頭に来てもアホとは戦うな! :田村耕太郎

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筆者は元自民党所属の参議院議員だ。その学歴もすごい。早稲田大学、慶応大学大学院、
フランス高等経営大学院、イェール大学大学院、デューク大学ロースクール、ブリュッセ
ル自由大学、オックスフォード大学、ハーバードケネディースクール等々、これでもかと
いうぐらいに連ねる。実業界においては、山一證券に就職し全社で営業成績第1位になっ
た実績もあるらしい。
自民党時代には内閣府大臣政務官を務めたとのことだが、その後、自民党を離党して民主
党に移った。当時、現職の国会議員が自民党から民主党に移ったのは筆者が初めてのこと
だったらしい。
この本は、筆者のその国会議員時代の経験をもとに書かれている、いわゆる処世術だ。そ
の内容は一貫している。義理・人情・正義感を徹底して廃し、合理的に行動しろというも
のだ。この世の中は理不尽なことだらけだが、それにいちいち腹を立てたり、正義感で行
動したら、結局、損をするのは自分なのだ。どんなに理不尽なことに遭遇して頭に来ても、
それに立ち向かうな、ということだ。そういう感情を抑えて、コツコツと実績を積み重ね
ていく人が、最後には成功者になるのだと。
確かに、そのとおりなのかもしれない。私も、いままでずいぶんと、頭にきてアホと戦っ
てきた。そして損をしてきた。今、振り返ってみると、当時はずいぶん青かったなと恥ず
かしくなる。もっと若いときに、この本に出会っていたら、理不尽だらけのこの世の中を、
もっとうまく泳げたかもしれない。でも、頭ではわかっていても、そううまく生きられな
いのが人間なのだというのも確かだ。
この歳になっても、まだまだ青い自分であるが、この本を読んで、少しはおとなになった
かもしれない。これからは、「頭に来てもアホとは戦うな!」。この言葉を頭にしっかり
叩き込んで行動しようと誓った。

はじめに
・百戦百勝といっても最高の優れた戦い方ではない。敵兵と戦わないで屈服させることこ
 そ最高の戦い方である。
・「アホ」というと、ある程度心当たりがあるだろう。要は、むやみやたらとあなたの足
 を引っ張る人だ。チームメイトなのに明らかに敵意を見せつけて協力的な態度をとらな
 かったり、明らかにこちらの意見のほうが正しいのに、権力をふりかざしてそれをつぶ
 そうとしたり。そんなとき、悔しさで仕事が手に着かなかった経験はないか?なぜ自分
 にばかり厳しく当たるのだろうと、くよくよしたことはないか?はらわたが煮えくり返
 り、家に帰ってもなかなか怒りがおさまらなかったことはないか?しかし、間違っても
 「やり返してやろう」などと思っていないことを祈る。
・怒りとか憤り、まして仕返しなど無駄で後ろ向きなことなのだ。終わったことにこだわ
 ってさらに悪循環に陥る可能性がある。アホは許せないという責任感や正義感はある意
 味素晴らしいが、やはりナイーブだともいえる。正義感や責任感の裏には、日本のテレ
 ビや教育、その底辺に流れる勧善懲悪という甘えがある。”最後に水戸黄門や大岡越前
 が出てきて助けてくれる。悪い奴はやっつけられる”という信仰だ。残念ながら、勧善
 懲悪などなかなか起こらない。いい悪いではなく、それが人生、現実世界だ。
・悪い奴ほど出世する。どうやら真理と善悪とは別である。私が知る限り、少なくとも成
 功する人は善悪ではなく真理を追求しているようだ。いい人生を送りたかったら、善悪
 の判断はできたほうがいいが、善悪、もっといえば勧善懲悪にこだわってはいけない。
 追求すべきが「真理」だ。一つの真理は、勧善懲悪を人生に期待してはいえないという
 ことだと思う。 
・悔しい過去にこだわり、未来を犠牲にするか、それとも、成功するために真理に集中す
 るか。過去を引きずるより、もう終わったことにしたほうが傷は浅いのに、悔しさを晴
 らそうと、さらに過去に時間とエネルギーを投資してしまう。  
・残念ながら、日本のような嫉妬社会ではアホが出世しやすい。能力がある人格者は、出
 世する途中で多数のアホに足を引っ張られてつぶされる可能性が高いからだ。
・権力を持っている連中の中にアホが多い。つまりアホは厄介な敵なのだ。そんな敵を増
 やした代償が、気分が晴れるということだけなんて、全く釣り合わない。一度しかない
 人生の貴重な時をそんなことで無駄使いしてほしくない。
