「セックスはなぜ”快感”なのか!?」 :別冊宝島編集部編

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 男はもちろん女性だってセックスに関しては理屈抜きに興味津々のはずだ。昔も今も、そして洋の
東西や年齢を問わず、ずっとそうあり続けてきた。これは人間にとってセックスが、単なる生殖の手
段にとどまらず、実にいろいろな意味を持ってきたからであろう。
 しかし、そうでありながら、セックスに関しておおぴらに語ることは恥ずかしいことであり、セッ
クスについて詳しく知るというのは、なかなか難しい。
 この本は、こうしたセックスに関するありとあらゆる疑問に、脳科学や生理学、生物学などからの
報告を駆使して答えると同時に、誰もが楽しくわかるように編集してある。そうだったのかと思える
ような内容もたくさんある。

体が感じる?脳が感じる?
 ・人間の体の中で、穴の開いたところはすべて性感帯だといわれる。そういう部分には必ずといっ
  ていいほど、感覚受容器や末端神経が集中しているからだ。
 ・キスをしたい願望や衝動の起こるもともとの由来は、赤ん坊が母親の乳房にがむしゃらにしゃぶ
  りつく「原始性欲」にたどりつくという。原始性欲とは、母親との一体感を強めたいという赤ん
  坊の抽象的な欲求だ。それは単に栄養を吸収する以上の、スキンシップの意味を持っている。
 ・科学雑誌「クォーク」が未婚・既婚女性252名に尋ねた調査で、「キスをしているとセックス
  をしたくなることが多いか?」という質問には、全体の66%が「NO」と答えている。女性の
  場合、キスだけでもエクスタシーを得ることもあり、キスはそれ自体独立した行為と捉えられ、
  必ずしもセックスに直結しないようだ。
 ・「キスをしてもらいたいときは?」という質問に女性は「寂しいとき」と答え、「キスをしたく
  なるときは?」という質問には「うれしいとき」と答えている。
 ・女性の性行動は、男性より受動的な側面を持ち、パートナーの影響を受けやすいため、思ったほ
  ど月経の影響は受けないという。
 ・男性の性欲を高めるテストステロンは、同時に男性の攻撃性を助長する物質だが、「攻撃性」な
  るものの本質が「おそれ」と「怒り」だという説は、考えさせられる。
 ・女性の性中枢のある腹内側核が満腹中枢でもあるという事実は、セックスがダイエット法にもな
  るという説の支持者に根拠を与えている。つまりセックスで充分なオーガズムが得られれば、食
  欲は抑えられるというのだ。そしてさらにこのことは、女性を口説くなら「まず食事に誘う」こ
  とがとても有効な手段であることを意味してもいる。食事をともにしたという安心感や親密さを
  バックアップにしながら、食欲中枢を満腹感で満たし、彼女の性欲中枢を目覚めさせて、セック
  スの快感というさらに刺激的な欲望の導火線に火をともすことになるからだ。
 ・男性は、視覚・嗅覚から性的刺激を受けやすく、女性は身体的接触から性的刺激を受けやすいと
  広く信じられているが、女性も実はほとんど男性同様に視覚刺激への感受性を持つとの実験結果
  もある。男女の性欲とは、どうやら単なる脳などの構造上の違いには還元できない、複雑微妙な
  ものだということだけは確かなようである。
 ・動物たちが繁殖期を選ぶ最大の基準は、子供が生まれたときに周りに食物がたくさんあるかどう
  かで、それによって子育てが成功するか失敗するかが決まってくるからだ。そのため、メスの身
  体は出産最適期から妊娠期間を逆算した時期に発情するようにプログラムされている。
 ・発情は、人間に近いチンパンジーやゴリラなどの類人猿では見られなくなる。ヒトや類人猿は季
  節に関係なく、しょっちゅう発情し、年じゅうセックスする。 
 ・類人猿に発情がなくなったことは、それだけ自然界の呪縛から解き放たれたことの証拠ともいえ
  そうだ。また脳の進化によって、セックスの衝動がホルモンの支配から逃れ、大脳によってコン
  トロールされるようになり、セックスが生殖のためだけのものではなくなってきたからともいえ
  る。
 ・アメリカの女性誌が十万人を対象に行ったアンケートでは、セックスのときオーガズムに達する
  かどうかについて、48%の人が「ほとんどの場合達する」と答え、15%の人が「必ず達する」
  と答えている。この数字は日本女性の場合でも大差なく「時々オーガズムに達する」という人を
  加えると、72%の女性がセックスで絶頂感を満喫していることがわかってくる。
 ・ことオーガズムに関しては、男性には不公平感がつきまとう。男のオーガズムといえば、たった
  5~7秒程度の射精時の感覚でしかないのに、女性のそれは平均して20秒以上も続き、しかも
  「ビリビリときて、間の前に火花が散る」「幸福感いっぱいで、天国に昇ったよう」なのだそう
