天皇のことを現人神と言った人

Ｑ．天皇のことを現人神と言ったのは誰ですか？

天皇を**「現人神（あらひとがみ）」と称したのは、日本の歴史や思想においてさまざまな文脈で用いられてきましたが、特にこの表現を定着させた人物としては本居宣長（もとおり のりなが）**が挙げられます。

本居宣長と「現人神」

本居宣長（1730年 - 1801年）は江戸時代の国学者で、『古事記伝』などの著作を通じて日本の神話や伝統を体系化しました。彼は天皇を「現人神」として神聖視し、日本の国体を支える思想を唱えました。

他の関連する用例

  • 平安時代から中世にかけても、天皇は神の権威を持つ存在とされてきましたが、「現人神」という表現が強調されるのは近世以降です。

  • 明治時代になると、国家神道の確立により、天皇を「現人神」とする考え方が強化されました。

  • 第二次世界大戦後、昭和天皇が「人間宣言」（1946年1月1日）を行い、「現人神」の概念を否定しました。

このように、「現人神」という表現は日本の思想史の中で重要な意味を持ち、特に本居宣長によって広められたものと考えられています。



Ｑ．明治時代に天皇を現人神とする考え方を強化したのは誰ですか？

明治時代に天皇を「現人神（あらひとがみ）」として神聖視する考え方を強化したのは、国家神道の確立に関わった政治家や思想家、軍人、神道家たちです。特に以下の人物が大きな役割を果たしました。

1. 福羽美静（ふくば びせい）

  • 明治政府の神道政策に関与し、国家神道の基盤を築くのに貢献しました。

  • 神道を国の中心的な宗教とする政策を推進し、天皇を現人神とする思想を広めました。

2. 井上毅（いのうえ こわし）

  • 明治憲法（大日本帝国憲法）の起草に関与し、天皇を神聖不可侵の存在とする規定を定めました（第3条：「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」）。

  • これにより、天皇が神聖な存在であり、国民が敬うべき対象であるという思想が法律として明文化されました。

3. 平田篤胤（ひらた あつたね）

  • 直接の明治期の人物ではありませんが、幕末に本居宣長の国学を発展させ、天皇を神として崇拝する思想を強調しました。

  • 彼の思想は明治時代の国家神道の形成に影響を与えました。

4. 大久保利通（おおくぼ としみち）

  • 明治政府の指導者の一人であり、神道を国教とし、天皇を「現人神」として崇める政策を推進しました。

5. 山県有朋（やまがた ありとも）

  • 軍部の指導者であり、天皇を絶対的な存在とする軍国主義的な思想を確立しました。

  • 天皇の神聖性を強調することで、忠誠を国民に求める体制を強化しました。

6. 北白川宮能久親王（きたしらかわのみや よしひさしんのう）

  • 神道の国家的な統制を進める動きに関与し、天皇の神格化に寄与しました。

7. 国家神道の制度化

  • 内務省や神祇官の政策として、全国の神社を統制し、天皇を神として崇める国家神道の仕組みを作り上げました。

結論

明治時代に天皇を「現人神」とする考え方を強化したのは、一人の人物ではなく、明治政府の指導者（福羽美静、井上毅、大久保利通ら）、国学者（平田篤胤ら）、軍部（山県有朋ら）、そして国家神道を推進した政策全体によるものでした。




Ｑ．安倍晋三は陸奥国の安倍氏の血脈を継いでいますか？

安倍晋三元首相が陸奥国（現在の東北地方）の**安倍氏（阿倍氏）**の血脈を直接継いでいるかどうかについて、歴史的・系譜的な明確な証拠はありません。

安倍晋三氏の家系

安倍晋三氏は、山口県の政治家一族である長州・安倍家の出身です。安倍家は、江戸時代に長州藩（現在の山口県）で藩士を務めた家柄であり、明治時代以降は政治家を多数輩出しています。

安倍家の系譜をさかのぼると、戦国時代から江戸時代にかけて長門国（現在の山口県）に定着した武士の家系とされています。しかし、それ以前の詳細な系譜については、確実な記録が残っていません。

陸奥国の安倍氏とは？

陸奥国の安倍氏は、平安時代に東北地方（現在の岩手県・宮城県）で勢力を誇った豪族で、特に**前九年の役（1051年〜1062年）で源氏と戦った安倍貞任（あべのさだとう）や安倍宗任（あべのむねとう）が有名です。この安倍氏は、奈良時代から続く古代氏族「阿倍氏」**の一族とされています。

安倍晋三氏は陸奥・安倍氏の子孫か？

安倍晋三氏の家系と、陸奥国の安倍氏の家系が直接つながっているという確実な証拠は存在しません。ただし、以下の可能性は考えられます。

  1. 同じ「安倍（阿倍）」姓を持つことから、遠い血縁関係の可能性

    • 古代氏族の「阿倍氏」は全国に広がり、さまざまな地域で「安倍」姓が生まれました。山口の安倍家も、この系統のどこかに属している可能性はありますが、陸奥・安倍氏との直接のつながりは証明されていません。

  2. 戦国時代以降の武士の家系で、陸奥から長州に移った可能性

    • ただし、安倍晋三氏の先祖については江戸時代以降の記録が中心であり、それ以前の詳細は不明です。

結論

安倍晋三氏が陸奥国の安倍氏の直系の子孫であるという証拠はなく、単なる同姓の可能性が高いです。ただし、奈良時代の「阿倍氏」までさかのぼると、遠い血縁関係がある可能性は否定できませんが、それを証明する歴史資料や系図は現時点では存在しません。