・日本社会では冷静にやるべき議論が成立せず、議論は個人の人格攻撃と捉えられがちな
 ので、失うものが時間やエネルギーですまなくなることもある。成功者は無駄に戦わな
 い。戦いべき時と相手を選ぶ。アホと戦う無駄を知り尽しているから成功するものだと
 もいえる。   
・戦うべき相手は人間関係で「くよくよ悩む自分」「腹を立てる自分」だと思ってほしい。
 そして、神経をすり減らさないための第一のポイントは、自分にもっと関心を持つこと
 だ。そもそも、日本人は他人に関心がありずぎる。お互いが他人に関心を持っていて相
 互監視社会のように感じるときさえある。他人ばかり気にしていたら自分と向き合う時
 間がなくなってしまう。
・戦うべきなのは、”アホと戦う”なってアホなことを考えてしまう自分のみ。アホと戦
 わない生き方こそ、あなたがあなたらしくあることができ、あなたが目指す目標により
 近づけることになるのだ。大切な人生をより輝くものにするためにも彼らと戦ってはな
 らない。そんな人間は放っておけばいいのだ。無駄に戦えば、あなたのほうが人生を大
 事にしない最低のアホになってしまう。
   
アホと戦うのは人生の無駄
・正義は人の数ほどある。その正義を完璧に数値化して公平に判断するのは不可能だ。人
 生は 不条理だと思ったほうがいい。そもそも”条理”は人間が考えた勝手な幻想とも
 いえる。あなたの思う通りに世の中はできていないのだ。神や仏はいるかどうかわから
 ないが、そういう絶対的な存在が常に条理にかなった鉄槌を下してくれるわけではなさ
 そうだ。
・正義感を世の中にみやみやたらに要求することは避けたほうがいい。正義感から他者と
 無駄な諍いをすることはもってのほかだ。なぜなら、相手が勝つ場合が結構あるからだ。
・自分のほうが頭がいい、知識がある、と思ってる人間のやる行為は、明らかに逆効果な
 場合が多いのだ。頭がいいかもしれないが、愚かなのだ。加えて、自信家はどんどん脇
 が甘くなっていく。自信を持って成功してきた経験が次への準備を怠らせる。自信があ
 るから未来の想定も甘くなりがちだ。相手を不快にさせるだけでなく、相手の出方を含
 めた未来の想定をなめてしまい、自分の能力をさらに過信していく。こうして悪循環に
 なっていく。自信のあるときこそ、自信のある人こそ、謙虚にそして危機感を持って事
 に対応すべきなのは洋の東西、何事にでも言えることだ。
・どんな理由があろうが、アホに思える相手とは戦ってはいけない。それが自分の信念の
 ためであろうが、所属している組織全体のためであろうが、彼らから見たら、向かって
 きているという事実は同じである。アホは組織全体のことなどそんなに考えてはいない。
 そもそもだからアホなのだ。
・責任感を感じているなら、組織のためなら、戦ってはいけない。相手を気持ちよくさせ
 て組織のために誘導しないといけない。
・嫉妬社会・日本では、能力のある本来なら出世してほしい人が、多くのアホに結託され、
 途中で足を引っ張られ、引きずり下ろされてしまいがちだ。アホは権力にすり寄ってき
 た場合が多いので、その分彼らは権力の中枢に発信力を持っている。そういう人間を敵
 にして、怒らせては組織のためにならないのだ。
・「プライドが高い」と言われるたいていのケースは、”他人によく思われたい”という
 思いが強いにすぎない。相手にまねられたと感じ、時に怒ったり、機嫌を悪くしたりす
 るのは、このタイプの人間だ。     
・プライドやメンツをつぶされた?それがどうした?そんなものどうでもいいのである。
・残念ながら、すでにいい年になった人物を正すのは不可能である。いくら見事に論破し
 ても、こういうアホたちが自分の考えを変えるとは思いにくい。美しく論破されたら、
 あなたに対する恨みが増すだけだろう。次は姑息な手を使ってでもリベンジしてくるか
 もしれない。その前に、誰から見てもいくら見事に論破したと思われても、アホは論破
 されたとは思っていない可能性が高い。言いがかりをつけられたとか、屁理屈でいいく
 るめられたと思って、被害者意識を持ちながらあなたを憎むことだろう。
・この世の中、自分がコントロールできることが意外と少ない。”自分がコントロールで
 きることだけに時間もエネルギーも集中するべき”だ。他人の気持ちはコントロールで
 きない。どれだけ説得しても、どんなにわかったと口に出されても、わかったような顔