  だから、男と女の快感の程度の差は激しすぎる。
 ・おまけに、1回のセックスで男は必ず1回のオーガズムしか味わうことができないのに、女性は
  なんども楽しむことができる。
 ・強烈なオーガズムは、膣の入り口の一部が盛り上がってできる「オーガズム・プラットフォーム」
  を収縮させ、ペニスをしっかり押さえ、精子を膣の奥へ呼び込む。それに合わせて子宮もけいれ
  んし、タイミングよく精子を吸い込むことで受精が確かになるようになっているので、生殖に役
  立っていることだけは確かなようだ。
 ・男性が女性ほどの快楽をオーガズムで得られない理由は、二人がともに恍惚状態でセックスの余
  韻を楽しんでいたら、捕食者や敵に狙われる危険があったからなのだろう。つまり、男はいつも
  女性や自分を守るために神経を緊張させておかなければならず、たとえセックスのときでも、女
  性のようにそれだけを楽しむことなんて許されていないのだ。
 ・「恋のホルモン」と呼ばれる脳内物質PEA(フェミールエチルアミン}が、覚醒剤に似た組成
  をし、そのために恋愛時の一種の興奮状態を呼び起こし、いきいきと積極的な考え、行動をとら
  せる。このPEAはチョコレートの成分にも含まれている。そのため、脳内物質など知られてい
  なかった時代から、チョコレートは「穏やかに効く媚薬」として知られていた。もっとも、チョ
  コレートはPEAを含んでいても、代謝されるスピードが速いので、効果はそれほど期待できな
  さそうではあるが。
 ・PEAは、恋の終わりにはその分泌量が激減する。結果的に、激しい落ち込みの病状が現れる。
  恋をしてロマンチックな気分が続いている間、PEAの値は極端に高くなっていることもわかっ
  ている。男性と女性を比べると、同じ恋をしているときでも、PEAの値が極端に高いのは女性
  のほうだという。
 ・自動車の独特の振動が、女性の体に微妙な刺激を与え、女性の性器につながる感覚神経にそれが
  伝わるという。当然その結果、女性の体は触れてもいないのに快感を感じ始め、軽い気持ちのド
  ライブのはずだったのが、そのままゴールインになることも多い。
 ・遊園地の絶叫マシンを好む女性が多いのも、そういった乗り物の振動やスピード感、軽い恐怖感
  が性的な感覚を刺激するからだといわれる。女性の体が、ある規則的なパッティング(叩くこと)
  を受けることに反応しやすいために、自動車のリズミカルな振動が性的刺激になるのだという。
 ・浮気は男性の専売特許で女性は浮気はしないものという考えが常識として浸透していた時代があ
  った。その根拠として、男性は「種まき」の本能があり、女性はそれを待つ「畑」だからだ、と
  いうまことしやかな説がまかり通っていたのだ。しかし、メス(女性)だって、自分の遺伝子を
  持った子孫が有利なように、さらに優秀な男性の遺伝子を取り入れたい。実は、そのための戦略
  が「妻の不倫」のようなのだ。
 ・一般に、鳥はメスとオスがつがいになって巣作り・子育てを行う。実に野鳥の92%が一夫一婦制
  のカップルだ。ところが、DNAによる親子鑑定をしてみると、カップルのオスの子どもでない
  ヒナがゴロゴロ出てきてしまった。つがいのオスがいないスキを狙って、ヨソのオスがメスにち
  ょっかいを出して、しっかり自分の子どもを作っていたのだ。
 ・メスはパートナーにスキがあれば魅力的なほかのオスと浮気をして遺伝子をもらい、その子ども
  を残すことができる。自分の魅力に自信のあるオスは、せっせとほかの巣のメスにアプローチし
  て遺伝子をたくさん残す。自信のないオスは必死に妻をガードして、間違いなく自分の子どもだ
  けを生ませようとするのだ。
 ・人間もほとんどの社会では一夫一婦制の形を採っている。しかし、どんなに性道徳に厳しい社会
  でも、完全に婚外性交を排除てきたためしはないらしい。夫のタネでない不倫の子どもも、知ら
  れていないだけで10%程度はいるとさえいわれている。
 ・人間の女性はどういうタイミングで浮気をするかというと、イギリスの女性を対象とした調査で
  は、30歳以降、夫との間に2,3人子どもを作ってからがもっとも浮気が盛んとのことなのだ。
  つまり、3人目、あるいは4人目の子どもは、ダンナの子ではなく浮気相手の子かもしれない。
 ・なぜわざわざ子どもが2,3人できる時期まで、女性は不倫するのを待つのだろう。その理由と
  して、夫の子どもが2人以上いれば、もし次の子どもが不倫の子とバレても、夫はすでに簡単に
  は妻子を放り出せない状態になっているからだという。育児に非常に手間がかかる人間の女は、
  とりあえず安心して子どもが産める環境をつくるために結婚する。しかるのちに、夫より魅力的
  な男と浮気し、魅力的な、つまり生存と繁栄に有利な遺伝子を取り入れる。それが不倫の本質的
  な意味だという。
