「これだけ違う男と女」 :渡辺淳一

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この本は渡辺淳一氏と3人の女性の対談形式で男女の性の違いについて語りあった内容であ
る。渡辺氏によって、男の性の本質、そして女性の性の本質が、実に深く解説されている。
そしてその解説は、不倫からセックスレスについてまで及ぶ。男女の恋愛について考えると
き、また恋愛にいて悩む人にとって、まさにバイブル的な本となると思う。

男とは動物のオスでもある
・セックスのような根源的な本能に近い部分では、人間の男も動物のオスに近い。本当は人
 間の男も犬や猫のオスと同じで、魅力的な異性を見たら、ともかくセックスしたい。それ
 も本音で言えば、セックスするだけであとは知らんぷりして逃げたい。
・やり逃げは猫のオスだけでなく人間も含めた、あらゆる動物のオスに共通した願望だけど、
 人間だけが、セックスしたメスとその後もずっと精神的、生理的にかかわっていくことを
 求められる。妊娠させた後、何十年も、妻子の面倒を見続けなければならない。そこに、
 人間のオスの本能に反して努めなければならない苦しさがある。
・性の原点で考えると、人間も動物であることに変わりはない。人間をすべての点で他の動
 物と分けて考えるのは、ある意味で思いあがりでもある。
・現代の人間でも七対三か、それ以上に理性より本能に従ってうごいている部分がある。少
 なくとも男は自分自身をふりかえって、やはり自分は動物のオスだと思うことが多い。本
 当を言うと、同じ人間の女性より動物のオスのほうに近いという意味で親近感を感じるこ
 ともある。
・人間の男だって、自分の群れを守っているよ。昔は外で獲物を取ってきたし、今は毎日一
 生延命働いて給料を家庭に運んでくる。他の動物に比べたら、人間のオスはがんばりすぎ
 なくらい、妻に会社に行ってお金を稼いでこい、されに家をしっかり守ってセックスもし
 ろと言われて。
・男というのは、そもそも嫉妬深い生きものだから、ライバルを落とすことなら、なんだっ
 てやる。自分が惚れていた女性を、部下にとられたりしたら、平気でその部下を左遷した
 りする。

女をさ迷う男の本音
・オスは少しでも多くのメスに精子をばら撒きたい本能がある。
・今五十歳から上の男なら、平均して2,3人は妻以外の女性と関わった経験があると思う。
・「源氏物語」というのは、妻のある一人の男が、同時進行で何人もの女性と付き合う、い
 わば壮大な不倫の物語。逆に言うと、ああいう物語を、不倫に厳しい女性たちが喜んで読
 むのが不思議でしょうがない。
・いくら好きでも、長く付き合えば知りすぎて飽きがくる。それでは、未知のものへの冒険
 良くは満たされない。緑の大地・東京に住んでいても、ときに南極や北極を旅してみたく
 なる。たまには、荒れた岩場なんかに登ってみたくなる。
・だいたい浮気しても、それほどいいことはない。エベレストや北極で、死ぬ思いをするこ
 ともある。だから、冒険の後は「いやあ、ひどかった」といって慌てて戻ってくる。本来
 の彼女のところで癒され、しみじみと家はいいと思う。でも少し休んだら、また行きたく
 なる。
・男の場合は、セックスの対象として、常にだれか欲しいわけだから。相手を好きかどうか
 とか、性格がいいか悪いかといったことより、自分の欲望を満たしてくれるかどうかが最
 大の課題。だから、好きな女性に逃げられたら、極端な話、セックスを許してさえくれれ
 ば、どんな女性にでも近づく。
・女性には男のように強い性衝動がないから、今日、男と関係しなくても、生きていけるで
 しょう。でも、男の性欲は狂おしいほどの衝動で、セックスなしでは生きていけないから、
 いかに相手を確保するかに真剣にならざるをえない。
・女性は恋愛において、オール・オア・ナッシングなところがある。だから、男のように、
 同時並行で、だらだらと付き合うケースは少ない。結婚している女性でも、夫以外に好き
 な人ができたら、離婚するパターンが多い。男の場合は、妻と愛人のどちらかを選べと言
 われても、なかなか答えを出さず、両方ともうまくやろうとする。
・男には、常に長期展望と短期展望がある。人生という長期展望では妻が大事だけれど、今
 現在の欲望という点では、彼女が大切。
・女性のほうが、恋愛に対する没入度が高い。それだけ一人の異性に集中できるからこそ、
 妊娠・出産という大事業にじっくりと取り組める。その点、男は集中力が分散しているか
 ら、一人の女性と延々と一緒にいるのは苦手。

