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恋愛とは何なのか。男と女にはどんな違いがあるのか。分かっているようで、実はわから
ないことが多い。男の性の本質をスバリ解き明かし、正しい欲情の仕方をわかりやすく解
説した本である。これからたくさん欲情するであろう若者はもちろんのこと、人生の成熟
期にある中高年者も、もう一度復習を兼ねて一読したい本である。若い頃にこの本に出会
っていたら、私の人生もまた違ったものになったかもしれない。

はじめに
・恋愛は、すべての人々が胸に秘めている本能的な欲望です。そして、この欲望があるか
 ら、人類はこれまで絶えることなく繁栄してきたのです。もし人々の中からこの欲望が
 薄れ、消滅したら、人類はたちまち滅亡してしまいます。それだけに、異性を求め、
 愛し合うことは、人間として自然の姿であり、もっとも人間的な行為でもあるのです。
・もし好意を抱いている相手がいるときは、思い切って自分から意思表示をするべきで
 す。好きなことを訴えるのに躊躇することはありません。
・恋愛の最終目標は、心身ともに深まり、許し合うことです。愛の本質は互を求め合う
 「欲情」そのものでもあるのです。 
・いうまでもなく恋愛は、「性はもちろん、生まれも育ちも価値観も異なるひと組の男女
 が、愛し結ばれていく過程」です。それだけに個人差があり、すべてに共通する処方箋
 があるとはかぎりません。
 
男は振られる生きものである
・卵子が一個の精子を自分の中に取り入れたら、もはや他の一切の精子を拒絶するように、
 女性は一人の男性を愛したら、もはや他の男性には興味を抱きません。
・もし心から好きな男性がいたら、女性はそうやたらとよそ見をしたり、浮気をすること
 はありません。それは、女性が貞節であるとか誠実だ、ということではなく、女という
 性はそのように生まれついているのです。卵子が一つの精子を取り込んだら、もはや他
 のいかなる精子も受け入れないように、好きな男性ができたら、ほかの男性を受け入れ
 ないのです。

二兎しか追わぬもの一兎も得ず
・男が女に魅力を感じて欲しくなる。その原点は、はっきりいって性的欲望です。目の前
 にいる女性を思いっきり抱きしめ、接吻をし、裸にして関係したい。
・ほとんどの男は女と接触し、関係することを求めているのですが、女はそう簡単には許
 しません。女性はそうした肉体的なものより、まず優しい言葉や甘い雰囲気のほうを好
 みます。 
・男は性急な生きものです。女性の比べると我慢がきかず、耐えることが苦手です。その
 ため、たとえつきあっていても、なかなか許してくれない女性に苛立ち、腹を立て、や
 がて諦めます。 
・性的関係が充実するには、男のほうの求めかたや愛しかたが重要ですが、まず肌を接し
 て関係する、という目的から考えると、早く許してくれる女性ほど望ましいものはあり
 ません。 
・許しそうでいて、なかなか許さない、気難しい女性を追うよりも、目先、まず許してく
 れそうな女性を追いかけたほうが得策です。もちろん、つかまりにくい明日の女性のほ
 うが素敵で、好みかもしれませんが、なによりも今日の女性は、いますぐ許してくれる
 のです。男が狂おしく求めている性的関係を受け入れてくれるのですから、有り難みと
 いう点では、こちらが上になるのは当然です。 
・たとえナンバーツーでも、体を許してくれて関係するうちに、相手のさらなる優しさや
 素敵なところに気づき、ますます好きになることも少なくありません。 
・一般に、一人の女性が好きで真剣に追いかければ追いかけるほど、女性は逃げるもので
 す。 
・まったく好意をもっていない、あるいは嫌悪感さえ抱いているような相手では、いくら
 激しく迫っても許すことはありえません。それどころか、迫れば迫るほど気味の悪いス
 トーカーと思われます。 
・その結果として恋愛の敗者となり、男は自信を失い、それをきっかけに恋愛恐怖症にな
 ったり、性格が歪むことも少なくありません。そんなことにならぬためにも、まず複数
 の女性を追うべきです。自身がなければないほど、多くの女性に声をかけ、近づくべき
 です。
・恋愛するに当たって、女性が一番嫌うのは、暗くて重い人です。気さくで明るくて楽し
 い、そして少し甘えん坊で、軽くおっちょこちょい。このあたりが、多くの女性が好き
 になる、男のタイプの公約数です。 
・複数の女性を追うことは大変で疲れますが、恋愛の成功に必要なのは「こまめさ」です。
 たとえ逢えなくても、「元気?」「どうしている?」と、メールの一本だけでも入れて
 おく、この軽い心遣いが女性を安心させ、彼女の心を開かせます。
・最後のいまひとつ大事なことは、それぞれ追いかけながら、最低限、彼女のキープ君に
 なっておくことです。    
・大事なのは、気長に待つことです。なぜなら、女性にとっての男の順位はときによって
 変わるからです。先月まで一番だったのが、突然二番になり三番になったり、単にキー
 プにすぎなかった君が、突然二番から一番目に引き上げられないともかぎりません。  
・女性はお高くとまっていても、日々心が揺れ、ときに気が変わることもしばしばです。
 一番目の男との恋愛も、常に順調にすすむとはかぎりません。そのように女性の気持ち
 が揺れるチャンスを気長に待つことです。  
・自分は恋愛下手だと思う男ほど、多くの女性を追いかけるべきです。そしてさまざまな
 女性と接し、話しかけ、女性に馴染むべきです。恋愛巧者になる第一歩は、まず沢山の
 女性を知り、女性にものおじせず、優しく接することができるようになることである。
 
