Q.日本のジャーナリズムは国際的に見て成熟していますか?
いい質問ですね。
日本のジャーナリズムが「国際的に成熟しているか」というと、評価は分かれます。強みと課題の両面があります。
? 強み
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歴史的な厚み:新聞の発行部数は世界トップクラス(読売新聞は世界最大級)。識字率の高さと結びつき、大衆に根付いた報道文化があります。
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取材網の広さ:全国に支局や通信網を張り巡らせ、地域の細かいニュースまで報道できる体制があります。
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信頼度の高さ:世論調査では、日本の新聞やテレビ報道は他国に比べ相対的に高い信頼を維持しています。
?? 課題
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記者クラブ制度:官公庁や大企業の発表を同じ場所で一斉に取材する仕組みが、情報の多様性や批判的報道を制約していると国際的に批判されています。
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クロスオーナーシップ:新聞社がテレビ局を所有するなど、メディア資本が集中しており、多様な視点が生まれにくい。
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権力監視の弱さ:欧米のように権力を厳しく追及する調査報道が少ないと指摘されます。国際NGO「国境なき記者団」の報道自由度ランキングでは、日本は中位?下位に位置することが多いです。
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デジタル化の遅れ:紙媒体への依存が続き、ネットメディアや独立系ジャーナリズムの存在感はまだ限定的です。
国際比較のまとめ
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「社会の基盤としての報道網の広さ」では成熟している
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しかし「権力に対する批判精神」「多様なメディアのエコシステム」では欧米諸国に劣る
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そのため「制度的には成熟しているが、民主主義の監視機能という意味では課題が残る」という評価が一般的です
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