 ・愛は4年で終わるという調査結果がある。世界62カ国における地域、民族グループの離婚例を
  調査した結果、結婚1年目から離婚件数は徐々に増え、4年目にピークに達した。そして逆に5
  年が過ぎると離婚カップルは極端に減っていたという。
 ・男性は女性のヌードにダイレクトに反応する。本物でなくても写真や絵画といった視覚的刺激な
  ら、男性は飽きずに反応する。全身でなくお尻や乳房など部分だけでもOKだ。これは霊長類の
  オスも同じで、メスの性被など視覚的な性的信号には即座に反応する性を持っている。
 ・ところが、女性は男性のヌードにそれほど簡単には反応しないのだ。女性も視覚や聴覚からの刺
  激で性的に興奮しないわけではない。しかし男性に比べると視覚的な刺激よりも、性的な空想と
  かエロチックな小説とか、より物語性を持った性ファンタジーのほうが感じるようだ。
 ・女性は自分のヌードを撮影したり、できれば有名写真家に激写してもらったりして「見られてい
  る存在である自分に興奮する」という、かなり回りくどいことをやっているようだ。
 ・異常犯罪者の脳には、果たして器質的な障害があるかどうか。結論からいうと、いまのところ性
  犯罪と脳の異常性を結び付ける具体的なデータはない。レイプ犯に心理テストを行っても、ほと
  んどの場合にはとくに変わった特徴や精神異常は現れてこない。むしろ、調べれば調べるほど、
  そうしたレイプ犯の「正常さ」が浮かび上がってくるのが実状なのだ。
 ・悲しいことに、実際の報告されたレイプの約半数は普通の家の中で起きており、しかも、その半
  数が顔見知り以上に親しい間柄にある人物による犯行なのだ。
 ・身近な人物にレイプされた場合、赤の他人にレイプされた場合に比べ被害者は訴え出ない傾向が
  強い。したがって、報告されていない水面下の犯行も含めると、この割合はされに高くなると考
  えられる。
 ・加害者はよほど欲求不満から、つい魔が差して犯行に突っ走ってしまったのかというと、これも
  またそうではない。約9割のレイプは計画的に行われた。また、ほとんどの加害者には、わざわ
  ざレイプという手段におよばなくてもセックスできる相手がいるという。妻帯者か恋人がいる人
  物というわけだ。男性にとっては耳が痛い話だが、積極性や攻撃性、力の誇示、縄張りの拡大と
  いったオスの本能が、時としてレイプというかたちで出現するのかもしれない。
 ・もっとも、ほとんどの男性が生涯において、レイプなどという卑劣な犯罪を起こすことがないの
  も事実だ。親しい間柄でも気を抜かないで、と忠告せざるをえないが、その一方で、過度な男性
  不信に陥ってほしくないと願わずにはいられない。
 ・夢精とは、睡眠中に無意識に精液を排出する現象だ。最初の夢精は平均して12歳半~14歳く
  らいまでの間に起こるという。
 ・女性の場合、夢精はあるだろうか。実は女性でも睡眠中、性器に一見して性的な興奮状態が起こ
  ることが知られている。膣内には分泌液が見られ、不充分ながらクリトリスも膨張するという。
 ・早漏は若さの証明のようなもので、年をとってくると逆に懐かしく、うらやましくも思うものだ
  が、当の若者にとっては深刻な悩みだ。一般に挿入してから射精までの平均時間は、20歳代で
  7~8分、30歳代で10~12分、40歳代で10~13分、50歳代で15分といわれてい
  るらしい。
 ・自分は平均時間より短いから「早漏」だ、なんて悩む人が出てくるが、セックスで重要なのはお
  互いを感じさせることであって、挿入時間の長短を競うものではない。
 ・射精のときのエクスタシーは、主に精液が尿道と摩擦することから生じる。このけいれん反応は、
  脊髄にある勃起中枢の「仙髄」が出す命令によって起こる「反射」で、大脳が関係しないため、
  いったん始まると途中で止めることができないようになっている。要するに、しゃっくりみたい
  なものである。といっても、早漏を治すことがまったくできないわけではない。射精の反応が起
  こるのは「感極まった」ときであって、どの程度の気持ちよさでなら射精が起こらないかという
  ことは経験によって知ることができる。それをうまく利用して、快感が頂点に達しないようにす
  れば射精のタイミングをコントロールできるのだ。
 ・早漏を治すためには、マスターベーションのときに、イキそうになる寸前で手を止めて射精をガ
  マンし、それをなんども繰り返す訓練をするのが有効なトレーニング方法だ。それで、絶頂感が
  くる時期を意思で調節できるようになれば、いざ本番のセックスのときでも腰を振るのを止める
  ことで、射精をとりあえず先延ばしにすることができるようになる。これはペニスから湧き上が
  ってくる快感をいかにセーブするかという、いわば欲求との闘いになるので、歯を食いしばって
  ひたすら耐えるという、男性にとってはとてもつらい作業にちがいない。