 をされても、まあ「万が一」でも0.01パーセントでもわかってくれたらもうけもの
 くらいに思っておくほうがいいと思う。つまり、「万が9999」は憎まれて倍返しさ
 れる可能性が高いので、おせっかいほど危険なものはない。
・妙なプライドを持っている人は、どこかでちょっとした成功体験を持っている場合がほ
 とんどだ。成功体験があるからプライドを持ってしまう。そこまでつけてしまったプラ
 イドが、等身大の自分を見続けることを邪魔しているのである。
・成功すると、いろいろな意図を持った人が持ち上げに来る。そういう称賛の声は率直に
 受けたほうがいいが、決して真に受けないことだ。人生の途上のちょっとした成功なん
 て、これから続くかどうかわからない。いい学校や組織に入れたり、たまたまいい成績
 を出したり、何か資格や賞をとったり、選挙で当選したり、いい肩書きを手に入れたり、
 それはそれで素晴らしいことだが、経過を目標と読み違えないこと。
・日々で些細な諍いごとがあっても、気にしないのが一番なのだ。たとえやり返したとし
 ても相手はあなたを憎むだけだから、復讐の応酬となって、あなたのチャンスは失われ
 るかもしれない。 
・人生は長いと思うが、時間の使い方を誤ればこれほど短いものはない。他者に固執する
 人間はタイムコストを計算していない。自分の時間価値をわかっていないのだ。だから
 時間を無駄にする。自分の時間をうまく投資すればどれだけの価値が生めるのか?それ
 を考えていれば、アホを相手にする時間がいかに無駄かわかるだろう。怒りに固執した
 り、張り合ったり、おせっかいをしようとしたりすることがすべてが、自分の時間価値
 がわかっていないことからくる。人間に一番平等に配分され、それでいて人生で最も大
 切な資源は時間だ。時間こそが価値を生む。
    
臆病者のための戦略的コミュニケーションのススメ
・「孫子の兵法」こそ無駄な戦いを避ける極意の集大成だ。その中に、「敵の10倍の戦
 力であれば、敵を包囲すべきである。5倍の戦力であれば、敵軍を攻撃せよ」とある。
 戦いの場では相手の5倍の力がついて初めて好戦的になってもいい。
・「環境に柔軟に対応する者」が生き残る。同じ種の中で身体が大きく戦闘的な者が生き
 残るわけではない。コオロギを使った実験で興味深いのが、臆病で戦いを避ける者が、
 戦闘的な者より生き残る確率が高いこと。むやみやたらに戦わず、体力を温存して、健
 康体を保っているものが生き残り、メスとの出会いをつかみとり、子孫を残す可能性が
 残されているのだ。 
・私の見てきた成功者は、皆空手より合気道である。正面からの力のぶつかり合いではな
 く、相手の力を使って相手のバランスを崩し、こちらの有利な大勢に持っていく。そし
 てお互いに怪我をしあいように決着させる。呼吸を図り、相手の力に逆らわずそれを活
 かすので、こちらはそんなに筋肉隆々にまで鍛える必要はない。相手がいくら巨大で強
 力でも、少しポイントをずらせば、こちらがコントロールできるそのコツを知っている。
・まず頭にきたら、相手に花を持たせて、いい気分になってもらうのだ。頭にきた人間に
 こそ、笑顔ですり寄って物事を頼んでみよう。頭に来ることはあったも、権力がある人
 材ほど、まずは花を持たせてあげよう。そのためには相手の攻撃やいじめにやられてい
 るフリをすればいい。反撃するガッツなど微塵も見せず、敵わなくて悔しいが”やられ
 た””勝てません”という姿を見せるのだ。ダメ元で結構。
・ライバルへの仕返しは、相手の力を利用してこちらにメリットがあることを実現してし
 まうようにしたほうが建設的だ。無駄に戦って敵をさらに難敵にしてしまって将来を危
 うくするより、敵をこちらの味方にして自分のために利用したほうが生産的である。そ
 して相手を再考の味方にすることで、溜飲が下がるだけでなく、未来も明るくなる。本
 当に自分のやりたいことにフォーカスすれば、アホにでも頭は下げられる。   
・そしてアホは、くそ生意気で自分の嫌いオーラを発しているような人間が頭を下げてく
 れたら嬉しいのだ。勝ち誇った気になり、それ見たことかと得意げになる。それでいい
 のだ。そこでアホも人間なので脇が甘くなり、情にほだされる。頭を下げるときは、本
 気で誠心誠意下げないと用心深いので効き目がない。どうせ頭を下げるなら本気で徹底
 して下げよう。 