考えるよりまず行動を
・人間は怠けてなにもしないでいると、かぎりなくその状態に慣れ親しみ、甘えていく生
 きものなのです。これは、仕事でも趣味でも、遊びでも同じです。
・よき恋愛をするためには、いつも恋する気持ちを抱いていなければなりません。そして
 チャンスとみたら自ら実行することです。
・恋愛の難しいところは、相手がいることです。運動や趣味なら一人で黙々とやるだけで
 成果が得られますが、恋愛は異性という相手が必要です。
・まず好意を抱き、仲良くなりたいと思う相手がいたら、自ら近づき、話かけることです。
 男から紳士的に話しかけられて、不快に思う女性はまずないでしょう。
・恋愛は理論ではありません。理屈で解明できるものではありません。それよりむしろ、
 感というか勘に近いもので、それで成否が決まるのです。

巧言令色ときめく愛
・女性に対してするべきことは、まず褒めることです。なぜなら女性は褒められるのが大
 好きな生きものだからです。褒められると、女性は浮き浮きとして輝き、全身にホルモ
 ンが分泌され、艶めいてきます。
・呆けることに躊躇することはありません。それ自体、相手にとって嬉しいことなのです
 から、いいことをしていると思って自信をもってやるべきです。
・面と向かい合っている女性に褒め言葉をいうときは、あれこれ深く考えてはいけません。
 まず言葉に出して言うことです。それがほんとうか否か考えるより、言うことが大切な
 のです。このことに気づけば、ずいぶん気が楽になるはずです。
・軽みでいう褒め言葉は、いまだに日本人のなかに根付いていません。それどころか、重
 々しい内容のある言葉がいいのだ、と思い込んでいる人は多いのです。  
・軽い褒め言葉は男女のあいだの潤滑油です。

焦らずに明るく正直に
・女性は初めて二人だけになったとき、想像もつかぬほど相手の男に対して警戒している
 だけに、まずその警戒網を解くことが重要で、それには笑いがもっとも手っ取り早くて
 有効です。
・初回のデートで、いまひとつ大切なことは焦らないことです。男はせっかちな生きもの
 で、せっかく逢えたのだから、食事をしたあとカラオケにでも行き、一気に二人だけに
 なって、うまくいけば接吻を、などと考えるものですが、そこかで欲を出すと、かえっ
 て失敗する率が高くなります。 
・あと一歩押せば自分の部屋に連れ込むことや、ホテルまで行けたかも、と思っても、そ
 の手前で別れる。これで一見、チャンスを逸したように思うかもしれませんが、このほ
 うがはるかに余韻を残します。これを女性の立場からみると、楽しくふたりだけの時間
 を過ごし、相手へ少し好意を抱きかけたときに、「それじゃあ・・」といって去ってい
 かれると、「おや」となにか逸らされた気分になり、かえって男への気持ちがつのりま
 す。
・「急いては、ことを仕損じる」という格言は恋愛においても通用します。そしてデート
 の別れぎわには、「また逢ってください」と、やわらかく余韻を残しておく。