 ・近親相姦には単に倫理的な問題だけでなく、もっと深いレベルでの問題が潜んでおり、それを避
  けるために本能的な防御指令が出されているのではないかと考えられる。近親相姦で問題になる
  のは、子どもの死亡率が高くなったり、重大な障害が発生しやすくなることだ。人間をはじめ動
  物は、どの個体も先天性異常を引き起こす悪い遺伝子を持っているが、ほとんどの場合、これら
  は劣勢遺伝というかたちで引き継がれるので、両親から得た別の遺伝子で代替するために問題に
  ならない。ところが、近親相姦によって生まれた子どもにはそうした代替ができず、遺伝子の悪
  い面が表に出やすくなるのだ。ハエを使った実験では、兄弟姉妹間の交配を繰り返したところ、
  7世代後にはわずか数パーセントしか生存できなかったという。
 ・ただ、それにしても腑に落ちないことがある。文明社会で近親相姦がなくならないどころか、む
  しろ増えているのはどういうわけだろう。最大の原因と考えられるのがストレスだ。社会があま
  りにも複雑化し、個人の処理能力をはるかに上回るストレスにさらされるようになったことが、
  人々のアイデンティティーの崩壊を招いているという。
 ・「母性は本能ではなく、あとから付け加わったもの」という。おそらく本能ではないからこそ、
  逆に「女は子どもを産み育てるのが役割だ」という強力な刷り込みと社会的強制が必要とされて
  きたのだろう。その影響下では、女性が「子どもを産みたくない」とか「子どもが好きじゃない」
  というには、かなりの勇気が必要だったのだ。
 ・だが、そんな社会的パッケージも破綻してきた。親族やご近所の手助け、子守さん、お手伝いさ
  んの存在という伝統的な育児支援ネットワークもなくなり、母親は社会から切り離された密室育
  児を鬱々とする。ついに80年代には「自分の子どもがかわいく思えない」という悲鳴があがり
  はじめた。
 ・また、高度に産業化された資本主義社会では、出産・育児にはその労力にふさわしい見返りがな
  い。よって、女は外で仕事をするようになり、両立が困難であれば子どもを産むほうを差し控え
  るようになった。その結果として少子化はどんどん進み、とどまるところを知らない。子どもを
  育てるほうだけでなく、実は産むほうも女の本能ではなかったようだ。
 ・あまりにセックスにふけり、性的快感に溺れすぎると、なんだか頭が馬鹿になっていきそうと感
  じる人は多いと思う。どうも男性の場合、セックス後に虚脱感や自己嫌悪の感情をおぼえること
  があって、そのために「俺って馬鹿だ」とため息をついたりする。女性の場合でも、セックスに
  よる気持ちよさのあまり「頭が変になっちゃう」という人がいるようだ。
 ・性衝動のメカニズムは、まず外的な刺激を受けて、脳の視床下部の性欲中枢に伝達され、性ホル
  モンが分泌される。そのホルモン信号が大脳辺緑系に送られ、性欲という心の動きが起こる。性
  欲の発動が即、性行為に至るほど単純ではないが、性ホルモンの分泌が動物的な性衝動の引き金
  になることはまちがいなさそうだ。この性ホルモンは、性的な活動が活発になるほど、分泌が促
  進される。しかし、それが脳の発育を止めてしまう恐れがある。
 ・性的な刺激が多く与えられると、性ホルモンの分泌が促進され、性欲が常に高まっている状態に
  置かれる。そういう性衝動を大脳新皮質でコントロールせず、本能の赴くままにセックスにふけ
  れば、大脳辺緑系のいわゆる動物脳ばかりが強化されてしまう。 
 ・近年の性情報の氾濫は、成人のみならず、それらの多くは思春期の男性にとっても非常に魅力的
  なものだ。そしてなぜか、それら性的な刺激の増加と比例するかのように、少女の初潮が低年齢
  化も起こっている。もちろん、高度経済成長期からの日本人の栄養状態の変化も影響していると
  思われるが、いずれにしろ初潮の低年齢化は、性ホルモン分泌の低年齢化によって起こる生理現
  象だ。つまり、性的な開花を早めさせるこういった現象などは、脳へのダメージを蓄積させるこ
  とにつながらないだろうか。気持ちいいことは確かに癖になるが、あまりに快楽にふけることに
  よる、人間が人間たるゆえんを支えている大脳新皮質、その破壊度が心配ではある。

男と女 体の不思議
 ・ペニスの大小と、女性がセックスで快感が得られることとはあまり関係がない。ペニスの先があ
  たる膣の奥は、快感など何も感じない無感覚地帯だからだ。
 ・世界的に見ると日本人のペニスはどの程度の大きさに位置するのか?アメリカで実施された陰茎
  サイズ(勃起時)の調査によると、調査によってばらつきはあるものの、おおよそ白人の場合は
  長さが17.5センチで、周囲が12センチというところだ。日本人の勃起時のペニスの長さの
  平均値げ12センチで、周囲が平均値が10センチなので、やはり少々見劣りすることになるよ