・メンツをつぶされたとしても、自分が思うほど周りは気にしていない。しかも、個人の
 メンツなど周りもそんなに覚えていない。相手に信用や実績までつぶされてしまうほど
 実利に直結する場合は問題だが、そうでない場合はさほど気にする必要はない。
・生意気なほど「あいつは元気があっていい!」という意見も聞くが、そんな評価にだま
 されてはいけない。これは多くの場合、自分の度量の広さを見せようとして先輩が言う
 ことだが、実のところ、生意気な人間を好きな人は、限りなく少ないと思う。たいてい
 の人は従順そうな人間が好きなのだ。自分が部下を持つ立場になればこれが実感できる。
・戦いを挑んてきた人間を「たいした奴だ」と受け入れてくれるような人間はいないと思
 ったほうがいい。喧嘩して友情が深まるのはドラマや漫画の世界だけだ。「金持ち喧嘩
 せず」というように、成功者は時間をかけ知恵を使って、戦わずして勝つやり方を選ぶ。
 相手がやられたと気づかないように、相手の力をうまく使いながら自分の欲しいものを
 手に入れていく。
・戦うべき相手はアップサイドがある、つまり相手にすることでこちらも得るものがある
 人間だけに絞ろう。どう絡んでもダウンサイド(損をする)しかないという、自分にと
 って意義のない相手から何を仕掛けられても相手にしないことだ。しつこく絡まれたら、
 思い切って逃げることも選択肢の一つである。
・電車の中や夜の道端でも絡んできたりする人がいるらしい。多少景気がよくなったのか
 もしれないが、基本的には人口減少の日本には閉塞感が漂うので、精神状態が多少おか
 しくなったり、イライラしてり切れやすくなったりする人がいるのかもしれない。将来
 への不安から自暴自棄になっている人もいるかもしれないので、正義感や使命感から、
 こういう人間を成敗しようと考えたり、お説教してやろうと思うのは危険だ。
・絡まれて得はない。時間とエネルギーが無駄である上に、損しかないと思ったら、こう
 いう人たちからは一目散に逃げるのだ。一切かかわらず関心を持たないのが一番。反論
 も反撃も厳禁だ。とにかく避ける。そして場合によっては逃げる。好き勝手に言わせて
 おけばいい。 

どんな強者でも味方にする”人たらし”の技術
・頭のいい人は世の中に掃いて捨てるほどたくさんいる。頭がいいことにはそれなりの価
 値があるが、絶対的な価値はない。真の叡智、他者から抜きんでるための人生最高価値
 は、単なる頭の回転ではない。記憶力や発想力だけではないのだ。
・事を成すために、経営者だろうが、学者だろうが、政治家だろうが、行政官だろうが、
 必要な能力がある。それは「相手の気持ちを見抜く力」だ。
・他人の気持ちがわからずに、その能力を十分に活かせなかったり、途中で挫折したり、
 消えてしまうエリートをたくさん見てきた。どんなに鋭い分析力を持っていようとも、
 世の中にインパクトを与えたいなら、まずは力を持つ人の気持ちを理解し、巻き込み、
 動かすことが必要になる。対人関係に関する行動では、どんなときでも、まず相手の気
 持ちを考えることから始めることだ。そうすれば、アホと戦う必要はなくなる。
・「他人を動かす」3原則
 ・非難するな
 ・認めよ
 ・相手の欲しがるものを理解せよ
・人間を動かしているのは感情であって、理屈ではない。頭でっかちはロジックで人を説
 得しようとし、時として高圧的に論理で相手を追いつめてしまう。そこで論破しても、
 相手は動かない。そういうことをされたことを「馬鹿な屁理屈で、人前で恥をかかされ
 た」と憎しみとともに一生忘れないのがオチだろう。
・アホを相手でも全く同じで、苦手な人間にはさらに丁寧に接するべきだ。絶対に批判し
 たり、嫌いオーラを出したりしてはいけない。そしてリスペクトしているところを強調
 する。最後に相手の欲するものを相手の立場で考えて見つけ、それと自分の利害を共通
 のものにする。
・共通の利害を見つけよ。そして、相手に利害を与えよ。決して非難・批判するな。常に
 相手へのリスペクトを持ちそれを相手に伝えよ。    
・腰を高くしていいことなど一つもない。腰をくするのはキャンキャン吠える子犬と同
 じで、気が小さいのを隠そうとする見栄っ張りな人間であり、そういう人が成功できる
 可能性は少ない。人間は感情の動物である。自分の気を済ませるために相手を不快にさ
 せてしまえば、敵を増やしても、仲間はできない。そんな状態で成功できるだろうか?
