日本の平均労働分配率はどの程度?

Q.日本の平均労働分配率はどの程度?

日本の平均労働分配率(付加価値のうち人件費が占める割合)は、計算方法や対象範囲(全経済 vs. 企業部門、雇用者報酬 vs. 総人件費)によって異なりますが、主に内閣府の国民経済計算(SNA)に基づくマクロ経済指標として約50%前後(雇用者報酬/国民総所得ベース)と約70%前後(要素費用表示の国民所得ベース)の2つの目安が用いられます。近年は低下傾向にあり、2022年度時点で以下の通りです。主要な指標と推移(内閣府・労働政策研究・研修機構データ)
年次
雇用者報酬/国民総所得 (%)
雇用者報酬/要素費用表示の国民所得 (%)
2005
47.9
66.7
2010
48.4
69.3
2015
46.6
66.9
2018
48.7
69.9
2019
49.5
71.4
2020
50.6
74.7
2021
49.9
73.4
2022
49.7
73.2

  • 説明: 上記は日本全体の経済活動を反映した値で、雇用者報酬(給与・賞与など)を基に算出。2022年度が最新の公式値で、全体として低下傾向(特に2010年代後半以降)。ただし、企業部門に限定するとさらに低く、2023年度の大企業(資本金10億円以上)では38.1%(過去最低)、中小企業では70.1%(1991年以来の低水準)と報告されています。
2024年度の見通し財務省の法人企業統計に基づく予測では、2024年度の労働分配率は53.9%と、1973年度以来51年ぶりの低水準となる見込みです。これは企業利益の急増(内部留保636兆円超)に対し、賃金還元が追いついていないことを示しており、賃上げの好循環が課題となっています。 これらの値は業種や企業規模により変動します(例: 製造業は低め、非製造業は高め)。詳細は内閣府や厚生労働省の公式統計を参照してください。



Q.海外のの平均労働分配率は?

海外の平均労働分配率の概要海外の平均労働分配率(labor share of income、付加価値やGDPのうち人件費・雇用者報酬が占める割合)は、国や計算方法(雇用者報酬ベース vs. 総労働報酬ベース、調整済み vs. 非調整)により異なりますが、OECD加盟国全体の平均で約**55-60%**前後と推定されます。これは、1980年代以降の低下傾向(グローバル化・技術進歩・資本集中の影響)を反映しており、2022年時点の最新データではOECD平均が約58%(調整後)と報告されています。 米国や欧州諸国では50%台後半が多く、発展途上国では自営業者の影響で高め(60-70%)になる傾向があります。日本(約50%)と比較すると、海外先進国は若干高めですが、全体として低下が共通課題です。主要国・地域の比較(2022年最新データ、OECD/ILOベース)以下はOECD主要国および一部の参考値の労働分配率(labor income share、雇用者報酬/GDP比率、調整済み値)です。データはOECD StatやILOの国際比較から抽出・推定したもので、年次変動があります。
国・地域
労働分配率 (%)
備考(推移・傾向)
OECD平均
58.0
2022年。1980年代の65%から低下。技術偏向型資本蓄積が主因。
米国
58.4
2019年基準値(2022年推定同水準)。2000年以降5-10%低下、資本利益増大。
ドイツ
57.2
2021年。製造業中心で安定も、EU平均並みに低下。
フランス
59.5
2021年。社会保障強化で高め、2022年微減。
英国
56.8
2021年。Brexit影響で変動大、2022年低下。
イタリア
55.1
2021年。南欧低水準、債務圧力で賃金抑制。
カナダ
57.9
2021年。資源依存で変動、2022年安定。
オーストラリア
58.2
2021年。鉱業ブームで高め、2022年微増。
韓国
54.3
2021年。日本並みに低く、財閥集中が要因。
中国(参考)
52.0
2022年推定。非OECDだが、急速低下(2000年60%→現在50%台)。
インド(参考)
45.0
2022年推定。自営業多で低いが、GDP成長で変動。

  • 説明: 上記は主に「調整済み労働分配率」(自営業者の労働分を推定含む)で、OECDのUnit Labour CostsデータやILOの労働所得シェアに基づきます。2023年データは一部未公表ですが、インフレ・賃上げ影響で微増傾向(例: 米国+0.5%)。 低下要因は共通で、自動化・グローバルサプライチェーン・金融化(資本収益優位)です。EU全体平均は約57%(2022年)。
2023-2024年の見通しと課題2023年はインフレ下で名目賃金上昇も、実質ベースで多くの国(ハンガリー-15.6%、ラトビア-13.4%)で下落、労働分配率の回復が遅れています。 OECD予測では、2024年にAI・グリーン移行でさらに1-2%低下のリスクあり。一方、欧州の最低賃金引き上げ(フランス・ドイツ)で反転兆しが見られます。日本(49.7%)より高い水準ですが、賃金還元不足はグローバル課題。詳細はOECD StatやILOの最新報告を参照ください。