いていると、自然の
 パワーが体中に入り、生命エネルギーがみなぎってくるのを感じ、シャキッとした気持
 ちで一日のスタートを切ることができるでしょう。 
・毎日を楽しく過ごすためには、日常生活のなかで喜びを探す努力を怠らないことが大切
 です。難しく考えずに、まずは身の回りの自然観察からはじめてみましょう。
・一日の締めくくりに、「ああ、今日もいい日だった」とつぶやいてみましょう。生きて
 いれば晴れの日も雨の日もありますが、一日の締めくくりをこの言葉にすれば、本当に
 いい一日だったと思え、幸せな気持ちで眠ることができます。すると自然、幸せな気持
 ちで目覚めることができ、翌日も楽しくすごせるのです。
 
ひとりシニアのネットワーク作り
・溶け込もうとするほど周囲から浮いてしまう気がする。そう感じる人も少なくありませ
 ん。こんな人は、次の項目に心当たりがないでしょうか。
 ・人の話を聞くより、自分が話すほうが好き
 ・仕事人として優秀だった自分のことを知ってほしい
 ・自分がとりまとめれば、もっとうまく事が運ぶと思っている
 ・人に仕切られるより、自分が仕切りほうが性に合っている
 「あ、ちょっと当てはまるかもしれない」。そう感じた人は要注意です地域に溶け込む
 には、ある程度努力が必要かもしれません。
・競争社会に長く身を置いていると、つねに「他の奴には負けるわけにはいかない」「気
 を抜いたら出し抜かれる」という、せきたてられるような思いが染み付いてしまい、の
 んびり気ままに過ごせるシニアライフを心からエンジョイできない人もいるようです。
・シニアライフには上司やライバルはいませんし、必死になって守らなければならない地
 位もありません。もっともっと肩の力を抜いて、自分のペースで人生を楽しめばいいの
 ではいありませんか。
・現代社会は多くの物があふれ、お金さえあればたいていの物は手に入ります。他人と関
 わりを持たなくても、「ひとりきりで生きていく」のに便利にできているようにも感じ
 られます。しかし、人間はたったひとりで生きていくことはできません。多くの人との
 かかわりのなかでこそ、自分の存在を感じることができるのではないでしょうか。

深刻にならずに考えておきたいこと
・せっかく働き詰めの生活から解放され、自由でのびのびとした老後を送れるのに、今
 度は、いつくるかわからない万が一のときに備えて禁欲生活をするのでは、あまりに寂
 しくないでしょうか。もしかすると、蓄えを使う前に動けなくなってしまうかもしれま
 せん。老後の人生に一番大切なのは「楽しみ」です。これがなければ毎日がいたずらに
 長く、生きることさえ苦痛になってしまいます。人間の脳は年をとると「創造力」や
 「意欲」がまず減退していくとも言われています。
・老後の人生も半ばまでやってきて、先の見通しがつき、「そろそろお金を使っても大丈
 夫になったな」と思っても、そのときはすでに楽しむ心も意欲もなくなっているかもし
 れません。
・たしかにできるだけ出費を抑える努力をするのは重要です。しかし、自分の楽しみのた
 めに支払うお金は「必要経費」と考えたらいかがでしょうか。楽しみと生きがいは比例
 するのですから、生きる力のために支払う代金だと思えば、納得できるのではないで
 しょうか。
・人間関係を大事にしたいなら、お金の貸し借りだけは避けるように言われます。困った
 ときにお金を貸してくれる人は、ありがたい存在です。ところが、返せない場合には、
 心理的にその人を避けたくなり、お金を借りたときにはありがたく思えた人が、できれ
 ば会いたくない人になってしまうのです。

頑張らず、欲張らず、我を張らず
・日本人はつくづく「がんばる」ことが好きだと感じることがあります。多くの日本人は
 「会社のため」「家族のため」「仲間のため」と日夜かんばっているわけですが、そん
 なにがんばり続けていたのでは息が切れてしまいます。競争社会の真っ只中にいる人た
 ちは、がんばるざるを得ないかもしれませんが、シニアになったら肩の力を抜いて、ゆ
 るゆるとがんばらない生き方をするのもいいでしょう。しかし、長年の習慣がなかなか
 抜けず、がんばることをやめれないシニアがいます。「まだまだ私は若いんだ」「若い
 奴になんか負けていられるか」という、老いに対する反抗心というか、闘志がみなぎっ
 ているため、ちょっとのことでも爆発を起こすようです。
・不思議なもので、「年寄りに思われたくない」「若々しくありたい」とがんばる人ほど
 周囲の目には年寄りに映ります。反対に、がんばりすぎず、自然に「老い」を受け入れ
 ている人のほうが若さを感じます。感情のコントロールができない「暴走老人」になら
 ないように、肩の力を抜いた年齢の重ね方をしたいものです。
・財布は天国まで持っていくわけにはいきませんが、だからといってわざわざ不要なもの
 を買ってお金を減らす必要もありません。また、エコロジーという面から考えても、本
 当に必要なものだけを買えばいい時代に突入しているのです。日本人の大半は、今ある
 物だけで十分に暮らせます。新しく何かを買うときは、本当に必要かどうかをよく考え
 てからにしましょう。
・シニアになったらできるだけ敬語を心がけてほしいのです。とくに若い人、目下にあた
 る人にはぜひ敬語で話しかけてください。
・誰に対しても分け隔てなく丁寧な対応ができる人こそ、「本物の大人」。いたずらに年
 ばかりとって、「大人の本質」に気づかないようでは、シニアとして恥ずかしいでしょ
 う。
・人間、年齢を重ねると誰でも頑固になるといいます。それは、長い時間生きてきたこと
 によってさまざまな経験が蓄積され、自分なりの考え方や方法が確立されるからです。
 ですから、多くのシニアは自分のやり方や考え方に固執します。それが「頑固」と呼ば
 れる原因です。
・心配性になる原因はさまざまですが、シニアの場合は「喪失」がキーワードになるので
 はないでしょうか。年齢を重ねると体力が落ちます。そして瞬発力が落ちます。また退
 職すれば収入も落ちるでしょう。こうしたさまざまなことが大きな喪失感になります。
 いろいろな面で自信がなくなってしまうため、必要のないことまで心配するようになる
 のです。
・事前に手を打っておく手があるとか、予防策がある場合なら「心配」も有効です。しか
 し、考えてもどうにもならないことを気を病んて、しかもそのマイナスのパワーを周囲
 に撒き散らすような人は確実に嫌われます。
・困ったときは遠くの親族より近くの他人のほうが助けになります。ひとり暮らしのシニ
 アは、ひとりでも多くの人とつながっていたほうが安心です。知らず知らずのうちに鼻
 つまみ者にならないよう、マイナスの発言は十分に気をつけましょう。