近づきながらテスティング
・具体的に彼女は自分にどの程度、好意を抱いているか。それを測定する方法として、も
 っとも有力なのが、レストランなどで食事をしているとき、自分の皿にあるものを相手
 に差し出してみることです。すすめられた途端、「そんなのは、いや」とばかり首を横
 に振るか、見たくもない、というように顔を背けるようでは、まず可能性はないと見て
 間違いないでしょう。 
・当然のことながら女性は潔白な性ですから、好意を抱いていない男性から勧められたも
 のを、食べることはまずありません。問題は断り方で、申し訳なさそうに断る場合は、
 まだ脈はあると考えていいでしょう。
・おしぼりへの態度でも、好感度の判定にかなり有力です。あまり好きでない人が使った
 おしぼりは、なにか不潔に感じるものです。そうしたおしぼりが自分のほうに近づいて
 きたとき、女性は見ないふりをするか不快は表情をします。もちろんそのおしぼりに触
 れることも、自分のおしぼりの上に重ねることもありません。でも彼が使ったおしぼり
 を軽く掴んだり、自分のに重ねてウェイターに渡すようなら、かなり好意を抱いている
 と考えてもいいでしょう。
・いまひとつ、知っておいたほうがいいテストがあります。それは彼女の髪の毛へのタッ
 チです。肩口にかかっているうしろ髪か横髪へ、上体が接近したまま偶然触れたように
 振舞う。このとき「きれいな髪だね」「いい匂いがする」とか、さらに背中に軽く触れ
 て、「痩せているね」などとささやくと、さらに自然かもしれません。いうまでもなく、
 「髪は女の命」といわれるだけに、女性にとってきわめて重要な部分で、それだけに反
 応のさまざまです。手が触れた瞬間、いかにも不快そうにさっと引くようでは、許して
 くれる可能性はまずない、と考えていいでしょう。一番好ましいのは、触れられても気
 にせず、そのまま男の手にゆだねていることで、ここまできたらゴールは目前です。  
・ラブホテルに誘うのは、いかにもセックスそのおのを求めている印象が強いので、一般
 のシティホテルに誘うほうがスマートです。でもこの場合も、あまりはっきり「泊まろ
 う」とか、「部屋を借りてくる」などというと、途端に警戒したり、しれける女性もお
 おいでしょう。 
・ホテルの部屋に自然に誘う方法として好ましいのは、ホテルのバーなどで飲んでいるあ
 いだに部屋を借りておき、帰りがけにそっと誘うのがお洒落です。でもそこで断られた
 ら、せっかく借りた部屋代が無駄になりますから、ある意味、危険な賭けともいえます。

容易に許す女は軽いのか
・女性も一、二度逢っただけで許したくなることもある。でも、許すと軽い女と見られる
 のが嫌で許さない。そしてその時には、そういう思惑だけ先行して、なかなか結ばれな
 いまま、時間を空費しているカップルがある。
・女性が好意を抱いている男性に、比較的早く体を許したからといって、その女性を軽い
 と安易に思う男性はまずいません。それどころか、こんなに早く許してくれたことを喜
 び、感動する。そして、それだけ自分に好意を抱き、自分を高く評価してくれたのだと
 思い、ますますその女性を好きになるものです。
・互いに好意を抱き愛が芽生えはじめたとき、体を許すのは自然の成り行きで、そこ理屈
 や格好づけは必要ありません。それでも、あまり簡単に許すと軽い女に見られるのでは
 ないか、という不安はわからぬわけではありません。 
・恋愛は世間体は、ええ格好しいのためにするものではありません。愛はあくまで自分自
 身のためであり、好きな男性のためでもあるのです。そこを忘れて、世間体やええ格好
 しいのため愛する男を失うことほど大きな損失はありません。ここと思ったら、女性も
 素直に愛らしく近づいていくべきです。とくに最近のように、男が優しくなった分だけ
 自信がなく、積極的に迫ってこない場合は、女性が気取っているうちに、せっかくの
 愛の芽生えを失うことになりかねません。相手の男性が好きで、体を許してもいいと思
 ったら、素直にその気持ちに従うべきです。