 腰を低くしてフレンドリーにすれば敵はできないし、応援者は増える可能性が高い。
・強気のキャラで成功してきた人もいるので一概には言えないが、生意気さを前面に出し
 て成功しても、その後長続きしない場合が多いように思う。一度でも挫折したときに本
 気で応援してくれるサポーターが少ないのだ。今さらキャラを変えるわけにはいかない
 と、また強気に言ってしまえば悪循環に陥っていく。
・成功して腰が低くなる人もいる。本当の成功者になれば、腰が低いことの意義が自然と
 わかってくるからだ。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということだろう。それは成功
 する人は、戦略的で頭がいいからだ。成功すれば腰を低くしたほうがいいことばかりな
 のである。権力を握るアホもある意味で戦略的で、人を選んで腰を低くしている場合が
 多い。その反動からか、特定の人間に憂さ晴らしできつく当たったり、人によって態度
 を変え過ぎたりするのは気に障るが。
・成功しない人は悔しさや嫉妬の気持ちから自分を大きく見せようと腰を高くする。それ
 は哀れで滑稽である。しかし、すでに成功した人が、腰を高くしたらどうだろう。反発
 を買うだけだ。 
・成功していれば、多くの場合、すでにいろんな意味で自分のプライドは満たされている。
 目立とうとしなくても目立っているし、すでに多くの人が持ち上げてくれているので、
 ふんぞり返る必要はない。    
・姑息なことと腰が低いこととは違う。腰が低い姿勢が効果を生むのは、頑張って結果を
 出していないと厳しい。結果も出さずして、腰が低いのは当たり前である。むしろ、で
 きなさを補うための腰の低さなら「姑息さ」に見られる。
・物事に一喜一憂せずに淡々としている者が最後には勝つ。
・政界に入るまで「嫉妬」といえば、女性の専売特許かと思っていたが、数字で勝負がつ
 けにくい、権力好きが集まった男性社会である政界こそ、嫉妬社会の代表であったのだ。
 「この社会で最も嫉妬されやすいのは”若さ”だ。若ければチャンスを待てる。待てば
 嫉妬も緩められる。若くして政治家になった君はそれに気づけ」というようなことを言
 われたことがある。
・どんな職業でも、本人が「自分を見失う」瞬間に坂から転げ落ちていく。実際この目で、
 そういう理由での見事な転落を政界でも実業界でもいくつか見てきた。一方で「自分を
 見失わない」人は坂を着実に上っていく。
   
権力と評価の密接な関係
・ビジネスも政治も外交も、相手の立場になって思考できれば、「百戦危うべからず」で
 ある。相手のこちらに対する対応が気に入らないことへの不満の改善の第一歩は、相手
 の立場に立ってみることなのである。
・そもそも、この世には”不本意な人事異動しかない”と思おう。希望通りの人事が行わ
 れる可能性など本当に小さい。なぜなら、全員の希望を聞いていたら人事など行なえる
 はずもない。また、その人にとって何が本当に最適で最高な人事なのかは、配置される
 ほうにも配置するほうにも完璧にわかるわけではない。そもそも人生やビジネスの経験
 の少ない人間にとって希望する人事が将来どれだけ意義のあるものになるかは判断がつ
 かない。また、人事を経ることでその意義は時間とともに変わっていく。
・まず余計なストレスを最小限にする方法は、期待値をコントロールすることだ。希望や
 期待を完全に捨て去る必要はないが、人事に過剰な期待を抱かず、最悪の事態を想定し
 ておけば、たいていの物事は完璧と最悪の間におさまるので、思い通りではない人事が
 言い渡されてもショックは少ない。人事や待遇を含めて人生で大事なのは期待値コント
 ロールなのだ。
・周りを見たら不条理なことばかりだ。世の中も会社もあなたがフェアだと思うようにで
 きているわけではない。環境は自分で作っていくしかない。主体的に人事を動かせるく
 らいの実績をコツコツ作っていけばいい。本当に自分の思いを描くことをやりたいなら、
 自分でゼロから組織を作っていくことも視野に入れておけばいい。ただし、たいていの
 場合、自分で理想の組織をゼロから作るより、今いる組織の中で実績を作って環境を主
 体的に変えていくほうが、はるかにらくだと思う。
・思い通りに人事がいかないからといって、腐って組織を辞めたり、不満を態度に表した
 りする前に、その組織の中で目の前に与えられたことでコツコツ実績を作り、その機会
 を活かして成長していく姿勢を持ち、それを実践していったほうがはるかに道は開けて
 いくはずだ。 
・ちなみに、国会議員は一人当たりにつき4億円ほどの国費が投入されている。
・この世は不条理であり、正義や義理は大事だが、それを純真無垢なまま鵜呑みにして行
 動しては、たった一度の奇跡のような人生を満足する形で使い切るこはできない。現実