  うだ。
 ・男は「巨根神話」にとりつかれているものの、お相手の女性たちはこれについてどう思っている
  だろうか?ある女性誌のアンケートで、「男性のどこに惚れるか?」という問いでは、1位がキ
  ュッと引き締まったお尻で、2位がスリムな体、以下、顔(特に目)、たくましい腕、となって
  おり、ペニスの「ぺ」の字も出てこない。
 ・ちなみに、ペニスの硬さについて「大きさでは欧米人に負けるけど、硬さは日本人のほうが勝っ
  ているぜ。こっちのほうが大事だろう」という意見もある。しかし、あまりカチンカチンに硬す
  ぎるペニスは、挿入して動かしたときに、相手の女性に痛みを感じさせることもある。若い男性
  には無理な注文かもしれないが、ソーセージより少し硬いくらいがちょうどいいらしい。
 ・ペニスの長さなどは、女性の心理には多少影響を与えたとしても、医学的にはまったく快感に結
  び付かないのだ。なぜなら、ペニスをインサートする膣内における女性の性感帯は、せいぜい入
  口から数センチ程度までであって、それより奥はいくら突っついても、ある程度の圧力を感じる
  くらいの無感覚地帯なのだからである。
 ・つまり、女性に快感を与えるために大切なことは「大きなペニス」ではなく、小陰唇やクリトリ
  ス、膣前庭(尿道口と膣口の間)を丹念に愛撫したり、インサートしたあとに腰を上下左右に不
  規則に(あるいは昔の人がいうように「の」の字を書くように)動かして、膣の側壁に浅い部分
  を刺激することなのだ、それを行うにはペニスの長さは勃起した状態で4~5センチもあれば充
  分なのだ。そもそも女性は膣に挿入された感覚でペニスの大小を判別することなどできない。
 ・クリトリスというのはいったい何のためにあるかというと、これがなかなか難しい。よく、「ク
  リトリスは女性のペニスだ」といわれるが、男性のペニスは排泄や射精などの具体的な機能を持
  っているのに対して、クリトリスの存在理由はなかなか思いつかない。クリトリスの構造は男性
  のペニスととてもよく似ている。内部には海綿体、神経線維、血管などが集まっており、その先
  端には陰核亀頭と呼ばれる部分がある。そして全体が陰核包皮に包まれている。男性でいう”包
  茎状態”にあるわけだ。しかも興奮すると勃起してくるところまで、男性のペニスそっくりだ。
  ただ、神経線維の密度がペニスよりもはるかに高いので、女性の体のあらゆる部分と比較しても、
  もっとも敏感な部分になっている。ところが、これほどまでに敏感な器官が、いったい何のため
  についているかは、まだよくわかっていない。きちんとした研究がなされていないのが実態だ。
 ・クリトリスがあるからこそ、人間はセックスに貧欲になったとするならば、この器官は人間を性
  に対して積極的にするためのスイッチであるとも考えられる。そのめくるめく快感のおかげで、
  人間が日々セックスに励んでたくさんの子孫を残し、今日のような繁栄を築くことができたと
  すれば、クリトリスは実に偉大な存在だといえるだろう。
 ・大陰唇は、性的に興奮すると、広い意味での勃起をする。これは、大陰唇の脂肪の下には前庭球
  という海綿体が広がっていて、興奮すると、そこに血液が流れ込んで膨張するためだ。膨張した
  前庭球が、大陰唇を押し上げるのだ。ちなみに、この前庭球は男の尿道球に当たる。勃起による
  この大陰唇のふくらみは、セックスの際、ペニスを包み込んだり、恥骨同士がぶつかっても痛く
  ないクッションになってくれる。気持ちよくなるためにサポートをしてくれるありがたい存在な
  のだ。
 ・一方、小陰唇は、大陰唇の内側にあるヒダの部分だ。クリトリスから始まって、会陰のあたりで
  終わっている。こちらは、弾力性と伸縮性に富んでいる。赤ちゃんのときは、ほとんど見当たら
  ないほどの大きさだが、年齢とともにしだいに発育。と同時に大陰唇と同様に色素沈着のため、
  やや褐色がかってくる。形と大きさには個人差があって、大陰唇に覆われて見えないものから、
  大陰唇の外側に垂れ下がるほどのものまである。性的にとても敏感で、興奮するにしたがってや
  はり膨張する。されに快感が高まってくると、充血で厚みが増して、鮮やかな紅色になる。女性
  の性感を高める重要な働きをしているのだ。
 ・さらに、小陰唇には「肛門から膣内に雑菌などが侵入しないように、蓋としての役割」「セック
  スの際にペニスをスムーズに挿入するためのペニスを包み込む器官としての役割」もある。特に、
  ペニスを包み込むことによって、男は深い挿入感を味わうことができる。小陰唇は、女性の性感
  を高めると同時に、男の快感を高める働きもしてくれるのだ。ただし、血管組織が豊富な場所な
  ので、爪で引っかいたような小さな傷でも、大きく膨れ上がったりすることがある。くれぐれも
  大切に大事に愛情をもって接しよう!