結ばれる直前に考えること
・よほどの経験のある女性を除いて、一般の女性は、男が考えている以上に性行為に対し
 ては慎重で、警戒的なのです。まして、その男と初めてとあれば、慎重なうえに慎重に
 振舞うのは当然です。もし、相手の女性が好きならそこまで優しく、おおらかに考えて
 やるのが、男の度量というものです。
・女性はよく男性に対して、「いやらしい」という言葉を使います。女性がこの言葉を使
 うときは、単なるいやらしいではなく、「性的に卑しい」という意味をこめているので
 す。いかにも卑猥で、物欲しげで気持ち悪い、という生理的嫌悪感を訴えているのです。
 女性にここまで言われたら、その男性はもはや勝ち目はなく、完全にギブアップするよ
 りありません。ことほどさように、女性は性的にがつがつしている、卑しげな男が嫌い
 なのです。
・といっても、誤解しないでほしいのは、これはあくまで、まだ男女の関係にまで進ん
 でいない、愛し合っていない相手に対する言い方です。もし二人が互いに愛し合い、求
 め合っているときは、男がいかにがつがつして執拗でも、「卑らしい」とは思いません。
 それどころか、もっともっと強く愛してと、求めてくるかもしれません。
・ラブホテルに入ったとしても、すぐに躰を求めるのは早すぎます。それより、まず求め
 るのは唇です。それも一度接吻して唇を離し、躰は寄り添ったまま、また接吻を交わす。
 女性は男性以上に、接吻が好きです。一般に、男は挿入して射精しないことには満足し
 ない生きものですが、女性はそれより優しく抱かれて接吻されるだけで、充分満たされ
 た気分になるものです。さらにはっきりいうと、下手に挿入されるより、優しい接吻の
 ほうが、よほど、躰が燃えて興奮するのです。それだけ、女性は感覚的な生きものです
 から、接吻だけは優しく丁寧に何度も繰り返すべきです。
・忘れてならないことは、女性は躰だけを求めてくる男は大嫌いだ、ということです。実
 際、女性はよく、「わたしの躰が目当てなの、それとも心なの」と男にききますが、む
 ろんそのとき、「躰だよ」などと答えては、二人の関係は終わりです。といっても、男
 なら正直いって、彼女の躰が目的です。相手の女性と関係することが望みで、そのため
 にあらゆる努力をしているのです。でも、それを正直に口に出してはいけません。それ
 どころか極力隠すようにしなければなりません。本心を隠して、清潔そうに、上品に振
 舞って彼女の中に入っていく。それが恋の手管というものです。
・女性は、性においてはきわめて複雑な、矛盾に満ちた生きものです。まず、女性は愛の
 初期においては、きわめて精神的で純粋です。生々しい肉体関係より、精神的な愛を求
 め、それをよしとします。しかし男と性的な関係をもち、体験を重ねるうちに、女性は
 次第に悦びに目覚め、性的に貪欲になるものです。むろん、関係を重ねても快楽を呼び
 覚まされず、貪欲にならない人もいますが、躰の奥にはそうなる可能性を秘めています。
・女性は躰の年齢と体験によって変わっていくのです。それもきわめて精神的な愛から、
 肉体的な愛へ180度変貌をとげていく。この初期と成熟期との二律背反を、じょせい
 ならみな自らの中に秘めています。
・強く激しく抱かれたいけど、初めは優しく上品に近づいて欲しい。この女性が秘めてい
 る矛盾を受け入れて、その要求にそって迫っていく。これこそが、女性に接近するとき
 に忘れてはならない要点で、成功の秘訣でもあるのです。

挿入する性とされる性
・「やりたい衝動」は、男にとってきわめて原始的で重要な欲求です。いや、もっとも、
 男らしい欲望といってもいいかもしれません。もともと、男は女性を見ると接近したく
 なり、セックスしたいと願う生きものです。これは人類に限らず、すべての動物の雄に
 共通する願望で、この欲望のおかげで、この世に生きとし生けるものはすべて繁栄し、
 現在まで生き続けてきたのです。もし、なにかの動物の雄がこの欲望を失ったら、その
 種族はたちまち減少し、滅亡してしまいます。この意味で、性的欲望は種の保存と繁栄
 のために欠かすことのできない、基本的な欲望でもあるのです。
・しかし現実に、この欲望をあからさまに露出し、表現することは厳しく批判され、罰せ
 られることも少なくありません。たとえ、基本的な欲望だからといって、時と場所と状
 況を無視し表現することは許されません。
・男と女の基本的な違いとは何か。それをもっともわかりやすくいうと、「挿入する性と、
 される性」の違いです。少し言葉が露骨かもしれませんが、セックスにおいて、男は自
 分のペニスを女性のヴァギナに挿入します。これに対して女性は、男のペニスを自分の
 ヴァギナの中に受け入れる、いわゆる挿入される性です。
・両者が結合するに当たって、挿入するとされるのとでは、天と地ほどの違いがあるので
 す。女性が男性と結合する場合、その行為だけを単純にいうと、相手の男性性器をその
 まま自分の体内に受け入れ、つつみ込むことにほかなりません。
・他人の肉体を自分の体内にとり込み、つつみ込むとしたら、いかな無神経な男でも、相
 手の素性や実態をよくたしかめ、細心の注意を払うに違いありません。
・挿入する性とされる性とのセックスに対する実感の違いは大きく深いのです。そして、
 この違いに気づけば、女性が性に関してきわめて慎重で用心深い理由もわかってくるは
 ずです。 
・自分が誰かの、とくに異性の肉体の一部を体内に取り込まなければならない。そう考え
 たとき、当の本人はまずどんなことを考えるでしょうか。まず当然のことながら、絶対、
 自分が愛する人のものでなければ嫌だ、と思うでしょう。
・男の愛は衝動的で精神的に欠けていると思われています。事実、男は相手の女性への精
 神的な愛が深まる以前に、外見だけで、愛らしい顔や美しいスタイルを見ただけて欲し
 くなるのですから、精神的に欠けていると言われてもしかたがないかもしれません。
・挿入する性とされる性という違いに気がつけば、女性の愛が単純に、精神性の問題だけ
 ではないことがわかります。それより、自分の中に異性の一部をつつみ込むという、肉
 体上の特性が精神性を高め、それを必要としているともいえそうです。
・男の愛は女性のそれに比べてあまりに軽く、刹那的かもしれません。いいかたを変える
 と、欲望の処理だけを優先しすぎる、といえなくもありません。
・男たちのあいだで、昔もいまもよく使われる言葉に、「一度でいいから、少しでいいか
 ら、やらせて」といういいかたがあります。この言葉ほど、男の性の軽みを表したもの
 はなく、事実、女性の中に一瞬入って放出してくるだけで多くの男は満足します。しか
 し、女性は決してこんな言葉にはのりません。あんな異様なものを体内にとり込むので
 すから、「一度や少し・・・」では困ります。どうせ入れてくれるなら、しっかり入れ
 て、生涯わたしを愛して守って。そういう保障でもないかぎり、女性は滅多なことで男
 を受け入れることはありません。
・女性は男が期待するほど、そんな単純に許す性ではないのです。ならば、どうするか。
 答えは簡単、「待つこと」です。向こうからゆっくりと精神性を高め、この人のものな
 ら、私の中に入れてもいいと思うまで待つのです。 
・愛とは、相手の気持ちや事情を理解し、考えてやることです。そして女性は、自分のこ
 とを考え、優しく待ってくれる男を好きになるのです。
・慌てる乞食はもらいが少ない、といわれるように、急いてはことを仕損じます。それよ
 り慌てず気長に待つ。そういう男にこそ、最後の栄冠が輝くのです。