愛情は大事だがお金も
・女性を口説くには、経済力を示すが一番と思っている男は多い。実際に、女性は高価なプ
 レゼントをもらったり、美味しくて雰囲気のいいレストランに連れて行ってもらったりす
 ることで、心を開くところがあるでしょう。
・なにも金銭や物品で女性の気持ちを自由にしようというわけではない。でも、はじめの頃
 は、経済的なものが、かなり有効と思っている男は多い。
・たいていの男は、女性を振り見向かせるのに、経済力はかなり重要なファクターだと信じ
 ているということ。男がそう信じるようになったのは、実際に、お金に惹かれている女性
 が多いからで。
・心を動かされることと、欲に目がくらむことは意外に近いかもしれない。
・男は手段はともかく、好きな女性を獲得したいだけで、女性がなびく理由が、自分の人柄
 だろうが経済力だろうが、とちらでもいい。それに経済力というのは、その男の実力だか
 ら。「おれの財力に惹かれた」ことは、「俺に惹かれた」と同じだと思っている。実際、
 世の中では、お金を持っている男が女性を獲得する率が高い。裕福な家庭の御曹司がもて
 るのも、経済力やその男の地位に女性が惹かれて集まってくるわけだから。
・光源氏に、あれだけの女性たちが憧れるのも、ハンサムで教養があって、やさしいという
 ことに加えて、天皇のご落胤という地位や経済力があったからである。
・それは人間として不自然なことではない。あまり好きな相手でなくても、ときにはお金や
 豊かな雰囲気に惹かれて、ふと恋に落ちたりする。そういうところが人間らしいところで
 もある。
・男が経済力で女性にアプローチしようというのは、現実に、女性がそれで男を評価するこ
 とが多いからで。女性は、男を評価する基本として、自分にどれくらいのお金を使ってく
 れたかを見ることがある。
・共働きの場合はそうでもないけれども、専業主婦にとって経済問題は深刻だ。夫の経済力
 によって、住む場所から子供の学校までさまざまなことが違ってくる。
・愛のない夫婦なのに離婚しないケースや、熟年になって別れる夫婦も、お金が原因である
 ことが多い。残念だけど、お金がないと愛が持続できないこともある。
・現実の生活というのは、ロマンだけでは処理できない。実際、専業主婦の中には生活を優
 先して、男女間の愛をギブアップしている人もかなりいると思う。

愛しているというのが苦手
・会話に対する男女の感覚はかなり違う。それでも若いうちは熱く愛し合っていたり、肉体
 的な好奇心から、男は女に合わせようとする。要するに女の機嫌をとろうするので、男女
 の違いが見えにくいけれど、ある程度年齢がいくと、差が際だってくる。夫婦でも、それ
 ぞれの重心が会社と家庭と、離れていただけに、中高年になるといよいよ話が合わなくな
 る。
・日本の文化の基本は、男性文化だから、鎌倉時代までは貴族文化が中心で女性的だったけ
 ど、室町時代以降、武士が力を持ってから、男性的な文化が主流になってしまった。武家
 屋敷とか、蔵のような和風建築を見るとわかるけど、デザインが単純で、ほとんど白と黒
 のモノトーンである。
・シラク大統領が日本に来て感動したのは、日本文化の中に男の感覚を見たからだと思う。
 ヨーロッパにも「シック」という価値観があるけれど、日本のように建築の隅々まで簡素
 を極めた文化はない。男性文化は、本来、引き算の文化だから。
・男はストイックで、求道的で茶道や俳句でいう「詫び寂び」のような価値観を持った男が
 作り出してきた。さらに、「晴耕雨読」とか、「ひっそりと庵を結ぶ」といった隠棲思想
 も男のも。男は女性に比べたら、虚無的というか、ニヒリズムの気配が濃い。
・欧米には、女性を先に車に乗せたり、レストランで椅子を引いたり、コートを着せてあげ
 たり、「レディファースト」の習慣がある。あれは、相手がどんな女性化に関係なく、女
 性と見たら無差別にやることが暗黙の了解事項になっている。若い娘だからとか、年配の
 立派なご婦人だからとか、相手を考えてやるのではなく、無差別にやるということは、特
 別な気持ちを入れないということ。
・訪米でいうホスピタリティというのは、心を入れないところで成り立っている。
・日本の男性は、真面目で照れ屋だから、本当のことしか言えないことも理解してあげない
 と。