 ・大多数の欧米人は、女性器に対して男性器ほど興味を持ってない。それは、もちろん欧米人の男
  性が女性とのセックスに興味がないという意味ではないが、彼らが興味があるのはあくまでも
  「行為」であり、女性器それ自体ではない。そして、男女とも性器といえば男のペニスに強い関
  心を示すのだ。
 ・そんな彼らから見ると、女性器を「観音様」にたとえて「拝ませてもらう」などといい、擬人化
  したり美化したり、ときには災害除けのお守りのモチーフにしたりする日本人は、そうとうヘン
  な趣味の持ち主に映るらしい。
 ・重要なことは、こうした女性器愛好の文化を、女性たち自身がよく理解していたことで、彼女た
  ちは「男はなんでこんなものが好きなんだろうね」などといいつつ、それが男性に対して絶対的
  といっていい威力を持つ武器であり宝であることを自覚していたことだ。そして、こうした女性
  器観は、日本だけでなく、朝鮮半島や中国、インドシナなど、東アジアの米作地帯に共通するも
  のと考えられる。
 ・名器と判定するポイントは3つあるという。「肌の色」「脂肪度」「ヒップの形」だ。肌の色と
  膣との相関関係を調べた結果、「色白女性にふっくらした大陰唇が多く見られる」という結論に
  達した。これをもって名器であるとする。なぜかといえば、「ふっくらとした大陰唇は、深い挿
  入感を与え、クッションとしての役割を果たし、激しいピストン運動を可能にする」からだとい
  う。
 ・次に「脂肪度」による名器の判定では、痩身女性は小陰唇が厚みが20ミリ以上あることが多く、
  発育良好だった。逆に、肥満女性は10ミリ以下の貧弱な小陰唇が多く、花弁も左右不揃いな例
  が多かったという。なぜ肥満女性の小陰唇がそうなのかといえば、内腿の脂肪に圧迫されるから
  と推察される。どちらが名器であるかの判定は、「色白女性」と同様の理由によって痩身女性と
  なる。
 ・最大の判定基準は「ヒップの形」だという。結論からいえば「筋肉が発達してぴんと盛り上がっ
  たヒップに名器が多い。」その理由は「肛門括約筋など肛門周辺の筋肉は、膣周辺筋肉に影響を
  与え、締りをよくするから」なのだ。筋肉による影響を詳しく見ると、肛門括約筋と肛門挙筋と
  いう二つの筋肉は、膣と肛門の周りを8の字に交叉している。つまり、膣と肛門は同時に、収縮
  弛緩するわけだ。そして筋肉質のヒップの女性は、肛門周辺の筋肉と同時に膣周辺の筋肉がよく
  発達しているので、締まりのよい膣を生み出す。
 ・一方、理にかなった健康的な鍛え方として、骨盤周囲の筋肉を緊張させることで、肛門及び膣を
  締める方法を推奨している。そのためには、自然に下腹部に力がかかるように、両膝を揃えて座
  ること、立て膝やしゃがみこむような姿勢を取り入れることなどをあげている。
 ・Gスポットは「スポット」といいながら、コインほどもある「エリア」で、その場所は女性の膣
  内の、膣口から約2センチ前(上)壁、中指をちょっと膣内に入れて軽く折り曲げたときに、指
  の腹が当たるあたりにあるという。
 ・膣壁のGスポットに繰り返し刺激を与え続けると、そこは内側から、まるでペニスが勃起するよ
  うに盛り上がり、前立腺に似た粘液腺から、小さな孔を伝って精液のような液体が尿道に流れ出
  す。多くの孔から湧き出した液体が合流し、外尿道口から一見尿のように射出されるのだが、言
  うまでもなくこれは「潮吹き」であり、女性はこのときオーガズムの絶頂に達している。そのと
  きの快感とは、体の奥底から湧き上がり、全身へと広がって、さらに長持ちするというものらし
  い。
 ・精液は精子と精漿という栄養液から成り立っている。その成分は30%がたんぱく質で、あとは
  石灰分、ミネラル酵素を含んでいる水分だ。一方、女性の分泌液には、男性のカウパー腺液に相
  当するものとして、尿道口下の膣小前庭腺から出るバルトリン腺液がある。子宮のほうからは子
  宮顎管液という潤滑液を分泌することも知られている。されに、比較的最近わかったことでは、
  膣内の上皮細胞の毛細血管は薄く、穴が開いている構造だという。膣壁には、愛液の貯蔵庫らし
  き空胞も発見されている。女性が性的に興奮すると、そこから汗をかくように、糖たんぱくを含
  んだ粘性の液体が分泌されるわけだ。
 ・さて愛液のにおい、味だが、男性のそれは弱アルカリの成分からいっても苦くて辛味のある味と
  考えられている。男性性器千本以上を口に含んだ経験を持つ性感ヘルス嬢によれば、精液の味は、
  男性によって濃淡はあるが、「イカ臭い」「苦い」「甘い」に分類され、なかには「ぜんぜん味
  のしないものもある」という。
 ・女性の愛液のほうはといえば、ものの本によれば、「ゆで卵味」「チーズ味」「するめ味」「く
  さやの干物味」までいろいろあるようだ。ベテランAV男優によると、女性の愛液は「例外的に
  は甘酸っぱい液もあるが、平均していえばいい思い出はない」らしい。結論的にいえば「基本は
  どれも生臭い」という。
 ・膣の奥行きだが、膣入り口から子宮までの長さは日本人女性の平均で7~8センチ。個人差はほ
  とんどない。
 ・膣の長さとペニスの長さを比べれば、ペニスを根元まで挿入するのは本来無理なのだが、女性の
  体は興奮すると子宮を奥に押し上げる仕組みになっている。さらに、膣は円筒形ではなく上下に
  つぶれており、しかもきわめて伸縮性に富んでいるので、どんなサイズか形のペニスでも、すぐ
  に順応してフィットすることができる。
 ・女性の興奮が高まると、膣入口から三分の一ぐらいまでの膣壁は厚みを増してくる。簡単にいえ
  ば興奮時の膣は、「入口が狭く、奥が深い」状態になるわけだ。だから、どんなに大きなペニス
  でも受け入れつつ、締め付けることができる。
 ・ではなぜ、膣圧に不満を感じる男性が多いのか?それは膣壁が収縮するには「オーガズムに達し
  たとき」という条件があるからだ。膣入口から三分の一ぐらいまでの部分には強烈に感じるGス
  ポットがあるといわれており、膣は女性にとって最大の性感帯だ。オーガズムに達すると膣は内
  径が三分の一程度になるまで収縮して、ペニスを締め付ける。要するに不満タラタラの男性は、
  女性をオーガズムに導くだけの技量がないということだ。

「快感」には謎がいっぱい!
