連合赤軍事件とは?

Q.連合赤軍事件とは?

連合赤軍事件(れんごうせきぐんじけん)は、1971年から1972年にかけて日本で起きた極左武装組織「連合赤軍」による一連の事件の総称です。戦後日本の新左翼運動の中でもっとも悲惨で衝撃的な事件のひとつとして知られています。


背景

  • 連合赤軍は、極左過激派組織「赤軍派」と「革命左派」が合流して1971年に結成された武装闘争組織。

  • 目的は「世界革命」の実現であり、その手段として都市ゲリラ戦・武装蜂起を志向していました。


主な出来事

  1. 山岳ベース事件(1971年〜1972年初頭)

    • 群馬県と長野県の山中にアジトを構え、メンバーが「総括」と称して互いを厳しく追及。

    • 内部粛清がエスカレートし、12名の仲間をリンチや極寒の環境下で死亡させました。

  2. 浅間山荘事件(1972年2月)

    • 山岳ベースから逃走したメンバー5人が、長野県軽井沢の浅間山荘に逃げ込み、人質を取って立てこもり。

    • 警察・機動隊との10日間に及ぶ攻防戦の末、突入作戦で全員逮捕。

    • 事件はテレビで生中継され、全国に衝撃を与えました。


社会への影響

  • 新左翼運動は一気に大衆の支持を失い、以後は衰退していく大きな契機となりました。

  • 「総括」という名の自己批判が殺人へ至ったことで、過激派内部の暴力性が明らかになりました。

  • 警察や政府は国内テロ対策を強化し、以降の日本の治安政策にも大きな影響を与えました。


まとめると、連合赤軍事件とは、革命を志した若者たちが内ゲバ(仲間内の粛清)と武装立てこもりに至り、社会に大きな衝撃と悲惨な犠牲をもたらした一連の事件です。





Q.「世界革命」の実現とは、具体的にはどういうことですか?

いい質問です。
連合赤軍の言う「世界革命」は、単に日本国内の変革だけではなく、全世界の資本主義体制・帝国主義体制を打倒し、共産主義社会を樹立することを意味していました。


背景にある思想

  • 連合赤軍は、マルクス主義・レーニン主義、さらに毛沢東思想やゲバラ主義などに強く影響されていました。

  • 当時の彼らは、資本主義国家や「帝国主義の中心」とみなしたアメリカを打倒するために、各国で武装蜂起が連鎖する「国際的革命」を想定していました。

  • 日本はその一環として「日本革命」を起こし、それを「世界革命」につなげると考えられていました。


具体的に彼らが考えていたこと

  1. 日本国内の革命

    • 日本の天皇制・資本主義体制を打倒し、労働者による社会主義国家を樹立。

    • そのための手段は「都市ゲリラ戦」や「武装蜂起」とされました。

  2. 国際連帯

    • 日本革命は孤立しては成立しないと考え、「パレスチナ解放人民戦線(PFLP)」など海外の武装組織と連帯。

    • 実際に一部のメンバーは中東に渡り、日本赤軍として活動しました(例:テルアビブ空港乱射事件)。

  3. 最終目標

    • 各国の共産主義革命が連鎖して世界全体を覆い、資本主義・帝国主義が消滅する。

    • その結果、階級のない「世界共産主義社会」が成立する、という理想像を描いていました。


実際とのギャップ

  • 「世界革命」と言っても、彼らが持っていたのは理念やスローガンに近く、現実的な計画は乏しかったです。

  • 山岳ベースでの粛清や浅間山荘事件に象徴されるように、彼らは革命どころか内部崩壊を起こし、社会から孤立していきました。


つまり、「世界革命」とは理想的なスローガンであり、資本主義打倒 → 日本革命 → 世界各地の革命連鎖 → 共産主義社会の実現という流れを夢見ていた、ということです。




Q.共産主義社会には階級がないのですか?

