お金がなくても平気なフランス人      :吉村葉子


この本を読むと、日本って世界的に見ても、ほんとに特異な国なんだなと思ってしまう。
日本も昔はこのフランスのような価値観があった。それが経済の発展とともにどんどん
失われてきて今日に至っている。
今の日本の価値観ってどこからきたのだろう?イギリスやフランスなどを見ても、今の
日本の価値観とは異なっているようだ。やはり今の日本の価値観はアメリカから来た価
値観であろう。アメリカ流の市場経済主義は、確かに経済の発展はもたらした。しかし、
それによって失われたものも多い。それに、経済が発展したからといっても、必ずしも
人々に幸せをもたらすものでないこともわかってきた。
当たり前だと思っている今の日本の社会は、世界的に見ると、ちょっと特異な社会であ
ることを認識する必要があるのではないか。そして、今までの生き方を考え直す時期が
きていることを認識する必要がある。この本を読んで、改めてそのように感じた。



基本的にフランス人はお金を使わないですませようとする
・基本的にフランス人は、お金を使わないですませようとする。お菓子を作るときにも、
 まずは冷蔵庫を開け、ある材料でなにが作れるかを思いめぐらす。手作りのお菓子を
 包むためのラッピング用品を買うことも、彼女たちは絶対にしない。
・フランス人の日常生活にお金が介在しないといってはオーバーだが、少なくとも私た
 ちよりもお金の匂いが薄い。
・モノを増やさないというポリシーもまた、余計なお金を使わない秘訣だ。
・フランス人にとってお金は、世の中に散在するモノを買うためにあるのではなく、自
 分たちが生きていくために必要なモノをだけを補充するためにある。

フランスにはコンビニはない。でも別に困らない
・フランスにコンビニはない。それでも別に困らない。あるから慣れてしまうだけで、
 わが国にも昔はコンビニなんてなかったのだから。
・便利さということだけで世界を見回すと、わが国は間違いなくピラミッドの頂点に君
 臨している。ワールドカップ日本代表監督をしていたフランス人のトルシエが日本を
 離れる前に、こんなことを言っていた。「コンビニが日本の若者を駄目にすると。
・私にはコンビニが、食欲旺盛な夜行性動物のように感じられることがある。それは私
 たちの日々の生活の中の楽しみの部分ばかりを狙って食べている、かわいい夜行性動
 物。日々の生活の中の創意工夫という、私たちがタダで味わうことができる楽しみを、
 コンビニが奪ってしまっているのだから。

モノの値段にとてもシビアな人たち
・フランス人は、モノの値段にとても敏感な人たちだ。値段への感心は、高価なモノに
 対してとは限らない。私たちはともすると、安いモノの値段には寛大になってしまい
 がちだが、彼らはちがう。金額の多寡に関係なく、本来あるべきモノの値段にシビア
 なのである。

「ポイ捨て」は禁句。「もったいない」は金句
・多くのフランス人は食べ物だけでなく、まずモノを捨てない。お皿を洗うのに、水道
 の水を流しっぱなしにしていて、お姑さんに叱られた日本女性も多い。一度使ったラ
 ップ類やペーパータオルを再利用する人もいる。

残り野菜が次の日のご馳走になる
・少子化現象に歯止めがかからないわが国では、社会をあげて、女性たちが安心して出
 産と育児ができるようなシステム作りに躍起になっている。公的な育児機関を新設し
 たり、企業の育児休暇制度を充実させるべく、社会全体が努力している。マスコミが
 報じるその手のテレビ番組や雑誌の記事をたんねんに読みながら、いつも輪脚はどこ
 か納得がいかない。どうしてパパたちがもっと、子育てに協力しないのだろうか。
・仕事場と家の往復だけをしている働く妻たちの気持ちを、子育て期間に理解しておか
 ないと、将来何倍にもなってしっぺ返しを受けることを、夫たちは自覚しなくてはい
 けないと思う。このことは働く女性たちだけにいえることではなく、専業主婦だった
 としても同じだ。
・プチ・デジュネと呼ばれる朝食は、今も昔も変わらない。コンチネンタル式の簡単な
 もので、前の晩に残ったパンを焼いて、バターとジャム、熱々のカフェ・オ・レです
 ませる。昼食に時間をかけていたのは古きよき時代の習慣で、忙しい現代社会には通
 用しない。
・ブームに水をさすわけではないが、デパ地下で売られているお惣菜になぜ、大勢の人
 が群がるのだろう。有名シェフの店のコロッケや酢豚だったとしても、シェフ本人が
 作ったはずがない。どこかの郊外の、工場のような巨大セントラル・キッチンから運
 ばれてきているというのに、それになによりも、まちがいなく不経済だ。1パックの
 値段はそこそこでも、家族全員の口に入る量を買ったとしたら、果たして安いだろう
 か。

自動販売機のない国
・フランスにあって、日本にないモノを探すのはむずかしいが、日本にあって、フラ
 ンスにないモノはたくさんある。主だったモノの一つに、自販機がある。学校や塾帰
 りの子どもが、ポケットから100円玉を出して自販機に入れ、ポトンの音と共に落
 ちてきた清涼飲料水を飲む。私たちには見慣れた光景だが、実はそれは世界中で日本
 にしかない。

