MRI検査は危険ですか?

Q.MRI検査は危険ですか?

MRI(磁気共鳴画像)検査は、一般的には非常に安全と考えられています。強い磁石と電波を使って体の内部を撮影するもので、X線やCTのような放射線を使用しません。そのため、放射線被ばくの心配はありません。


MRI検査で注意が必要なケース

以下のような場合は危険になる可能性があります:

体内に金属がある場合

強力な磁場のため、金属が引き寄せられたり、機器に影響が出る可能性があります。

  • 心臓ペースメーカー、ICD(埋め込み型除細動器)

  • 人工内耳

  • 金属クリップ(脳動脈瘤クリップなど)

  • 金属製の人工関節・プレート・スクリュー等

  • 体内の磁性異物(事故で体内に金属片が残っているなど)

MRI対応(MR対応・MR条件付き)かどうかを事前に必ず確認する必要があります。


造影剤使用時の注意

造影剤を使う検査では、まれに次のような問題があります:

  • アレルギー反応

  • 腎機能の悪い人に起こる可能性のある腎性全身性線維症(極めてまれ)

腎臓の病気がある場合は、検査前に血液検査で確認します。


その他の不快感

  • 音が大きい(耳栓やヘッドホンを使用)

  • 閉所恐怖症の方は不安やパニックを感じることがある(薬などで対応可能)


まとめ

項目 内容
放射線被ばく なし(安全)
金属の危険 条件によっては危険、事前確認が必須
造影剤リスク まれに副作用
その他 大きな音・狭さによる不快感

結論

MRIは基本的に安全で、重大な合併症は非常にまれです。
体内金属の有無や体調に応じて注意すれば安心して受けられます。


必要であれば、

  • どんな金属が安全か

  • 閉所恐怖症の対策

  • 造影剤が必要かどうか

なども詳しく説明しますので、教えてください。




Q.造影剤が必要かどうかについて説明してください。

造影剤(ガドリニウム造影剤)を使うかどうかは、撮影する部位や目的、病気の疑いによって医師が判断します。
造影剤を使うことで血流や病変の性質がよりはっきり写り、病気の診断精度が大きく向上する場合があります。


造影剤を使う主な理由(使うと有利になるケース)

部位・状況 理由・メリット
脳腫瘍や転移の疑い 腫瘍の境界や広がりが鮮明に見える
脳梗塞・脳炎・多発性硬化症 炎症や血管の状態がわかりやすい
脳動脈瘤・血管の病気(MRA) 血管の形や狭窄を詳細に確認
がんの転移・再発の評価 腫瘍の血流や活動性を判断
肝臓・すい臓・腎臓など腹部臓器の腫瘍 良性・悪性の鑑別がしやすい
骨や関節の腫瘍・炎症 炎症範囲や腫瘍の性質を確認

? **「異常がある可能性が高いとき」「詳細な鑑別が必要なとき」**に使用されることが多いです。

造影剤が不要なケース(使わなくても十分な場合)

状況 理由
椎間板ヘルニア・腰痛の多く 通常のMRIで十分に判定可能
骨折や靱帯損傷の評価 造影剤なしで描出できる
脳の初期検査(頭痛・めまいなど) まずは非造影で確認
定期フォローで明らかな変化がなさそうな場合 不要と判断されることがある

造影剤が使えない/慎重に判断される場合

  • 重度の腎機能障害

  • 過去に造影剤アレルギーを起こしたことがある

  • 妊娠中(特に初期は慎重)

医師が事前に血液検査や問診で安全性を確認します。


結論

造影剤は、「より正確な診断が必要なとき」だけ使う

  • 必要な場合 → 精度が大幅に上がる

  • 不要な場合 → 造影剤を使わずに安全に撮影


もしよければ、

  • 検査予定の部位(例:脳、腹部、膝など)

  • 検査目的(例:腫瘍の疑い、腰痛、頭痛)

を教えていただければ、造影剤が必要になる可能性が高いかどうかもう少し具体的に説明できます。




Q.腰痛と下肢の痛みのために腰部の検査です。

腰痛と下肢の痛み(坐骨神経痛のような症状)での腰部MRI検査については、
多くの場合、造影剤は必要ありません。


造影剤が不要な理由

腰椎や椎間板、神経の圧迫の状態は、造影剤なしのMRI(非造影MRI)で十分に評価できることがほとんどです。

診断に役立つ典型的な所見:

  • 椎間板ヘルニア

  • 脊柱管狭窄症

  • すべり症

  • 椎間関節の変形

  • 神経の圧迫状態(神経根圧迫)

  • 靱帯の肥厚

これらは造影剤を使わなくてもはっきり描出できます。


造影剤を使う可能性がある例(例外)

腰痛や下肢痛でも、以下のようなケースでは造影剤が必要と判断されることがあります:

造影が必要になる場合 理由
手術後の再発の評価 再発ヘルニアと瘢痕組織の区別が必要
腫瘍・炎症・感染の疑い 腫瘍や膿瘍の広がりの評価
原因が不明で、重大な病気を精査する場合 非造影MRIで異常が見えないとき追加検査

結論

腰痛や下肢放散痛の検査としての腰部MRIは、通常は造影剤不要

特殊な疑い(腫瘍・感染・術後評価など)がある場合のみ造影剤を使用する


アドバイス

検査前に「造影剤は使いますか?」と聞くと、
医師はあなたの症状や既往から説明してくれるはずです。

もし不安があるなら、

  • 腎臓病の有無

  • 過去に造影剤や薬でアレルギー症状があったか

を伝えるとより安全です。


よろしければ、
手術経験の有無
痛みが始まった経緯や期間

を教えていただければ、考えられる病因についても解説できます。