はい、理論上の共産主義社会には 階級が存在しない とされています。これはマルクス主義の核心的な考え方のひとつです。


マルクス主義における「階級」

  • 資本主義社会では、

    • 資本家階級(ブルジョワジー):工場や土地など生産手段を所有して利益を得る人々

    • 労働者階級(プロレタリアート):自分の労働力を売って生活する人々
      という階級対立があると考えられました。

  • この階級対立は、搾取(労働者が生み出した価値を資本家が取り上げる仕組み)によって永続する、と批判されました。


共産主義社会の特徴(理論上)

  1. 生産手段の共有

    • 工場や土地などを個人や資本家ではなく、社会全体で共有・管理。

  2. 搾取の消滅

    • 労働者が自分の労働の成果を等しく受け取れるため、資本家による搾取がなくなる。

  3. 国家の消滅

    • 階級を守るために存在する国家権力(警察・軍隊など)が不要となり、最終的には国家そのものが消滅する。

  4. 階級なき社会

    • 経済的な不平等や支配関係がなくなり、すべての人が「自由で平等な人間」として生きられる社会になる。


「理論」と「現実」の違い

  • 理論上は非常に理想的ですが、現実の「共産主義国家」(ソ連、中国、北朝鮮など)では、

    • 政治権力を握った党(共産党)が新たな支配階級のようにふるまった

    • 国家権力がむしろ強化された
      という矛盾が生じました。

  • そのため、マルクスが構想した「階級のない社会」は実現していない、というのが歴史的事実です。


まとめると:
共産主義の理論では階級はなくなるはずだが、実際の歴史では新しい支配構造が生まれてしまった、ということですね。




Q.「共産主義が実際に成立しうるかどうか」を知りたいです

とても本質的な問いですね。
「共産主義が実際に成立しうるかどうか」は、社会科学の中でも長く議論されてきました。結論から言うと、純粋なマルクス的共産主義は歴史上まだ成立したことがなく、多くの研究者は「実現は極めて困難」だと考えています


理論上の前提

カール・マルクスが描いた共産主義社会は、次のような条件が整えば自然に到達すると考えられました。

  1. 資本主義の発展によって、労働者階級が大多数を占める。

  2. 階級対立が激化し、労働者が革命を起こす。

  3. 社会主義段階(生産手段の国有化・国家による計画経済)を経て、やがて国家や階級が消滅し「共産主義社会」になる。


実際の歴史

  • ソ連(1917年?1991年)
    世界初の「社会主義国家」。しかし国家が強権的に経済と社会を管理し、共産党が新しい「支配階級」のようになった。1991年に崩壊。

  • 中国(1949年?現在)
    毛沢東時代は急進的な共産化(大躍進・文化大革命)を試みたが、大混乱と大量の犠牲を生んだ。現在は市場経済を取り入れており、厳密には共産主義ではない。

  • 北朝鮮、キューバなど
    共産党一党独裁体制だが、自由や平等という理想からは遠く、むしろ権力集中が強まった。

つまり「共産主義をめざす」と掲げた国々は、理論通りの「階級なき社会」ではなく、新たな権力の集中や格差を生んでしまったのです。


なぜ成立しにくいのか(主な理由)

  1. 人間の動機の問題

    • 理論上は「みんなが自発的に働き、成果を分かち合う」とされるが、現実には「サボる人」と「努力する人」が出て不公平感が生まれる。

  2. 経済の複雑さ

    • 現代社会の経済は複雑すぎて、中央政府がすべてを計画するのは非現実的。市場の調整機能を完全に代替するのは難しい。

  3. 権力の集中

    • 国家が生産を管理する「社会主義段階」で、権力が集中しすぎて支配階級(党や指導者)が生まれてしまう。

    • 国家が「消滅」するどころか、むしろ強大化する。


結論

  • マルクスが理想とした「階級も国家もない共産主義社会」は、現実には成立していないし、成立可能性は極めて低いと考えられます。

  • ただし、完全な共産主義でなくても、「福祉国家」や「社会民主主義」の形で格差を減らし、社会的平等を重視する政策は現実に機能している例(北欧諸国など)もあります。