前しか見ない女と過去を振り返る男
・子供のころから、「男の子は強いんだから、女の子に優しくしなければいけない」と教え
 られている。本当は逆なんだけど。子供のころにインプットされたことは、大人になって
 も変わらない。だから、女性と付き合って、別れを告げる時も、相手を傷つけないように、
 できるだけやんわりと伝えるようにする。
・だいたい男は女性より繊細で、些細なことに傷つきやすい。
・男は、そう簡単に、きっぱりと気持ちを切り換えることはできない。別れるときは、少し
 余韻を残しながら、徐々に疎遠になりたいと思っている。
・男は別れに関しては、あまりきっぱりとけじめをつけたくない。仮に自分から別れるとし
 ても、やはり余韻があったほうがいいし、できれば常にドアを開けておきたいと思ってい
 る。だいたい男は、女性よりずっと孤独に弱い。だから、形の上では別れたいけど、完全
 に断ち切ってしまうのはいやだし、いつ状況が変わらないともかぎらない。
・どちらから別れたかに関係なく、男は機会があれば、別れた相手ともセックスしたいと思
 っている。男が自分から輪からを切り出すのは、他に女性ができたから。そのときでも前
 の女性との間のドアは一応開けておきたい。男はセックスなしでは生きていけないから、
 万が一、新しい女性とうまくいかなくなったら、また前の女性に受け入れてほしい。逆に
 いうと、セックスの相手のキープ率の低い男ほど、自分から別れる率は低い。それに、男
 はできるだけたくさんのメスに精子をばらまきたい生きものだから、入口はできるだけ多
 いほうがいい。わざわざ自分からドアを閉じて、可能性を失うようなことはしたくない。
・別れに関しては、女性のほうがはるかに潔い。女性は、一つの恋が終わったら、二度とそ
 の男が入ってこられないように、ドアをきちんと閉じてしまう。
・それは、女性が、子供を産み育てる性だということに関係している。動物でも、メスは、
 妊娠、出産、子育ての最中は、ほとんどそれだけに集中する。少なくとも、また新しい種
 を宿すことができるのは、出産が終わってから。そういう意味で、女性の性は、万事がき
 っぱりと区切られていて、男のように、ドアが開きっぱなしということはない。
・それに、男のそういういい加減さが、世の中をうまく動かしているところもある。だいた
 い世の中の情勢は常に変わる。もしも、女性のように、物事をすべてきっぱりといずれか
 に決めてしまったら、世の中の流れに対応できない。
・政界でも会社でも、だれかのことを「こいつはダメだ」なんていいきって、その後、立場
 がなくなる。
・はっきりいいきってしまったら、後で修正することができない。だから、男は、自分の言
 ったことが決定的にならないように、いつも気をつけている。
・これは、男が社会おなかで長年生きてきて培ってきた知恵。男のいい加減さは社会性の表
 れでもあるし、大抵の男はそれを、男女関係にも持ち込む。
・男は常にまわりや先のことを考える。それは社会で長く生き抜いていくための知恵だし、
 自己保存の能力でもある。
・女性は男に比べて、圧倒的に過去の断ち切り方が厳しい。それに対して、男はいつまでも
 昔の女性の思い出を大切にしている。
・女性は自分から別れた相手に徹底して冷たい。それ一度離れたらノーリタン、二度と戻っ
 てくることはない。そういう意味で、女性は常に前向きに生きる性、男は振り返る性だと
 いえる。

不倫は全体許せないし、しないという女性
・中国では、「不倫」といったら近親相姦のことで、日本でいう不倫は「婚外愛」で倫にも
 とる、という感じはそれほどないようだ。
・それ恋愛が不倫だから、必ずだれかを傷つける、と考えるのはちょっと短絡的かも。もし
 かしたら、妻は自分も不倫をしていて、夫が帰らないのを喜んでいるかもしれないし、子
 供も父親がいなくて、のびのびしているかもしれない。
・それに恋愛というのは、とにかく愛が深まれば深まるほど、どこかでだれかを傷つけてい
 ることが多い。逆にいうと、だれも傷つけない恋愛なぞ、まずありえない。
・人間社会では、だれかがいい地位を獲得したら、どこかに失う人もいるかもしれない。
・とにかく不倫であればすべて人を傷つけて、そうでなければだれも傷つけないという単純
 な問題ではない。だれも傷つけずに生きていけないし、傷つけられたり傷つけることで人
 間は成長していく部分もある。
・もし既婚者があなたとつきあったら、圧倒的な愛はあなたに注いでいると思う。妻とは戸
 籍が入っているから、わざわざ別れないだけ。形式的なものや安定感を求めているだけで、
 体の関係はないかもしれない。
・実際に生きている男女は、そんな論理的なものではなく、グレーゾーンがたくさんある。
 だいたい多くの男は、一人の女性に百パーセントの愛を注げるわけではない。それは一時
 的にはあっても、いつまでもというのは難しい。要するに、一人の男に集中していく女性
 の愛とは、愛の形が違うということ。それに不倫は、そもそも相手のすべてを取り込む関
 係ではない。
・現実に、四十代、五十代の男が家族に慰謝料を払って別の女性と結婚するのはきわめて難
 しい。だからこそ、男は大変な努力をして愛やエネルギーやお金を、彼女に捧げている。
 それを認めず、それだけではいや、といわれたら、男はさっていくよりなくなる。
・結婚しているとか独身とかは、あくまでも形式で、必ずしも愛の本質とは関係ない。愛と
 いうのは、相手の状況がどうであれそれを超えてさまざまなことを許していくもの。すご
 く好きなら、相手が結婚していても、それを含めて許せるはず。

