Q.銀河系内には、知的生命体はどのぐらいいますか?
銀河系内に存在する知的生命体の数については、現時点では正確な数はわかっていません。しかし、科学者たちは「ドレイクの方程式」という推定モデルを使って、その数を見積もろうとしています。
ドレイクの方程式(Drake Equation)とは?
以下のような形で、銀河系内に存在する**通信可能な知的文明の数(N)**を見積もります:
N=R∗×fp×ne×fl×fi×fc×L
-
R*:銀河系内で1年間に誕生する恒星の数(約1〜3個/年)
-
fₚ:その恒星に惑星が存在する確率(現在はほぼ1に近いとされる)
-
nₑ:その惑星系の中で生命が誕生できる環境の惑星の平均数(約0.1〜1)
-
fₗ:生命が実際に発生する確率
-
fᵢ:知的生命体に進化する確率
-
f:通信技術を持つ文明にまで発展する確率
-
L:そのような文明が通信可能でいる期間(年)
推定はどうなるの?
この方程式に使う数値はまだ非常に不確かですが、科学者によっては以下のような推定もあります:
-
楽観的な見積もり:数千〜数万の知的文明
-
悲観的な見積もり:地球だけ(= 1)
じゃあ、なぜ見つかってないの?
これは「フェルミのパラドックス」と呼ばれる問題につながります。
「宇宙はこれだけ広く、文明が存在する確率も高いのに、なぜ私たちはまだ誰とも接触できていないのか?」
これに対しては色々な仮説があります:
-
文明の寿命が短い
-
地球が早すぎる or 遅すぎる
-
技術の差がありすぎて検出できない
-
わざと沈黙している(「沈黙の宇宙」説) などなど
Q.推定値を計算してみてください。
いいですね!それでは、ドレイクの方程式を使って銀河系に存在する**通信可能な知的文明の数(N)**をざっくり推定してみましょう。
仮の値を設定してみます:
記号 |
意味 |
推定値(例) |
R∗R∗ |
年間に誕生する恒星の数 |
2 |
fpfp |
恒星に惑星がある確率 |
1.0 |
nene |
生命が存在できる惑星の数(恒星あたり) |
0.4 |
flfl |
生命が実際に発生する確率 |
0.33 |
fifi |
知的生命体に進化する確率 |
0.01 |
fcfc |
通信可能な文明になる確率 |
0.1 |
LL |
文明が通信可能でいられる年数 |
10,000 |
方程式に代入:
N=2×1.0×0.4×0.33×0.01×0.1×10,000
計算してみましょう:
N=2×1×0.4×0.33×0.01×0.1×10,000
N≈2×0.4×0.33×0.01×0.1×10,000
N≈0.8×0.33=0.2640.264×0.01=0.002640.00264×0.1=0.0002640.000264×10,000=2.64
0.264×0.01=0.00264
0.00264×0.1=0.000264
0.000264×10,000=2.64
結果:約2.6文明
この仮定では、銀河系に通信可能な知的文明が2〜3ほど存在しているということになります。
もちろん、これらの値はすべて推定であり、特に
・fl(生命の発生確率)
・fi(知的生命に進化する確率)
・L(文明の寿命)
などは極めて不確かです。これらを変えると、結果も大きく変わります。
たとえばL を1,000年にすると N ≈ 0.26。つまり地球だけって結論にも。