 ・ホルモンが性的な刺激によって盛んに分泌され、女性を美しくさせるというのは、高齢の女性で
  もいいセックスをしている人は、いつまでも若々しく、美しい人が多いということからも納得で
  きるだろう。さらに、いいセックスは精神的にもプラスに作用する。好きな人がいる。気持ちよ
  い時間を過ごすことができる。そう思うと毎日が楽しく、それがその女性の生き生きとした表情
  や動作となって表れてくるもの。また、ファッションやメイク、ヘアスタイルにも気を使うよう
  になり、そうした要素からも、その人は美しく輝いているように見えるようになる。そういう意
  味では、年齢に関係なく、よくセックスは美しくいられるための必須条件といえるだろう。
 ・また、セックスに限らず、恋をすると女性がきれいになるといわれるのは、脳下垂体から分泌さ
  れる「プロラクチン」というホルモンの作用によるところが大きい。
 ・セックスがダイエットに役立つというウワサの根拠は、食事によって血糖値が上がると興奮して、
  「もう満腹」という情報を発するのだが、セックスのときも同様に興奮して、いわば偽りの満腹
  感を覚えさせる。そのため、セックスで満足した女性はおなかも一杯になり、食べ過ぎが予防で
  きるというわけである。
 ・男性が甘い言葉をかけ、やさしく腕をなでたり、髪を触ったりなど、セックスの前段階としての
  ムードが高まるうちに、女性膣内にはいわゆる「愛液」が分泌されてしっとり濡れてくる。また
  同時に、膣内の内壁は厚く、また熱くなる。乳房の乳頭は勃起し、クリトリスまで勃起する女性
  もいる。おおむねこのような変化が現れるのが、第一段階の「興奮期」の特徴だ。
 ・続く段階は「平頂期」で、心臓の鼓動が速くなり、血圧が上昇する。彼女の呼吸が乱れてくるの
  は酸素不足のためで、さらにあえぐような息になってくると、快感の高まりにつれ、クリトリス
  が包皮の下にもぐりこみ、膣の入口の一部が盛り上がって「オーガズム・プラットフォーム」が
  できる。こうなると、そろそろクライマックスが近い。
 ・オーガズムに達すると、オーガズム・プラットフォームが絶頂感に合わせるように約0.6~
  0.8秒間隔で収縮し、子宮や肛門の筋肉も収縮を繰り返す。膣がけいれんしてペニスが抜けな
  くなる事故も、このオーガズム・プラットフォームが盛り上がりっぱなしになることで発生する。
  また、オーガズムの際には四肢がけいれんすることもある。ただし、オーガズムに達すると女性
  は皆失神するというのは俗説だ。失神するのは異常興奮による「脳貧血」によるもので、必ずし
  もオーガズムとは関係しない。
 ・オーガズム期が終わると、体がセックス前の状態に戻ろうとすうr「消退期」になり、収縮して
  上方に上がっていった子宮は下降していく。そのときに、女性は全身にうっすらと汗をかく、と
  もいわれる。このときの汗はダラダラと流れるのではなく、全身をうっすらと包む膜のようなも
  ので、「彼女がオーガズムに達したかどうか」を見分けるポイントのようだ。
 ・有名なハイト・リポートによると、百人の女性への質問で実に二十九人が「セックスでオーガズ
  ムが得られない」と答えている。なんと、オーガズムをいちども知ることなく、一生を終える女
  性も珍しくないということだ。
 ・これまた有名なキンゼイ報告では、セックスで最高のオーガズムを得られる年齢は男女異なって
  いることも指摘されている。男性は十五歳から二十五歳でもっとも強く感じ、女性は三十歳から
  三十五歳の間がピークだというのだ。
 ・彼女がオーガズムに達したかどうか見分けるもう一つの目安は、足の指の反応を見ることだ。女
  性の足の指をよく見ると、ひきつるように反り返っていることが多い。あの指の反応がバビンス
  キー反応というオーガズムに達したときのものなのだ。この反応は必ずしも足の指とはかぎらず、
  左右どちらかの足全体をクイクイと引きつらせたり、両足や手に力が入ったりする女性もいるよ
  うだが、似たような反射が起これば、まずまちがいなく感じている状態と考えたい。
 ・医学的統計によると、膣挿入から射精までの男性の平均時間は、六割が約3~5分といわれてい
  る。10分以上という人は全体の1割にすぎない。また、女性が挿入からエクスタシーに達する