男が萎える派手派手下着
・多くの男性は、カラフルでけばけばした衣類はあまり好みません。とくに派手な下着は
 困ります。なぜなら、それを見て彼女を抱き寄せ、結ばれる。この大事な行為に向かう
 寸前に、男性的衝動を萎えさせる危険性があるからです。
・多くの男性が女性に対して抱く夢というか、求めているものとはなにか。その答えは
 「清楚」です。男は清楚な女性を夢見て、清楚な女性に憧れ、清楚な女性を追い求めま
 す。それは姿形や外見だけでなく、日常の仕草から言葉の使いかた、さらにはベットに
 おいてまで、すべてに通じる本能的な願望です。
・エロスとは、きっかりとした清楚な女性が崩れるからエロスなので、ただだらしない女
 性が崩れたからといって、エロスとはいいません。それはただ、だらしない女性がだら
 しなく崩れただけで、清楚とは無縁です。
・男は、女が欲望をみなぎらせているのを知ると弱ることが多いのです。長年、愛し合い、
 馴れ合っている間柄ならともかく、これから結ばれる、あるいは結ばれてまだ日が浅く、
 互いに自身がない二人のあいだでは、女が積極的に振る舞えば振舞うほど、男は萎える
 のです。
・男の局所は日々刻々と、自分の立場や心のもちようで微妙に変わるのです。この神経質
 なペニスが敏感に反応して弱るのが、女性の派手すぎる下着です。今夜、彼女はやるき
 満々、派手な下着を着てベットで待っている。そう思った瞬間、男の一物は萎えるので
 す。
・ではいったい、何色の下着なら男たちは好むのか。その答えは単純明快。白くてシンプ
 ルなスリップで充分、それこそ清楚の最たるものです。
・男が清楚を好むことは昔も今も変わらぬ永遠の嗜好です。それを認めるか否かはともか
 く、「男は清楚な女性を好む」という一点だけは忘れず、頭の片隅に入れておいて欲し
 いものです。

文句をいえない男に代わって
・男はあまり派手でけばけばしたものを好みません。いわゆる厚化粧というのが苦手です。
 もちろん、女性が美しくなるために、丹念に化粧した、その努力は素晴らしいし、もし
 自分のためにしてくれたのだとしたら、嬉しく感じます。しかし、その厚く塗りすぎた
 顔を見るのは辛いのです。
・服が派手すぎると、見る人の目は服の方へ引き付けられ、着ていた人がどんな顔だった
 のか、忘れることが多いのです。顔を見て欲しいと思うときには、少し色を抑えて、シ
 ンプルな服を着たほうが、男たちが惹きつけられる確率ははるかに高くなります。
・さらにいま一つ、考えて欲しいのが、女性の爪、ネイルの飾りです。あんな手を握ると
 痛そうだし、その手で撫ぜられても安心できません。炊事などできそうもないし、さら
 にその手で、あそこを握られたとしたら。もしあの手が局所に近付いてきたとしたら、
 気分が萎えるどころか、傷つきそうで怖くなるだけです。