日本には買いたいモノが多すぎる
・青山や表参道のオープン・カフェのテラスにくつろぎ、見るとはなしに道ゆく若者た
 ちをながめながら、いつも私はこう思う。「世界中どこの町にいっても、こんなにお
 金を持っている若者はいない。」若い人たちは、お金がなくて当たり前、フランス人
 にかぎらず、イタリア人も、イギリス人も、若いうちはだれでもお金がない。
・東京はものすごくエキサイティングだけど、ストレスがたまる街だと思う。なにもか
 もが、人間の頭脳を刺激する仕組みになっているみたい。パリならボーっとしていら
 れるのに、この街は誘惑が多すぎる。
・貧乏になったような気がするのは、留学生の誰もが感じることだ。この国には買いた
 い衝動をおこさせるモノがあふれている。24時間営業のコンビニにいけば、開発に
 開発を重ねた商品が、これでもかとばかり商品棚に所狭しと並んでいる。
・ずっとここに暮らす私たちが気付かないうちに、東京は世界一エキサイティングな街
 になった。ただし、目の前にあるモノを買うにも、24時間いつでも食べられるファ
 ミレスに入るにも、必ずお金がいる。ありあまるお金を持っていない限り、東京は欲
 しいモノがあるのに買えないという欠乏感にさいなまれる街なのである。

ブランド品−私らしさを表現するには邪魔
・女性は腕時計を買うものでないと、フランス人はよくいう。というのも、女性の時間
 は男性が独占するものだから、腕時計は男性が愛する女性にプレゼントするものだと
 言われている。

古くても、安物でも、自分が気に入ったらそれでいい
・パリ・コレとかトップ・モードというとパリが発信地のようだが、町ですれちがうパ
 リジェンヌたちは、だれ一人として流行の服は着ていないし、ルイ・ヴィトンやシャ
 ネルのバックの集中地区は、なにを隠そう東京や大阪、神戸といった日本の都市で
 ある。
・古くてもいい、安くてもいい、自分の気に入ったモノならそれでいい。世界中で私だ
 けが持っている服だとしたら、それが一番ではないか。

もっともっとと、エスカレートする日本
・もっと早くとか、もっとたくさんとか、もっともっとは欲張り日本人の十八番だ。
・彼女たちの持っているバックはどれも、そうとうくたびれているということだった。
 くたびれている、それは私たち日本人なら、とっくに使わなくなっているほどくたび
 れていた。やはり私たちは、パリジェンヌたちよりもハンドバックをたくさん持ちす
 ぎているのは確かだ。
・もっと欲しい、もっともっとという飽くなき物欲に突き動かされて、私たちはブラン
 ド品をいくつも買う。というと物欲の権化のようで、いやらしくなってしまうが、事
 実だからしかたがない。

気持ちが楽しくなる貯金のすすめ
・フランスでは新聞を購読している人は決して多くないし、不動産の宣伝が目白押しの
 折込み広告もない。朝刊の間に、新築マンションの分厚い宣伝ビラが挟まっているケ
 ースなどありえない。もっとも石造りの古い町並みに、大手建設会社が施工する大規
 模マンションの建つ余地もないから、売り出し広告などあろうはずがないが。

お金は万能選手なんかじゃない
・「今、なにが一番欲しいですか」と聞かれたら、フランス人の多くはきっと、愛と答
 えるにちがいない。同じ問いに対して日本人は、お金と答える。
・ひと昔前には私たち日本人にも、お金は不浄なものという考え方があった。お金を触
 った手は、すぐに洗わないと不潔だというのも、それの表れにちがいない。そのくせ
 一方で庶民は、地獄の沙汰も金しだいだとも思っていたわけだ。お金の力がわかって
 いても、それには屈しないぞという意気込みが、私たち日本人にも昔はあった。残念
 ながら今の私たちは、言葉の上だけにしても、そういい切れなくなってしまった。と
 ころが、フランス人は今でも、そう思っているのである。お金がすべてではないし、
 まして万能選手なんかじゃないと。
・サラ金の社長が所得番付の上位にランクされている新聞の紙面を見て、そういう世の
 中なんだなと、変に納得してしまう私たち。サラ金業者が大儲けをする日本という国
 を嘆くには、私たちはお金に麻痺し過ぎている。
・いい大学を出た優秀な行員が集まる大手銀行が善良な市民への融資をしぶり、サラ金
 業者に融資する国だから、人心がかく乱されてもしかがたない。しかし最近になって
 だれもが、日本はどこか狂っているということに、うすうす勘付いている。身近なと
 ころでサラ金やマチ金にはまり、にっちもさっちもいかなくなっている友人がいたり、
 商売がたちいかなくなって自殺までしたという知り合いがいたりするからだ。
・フランス人は成金を毛嫌いする人たちである。
・ところが、フランスはカトリックのお国柄。フランス人は禁欲的な勤勉さが、必ずし
 も富につながるとは思っていないから、資本主義の成立がプロテスタントの国のアメ
 リカ、イギリスよりも遅れた。勤勉に働いて富を蓄えることが美徳だとは、彼らは思
 っていなかった。実際に私がパリで親しくなった彼らは、禁欲的なまでに勤勉に働け
 ば金持ちになれるなんて、だれ一人として思っていなかった。
・彼らはたたき上げの成金を嫌悪する。恥も外聞も、品性も捨てなくては、人一倍金持
 ちにはなれないことを彼らは知っている。また、知性と教養が邪魔しても、お金儲け
 ができないということも知っている。

フランスにはおかえしという習慣がない
・モノを頂いたら、ありがとう。相手の心がこもっていればいるほど、もらって嬉しい
 し、ありがとうの気持ちも重い。感謝の気持ちに、おかえしが入り込む余地があるだ
 ろうか。おかえしがなくてもいいと思うのだが、非常識だろうか。
・フランスには、おかえしという習慣がない。お中元やお歳暮もないし、そもそも日ご
 ろの感謝を込めてモノを贈るという習慣がない。いつもお世話になっているからとか、
 お付き合いがあるからという意味で、モノを贈ることはない。あるのは目的が明確に
 なっているプレゼントだけ。たとえば誕生日、結婚記念日、クリスマスなど、はっき
 りとしたお祝いにプレゼントだけなのである。

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