  までの平均時間はだいたい10分以内といわれている。
 ・いわゆる「早漏」と呼ばれるものは、研究者によってまちまちで、挿入後30秒以内、1分半以
  内、2分以内ともいわれる。
 ・セックスの体位でいうと、男性が女性におおいかぶさる正常位は、オーソドックスな反面、射精
  のコントロールが難しいという。男性にとって正常位は、体全体の機能を攻撃的・活動的に向か
  わせる交感神経が活発にはたらく姿勢で、いわゆる早漏ぎみの人は「暴発」しやすいのだ。逆に、
  仰向けの姿勢ではそれとは逆の作用を持つ副交感神経が優位になる。つまり、持続時間に自信の
  ない人向けの体位とは、女性が上になる騎乗位ということになる。
 ・腹上死における本当の死因は、一位は心臓病、二位が脳出血、三位は大動脈破裂となっていて、
  いずれも血管にかかわる疾病だ。ということは、高血圧の男性は要注意だ。
 ・一回の平均的なセックスで消費されるカロリーは、男女とも20分間のジョギングに相当すると
  言われている。
 ・腹上死というと、「高齢」の「男性」というイメージだが、実はそのどちらもまちがいだ。いち
  ばん多いのは三十歳代で、次いで五十歳代の順だそうだ。仕事もバリバリこなし、体力的にもま
  だまだ若いと思っている三十歳代に「腹上死」が多いわけで、それも浮気現場のラブホテルで発
  生しやすいというから、課長が部下のOLを誘って不倫、なんてケースが浮かんでくる。また、
  女性の服上死の数も意外と多く、男性対女性の比率はおよそ6対1となっている。
 ・ずばり「バックスタイルは日本人向きの体位ではない」らしい。後背位があたまも女性に満足感
  を与える万人向けの体位であるかのように説くマスコミの風潮があるが、なんの根拠もなしにワ
  ンワンスタイルを勧めるのは犯罪的行為か、無知のなせるわざに等しいという。日本人向きでな
  いという理由はこうだ。日本人女性の膣はいわゆる「下つき」が全体の1割程度と意外なほど少
  なく、圧倒的に多いのは「上つき」だそうだ。上つき女性と後背位におよんだ場合、ただでさえ
  膣までの距離はほど遠く、あまつさえ女性のお尻にたっぷりついた脂肪が行く手を阻み、よほど
  の長竿でもないかぎりペニスは目的地に達しえない。
 ・男女ともに肥満の人は性感度が低いという。その原因は明らかに過剰な脂肪にある。
 ・肥満が誘因で引き起こされる病気には糖尿病がある。病状が進行した男性糖尿病患者の約半数が、
  なんらかの性障害を起こしている、という報告もある。そして、その約半数が末梢神経に障害が
  あって、性欲も湧かなければ、勃起もないというのだ。
 ・また、最近増えている隠れ肥満の人も要注意だ。体重はそんなに多くなくても、体脂肪が多けれ
  ば、立派な肥満だ。最近、なんだか性欲が湧かない、感じない、という人は、健康的なダイエッ
  トでピーク時の感度のよさを取り戻そう。肥満を放置してままセックスに励んでいれば、脳や心
  臓の血管に障害が生じて、腹上死の原因にもなる。
 ・女性にとってセックスは、体と同時に精神面についても大きな影響を与える。例えば、よいセッ
  クスライフを送っている女性は、いつまでも若々しく、きれいでいられる。これは、セックスに
  よって女性ホルモンの分泌が高まるためだ。と同時に、愛する人に抱かれることで、毎日が楽し
  く生き生きとしたものになり、自然に美しい表情になってくるのだ。
 ・長い間セックスをせずに年を重ねていくと、自分自身の若々しさを実感する機会が少なくなるた
  め、次第に気持ちが落ち込む傾向があるようだ。女性ホルモンの分泌も盛んでないので、卵巣機
  能も衰えて月経も不順になってくる。いわゆる更年期の状態に近くなるのだ。そうなると、性欲
  は次第に萎縮し、分泌液も少なくなってくる。
 ・ちなみに、久しぶりのセックスの場合は、初体験のときのように性交痛を感じる女性がいる。こ
  れは、女性器そのものに何か変化が起きたというよりも、分泌液がスムーズに出なくて、なかな
  か膣劇が潤わず、ペニスの摩擦で膣壁に痛みを感じるためだ。女性は男性と違って、基本的には
  高齢になってもセックスでさらに深い感覚を追求できるといわれている。いつまでも女性らしい
  美しさと若々しさを保つためには、よいパートナーとのよいセックスがとても重要なカギを握っ 
  ているのだ。