セックスは二人の共同作業
・まず第一に心がけるべきことは、男と女はセックスの受け入れかたにおいて、根本的に
 異なるという事実です。むろん男も女も、互いに愛し合う人を抱きしめ、結ばれたいと
 願う気持ちは同じです。でも、その過程と感情の盛り上げりかたには、男女でかなりの
 開きがあるのです。それを知らずに、男だけの一方的な欲望で走り過ぎると、思いがけ
 ない失敗や過ちをおこすことになりかねません。
・大多数の男たちは、彼女が恥ずかしそうに服を脱ぎ、ベッドに入って、素直に彼を受け
 入れることを望んでいます。要するにセックスをする、そのことだけしか頭にありませ
 ん。しかし、女性はそれとはいくらかというより、かなり違います。
・まず、気持ちのうえで、今夜は彼に抱かれ、受け入れてもいいとは思っていても、すぐ
 に受け入れるとはかぎりません。彼がそうした行為を求めることには同意し、理解して
 いても、その前に、受け入れる気にさせてくれることを望んでいるのです。
・結ばれることには同意しているのに、すぐに受け入れないのはおかしい、と思うかもし
 れませんが、ここが女性と男性の大な違いで、女性は性行為に対して男性ほど単純で短
 絡的ではないのです。
・女性の側に立って考えることが必要ですが、まず受け入れるには、それなりの心構えと
 ともに準備が必要です。そのひとつは、女性の局所(膣)がやわらかく潤っていなけれ
 ばなりません。精神的にも肉体的には、そこまでの準備ができていないのに、いきなり
 挿入されては、女性は痛みとともに嫌悪感まで抱いてしまいます。
・男が挿入するためには、まず勃起という状態が必要ですが、同様に女性は、局所が潤う
 ことが必要です。一般的に、かなりの男性経験があり、その男性を愛している場合を除
 いては、女性は簡単に受け入れる状態にはなりません。男と女のあいだには、性的なタ
 イムラグがあるのです。このことを考えると、いきなり求めることが、いかに身勝手な
 行為であるかがわかってきます。
・日本人といえども、セックスには大きな関心を抱いていたことは間違いありません。で
 も表向き、「愛やエロスは恥ずべき、隠すべきもの」という考えかたがまかり通って、
 極力、無視してきたのです。これは多くの男性が女性の気持ちになって、リードするこ
 とができないのも無理はありません。
・セックスにおいて、まず男性に求められることは女性の気持ちになることです。その第
 一段階として必要なことは、女性の局所を潤わせ、男のものを受け入れやすくしてあげ
 る。このとき必要なのは、まず優しく抱き寄せ、接吻をすることです。そこで緊張して
 いる彼女の気持ちを和ませ、安心させたうえで、ゆっくり服を脱がせていく。それから
 下着を脱がせる過程でも慌てず、途中苛立ち、強引にブラジャーを押し上げたり、下着
 を引きずり下ろしてはいけません。それより、彼女を軽く抱きしめ、接吻をし、愛撫し
 ながら、徐々に彼女を自分という男に馴染ませていくことが大切です。この過程で特に
 有効なのは、愛撫です。
・愛する人に優しく撫ぜられることは、女性を安心させ、落ち着かせます。ここまでいけ
 ば、女性も心を許し、彼女のほうから寄り添ってくるか、それに近い仕草をするかもし
 れません。
・彼女の下着を脱がせ、互の肌と肌を触れ合い、温もりをたしかめる。セックスへの最後
 の行程が残されていますが、このために試みて有効なのは、乳房への愛撫です。乳首
 とそのまわりに優しく触れ、さらに上下左右に愛撫を繰り返す。この行為はときには戯
 れるように、ときに戸惑ったように撫ぜながら、やがてそっと接吻する。
・指先を秘所の上まですすめ、ショーツの上からでもそっと指を添えてみる。ここでも慌
 ててはいけません。股間にまで触れたのだからすぐ脱がす、というのではなく、ゆっく
 りと指を遊ばせながら、彼女がさらに燃えてくるのを待つのです。
・彼女は逆らうかもしれません。局所を退き、さらには肢を閉じようとするかもしれませ
 ん。それでもかまわず指の愛撫を続けるうちに、彼女は次第に力を抜き、逆らわなくな
 る。そうなればしめたものです。そこまでいけば下着を脱がすのも、ずいぶんやり易く
 なるはずです。
・ようやく下着を除けたら、さらに局所をゆっくりと愛撫することです。それもクリトリ
 スを中心に優しくソフトに。
・ここまで丹念に愛撫を繰り返されたら、彼女もあまり痛みもなく受け入れ、セックスの
 悦びを感知することができそうです。
・ここから先は人それぞれ、男が好み、女が許す範囲で結ばれます。この場合、正常位か
 側臥位、さらには後背位から騎乗位まで、さまざまな体位が考えられますが、初めての
 場合はごく自然な正常位か側臥位が好ましいでしょう。 
・ここでも大切なことは、女性が戸惑ったり嫌がる体位を強制しないことです。さらに結
 ばれたら、すぐに動き出さず、自分のものを女性の中にうずめたまま、しばらく女体の
 温かさを実感することです。 
・女性は初めて相手のものが体内に入ってきて、驚き戸惑っているのです。そんな状態で
 無茶苦茶動き出し、暴れられては、相手は心地よさを感じる暇もありません。とにかく、
 ここでも「優しくマイルド」に、が原則です。 
・若くてとくに初回のときには、そこまで制御するのは無理かもしれません。そんなとき
 は一方的に走り出し、果ててもかまいません。でもそのあと、急速に萎えても、彼女を
 さらに抱きしめる。ここからはいわゆる後戯ですが、彼女に寄り添い、接吻を求めても
 いいでしょう。後戯はセックス全体の締めの部分でもあるのですから、おろそかにして
 はいけません。 
・これまでの男性社会では、男の欲望のママに荒々しく、かつ強引に求めていくケースが
 多く、それが当然だと思っていた人も少なくありませんでした。いいかえると、男の欲
 望の処理が第一で、女性の気持ちや性的快感は無視するか、考えなくてもいい、と思わ
 れてきたのです。でもそれでは男と女のあいだでアンバランスが生じて、とも充足した
 セックスに達することはできません。事実、これまで結婚した夫婦のあいだでさえ、満
 たされたセックスに達していないケースが多く報告されています。実際、妻はほとんど
 快感を覚えたことがなく、さらには、妻が夫とのセックスを嫌がり、避けるケースも少
 なくありません。
・しかしいまや男女平等、男だけ一方的に求め、満たされる性の時代は終わり、これから
 は男女ともにセックスを楽しむ時代になったのです。ここで重要なのが、女性のペース
 の合わせるセックスで、このポイントになるのが、いわゆるスローセックスです。
・そしてその要点は、男が女性の気持ちになった性行為をすすめていくことです。これは
 男性、とくに若い男性にはいささか辛いというか、忍耐を要することかもしれません。
 逆に、体力的にやや弱っている、中高年の男性には、むしろ馴染みやすい方法かもしれ
 ません。 
・しかしはっきりいって、中高年のほとんどがスローセックスに馴れているわけではあり
 ません。彼らもまた、男性中心のセックスに馴染み、充分、女性を満たしてきたか、か
 なり疑問です。つまり、日本の男性はいま一度、性について考え、できるだけ女性の性
 的傾向に合わせるよう努めるべきです。 
・男も女も、ともに激しく悦びを感じうるセックスを楽しめたら、二人の結びつきは、さ
 らに強くたしかなものになるからです。男と女の最高の愛は、ともにセックスに合うこ
 とから生まれ、それを重ねるうちにさらに一段と強く、大きくふくらみます。 