不倫で満足する男とそれでは不満な女
・会社の中で、上司と部下が恋愛関係になるのは不倫の中でも一番多いパターン。同じとこ
 ろで仕事をしながら長く一緒にいるから、どうしても恋愛感情が芽生えやすい。
・そういう意味で、会社は不倫の温床かも。手近なところで近づくという意味で、社内不倫
 は不倫の中でも一番イージーなパターンだけど、同時に、一番自然な形でもある。男と女
 が長く一緒にいたら、互いに惹かれあうのは当たり前だから。
・でも、社内不倫の場合、始めるのは簡単でも、終わらせるのは難しいです。
・男が望むのは、その女性との恋愛を同じ状態で続けること。不倫の場合、常にある一定の
 制約があるわけで、その範囲では、一生懸命、彼女を愛したい。週に一度会ってロマンチ
 ックな時間を過ごしながら、「これは不倫だ」という危険な興奮の中で肉体的にも精神的
 にも燃えたい。。勝手なことをいうと、あり時間、その興奮の中で過ごせればいい。今あ
 るものを壊してまでそこに没入しようとは思わない。本音をいえば、「不倫という素敵な
 状態を、できるだけ長く楽しもう」ということで、それを相手の女性にも理解してほしい。
・女性は恋愛が深まると独占欲が出てくるし、関係が長引くほど、さまざまな末広がりの欲
 望をもつようになる。この男性と一緒になりたいとか、子供を産みたいとか。でも、それ
 を口に出して言われたり、あからさまに求められると、男も「最初の漢字とは違う」と困
 惑する。
・ふりんをしているときは、男も、ほとんど妻とセックスはしていない。だいたい、結婚し
 て何年かたったら、セックスレスになっている夫婦がほとんどで。
・不倫というのは、ある種の微妙なバランスで成り立っている。それを壊しては元も子もな
 くなる。要するに、微妙な関係だから、男は女性に惚れて燃えるわけで、そのためには、
 相手の結婚生活がそこそこうまくいっていたほうが都合がいい。むしろ避けたいのは、そ
 の女性と夫がもめて、別れたりして、自分に降りかかってくること。愛が高じて彼女が夫
 を拒否するようになったら、家庭内トラブルが起き、そこから二人の関係が壊れることに
 なる。
・ほとんどの男は不倫という関係を持続したいだけで、その相手と結婚したいと思う例は、
 少ない。男の人生で一番大切なのはまず仕事で、そこに自分のキャパシティの半分以上を
 捧げる。恋愛に対する比重が男女ではまったく違うから、ここはなかなかわかってもらえ
 ないかもしれない。
・男の論理からいうと、不倫相手という意味ではオンリーワンなので、彼の細やかな愛情は
 セックスへの情熱は、圧倒的に彼女のほうに捧げている。好きな女性とセックスしている
 ときは、妻とのときとは比べものにならないほど情熱的に懸命に尽くしている。

女が男を独占したくなるとき
・女性には、今も「結婚は人生のゴール」という意識が強い。ところが、不倫の場合、どん
 なに長くつきあっても、先にゴールが見えてこない。そういう状態が長く続くと、最初は
 そんな素振りを見せなかった女性が、あるときから「結婚」を口にするようになる。不倫
 中の女性の八割ぐらいが、結婚を意識するんじゃないかな。
・不倫をしている男は、いくらその女性に惹かれていても、今の結婚を解消してやり直すだ
 けの勇気はないから「結婚して」と迫られたら、途端に逃げ腰になる。
・男はどんなに燃えている相手とでも、「この人がすべて」とは思わない。他に仕事も大事
 だし、それにいつか飽きるかもしれない、という予感にとらわれる。
・女性に結婚願望が強いのは、結婚が「独占」という幸福をもたらしてくれるからだと思う。
 しかし男にとって、そんな状態はいささか苦痛でもある。だいたいある女性と二人きりで
 長いこと閉じ込められたらペニス君はたたなくなる。あれは不安定で危険な状態のときに
 逞しくなるもので。だから、男は不倫のままでいたい。
・男は、そこまで恋愛にはまらない。というより、はまり込めない。不倫をしていても、自
 分が苦しくなったり、仕事や生活に差し障りが出そうになったなら、「これ以上はやめて
 おこう」と制御し始める。
・男と女ではそもそも恋愛に注ぐ情熱の量が違うということ。もちろん男も不倫をすれば真
 剣に相手を愛し、尽くそうとする。ただ男が燃えるといっても、温度て言えばお風呂にち
 ょうどいい四十度前後かな。そこが、突然100度に沸騰して、何もかもひっくり返そう
 とする女性は根本的に違う。だいたい男は、セックスは好きだけど、恋愛はあまり好きで
 はないから。

男はすべてマザコンである
・男というのは、基本的にマザコンといっていい。男だけでなく、人間はそもそもマザコン
 で、人はみな母親から生まれてお乳をもらって育つ。
・母親にとって、息子は異性でしょう。たとえ親子でも、異性は相惹かれ合うものだから。
 お母さんが自分の子供のオチンチンが、かわいくてたまらないというけれど、それも見方
 によっては一緒の異性愛で。
・母親との関係の中で、異性愛の部分まで満たすようになる。お母さんの膝枕で寝るという
 のもそれに近い。具体的な性行為がなくても、精神的な母子相姦のような状態は意外に多
 い。大人になっても、女性を好きになれなかったり、口説けない男には、このタイプが多
 い。
・男というのは、外見が強くてたくましいから、自立していると思われがちだけど、中身は、
 いつまでたっても甘えん坊で、自立できない男も多い。
・男の子にとって、母親はある意味でマリア様のようなもの。だから、母親が、父親以外の
 男とセックスしているのを想像するくらい嫌なことはない。