 は汚く見えるものだが、そんなものに嫌悪を示すより、自分の目的に集中して、そこで
 結果を出すことに専念したほうがいい。結果を出すために権力に接近することが必要な
 ら、その力を活かすことも視野に入れて準備しておくことだ。
・間違っても負け組に乗らないことだ。勝ち組の候補者があなたを心の底から憎んでいて
 100パーセント間違いなく冷や飯を食わされる可能性が高いほど、よほどのことがあ
 れば別だが、意気に感じたり妙な正義感を出したりして、負け組に乗っかってはいけな
 い。 
・人生”意気に感じること”も大事だが、社会人になってそういう感傷的な勝負に出てし
 まっては失いものが大きすぎる。何のために自分はその組織に入ってその仕事をやって
 いるのか、そのことを常に集中しよう。
・権力者に逆らったり嫌われたりしてらいい仕事はできない。思想・信条がいかに合う人
 がいても、その人に力がなければ組織の中で目指すことを実現できる可能性は低い。だ
 としたら、自分の仕事の価値や意義を向上させてくれる力を持った人の傘下に入るべき
 だ。 
・「人生はそもそも理不尽なもの」という現実感覚を持てば、いかなる職場にいてもスト
 レスは大きく減らせる。ストレスの多い人は何事にも過剰に期待をしている人だと思う。
・誰にでも公平に人生が準備されているわけではない。それは人類の歴史を振り返ればわ
 かることだ。植民地支配や人種差別や虐殺や略奪が人類の歴史では行われてきた。人生
 はそもそも理不尽だが、今の日本はとてもいい環境で、理不尽さから殺されてしまうよ
 うなことはほとんどない。 
・嫌な奴が出世したり、不当な扱いやいじめを受けたり、仕事が思ったほど楽しくなかっ
 たりしても、そんなことは洋の東西を問わず、どこにでもあることだ。素晴らしい人格
 者に囲まれ、常に公平に扱われ、何をやっても楽しい仕事ばかり、という環境にある人
 はどこにもいない。
・自らの心の持ちようでストレスを抑え、自分の行動で面白くしていくのだ。ないものね
 だりをして時間とエネルギーを無駄にしてストレスを増やすより、目の前のことに一生
 懸命取り組んで、少しでも自分と自分の周りを面白く楽しくすることに時間とエネルギ
 ーを投入しよう。

他人の目を気にするな
・人生は自分が主役であるべきだ。死ぬときは思い出くらいしかあの世に持っていけない。
 他者の視線を気にして生きていても、死ぬときは一人で死ぬのだ。他人の視線に振り回
 されていては、あっという間に時間が過ぎて人生の終わりが来てしまう。そんなことを
 していては、自分が自分の意志で生きてきた思い出も作れない。
・人生が限りなく続くように思えるときに「自分が何のために生きているのか?」を考え
 るのは困難だ。なぜなら「そんなことはいつか考えればいい」と思えるからだ。しかし、
 死の間際に、残された人生がわずかなものと悟ったときに「何のために生きてきたのか?
 生きるべきだったのだ?」を考え抜かずにはいられない。 
・他者はあなたが思うほどあなたをフォローしていない。テレビタレントでもスポーツ選
 手でも政治家でも、ピークにあるいっときくらいは朝から晩まで追いかけてくるような
 人がいるかもしれないが、ずっとストーカーのように追い回されるわけではない。まし
 て人気商売にある人でなければ、自分が思うほど他者はあなたを見ていない。加えて、
 他者の目は多くが不十分な情報に基づいた偏ったものであり、同時にうつろいやすいも
 のだ。
・今あなたが他者からどう見られているかなんて、人生の最後から逆算すればどうでもい
 い途中経過なのだ。そんなつまらないことにとらわれているのは時間とエネルギーの無
 駄。人生を台無しにしているのだ。主役となってもっと思い通りに生きてみてもいいの
 ではないか?
・自分がコントロールできないことについて、あれこれ悩んだり、心配したり、イライラ
 したりしても仕方がない。そして基本的に他人の気持ちはコントロールできない。これ
 は家族でも友人でも恋人でも社員でも同じだ。
・人に好かれたいという思いに振り回されて”自分の人生”を生きなかったら、私はその
 時間は無駄に思える。他人に好かれたり慕われたりすることはとても大事だが、それに
 振り回されていたらとても不幸だ。
・好かれたい・慕われたいとの思いに突き動かされ、振り回され、他者にことらの媚びる
 気持ちを見透かされ、逆に好かれず慕われない状況に陥るより、目の前のことに主体的
 に精一杯取り組むほうがいい生き方だ。結果として、そういう生き方をしている人を他
 人は慕ってくる可能性は高い。
・他者の気持ちはコントロールしようとすればするほど離れていく。そんなものをこちら
 の思い通りにしようとするのではなく、確実にコントロールできる自分、そんな自分の
 目の前にあることに時間とエネルギーを集中投下すべきなのだ。
  
アホではなく自分と戦え!