うまくできなかったときに
・好きな女性を追いかけ、うまくデートを重ね、ようやく彼女の気持ちをとらえて、いよ
 いよセックスで結ばれる。そこまですすんでいながら、肝心のセックスがうまくいかな
 かった、いわゆる男性がED(インポテンツ)になることは、決して少なくありません。
 それは、すべての男性にとって、きわめて深刻で重要な問題です。
・EDというと、なにか特殊な病気か異常のように思っている人もいるようですが、これ
 は男性ならよく生じる、さほど珍しいことではありません。
・EDには、すべてそりなりの理由があるのです。高齢者の場合は別として、若い人の
 EDのほとんどは、精神的な理由によるもので、肉体が弱ったからではありません。
・きわめて簡単な理由。たとえば、「俺はうまくできるだろうか」「彼女を満足させられ
 るだろうか」「なんとか、彼女のいいところを見せてやりたい」といった、不安や自分
 への過大な期待、さらには自意識過剰などから生じるのです。 
・ペニスの勃起や萎縮は、きわめて心理的な、そのときどきの気持ちのもちようによっ
 て、大きく影響を受けるものなのです。それだけに女性と接するときは、まず精神的な
 ゆとりとともに、自信をもつことである。 
・相手の女性と回数を重ね、彼女が充分満足し、「素敵だった」といってくれるとともに、
 男は自信を抱き、逞しくなっていくのです。逆に相手の女性に、「したくない」とか、
 「つまらない」などと、無関心な態度をとられたら、男は徐々に自信を失い、確実の萎
 えていき、EDに近づきます。
・それだけに、極端なことをいえば、男を殺すには刃物はいりません。それより、一人の
 男に二、三人の女性が次々と、「あなたのはつまらない」「少しもよくない」「小さい
 のね」などといっただけで、その男はショックを受け、そのまま性的に立ち直れずED
 になるでしょう。
・セックスは一見、男が能動的で、女は受動的に見えますが、そんなことはありません。
 形は受け身でも、セックスにおける女性の反応が男に自信を与え、そして失望も与える
 のです。  
・男は常に女の反応に一喜一憂し、それによって、自分で自分の評価をしているのです。
 そして自信がない者ほど、熟女より処女を求めます。何人かの男性と経験があると思わ
 れる女性と対したとき、男はきまって、自分が他の他の男と比べられ、観察されている、
 という不安にとりつかれるからです。かわりに処女なら、彼女のほうに比較する対象が
 なく、あくまで自分が一番と思ってくれると、期待できるからです。 
・こと性に関して、男はナイーヴな生きものです。女性から見ると、あんな猛々しいもの
 を振り回して怖い、と思うかもしれませんが、その裏には、絶えずまわりの様子をうか
 がっている、ひ弱さを秘めているのです。それだけに、女性も好きな男性のそれには、
 できるだけ優しい言葉と態度で接して欲しいものです。