恋愛とは二人で望ましい関係を作っていく過程
・男の本性からいったら、一生一人の女性とだけセックスして、その人だけ愛し続けるのは、
 かなり無理な要求かも。

「萌え」ブームの裏に潜む男の性欲
・男には下方願望があって、自分より立場が下の相手のほうが強くなれる。その意味では、
 今は男にとって受難の時代。本人は、従順な女性に優しくかしずかれたいと願っているの
 に、そんな女性はどこにもいなくて。
・かつてはある年齢になったら、親が決めた相手と結婚することが多かった。でも、今は自
 由恋愛が花盛りで、それぞれが相手を自由に選ぶようになった。いわゆる恋愛結婚で、一
 般的にはそのほうがいいといわれるけど、自由恋愛になると必ずかたよる。
・若い男はナイーヴだから、恋愛につまずくとますます落ち込んで暗く、そしてねちっこく
 なる。そうすると、ますます女性にもてなくなる。

ひざまずく女を求めてさ迷う男たち
・愛の基本には「敬愛」がないと。昔は女から男への敬愛があったのに、今は「愛」はあっ
 ても、「敬う」部分がなくなってしまった。本当は、相手を敬うところがなければ、男女
 の愛は持続しないものだけど。
・昔のような半ば強制的な結婚の仕方が崩れて、みんな自由になった。しかしその分、男女
 関係において相手が当たらぬ人が増えてきた。現在は情報が多すぎて、男女ともに理想の
 ポイントが高くなり過ぎている。くわえて、女性が強くなったのを目のあたりにして、男
 はすっかり怯えてしまったし、女性は圧倒的に尊敬できる相手を見つけられないで困って 
 いる。
・女性は毅然とした律儀な性だから、いやなものはいやだと、頑として扉を開けない。

男を発情させる女の罪
・現代の男は苦労が多い。満員電車に乗ったら、目の前に肌をあらわにしたいい女がいる。
 触りたいのを、ぐっと我慢して、電車を乗り換えると、またいい女がいて。満員電車に乗
 るだけでも疲れるのに、発情を抑えることにもエネルギーを費やして、会社につくころに
 はヘトヘト。
・今は女性がどんどんオープンになってきて、体の線を強調したり、肌をあらわにするよう
 になっている。そういう女性たちがどこまで意識をしているのか知らないけど、やたら男
 たちを刺激して、ストレスを与えているのはまちがいない。
・セクシーな格好をして街を歩いている女性の多くは、不特定多数の目を意識しているんじ
 ゃないのかな。そのあたり、意外と確信犯だと思う。
・男が発情しやすい生きものであるように、女性の中にも、男を発情させたいという欲望が
 潜んでいる。

適応障害をめぐる女と男の違い
・本人の性格的な問題もあるけど、病院までいかずに済むかどうかは、いかのうまくストレ
 スを発散できるか否かにかかってくる。ただ男の場合、何世紀にもわたって外で仕事をし
 ているから、それなりに発散の場所も多い。むしろ今は女性のほうがストレスを溜めてい
 るのかもしれない。
・夫婦間にもさまざまな適応障害が起きてくる。そのまま放っておいて、さらに悪化すれば、
 離婚に至ることもある。そこまでいかなくても、家庭内離婚とか、セックスレスといった
 問題を抱える予備軍はかなり多いかも。
・男は女性と比べものにならないほど、社会的な生き物で、常に地位や名誉を求めて努力し
 ているから、同僚が自分より先に出世して部長になったら、たちまち適応障害を起こして、
 うつ病になったりする。

親子相姦の予備軍たち
・アメリカは男女平等が進んだために、かえって男が暴力的になった。男女平等とは、会話
 も平等になったということ。でも、言葉だけで戦ったら男は女性には勝てない。

今流行の「純愛」は「幼稚愛」
・多くの男はある女性を好ましく思ったら、まずその女性とセックスしたいと願う。セック
 スをして初めて、自分がその人をさらに強く求めていけるかどうかが判断できるわけで、
 セックスした上で相手が好きなら、そこから本物の愛になっていく。実際、セックスがよ
 くなかったら、それ以上、面倒なことをしてまで続けようとは思わない。そういう意味で、
 セックスは二人の相性の重大なテストでもある。
・セックスというのは、前戯から後戯まで含めて、その人の感性や教養、身につけた躾とい
 ったバックグランドが、すべて出てしまうものだから、性を交わして初めて、その人の実
 像がわかるわけで、それを拒否したら、いつまでも仮の姿しか見ていないことになる。そ
 こには、必ず妄想と錯覚がある。
・主人公の男女のあいだにセックスがない、あるいは描かれていないここと。最近は、マス
 コミがそういう男女関係を「純愛」と呼んで、とくに女性が夢中になっている。でも、高
 校生が淡い恋のような、セックス抜きのプラトニックラブな関係を「純愛」というのは、
 あまりにも考え方が幼いと思う。
・肉体関係のない愛は、愛の内容がきれいごとすぎて幼いという意味で、「純愛」というよ
 り、むしろ「幼稚愛」と呼んだほうがいいかも。
・セックスをして初めてお互いの本当の姿がわかる。だから、成熟した男女の間では、セッ
 クスしていない場合は、恋愛の入口に近づいただけにすぎない。しかし、日本人は男女の
 間に肉体関係があると、「いやらしい」とか「不潔」ときめつける。なぜそういう表現に
 なるのかというと、昔からセックスは卑しい、忌み嫌うべきものという意識があるから。
・往々にして性的体験の貧しい母親は、セックスのもつ怖さも良さも両方わかっていない。
 今のようにセックスが開放的になる前には、一般の女性の性的経験はかなり乏しかった。
 自分の性的な成熟度が低いから、むやみに男と関係するのは悪いことだという意識がある。
 だから、それを娘にもおしつけすぎて。
・若い女性が憧れるならわかるけど、四十代、五十代、六十代になっても、恋愛のイメージ
 がそういう形でしか考えられないのは少し淋しい。清く美しい関係だけが純愛というのは、
 少女時代の感覚から一歩も出ていない。