・自分の判断の基準を持つのが重要だ。なぜなら人生における幸せとは、自分の「心から
 の納得」にしかなく、納得は自分の「最も大切な基準」が満たされることで初めて生ま
 れるからだ。  
・現代社会、特に人の目を非常に気にする日本社会で育ってきたわれわれは、他人からの
 評価に左右される人生を送っている。人間は周りに影響されやすい生き物なので、デキ
 る人間に囲まれる環境を作ることは大事だが、そうした環境に満足するだけでなく、自
 分が納得できることが達成できたか、という自分だけの基準が重要だ。だからこそ、自
 分と向き合う必要性があるのだ。
・他人に囲まれてばかりいると、自分と向き合うことはできない。自分ひとりの時間でも
 テレビやパソコンやスマホを見ていたら、自分と向き合えるわけはない。私は自分と向
 き合うときは、外を歩いたりジョギングしたりする。軽く身体を動かしながらのほうが
 自分に問いかけられる。それは心地よい疲れが雑念を排除してくれ、素の自分になりや
 すいからだと思う。家族は大好きでも、それと離れる時間を確保しないといけない。電
 話やメールやテレビからも逃れないといけない。そうなると、それから離れて走ったり
 泳いだりする時間は貴重だ。
・戦争に負けた日本は、ゼロからの厳しい出発を本来ならしなければならなかった。しか
 し、アメリカから見た日本という脅威が去ったあと、新たなる脅威、共産主義の台頭が
 起こり、それを押しとどめるために日本に大きなチャンスが巡ってきた。アメリカが日
 本の防衛を肩代わりし、経済復興のために支援をしてくれ、共産主義との戦いが朝鮮半
 島で起こる。それが特需をもたらし、日本は復興を果たした。もちろん当時の日本人の
 奮闘もあった。そこで日本人は豊かになり、安全を獲得した。
・しかし、世界最高レベルの豊かさを享受する日本は、これから高齢化、グローバル化、
 気象変動、テクノロジーの発達、中国の台頭とアメリカ覇権の衰退という未曽有の大変
 化により、経済・財政的にも、地政学的にも、非常に厳しい時代を迎えることになる。
 日本は素晴らしい国だが、今までのような安全や豊かさがこれからもそんなに努力しな
 くても手に入るという時代ではない。
・これからは国内においては、社会保障の負担は上がり、雇用は減り、経済は縮小し、地
 政学的にはアメリカがアジアから影響力を失っていく中、日本を快く思っていない中国
 がされに台頭し、それまでに北朝鮮で何かが起こる可能性がある。
・激変する時代、そして自分の身の回りで起こる事態を予想し、逆算して今から準備して
 おくことが必要だ。過去の延長に未来がないことだけは事実で、変化を嫌うことは最大
 のリスクを招く。変わることもリスクはあるが、今のままでいることは危険だ。
・まだ若い友人や知人の中にも病気で亡くなる人がいる。やはり、人生とは不条理である。
 まじめにコツコツ他人のために生きてきたような友人や知人に限って、先に逝ってしま
 う。「なんでこんな誠意の塊のような若い人が早く逝ってしまい、エゴの塊のような理
 不尽な言動を繰り返す年配者がピンピンしているのか」と、切なくなることがある。
・道半ばで逝った知人らの最期の瞬間の思いを考えてみると、やりたいことは今しておく
 べきだし、それをやるためだったら誰から何を言われようが「知ったこっちゃない」し、
 同時につまらない意地やプライドは人生で何の意味もないと思えてくる。
・テレビやスマホやタブレットも1日の使用時間を制限し、情報や知識はスクリーンより
 紙の印刷物から得るようにする。電子情報は早くて便利でありがたいが、それだけだと
 なかなか自分の中に入っていかない。新聞や本のような、紙の手触りや厚みや重み、に
 おいやシミや汚れなどの複合情報も同時に入ってくる媒体のほうが、情報は自分の中に
 入って来やすい。集中するときはスマホもパソコンもタブレットも見ない。
・気合を入れて取り組むねきことが見つからないという人もいるだろう。そんな人には、
 やりたいことを見つけることより、目の前のことを懸命に頑張ることをおすすめしたい。
 「やりたいことが見つかっていること以上に幸運なことはない」、と思えるほど、自分
 がしたいことを見つけている人は案外少ない。仮にそれが見つかっても、それをできる