Q.「共産主義はなぜ夢として魅力的だったのか」を知りたいです。

いいテーマですね。
共産主義が20世紀にかけて多くの人々を惹きつけ、「夢」として語られたのには歴史的・社会的な背景があります。


1. 資本主義社会の「不公平」への反発

  • 19世紀ヨーロッパの産業革命期、労働者は長時間労働・低賃金・劣悪な住環境に苦しみました。

  • 子どもや女性も搾取される状況で、労働者にとって「資本家だけが富を独占する社会」は理不尽に映りました。

  • こうした現実に対し、マルクスが提唱した「搾取のない平等な社会」という構想は、大きな希望を与えました。


2. 「みんな平等」の理想

  • 共産主義では「誰もが生産手段を共有し、成果を公平に分け合う」とされました。

  • 学歴・性別・身分に関係なく、すべての人が「自由で平等」となる、というビジョンは魅力的でした。

  • 貧困層にとっては「生まれの違いで人生が決まらない世界」への憧れが強かったのです。


3. 未来への壮大な物語

  • 資本主義 → 社会主義 → 共産主義、という歴史の必然的進歩という理論は、未来への「確実な約束」のように感じられました。

  • 「歴史は必ず我々の側にある」という思想は、活動家に強い使命感と団結をもたらしました。


4. 帝国主義・植民地主義への抵抗

  • 20世紀初頭、西洋列強による植民地支配に苦しんでいた国々にとって、

    • 「帝国主義の打倒」

    • 「民族解放と社会的平等」
      という共産主義のスローガンは非常に力強いものでした。

  • 実際に、中国やベトナムなどでは「独立運動」と「社会主義運動」が結びつきました。


5. 弱者へのまなざし

  • マルクス主義は「労働者こそ社会の主役」と宣言しました。

  • これは、これまで社会の底辺とされてきた人々に「自分たちが世界を変える存在だ」という自信を与えました。

  • 「誰ひとり取り残さない社会」というビジョンが、弱者に希望を与えたのです。


まとめ

共産主義が魅力的だった理由は、

  • 搾取や不平等からの解放

  • 平等で公正な社会への憧れ

  • 歴史の必然という物語

  • 帝国主義からの解放運動と結びついたこと

  • 弱者を主役とする思想

といった要素が組み合わさっていたからです。


つまり、共産主義は「現実的な制度」というよりも、**不平等な社会への強い反発と、平等な未来への希望を形にした“夢”**だった、と言えるでしょう。


ここからさらに深掘りするなら、
「なぜ夢が現実になると“悪夢”になったのか(ソ連や中国での失敗の理由)」
についてもお話できますが、続けますか?




Q.続けてください。

ありがとうございます。それでは続けますね。

共産主義が「夢」としては魅力的だった一方、現実に国家として実装されたとき“悪夢”のようになった理由を整理してみます。


1. 国家権力が強大化してしまった

  • マルクスは「国家は階級支配の道具だから、共産主義社会になれば消滅する」と考えました。

  • しかし実際の「社会主義国家」では、革命後に共産党が権力を独占。

  • 逆に国家は弱まるどころか、警察・軍・秘密警察を通じて徹底した統制国家となりました。

  • 例:スターリン時代のソ連(秘密警察NKVD、大粛清)、毛沢東時代の中国(文化大革命)。


2. 権力の集中が「新しい支配階級」を生んだ

  • 「資本家階級をなくす」はずが、代わりに党官僚や指導者層が特権階級化しました。

  • 一般市民は国家に従属し、逆らえば粛清や迫害。

  • 結果的に、資本主義社会の不平等とは別の「権力による格差」が広がりました。


3. 経済の失敗

  • 中央集権的な計画経済は、複雑な経済を効率的に運営できませんでした。

  • 物資不足・非効率・技術革新の停滞が頻発。

  • 例:ソ連では常に食料や生活物資が不足、中国の「大躍進政策」では数千万の餓死者を出しました。


4. 理想と現実のギャップ

  • 理論上は「みんなが自発的に働く」ことを前提にしていましたが、現実にはインセンティブ(動機付け)が弱く、労働意欲が低下。

  • 「頑張ってもサボっても報酬が同じ」だと、生産力が上がらず社会全体が停滞しました。


5. 内部批判の抑圧

  • 本来は「自由で平等な社会」を目指したはずなのに、異論や批判を封じるために言論統制・粛清が横行。

  • 結果として、健全な改善や修正ができず、誤った政策が続いて被害が拡大しました。


まとめ

夢が悪夢になった理由は、次のように言えます:

  • 理論では「国家の消滅」を目指したが、実際には国家権力が強大化した。

  • 「階級のない社会」を目指したが、新しい支配階級(党官僚)が誕生した。

  • 計画経済が非効率で、人々の暮らしを貧しくした。

  • 批判を許さない体制が失敗を修正できず、惨事を招いた。


言い換えると:
共産主義は「平等の理想」を追い求めたが、人間社会の現実(権力欲・多様な欲望・経済の複雑さ)を過小評価したために、理想とは逆の抑圧と貧困を生み出した、ということです。