「これが最後の恋」といって迫る男たち
・実際に浮気している男は意外と少ないと思う。浮気をするのは、心身ともに、そして経済
 的にも大変だから。一人の女性の心をとらえておくには、セックスはもちろん、一緒に過
 ごす時間を作ったり、素敵なレストランに行ったりプレゼントをしあっり、努力をしない
 といけない。何かと要求度が高いうえに、少し手を抜くと逃げられる。たいていの男は、
 浮気といってもせいぜいソープやピンクサロンのような、いわゆる風俗に行くのが多いと
 思う。
・結婚生活を維持しながら、他の女性とセックスしたいなら、もう少し人妻に近づいたら、
 いいんじゃないかな。
・人妻の場合は、お互いに家庭があるから、自制するところがある。とくに夫に不満という
 か、やや醒めている人妻は多いから、そういう人に接近したらどうかな。条件が対等だか
 ら。
・女性の場合、嫌いな男とはセックスできないし、好きな男でも、「この一人」というふう
 にターゲットが絞られる。でも、男は幸か不幸か間口が広くて、それほど好きでなくても
 セックスはできる。それだけ生理的な誠実度が薄いから、妻一人だけセックスして終わる
 のは、損をしたような気がする。もう少し別の女性ともしたい、このままじゃ死にきれな
 いと。
・これだけ夫婦がいても、性的に圧倒的に満たされているカップルは稀で、ほとんどは、男
 も女もどこかで物足りなさを感じている。そういう状況でもっと素敵な相手がいると、そ
 ちらに走るのは充分考えられる。夢を捨てきれないのは、男も女も同じかもしれない。
・定年になり年金生活に入れば、経済力はガタッと落ちる。定年後の男は、限りなく自由な
 時間はあるけど、基本的に自身がない。五十代は、前途にそういう自分の姿が見えてき
 て、府何になってくる頃で、定年後に女性を落とすのはむずかしそうだから、今のうちに
 キャッチしなければと焦っている。
・男の精神状態や行動は、常に地位や仕事と関係している。五十代は男も女もむずかしい時
 期で、よくいう更年期障害も、もとをたどれば、異性にもとなくなって精神的に落ち込む
 ことが一つの原因でもある。そういう落ち込みは、ときに鬱病やがんの原因にもなること
 もある。
・男はタテ社会で生きているぶん、心を許せる友人も少ない。自営業はまだしも、サラリー
 マンは地位も人間関係も会社に依存しているうえに、年齢を重ねるほど定年というストッ
 プラインが見えてくるから焦りも大きい。でも、家庭の中では、一家の主として威厳のあ
 るふりをしなければならない。

なぜチャールズ皇太子はカミラ夫人に惹かれたか
・地位のある女性の子供にはマザコンが多い。満たされないものを求めるのは、自然の成り
 行きだし、男の中には強くて大胆な部分と、猛烈にひ弱で甘えん坊の部分がある。
・容姿の美しさや若さより、性的な相性やそれに伴う安心感、あるいは母性的な包容力が男
 ごころを捉える。

性の深さと妖しさ
・不倫をする妻たちには、夫との性的な関係に不満がある人が多い。
・今の生活に不満でないけれど、性的なものを含めて、どこか物足りなさを感じている。そ
 ういう日常を超えたところで、新鮮な刺激と充実感を味わいたくなった。恋愛をすると、
 生きているという圧倒的な充実感が得られる。
・ふりんをしている妻は、していない妻より、人生を三倍ぐらい楽しんでいると思います。
・男もマメでないと、妻と愛人の間を行き来することはできない。愛人をつくる男はそもそ
 も異性の扱い方が上手で、家でも妻を満足させられるケースが多い。
・結婚したからといって、一人の異性だけのために生きることは少し酷である。男性が浮気
 をするように、女性も夫以外の男性とワクワクする関係を楽しみたいと思うのは自然かも
 しれない。
・最近の妻たちの不倫は、家庭は家庭で維持しながら、そのときどきのアバンチュールを楽
 しむようなものに変わってきている。これならだれでもできるし、いつでも引き揚げられ
 る。
・妻たちが不倫を楽しめるようになったのは、社会が変わってきたからでもある。今は不倫
 が一般化して、どんどん目に見えるようになってきた。
・本来、不倫というものは、そういう代償を払う危険が常にある。そうならうずに、グレー
 の状態でいられるのは、かなり恵まれているわけで、グレーという色はあいまいな分だけ、
 複雑な味わいがある。黒か白かの単色を求める人には、そういう奥深さは味わえない。見
 方が変わったら、あいまいさや選択肢の多い人生は、それだけ豊かな人生だともいえる。