 立場にあるかどうかも問題だ。心からやりたいことが見つかって、それをできている人
 は本当に幸せだと思う。   
・やりたいことを見つけようとすることは、エネルギーも時間も無駄な気がしてならない。
 それより今、目の前にあることを精一杯やるべきだ。勉強でも仕事でもいい。目の前に
 あることに没入してみるのだ。ないものねだりをして何にも全力を尽くせない状態にな
 るのが、一番時間もエネルギーももったいない。何度も言うが、たった一度の人生とは、
 宇宙スケールで見れば奇跡のような存在で、時間もエネルギーも大切にしないといけな
 い。  
・誰から見てもうらやましい人生などない。多くの成功者と言われる人を見てきたが、お
 金があっても幸せでない人、生まれたときから有名であることから自分の人生を生きて
 いけない人、自分の好きなことに奔放に熱中した結果、家族が崩壊してしまい寂しい思
 いをしている人、そんな人も多い。  
・すべてを手に入れて、それをずっと継続できる人などいない。人生は山あり谷あり。山
 や谷があるから、人生でワクワクでき、ハラハラできる。山や谷を乗り越えても、人間
 として成長し深みが増していく。こんな宝物のような自分の人生に出会いながら、それ
 を思い切り使い切らない手はない。人生があるだけでもそれに感謝して、目の前のこと
 を頑張ってみるばきだ。そこから道は開ける。
・人生は何があるかわらなない。事実は小説より奇なり。人間の想像力は無限だが、人生
 はそれ以上の出来事を用意してくれている。
    
おわりに
・どんな時代に生きても、人生は天から与えられた宝物のようなものである。科学が解明
 しつつあるが、この広い宇宙で生命が誕生する確率はかなり少なく、その生命でも人生
 の貴重さは意識するような知的生命体になれるのは、生物としそうなるのがいいかどう
 かは別だが、ごくわずかである。そんな貴重な人生を獲得したという意味で、われわれ
 はとてもラッキーなのだ。  
・つまらない戦いで貴重な人生を無駄使いしないでほしい。”倍返し”だの”リベンジ”
 だのといった言葉が流行るたびに、おせっかいだが、そんなもの相手にするなと思って
 いた。  
・一喜一憂するような人にはスタミナがないと思う。一喜一憂はくたびれるのだ。そして、
 こういう人は安定感がないので相手から信用されにくい。損なことばかりだ。長い人生
 をじっくり謳歌するためには淡々と生きることだ。淡々と、しかし世の中斜めに見て、
 シニカルは発想で、戦略的に生きて行くのだ。
・純粋まっすぐ率直ではなく、シニカルにしたたかに!やられたらやり返すのではなく、
 やられたら、やった人を気持ちよくさせて自分のために使い倒すのだ。それが本当の倍
 返しだと思う。   
・小さな戦闘で一喜一憂するのではなく、大きな戦いに勝つべく、淡々と戦略的に生きて
 ほしい。自分の人生を謳歌すること、つまり人生最後の瞬間を考えれば、今あるいいこ
 とも悪いことも途中経過にすぎない。まさに「得意淡々、失意泰然」でいいのである。
・人生を謳歌して使い切るという視点に立てば、つまらないプライドなど捨てられるはず
 だ。考えるべきは、自分の人生をいかに主体的に生き抜くかということだ。他人の評価
 も、そのために活かすなら意味はある。しかし、そうした評価や自分のプライドに振り
 回されるのは本末転倒だ。
・やりたいことが見つからないという前に、今目の前にあることをしっかり頑張って結果
 を出せばいい。今自分の目の前にあることは、無意識に自分が選択したやりたいもので
 ある確率が高いあらだ。それを夢中になってやればいろいろ見えてくる。悩むより、や
 る気を出すより、「没入」するのだ。
・人生は不条理なものだと認識すること。不条理というより、あなたの都合のいいように
 はできていないということだ。これからは未曽有の変化が加速し、ますます不条理にな
 っていくかもしれない。ただし、最初から不条理だと思っていれば腹も立たない。その
 中で結果を出している人は、私たちには見えないところでコツコツと淡々と努力を積み
 重ねて実績を築いている可能性が高い。他人を見て一喜一憂するのは本当に無駄だ。そ
 れより、自分の人生を、この貴重は宝物のような人生を、大事に、一喜一憂することな
 く淡々と、カッとしてアホと戦ったりしないようにして、使い切っていこうではないか。