なぜ、男と女がいるのか
・一般に、男は女の肉体、とくに裸体に興味を抱き、これを見て欲情します。多くの女性
 が何気なく見せている胸元や乳房のふくらみはもとより、ミニスカートから出ている太
 腿から足先、さらには襟足からうなじをみただけで興奮する男も少なくありません。い
 や、それどころか、ショーツやキャミソールなどの下着にまで興味を抱き、チャンスが
 あれば覗き見しようとします。
・一方、女性が男の裸体に興味を抱き、それを見て欲情することなどはほとんどありませ
 ん。それどころか女性は裸の男性を見ると目をそむけ、嫌悪感を抱く人も少なくないで
 しょう。 
・では何故、神様(創造主)は男だけに、かくも強力な女体願望を与えたのでしょうか。
 もし、これがもう少し弱く、控えめであれな、どれほど世の男性たちは救われ、穏やか
 な一生を送れたかもしれません。 
・理由はきわめて簡単で、根源的です。「人類が滅びないために」男が女の身体に欲情す
 ることによって、人類はこれまで脈々と途絶えずに生き続けてきたのです。もしこれが、
 男も女のように異性に身体に好奇心を抱かず、欲情しなければ、人類はとうの昔に滅亡
 していたに違いありません。 
・すべての男は思春期に達し、年頃になるとともに、女の身体へ強烈な憧れと欲望を抱き、
 性的関係をもとうと、あらゆる努力を重ねます。
・男の最終目的は、あくまで好きな女性を抱き、セックスをすることです。これに反して、
 女性はそれほどの性的欲求をもっていません。それよりまず優しく声をかけられたり、
 大切に守ってくれる、いわゆる精神的な愛のほうを求めます。
・ここで必要なるものが、男の異常なまでの女性への性的欲望です。これにより、女性は
 強引に性に目覚めさせられ、ひきずられ、さらにはセックスを重ねるうちの悦びを覚え、 
 自らも性に加担していきます。
・男の女体への憧れと欲望。いわゆるお横の好色は、人類の永続のために必要欠くべから
 ざる原動力といっても過言ではありません。男が女の身体に興奮し、抱きたいと思うこ
 とは、神が与え給うた自然の摂理であり、人類を永続させるための基本的な衝動でもあ
 るのです。 
・男が若い女性の肉体により惹かれ、欲情するのは、若い女性のほうが妊娠しやすく、そ
 して子孫を残すという、人類の基本的願望と密接につながっているからです。 
・男の感じるところ、いわゆる快感ポイントは、きわめて限られています。実際には、ペ
 ニスと、せいぜいその周辺に限られます。 
・これに対して、女性の快感ポイントははるかに広くて多彩です、局所のクリトリスや膣
 周辺はもとより、唇から胸元も乳首も、耳から首、そして腋から背中、さらにお尻から
 太腿まで、すべて性感帯となるのです。
・ただしこうなるには条件があって、女性が相手の男性を好きで心を許していること。さ
 らにその男性が愛の言葉とともに優しく接してくれる、という二点です。逆にこの条件
 を満たしていない場合。具体的には嫌いな男が執拗に迫り、また自分の満足のためだけ
 に乱暴に求めてくるような場合は、快感どころか険悪感が増すばかりです。
・男性は相手をそれほど選びません。極端な話、女でさえあれば、とくに若くて美しい女
 であれば、一度も話したことも、気持ちが通じ合ったことがなくても激しく欲情し、満
 たされます。実際、レイプでさえ満足している男は多いのです。
・未熟な男ほど結合を急ぎます。そして念願かなって結ばれるとともに激しく動き出し、
 じき射精の瞬間が訪れます。このとき男は快感の極致に達し、全身が震えるような悦び
 とともに一気に果てます。その悦びはなにものにも代え難いほど心地いいものですが、
 残念なことに、それはほんの数秒というか一瞬に限られます。しかもそのあと、男性の
 急速な喪失感と気だるさにとらわれ、一種の弛緩状態に落ち込みます。
・一方、女性の相手の男性への好き嫌いは別として、セックスは広い意味で未来へのスタ
 ートです。とくに愛する男性とのセックスは、それによって快感が深まるとともに、長
 く身体の内側に余韻が残り、そこからさらに妊娠、出産、育児へと広がります。