不倫ではなく婚外恋愛を
・「夫以外の男性に心を惹かれたことがある」という妻は全体の三割くらい。さらにそのう
 ちの約三割がセックスまでしているというから、全体の一割近くが、夫以外の男性とセッ
 クス経験を持っていることになる。妻以外の女性と関係したことのある夫は全体の二割弱
 で、妻のほぼ倍になっている。
・「夫以外の男性とセックスすることに対して、後ろめたさはないか」という質問に、妻の
 六割が「ない」と答えている。妻への後ろめたさが「ない」と答えた男は五割。妻のほう
 が、夫への後ろめたさや罪悪感を感じる割合が低い。
・夫の浮気率は、年々落ちている。今の男は、総体的に元気がない。わざわざ面倒なことを
 したくないし、妻が怖いとか、会社の仕事にエネルギーをとられていることもあって、か
 つてのように積極的に浮気をする男は減っている。
・このまま妻の浮気率があがると、どこかで「妻の婚外恋愛」が「男の浮気」を超えるかも
 しれない。

セックスレスは男の責任?女の責任?
・男の性的ボルテージが一番高揚するのは、未知なるものにチャレンジするとき。初回が一
 番燃えて、回数が重なるにつれレベルダウンする。そのまま億劫さと倦怠感が増して、つ
 いには負担となる。
・男にとって、すでに関係した女性とさらに関係を重ねるのは、そんなにいいことではない。
 とくに疲れていたり、気乗りしないときには、むろんしんどい。
・女性は基本的に、愛する発想から肉体的な快楽まで、すべてが末広がりにできている。セ
 ックスについても、最初は険悪や拒絶に近い状態からはじまって、しだいになじんて性感
 が高まっていく。ところが、男という性は、何に関しても初めが強くて先細りになってい
 く。性的な欲望も回を重ねるごとに下がっていく。女性の上昇ラインと男の下降ラインが
 結婚の頃ちょうどぶつかって、その後、どんどん上下に離れていく。そこに、セックスレ
 スの問題が出てくる。
・アメリカやフランスでは、自分の妻が他の男から狙われたり、あるいは自分が人妻を狙う
 のは常にありうる危険というか、ときめきである。だから、夫婦の間に常に緊張感がある。
 妻が他人から女として見られることが刺激になるし、うかうかしていると奪われる、そう
 いう危機感があるから、自分のもとにとらえておこうと。そこで男もマメにセックスする 
 ようになる。
・外国に比べたら、日本は人妻の不倫に対する目が厳しい。

セックスという名の労働
・都会の妻の中には、家庭を壊さない程度のほどよい不倫を楽しんでいる人も少なくない。
 妻が四十代半ばくらいなら、夫はもう五十に近い。その年代の夫たちは、万が一、妻の浮
 気に気づいても、見て見ぬふりをすることもある。
・男の性は、単純にできていて、一人で自慰するだけでも、それなりに性的快感が味わえる。
 介助者なしで快感を獲得できるという意味で、自立した性だともいえる。ところが、女性
 が圧倒的に快感を得るには、男というパートナーが必要になる。相手が必要という意味で
 女性の性は自立していないというか、より複雑にできている。

誰かに聞いてほしい男の孤独
・男の場合、心を許して話せる友人がいるのは、せいぜい大学時代まで。社会に出たら、友
 人といっても、ほとんどが仕事関係の知り合いで、プライベートなことは話せないし、話
 したくない。
・多くの男は心を開いて話せる相手がいない。常に孤独だということが中高年の男の最大の
 問題でもある。
・男にとってのやすらぎの場は、自由に何でもできるところで、夫たちは普段は会社でしき
 りに気を遣って、出世のために上司におべっかいをいったり、ときには嘘をついたり。本
 音で話せる相手がいないし、自分の欲望も、表面上は極力抑えている。だから、家にいる
 時ぐらい、外ではできないことを思いっきりしたい。でも、現実には妻がいてできない。

最後は妻に戻る男の本音
・そもそも離婚には、膨大なエネルギーがいる。ほとんどの男は、いったん家庭をつくって
 しまうと、それを壊して、一から出直すほどのエネルギーがない。
・男というのは口説くためにかなりのことまでいう。妻以外に彼女が欲しいから、そのため
 には、相当心地よいことをいう。
・恋愛にのめり込む期間はせいぜい最初の一、二年。あとは、だいたい惰性になっていく。
 そうして慢性化したら、妻との離婚まで進むケースはほとんどない。
・馴染んで安定した妻との生活を保ちながら、愛人との刺激的な関係も楽しみたいというの
 が男の本音。にもかかわらず、安定した生活を捨てて再婚するのは、相手の女性がよほど
 素敵か、妻との関係がよほど悪いかの二つに一つである。
・一般的に、女性は一度に一人の男しか愛せないけど、それだけに、一度その男に興味を失
 ったら、見事に捨てていく。すねてオール・オア・ナッシングで、常に前だけ見て、過去
 を振り返らない。でも、男は複数を同時に愛せて曖昧な分だけ、常に過去を振り返る。男
 を理解しようと思ったら、このあたりのことも覚えておいたほうがいい。
・女性は、一度出ていったら、それきり後ろを振り返らない。浮気しても、相手の男にのめ
 り込んで、離婚までいくケースも多い。それだけ愛においてはきっぱりとして潔い。しか
 し男という生きものは、見かけによらずひ弱で、自立していない。

定年とともに変わる夫婦の関係
・定年になった男は、家庭しかよりどころがない。仕事もないし、会社の人間関係も切れて、
 孤独感や喪失感が強い。
・日本の男は、食事の支度から洗濯まで、母親か妻にやってもらってきたから、一人で生き
 ていく術を身につけていない。
・今の日本の男たちは総じて経済力がない。奥さんが家計を握っていて、夫は、そこから毎
 月お小遣いをもらうのが一般的。給料も振り込みだし、かなり高額な給料をもらっている
 サラリーマンでも、自分名義の金を持っていて、自由になる人は意外に少ない。

別れる理由に追い付けない現代の民法
・結婚というのは、狭い家の中で一緒に暮らす制度で。だから、些細なことが、耐えがた嫌
 悪に結びつく。男は昼間会社に行っているし、そもそも異性に対して生理的な嫌悪を感じ
 ることが少ないから、軽く考えているけれど、男より潔癖な女性にとっては大問題になる。
・このような人間の変化に、法律がまったく追い付いていない。それで、結婚のような身近
 なことに、いちばんゆがみが出てきている。そろそろ、これまでの「一夫一婦制をもとに
 した結婚」という制度も、耐用年数が切れたんじゃないかな。離婚するために、膨大なエ
 ネルギーを使うより、新しい結婚の形を考えたほうが、現実的で未来志向だと思う。

「愛の流刑地」にみる究極の愛のかたち
・男には、好きな女性から身も心も捧げて慕われたい、あらゆる利害を超えて熱く愛された
 いという願望がある。
・既婚の男が恋愛にのめり込めば、会社の地位を失ったり、妻に責められたり、大変目に遭
 う。とくに日本は先進国の中でも、不倫への規制が強く、会社や妻にわかったら重大事で、
 それだけに懸命に自己規制している。でも、一度でいいから、本物の恋をして燃えたいと
 いう願望はみんなもっていると思う。
・結婚して夫と性的な関係があっても、快感やエクシタシーなかった。でも、不倫相手は自
 分を本当に快くしてくれて、初めて女性としての悦びや幸福感を味わえた。
・女性が一人の男によって本当のエクスタシーを知らされたら、そうそう他の男に目移りは
 しない。
・男と女では、性的な快感の大きさと深さがまったく違う。もちろん、男も写生の瞬間はそ
 れなりの会館はあるけど、自分を失ってしまうほど強烈な、狂って死にたくなるほどのエ
 クスタシーというものではない。
・軽い気持ちで始めても、気づいたら、「一人の男しか愛せない」という女性の生理に支配
 されて一途になる。女性が一人の男に集中するとか、男お性欲が強くて常に女性を求めて
 いるといったことは、千年前から少しも変っていない。
・男女の性には計り知れないほどの違いがあって、しかも愛は論理を超えたところにある。

さまざまな結婚形態の時代がきた
・そもそも結婚のメリットは、大きく分けて三つ。まず自分の子孫を残す。それから、だれ
 かと寄り添って安心感を得る。さらに男にとって大きいのは、性的欲望を安定的に満たせ
 ること。しかし現実には、男は結婚するとセックスしなくなるし、若いころは寄り添う相
 手がいなくても気にならない。だから、子供を産むことを考えなければ、結婚のメリット
 は低くなっている。
・これからは、五十歳を超えた熟年世代に、お互いを支え合えるような結婚が増えるかもし
 れない。そのころから、男女とも心身が弱ってくるから。
・今の日本では、ほとんどの人が一夫一婦制を信奉しているけど、どこかに、決められた枠
 を壊したいという不満と欲望があると思う。一夫一婦制は、男だけでなく、女性の生理に
 も反している。女性は、そのときどきで、ベストな相手をとらえようとする本能があるか
 ら。
・今の制度では、基本的に結婚したら、男も女も生涯、その人だけを愛し、その人だけとセ
 ックスをしなさいというわけで、考えてみると恐ろしい制度でもある。とくに、今の一夫
 一婦制が問題なのは、全員が同じことをするように決められてしまうところ。
・男女の関係でも、結婚という形にこだわって、大切なものを見失いたくない。それより、
 人間として信頼し合って、深く長く関係を築きたい。
・これからの男女の関係は、もっと自由でいい。結婚したい人はすればいいし、したくない
 人はしなくていい。婚外恋愛を楽しむ人もいれば、浮気は絶対にしないという人もいる。
 もちろん、結婚と離婚を繰り返す人もいると思う。どんな選択をする人がいても、お互い
 に認め合い、受け入れていく。
・私が気になるのは、女性はいつも自分中心で、男性の身になって考えないことです。夫が
 自分を認めてくれないとか、大事にしてくれないと不満を溜めている人が多いのですが、
 男女がこれだけ違うのですから、もっと相手の立場でも考えたほうがいい。